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病弱で生意気な美少女つぐみ。 彼女と姉妹のように育った海辺の小さな町に帰省した私は、 まだ淡い夜の始まりに、つぐみとともにふるさとの 最後のひと夏を過ごす少年に出会った――。 少女から大人へと移りゆく季節の、二度とかえらない きらめきを描く、切なく透明な物語。 〈第二回山本周五郎賞受賞作〉 *著者のエッセイを増補した新版。
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Posted by ブクログ
小説の中でひとつの夏を過ごした感じがした。 極度の自己中で不平不満を撒き散らすようなつぐみだが、彼女の心の中は計り知れないほど豊かで彼女独特の感性、感情がある。 そんなつぐみにも一目を置かれている(?)、まりあの視点で描かれているため、嫌な奴だけど魅力的に映っているのかなとも思う。 電話の第一...続きを読む声、「よう、ブス」とても良かった。 笑い泣きした。 また来年の夏も読みたい。
いい本に出会えたなーと思った。 いとこ同士のつぐみとまりあの関係が(たぶん本人達が思っている以上に)なんだか素敵で眩しい。 海で、つぐみとまりあの父親との軽快な軽口がとても印象に残った。 再読したい本。
吉本ばななの中では最高傑作と個人的には思ってる。何回読んだかな。10回くらいは読んでると思う。つぐみがね。ホント可愛いんだよね。
夏になると読みたくなる一冊。 始まり方も好き。 これを読んでると海辺の街に小旅行へ来ている気持ちになれる特別な一冊。
文章も情景も本当に美しかったです! そういえば以前、TUGUMIに憧れて西伊豆に旅行に行ったことや、つぐみに似ている女の子のことを思い出しながら読んでいて、少し切ない気持ちになったりしました。
夏を感じられる小説って聞いて、読んだ。つぐみの性格が気持ちが良い。あと切ない描写がとても上手だなぁと読んでて思った。旅行と並行して読んでいたので、尚更不思議な感覚と、目の前にありありと情景が浮かぶ書き方だった。キラキラ輝く海水浴の様子とか、浴衣を着る様子、花火を見に駆けていく様子とか鮮明だった。
海x夏x夕陽 主人公がある夏、最後の帰省で過ごした海辺の町での出来事が描かれている。 相変わらず描写が美しい。脳内がうっとりする。 起きていることは些細なことなのに、情景がこうも心に残るのは、さすがばななさん。 痛快なつぐみ。 自分の中の「悪い自分」を解放したいときに読むのも◎ 毎年夏になっ...続きを読むたら読もうと思う。
小学生の頃に読んだことは覚えていたものの、肝心の内容はすっかり忘れていた。 それでも読み始めたら海辺の町の夏の空気感を思い出してとても懐かしく感じた。 海辺の町で過ごしたことなんてないのに。 作中から受けた印象と、幼かった私自身が経験したもう戻ることの出来ない親族と過ごした夏の思い出が混ざり合ってで...続きを読むきた、捏造された懐かしさ。 かつては私もつぐみだったし、まりあだったし、陽子ちゃんだったのに、今はもう彼女たちの母親と同じくらいの年齢の母親になってしまった。 変わっていくことの、儚さ、寂しさ、悲しさ、そして強さを思った。
めっちゃキレイな表現が多くて良かった! あの特別な日とかじゃない突然来るドキドキする夜私も好きだからその気持ちめっちゃ分かるーってなった!!!つぐみに会いたいなーってなった! 電車の時間を間違って1分乗り遅れて特急乗ったんだけどちょーど夕方で空もキレイでめっちゃいい時間で乗り遅れてラッキーーー!
初吉本ばななさん!女性作家好きとしてずーっと読みたいと思っていたのです。 嫋やかで優しくて、なんだか朗読したくなるような文章でした。 だけどその心地良さの中に、抜きん出た周囲の人や物事、気持ちに対する観察眼が詰まっていて、なんていうかもっと周り見て過ごそうとしみじみ感じました。 『確かにつぐみは、...続きを読むいやな女の子だった』 書き口からつぐみは亡くなったものとばかり思っていましたが、気丈に生き抜いてくれていたんですね。 ひと夏の出来事が、本当にまりあの思い出の中で輝いている一幕だったんだと思えました。 つぐみにとっては、この先超えなければならない山の一つかもしれませんが… まりあより長生きして、「お前が先に逝くなよ」 って憎まれ口叩きながら泣いて欲しい〜(妄想と願望) それにしてもつぐみの口の悪さが想像の斜め上すぎて笑 意地悪な女口調かと思いきや、余裕で田舎のヤンキーばりの口の悪さでした笑 つぐみに限らずセリフは昔の口調ですが、地の文は現代に近くて、それがいいバランス感で心地よかったです。 時代背景も相まって、浮気相手側で幸せな家庭を築く母親と娘(まりあ)もなかなか珍しいなぁと思いました。 ●とくに朗読したい文書たち ────── 『母は決してつよい人ではないが、無意識につよさを心がけているようなところがあった』 『海とは不思議なもので、2人で海に向かっていると黙っていても、しゃべっても、なぜかどっちでもかまわなくなってしまう』 『都会では人はいったい何に向かって「平衡」をおもうのだろう』 『私はふいにつぐみにピントが合ってしまったような、妙に切ない気持ちになった』 『しかし、そのときどんなに楽しいつもりでいても、後からおもいでを振り返ってみると、その夜の闇や電柱やゴミ箱のかげばかりがじんと暗くよみがえってくることがある。今思うと、その夜は本当にそうだった』 『人生は演技だ、と私は思った』 『ひとりの人間はあらゆる段階の心を、あらゆる良きものや汚いものの混沌を抱えて、じぶんひとりでその重みを支えて生きてゆくのだ。まわりにいる好きな人達になるべく親切にしたいと願いながら、ひとりで。』 『いつでも実のないことをぐにゃぐにゃ考えているだろう。気弱なくせにお高くとまっている〜〜〜』 『処女の情にほだされてうっかり結婚しちまった女殺のような気分』 『君は気骨があるから、ずっとここにいても、世界中を旅している奴よりたくさんのものを見ることができるよ』 『それは秋も冬もそうだったのに、振りかえるといつも夏だったような気がする』 『ものごとがおさまるべきところでその効力を発揮していることは、こうして見ているととても神聖で良いことに思えた』 『いろいろな種類の別れに満ちたこの世の中を、ひとつも忘れたくないと思った』 『誰に言うともなくつぶやいたその言葉は、それでもこのところ私が漠然と考えていたことをきちんと紡いでいたので、私は「うん」と言った』 『私は10年もの間、いろいろなものがひとつにあみこまれた大きなベールのようなものに守られていた。だれもがそこから出てみないとそのぬくもりには絶対に気がつかない。2度と戻れなくなってからでないと、自分がその中にいることすらわからないくらいに、ちょうどいい温度のベール。それは海であり、町全体であり、山本さん御一家であり、母であり、遠くに住む父であった。そんなすべてがあの頃は私をそっと包んでいた。私はいつでも楽しいし幸せだけれど、ときおりあの頃がたまらなく、悲しいくらいになつかしくなることがある。そんな時いつも、いちばんによみがえってくるのは、浜で犬と遊ぶつぐみと、にこにと自転車を引いて夜道を歩く陽子ちゃんの場面だった。』
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