鴻池留衣のレビュー一覧

  • ナイス・エイジ

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    タイトル作だけでなく、まだほぼ無名の若手作家である鴻池瑠衣さんのデビュー作も掲載されているのでお得な一作。
    全くテイストの違う作品なのでどちらも楽しめる。

    ナイス・エイジもかなりぶっ飛んだ小説だったが、さらに「ジャップンロール・ヒーロー」という舞城王太郎以来の破壊力をもった作品で芥川賞にノミネートされるも落選。悔しかった。なんで僕がここまで鴻池瑠衣さんを推すかというと、現代の純文学界に漂う閉塞感をぶち壊すブレイクスルーを実現出来る作家だと思うからだ。
    その想いは昨年の文學界12月号の巻頭に掲載されている「わがままロマンサー」を読み、確信に変わった。
    ただ技巧的なだけだったり(これが多い)、選

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    2021年02月17日
  • ナイス・エイジ

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    ネタバレ

    とあるオフ会で出会った未来人と言い張る男性と、同棲しはじめた主人公の女性。

    ネット掲示板でその彼の様子を実況中継するという流れで話が進んでいく小説です。

    未来人がやってきた時に使ったタイムマシンは実在するのか?
    様々な憶測が掲示板で飛び交います。

    ここまでは、00年代のネット上ではあり得る話だと思います。

    ところが、10年代の小説(本書は2017年初出)は、これに加えて「ドローン」や「配信」という要素が加わっています。

    ネット民の私からしたら、ネットスラングの誕生なども含めて、笑えるような引いてしまうような。
    でも毎日のネットで目撃する展開よりも、更にぶっ飛んでる小説でした。

    未来

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    2024年03月20日
  • ナイス・エイジ

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    新潮社が出したというには不思議な本。新潮社らしい価格。
    新潮新人賞第48回受賞作『二人組み』収録
    『ナイス・エイジ』は最初のほうは、ネット用語に疎い私には読みにくかった。孫イケメン風。未来人とかじゃなかったらいい感じの恋愛小説。植物図鑑っぽい。
    AV女優感の描写が少ないのがもったいないというか、意味が薄い?というか。
    今時ドローンとか怖いな。
    『二人組み』は中学生の話。頭はいいけど問題児×発達障害?坂本ちゃんが、しょうがないんだろうけど、それでもむかついた。本間は自分にも他人にも正直だし、他人をちゃんと尊重しているし、いいやつだと思う。

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    2018年02月07日
  • ジャップ・ン・ロール・ヒーロー

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    大学のサークルに所属するある男の発言(嘘)が発端となり、その発言が事実のようになり、世界を駆け巡る陰謀に巻き込まれてしまう。なにが嘘でどこまでが真実なのかわからなくなる瞬間があったが、それは著者が意図したことなのだろうか。
    また、この作品はWikipediaのような構成になっているところが、ほかの作品にはなく新鮮だった。このWikipediaの体裁をとっているからか、この真偽が不確かな部分がさらに強調されていると感じた、
    Wikipediaは誰でも編集できるサイトなので、出典が不明だったり、信憑性に欠けている記事もあるが、まさにダンチュラ・デオの記事は出典も不明で、信憑性にも欠けていて、まさに

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    2024年04月21日
  • ジャップ・ン・ロール・ヒーロー

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    Wiki上の記事というメタを使ってある架空のバンドの成り立ちと国際的陰謀に振り回される姿を描写する試みは面白い。何が真実で何がフェイクなのかがわからなくなっていく様は著者の意図のとおりなのだろう。一方でやや物語としては深みに欠けるので、感情移入はしにくかったところもあった。

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    2021年09月19日
  • ナイス・エイジ

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    イマドキの世の中、中編2編。ネットに書き込まれた予知記事とタイムマシンでやってきた子孫。思春期の中学生、カラオケ店で合唱の歌唱と定期試験指導。

    未来人を事実&前提とした立場から書かれているので、普通ならそれを信じてSFとして読むんですけど、ネットの噂話の方がすごいみたい。

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    2018年10月13日
  • ナイス・エイジ

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    強い中学生にオススメなのかな。

    うとまる の装画に惹かれて手に取った。アニメ魔法陣グルグル2017観てたので。

    表題作『ナイス★エイジ』
    ゲーム シュタインズゲートをやっていた自分のために書かれたのかな?とおもうような内容。シュタゲを前提にした同人を読むようで楽しめた。でもちょっと冗長。

    『二人組み』
    断然こちらの方が面白い。中3にとっての不快なあれこれや変に客観視してしまう心理描写はリアルそのもの。あのわけのわからないプライドもあるあるで笑える。
    中3の怒れる悶々とした自分に再会できた気分。


    両作ともときどき主観と客観があいまいに跳ぶようで少し戸惑った。

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    2018年08月08日