作品一覧

  • ジャップ・ン・ロール・ヒーロー
    3.0
    1巻1,650円 (税込)
    1980年代に海外進出を果たしたバンド「ダンチュラ・デオ」は実在したのか? 原曲を丸パクりして証明すると嘯くギタリストの喜三郎に惹かれる僕。慶大生バンドの戯れは、やがて歴史的陰謀の情報戦へと巻き込まれてゆく。フェイクがオリジナルを炙り出し、真実がウィキペディア的に編集される時代の狂騒と不気味を描く。
  • ナイス・エイジ
    3.8
    1巻1,408円 (税込)
    未来人がオフ会に降臨!? 興味本位で参加したAV嬢の絵里は自分の孫と名乗る青年と知り合い同棲。その日常はネット民の際限なき好奇心の餌食となってゆく……。自分が信じるものだけが真実となる時代の炎上騒ぎをクールに描いた話題作と、啓蒙欲と性欲をこじらせた男子中学生が暴走する新潮新人賞受賞作「二人組み」を収録。

ユーザーレビュー

  • ナイス・エイジ

    Posted by ブクログ

    タイトル作だけでなく、まだほぼ無名の若手作家である鴻池瑠衣さんのデビュー作も掲載されているのでお得な一作。
    全くテイストの違う作品なのでどちらも楽しめる。

    ナイス・エイジもかなりぶっ飛んだ小説だったが、さらに「ジャップンロール・ヒーロー」という舞城王太郎以来の破壊力をもった作品で芥川賞にノミネートされるも落選。悔しかった。なんで僕がここまで鴻池瑠衣さんを推すかというと、現代の純文学界に漂う閉塞感をぶち壊すブレイクスルーを実現出来る作家だと思うからだ。
    その想いは昨年の文學界12月号の巻頭に掲載されている「わがままロマンサー」を読み、確信に変わった。
    ただ技巧的なだけだったり(これが多い)、選

    0
    2021年02月17日
  • ナイス・エイジ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とあるオフ会で出会った未来人と言い張る男性と、同棲しはじめた主人公の女性。

    ネット掲示板でその彼の様子を実況中継するという流れで話が進んでいく小説です。

    未来人がやってきた時に使ったタイムマシンは実在するのか?
    様々な憶測が掲示板で飛び交います。

    ここまでは、00年代のネット上ではあり得る話だと思います。

    ところが、10年代の小説(本書は2017年初出)は、これに加えて「ドローン」や「配信」という要素が加わっています。

    ネット民の私からしたら、ネットスラングの誕生なども含めて、笑えるような引いてしまうような。
    でも毎日のネットで目撃する展開よりも、更にぶっ飛んでる小説でした。

    未来

    0
    2024年03月20日
  • ナイス・エイジ

    Posted by ブクログ

    新潮社が出したというには不思議な本。新潮社らしい価格。
    新潮新人賞第48回受賞作『二人組み』収録
    『ナイス・エイジ』は最初のほうは、ネット用語に疎い私には読みにくかった。孫イケメン風。未来人とかじゃなかったらいい感じの恋愛小説。植物図鑑っぽい。
    AV女優感の描写が少ないのがもったいないというか、意味が薄い?というか。
    今時ドローンとか怖いな。
    『二人組み』は中学生の話。頭はいいけど問題児×発達障害?坂本ちゃんが、しょうがないんだろうけど、それでもむかついた。本間は自分にも他人にも正直だし、他人をちゃんと尊重しているし、いいやつだと思う。

    0
    2018年02月07日
  • ジャップ・ン・ロール・ヒーロー

    Posted by ブクログ

    大学のサークルに所属するある男の発言(嘘)が発端となり、その発言が事実のようになり、世界を駆け巡る陰謀に巻き込まれてしまう。なにが嘘でどこまでが真実なのかわからなくなる瞬間があったが、それは著者が意図したことなのだろうか。
    また、この作品はWikipediaのような構成になっているところが、ほかの作品にはなく新鮮だった。このWikipediaの体裁をとっているからか、この真偽が不確かな部分がさらに強調されていると感じた、
    Wikipediaは誰でも編集できるサイトなので、出典が不明だったり、信憑性に欠けている記事もあるが、まさにダンチュラ・デオの記事は出典も不明で、信憑性にも欠けていて、まさに

    0
    2024年04月21日
  • ジャップ・ン・ロール・ヒーロー

    Posted by ブクログ

    Wiki上の記事というメタを使ってある架空のバンドの成り立ちと国際的陰謀に振り回される姿を描写する試みは面白い。何が真実で何がフェイクなのかがわからなくなっていく様は著者の意図のとおりなのだろう。一方でやや物語としては深みに欠けるので、感情移入はしにくかったところもあった。

    0
    2021年09月19日

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