夜の恩寵

夜の恩寵

小説・文芸
2,145円 (税込)

10pt

夢のなかで生まれたものは、夢のなかに還っていく。

「カリスマ」をテーマに描き出される五つの物語。

故郷の父親からの電話で三年ぶりに帰った俺を待っていたのは、相変わらず若々しい継母の姿だったが――(「神馬に乗る女」)。他、夢見の力(予知夢)がある祖母をもつ未千が、二十一歳の誕生日に高熱に浮かされて以降、それまで見ることのなかった夢を見るようになる「胡蝶」や、「夢見る家族」「金の糸」「夢の子ども」の全五篇が奏でる、夢をめぐる妖しくも美しい不思議な物語。

その問いに答えてはいけない。決して。

夢か、うつつか、それとも――。

【著者略歴】
三浦しをん(みうら・しをん)1976年東京都生まれ。2000年に『格闘する者に○』でデビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、12年『舟を編む』で本屋大賞受賞。『あの家に暮らす四人の女』(織田作之助賞)、『ののはな通信』(島清恋愛文学賞・河合隼雄物語賞)、『愛なき世界』(日本植物学会賞特別賞)、『墨のゆらめき』『ゆびさきに魔法』等著書多数。『のっけから失礼します』『マナーはいらない 小説の書きかた講座』『しんがりで寝ています』等エッセイも多い。

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夜の恩寵 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    こういう話を待っていた!
    不思議で妖しくも美しい、「夢見の力」にまつわる5篇の物語。
    夢に惑わされ、或いは魅せられた人々が、抗い難い運命に呑まれていく様を描く。

    (大好きな)森見登美彦の「きつねのはなし」を彷彿とさせる妖艶な短編集。三浦しをんはこういう路線でも書けるのかと、ただただ驚嘆。

    0
    2026年09月12日

    Posted by ブクログ

    え?ホラーですか?毎晩何個かの夢を見て毎朝忘れるために思考停止しながら他情報を入れて有耶無耶にしている私からすれば洒落にならない話だったんですけど…とは言っても同じ夢の世界線の続きを毎日見続けるなんてことはないし予知夢になった記憶もないけど、悪夢ではあるからそれが現実だったらと恐怖する気持ちはよくわかる。いやでも、あそこまで痛覚が現実と遜色ない状態は恐怖でしかない。感触はあるけどなんとなく、夢の中の自分にとって1番強いのはその時の自分の“感情”だけは生々しいんだけど、それに伴って五感がはっきりしたら…怖ッ

    0
    2026年08月23日

    Posted by ブクログ

    予知夢とか、神がかりとかそういう系の家族の話。女は怖いよ。面白かった。

    第1話 福井の父が帰ってきてくれと頼むので帰省したら、家の中じゅうに杖がある。母にヌタガミ様が憑くのだという。輝は母と自転車に乗っていて、事故に遭い母だけ死んだ。今の母はこの後来た人だ。

    第2話 私はおばあちゃん子で、祖母は夢の話をよくした。たまに祖母の夢は当たった。弟を強引に休ませた日、学校で集団食中毒があった。祖母は死んだ。母は気味の悪い能力が怖かったようだ。私は夢をみることなどなかったが、21歳の時に高熱に浮かされて以降見るようになった。

    第3話 第2話の夫婦に子供ができた。千夜太と夜音次。家族は夢の話をする。

    第4話 人気音楽グループエイヒレのボーカルゴンゾー。馬鹿力。

    第5話 第1話の輝がふたたび主人公。父がそろそろ話ができなくなさそうだと母から電話が入る。そしてなんと、第4話の六実くんのお兄ちゃんだった。

    0
    2026年07月30日

    Posted by ブクログ

    「白しをん」と「黒しをん」。
    三浦しをんさんの小説には白黒2パターンあったのですね。
    ピカチュウ大好きなしをんさんのエッセイが白。
    こちらは黒しをんさんの小説らしい。

    不思議な夢に纏わる短編集であるものの、あまりの難解さにすぐにレビューを書く気が起きず…
    いくつかしをんさんのインタビュー記事を読んで、なるほど〜と納得することばかり。
    短編集であっても前後で登場する一場面に関連性があったり、曖昧さをグラデーションとして残したまま受け手が自由に解釈できる遊びがあるように描かれているようで…
    これぞ、文学なのですね。

    黒しをんと呼ばれる由、明るい題材は少なく、どちらかといえば影の多い登場人物達ばかりで、その生き方の背景は、想像の余地が有り余るほどある。

    映画や漫画では描きだされないであろう印象的で衝撃的なエピソードは夢なのか現実なのかがわからないものばかり。
    まるで私自身も夢を見ているかのような読書。

    大人になって、単に夢を思い出せないだけなのか、夢を見ることが少なくなった。
    子どもの頃はたくさん夢を見ていたはず。
    想像力が豊かだったからなのかもしれない。

    夢はあまり見なくなった今、こうしてまるで誰かの夢を見ているかのような読書は、パラレルワールドに迷い込んだかのようでなかなか楽しい。

    あまりにも不思議な読書で、今夜は自分まで不思議な夢を見てしまいそうで、ちょっぴりドキドキ。

    0
    2026年09月07日

    Posted by ブクログ

    読み終わった感想、不思議〜、、
    夢を見た日ってこんな気持ちになるよな、、デジャヴなの?あれ!?これって予言?そんな不思議な気持ちを表現できる作者の文章力に脱帽です。
    短編集だけど、同じ登場人物で話も繋がっている部分があって中々楽しめました。

    0
    2026年09月05日

    Posted by ブクログ

    ミステリアスなタイトルと表紙が目に留まった。

    五つの物語から成る。
    夢と言っても睡眠中に見る夢も、目標の夢もある。
    主人公の夢をめぐる不思議な世界に引き込まれた。

    五つの物語が繋がっているように感じたり離れたりして、読んでいる途中で方向感覚が麻痺してしまった。まるで迷路にいるような気分になった。
    でも、それは夢の話なのだから仕方のないことなのだと思う。

    なかでも『金の糸』はコメディ要素が多くて愉快だ。

    0
    2026年08月30日

    Posted by ブクログ

    夢の中で現実にはいない子供が産まれてどんどん育っていくなんて怖すぎる。ちっとも恩寵ではない。
    二つの家族の、夢にまつわる不思議な物語。

    0
    2026年08月28日

    Posted by ブクログ

    夢に関わる5篇からなり、不思議な世界に引き込まれた。子どもの頃、よく同じ夢を見たり、はっとして飛び起きたり、夢はもっと身近なものだったような気がする。だんだん見る夢も現実に近いものになり、「今日こんな夢を見た」と人に語りたくなることも減ってきてしまった気がする。

    0
    2026年08月26日

    Posted by ブクログ

    「神馬に乗る女」「胡蝶」「夢見る家族」「金の糸」「夢の子ども」の5つの物語からなる「夢」と「カリスマ」をテーマにした短編集。

    それぞれ別々の短編かと思ってたら、意外なとこで繋がってるものもあり、大きく2つの連作短編になっている。

    理解し難い話もあり、モヤモヤっとした感じで終わるものもあるけど、「金の糸」は音楽に生きる若者を描いていて面白い。と思ってたら、こっちの話に繋がってるのかいと驚き、戸惑う。

    三浦さんの作品はやっぱり面白いし読みやすい。ほぼ、1日で読み終わってしまった。

    0
    2026年08月25日

    Posted by ブクログ

    世界観が繋がっている短編集。幻想的で、えっ、結局あれはどういうこと?みたいな結論がないんだけど面白く読めてしまう感じなどが、恩田陸の本みたいでした。面白かったけどなんかスッキリしないので★4。
    性的な表現などもでてくるので中学校以上。基本は高校以上向けかな。
    「神馬に乗る女」
    広告代理店で働き、芸能人などとも会う部署からPR誌作成部署に異動になった輝久は父からお母さんが凄くおかしいからとにかく来てくれと言われ、3年ぶりに福井の実家に戻る。義母は一見普通に見えたのだが。
    「胡蝶」
    私、未千(みち)はお婆ちゃんっ子だった。大好きだったお婆ちゃんは、毎日夢の話をした。そして、夢見の力がある家系だということを、祖母の妹から聞く。夢の話はしやんほうがええ。取り込まれてしまうに。
    「夢見る家族」
    俺の家族は変だ。顔が良く頭も運動もできる兄、千夜太は夢を母に語らせられる。俺は夜音次(よねじ)。実は俺の方が夢で未来を見てる。
    「金の糸」
    綾瀬権造はダブって同じ学年になった金持ちの息子。おれ、六実はひとつ下で先生に仕組まれてお目付け役になった。あやせはバンドやろうといって、おれはベース。俺の兄、輝久はずっと俺を育ててくれてる。六実はたまに妙にリアルな夢を見る。
    「夢の子ども」
    父が死にそうだと輝久に義母から連絡ある。神がかるようになった母親はいまだに大きなビルっぽい自宅に住み、信者に世話されるような生活。税金対策で宗教法人にもしている。

    0
    2026年08月15日

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