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Posted by ブクログ
ものすごく大きな感動があるということではないけれど、読み終えて、心の真ん中がほっこり温まるような、寄り添ってもらっているようなそんな気持ちになりました。 どのお話しにも、何かしらの別れがあって、そのつらさの中なのに、なぜか温かい。 奇跡のように、自分の気持ちを分かってくれる誰かがいて、ちょっとずつ気持ちがほぐれていく感じがとても羨ましくなりました。でも、幽霊は見たくないし、大切な人と別れるのも嫌なので、羨ましくはないのかもしれないです。 それでも日々ある、ちょっとしたしがらみとか、不調に気持ちを持っていかれることなく、 この話に出てくる女性たちのように、強く自由に生きていきたいなぁと思いました。 とても個人的なことですが、よしもとばななさんの「キッチン」が本当に大好きです。 この本を読みはじめてすぐ、ものすごく直感的に、「現代版キッチン!」と思いました。
Posted by ブクログ
切ない気持ちになると 私は海をみに行きたくなる
めくるめく毎日
毎日本は読んではいるものの…
物語の世界から顔をあげると
息継ぎのような日常がまっている…
はっきりと何かをするために
そこにいることが分かっている毎日
そういう生活はいつの間にか
私の一部となっていて
ときどき切ない気持ちにさせられる…
きっと心の中で 知らず知らずにたまった何かを
海がぜんぶ洗い流してくれるような気がして…
自然を求めて 街から飛び出してしまう時がある
そんな時 いつも寄り添ってくれる
ばななさんの言葉たち…
ばななさんの本を旅のお供にたずさえて…
目の前に海が現われるその瞬間まで
ばななさんの言葉の海に浸ってみる…
止めることのできない時間は
惜しむためだけにあるのではなく…
美しい瞬間を次々に手を入れるために
時間が流れているということを教えてくれる_
日常に慣れることで忘れていた…
ささやかだけれど とても大切な感情を
この作品で取り戻せた心地がしました
Posted by ブクログ
【あらすじ】
自分の人生の王様として生きたら、時間はたっぷりある。
今日の分だけやるべきことがわかっていればそれでいい。
作家生活40年。
吉本ばなな珠玉の4編。
風邪を引いた叔父さんの代わりに軽井沢の別荘を整理しに行った塾講師の円。
そこで円は、叔母が生前残したメッセージを見つける。「束の間」
同じ女性と付き合っていた祐樹とエム。
彼女が去った後、二人は奇妙な順序で急速に接近しーー。「人にやさしく」
他2編
人生の岐路に訪れる小さな怪異と奇跡を描く。
切なくそして幸せな中編集。
『他人が絡んでいる将来の夢って、ほんとうの自分の夢ではない気がする。自分の行きたい道のどこかにその人が存在したらいいな、と思うくらいがいちばんいいような気がする。』
『彼にとって恋愛とは保っていた理性をどうしようもなく失ってしまうことで、彼の僕への想いはその対極にある。たとえ体調が悪くても親のようにふるまい、おいしいコーヒーを飲ませてくれようとする、それが彼の僕への愛だったから。』
『いつも自分が犬を助けてると思ってるけれど、実は逆なのだ。犬は結果を考えていない分、人はその無垢さに永遠にてない。』
『ふつうのことがいちばんすばらしいことなのだ。人生はそれだけでいい。
朝起きて、飲みものを飲んで、洗濯をする。干したら乾く。お腹が減ったら食べる。消化して出す。なんていうまぶしさだろう。』
『それに美鈴さんは不幸じゃないよ。
だって、和美ちゃんのこと思いやる力があるんだもん。それはいつか誰かに愛されたことがある証拠だよ。』
【個人的な感想】
現実と空想が上手く混ざり合っている世界観。
人生の素晴らしさ、ただ生きているということのまぶしさを教えてくれるような作品だった。
出てくる登場人物が全員魅力的で、またいつか読み直したいと思った。
Posted by ブクログ
「ふつうのことがいちばんすばらしいことなんだ。人生はそれだけでいい。」
この一文に出会って、自分がいかに日々欲張って生きているかが露わになり、少し恥ずかしい気持ちになった。
ばななさんの物語は、いつも生きている世界とそうじゃない世界の境界線を、少しだけ曖昧にしてくれる気がする。私たちはつい、生きている世界を前提にものごとを捉えてしまうけれど、そうじゃない、不思議な角度からふっと世界を描いてくれる。
今回もそうだった。ありそうで、なさそうな。そんな物語ばかり。
軽井沢の別荘整理から始まる「束の間」。亡くなった女の子が見えてしまう「世界には時間がたっぷりある」。ほか2編、あわせて4つの物語。
一編一編がふわふわしていて、続くこととおわることの境目がわからないような、そんな物語たちだった。
あとがきには、生まれて初めて何にも終われずに書いた小説だということ、そして「このような変わった小説」を出版してくれた幻冬舎さんへの感謝の言葉が綴られていた。
ばななさん自身がそう書かれているくらい、少し変わった、不思議な物語なのだけれど。そんな作品を読むことができて、良かったなと思った。
忙しない毎日の中で、なんだか肩の荷が下りるような、そんな作品だった。
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