あらすじ
夢のなかで生まれたものは、夢のなかに還っていく。
「カリスマ」をテーマに描き出される五つの物語。
故郷の父親からの電話で三年ぶりに帰った俺を待っていたのは、相変わらず若々しい継母の姿だったが――(「神馬に乗る女」)。他、夢見の力(予知夢)がある祖母をもつ未千が、二十一歳の誕生日に高熱に浮かされて以降、それまで見ることのなかった夢を見るようになる「胡蝶」や、「夢見る家族」「金の糸」「夢の子ども」の全五篇が奏でる、夢をめぐる妖しくも美しい不思議な物語。
その問いに答えてはいけない。決して。
夢か、うつつか、それとも――。
【著者略歴】
三浦しをん(みうら・しをん)1976年東京都生まれ。2000年に『格闘する者に○』でデビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、12年『舟を編む』で本屋大賞受賞。『あの家に暮らす四人の女』(織田作之助賞)、『ののはな通信』(島清恋愛文学賞・河合隼雄物語賞)、『愛なき世界』(日本植物学会賞特別賞)、『墨のゆらめき』『ゆびさきに魔法』等著書多数。『のっけから失礼します』『マナーはいらない 小説の書きかた講座』『しんがりで寝ています』等エッセイも多い。
感情タグBEST3
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予知夢とか、神がかりとかそういう系の家族の話。女は怖いよ。面白かった。
第1話 福井の父が帰ってきてくれと頼むので帰省したら、家の中じゅうに杖がある。母にヌタガミ様が憑くのだという。輝は母と自転車に乗っていて、事故に遭い母だけ死んだ。今の母はこの後来た人だ。
第2話 私はおばあちゃん子で、祖母は夢の話をよくした。たまに祖母の夢は当たった。弟を強引に休ませた日、学校で集団食中毒があった。祖母は死んだ。母は気味の悪い能力が怖かったようだ。私は夢をみることなどなかったが、21歳の時に高熱に浮かされて以降見るようになった。
第3話 第2話の夫婦に子供ができた。千夜太と夜音次。家族は夢の話をする。
第4話 人気音楽グループエイヒレのボーカルゴンゾー。馬鹿力。
第5話 第1話の輝がふたたび主人公。父がそろそろ話ができなくなさそうだと母から電話が入る。そしてなんと、第4話の六実くんのお兄ちゃんだった。
Posted by ブクログ
世界観が繋がっている短編集。幻想的で、えっ、結局あれはどういうこと?みたいな結論がないんだけど面白く読めてしまう感じなどが、恩田陸の本みたいでした。面白かったけどなんかスッキリしないので★4。
性的な表現などもでてくるので中学校以上。基本は高校以上向けかな。
「神馬に乗る女」
広告代理店で働き、芸能人などとも会う部署からPR誌作成部署に異動になった輝久は父からお母さんが凄くおかしいからとにかく来てくれと言われ、3年ぶりに福井の実家に戻る。義母は一見普通に見えたのだが。
「胡蝶」
私、未千(みち)はお婆ちゃんっ子だった。大好きだったお婆ちゃんは、毎日夢の話をした。そして、夢見の力がある家系だということを、祖母の妹から聞く。夢の話はしやんほうがええ。取り込まれてしまうに。
「夢見る家族」
俺の家族は変だ。顔が良く頭も運動もできる兄、千夜太は夢を母に語らせられる。俺は夜音次(よねじ)。実は俺の方が夢で未来を見てる。
「金の糸」
綾瀬権造はダブって同じ学年になった金持ちの息子。おれ、六実はひとつ下で先生に仕組まれてお目付け役になった。あやせはバンドやろうといって、おれはベース。俺の兄、輝久はずっと俺を育ててくれてる。六実はたまに妙にリアルな夢を見る。
「夢の子ども」
父が死にそうだと輝久に義母から連絡ある。神がかるようになった母親はいまだに大きなビルっぽい自宅に住み、信者に世話されるような生活。税金対策で宗教法人にもしている。
Posted by ブクログ
もし、自分の身の回りの出来事だとしたら、心がざわついて安心できない、けれど逃れられない、という日常に潜む狂気や恐ろしさを描いた本だった。
なのに、読後感は怖さ、気持ち悪さでなく、温かい気持ちになれ、希望が見えた。
登場人物のその後の人生も知りたい、と思った。
Posted by ブクログ
子供の時から定期的に見る夢がある。それが現実になったら恐ろしい夢。今のところ何も起こっていないので、私には予知夢の能力はなさそうだ。
この本に出てくる5編は不穏な夢の物語。「カリスマ」がテーマということだけど、はっきりこの人がカリスマとわかるものもあれば、どっちが?というものも。とにかく全編が不思議な独特の雰囲気を持っている。
読み終えてから、集英社のインタビューを読んでみた。「なるほどー」と腑に落ちることがたくさん。逆をいうと、全然読み込めてなかったということ。
時間をおいて再読してみたいなと思う。
読後にこのインタビューも読んでもらうと、より楽しめる気がする。
Posted by ブクログ
地元の本屋が本書をテーマにしをんさんのトークショーを開催するというので、購入。
予知夢に関する話かと思ったが、しをんさんは「カリスマ」をテーマにしたという。小学校で輝いていた生徒、家族の中でいつも意見が通る人間のような小さなカリスマ。
バラバラの短編集かと思ったら、うっすらと繋がりがある。一作目の「神波に乗る女」から「金の糸」「夢の子供」が書かれたのが10年後。
トークショーで語られたこと。自転車のシーンの意味が違うこと。輝久のガンが早期に見つかったのは、六実のパワーが喜久美のマイナスのパワーに勝ったということ。
「夢見る家族」が一番、読書中、え、どういうことと戸惑った。ああ、そういうことと思ったら、再度ひっくり返されて吃驚。
ホラーのような印象もあるが、ちょっと違う。まだ、心の中がザワザワしている。
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夢か現かはたして自分が生きている「今」ももしかしたら夢の中かもしれない
背中を冷たいものが触れた様なゾクッとする怖さがあった
余韻を残す終わり方が余計に怖くて好き
やっぱり三浦しをん作品はたまらない
装幀も素敵
寝る前に読むことは避けてました
Posted by ブクログ
5つの物語を読み進める読者を静かに確実に夢の中へ誘う。
誘われた先に現れる『カリスマ』たちの物語はどれも妖しく、魅惑的。
不思議な読後感が私を包み込み、ずっとこの感覚から覚めたくなかった。
この小説は三浦しをんさんから読者への恩寵だと思う。
#夜の恩寵
#三浦しをん
#集英社
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5つの話が入った短編集。
どこか不気味で不安になる。帯にあるように「夢か、うつつか。」がわからなくなる不思議な体験。時系列とか、これはどういうことだと疑問に思うこともあったけど、夢ならしょうがないと受け入れられる。それぞれの短編が繋がっていく感じは大好物。タイトルも、本の装丁も、すべてがストーリーとマッチしていて素敵な作品。
Posted by ブクログ
齢が近く美しい継母と距離を置いていた主人公、父から継母の様子がおかしいと聞いて帰郷する「神馬に乗る女」からはじまり、夢見の力を持つ一族を巡る短編集。一編目は土俗ホラーのような読み味。振る舞いは普通なのに何かズレてる(広間の杖とか万年青とか)のがホラーっぽい。
天才に振り回される苦労性の相棒、という構図の「金色の糸」が唯一爽やかな読み心地でもちろん好きでした。でも全編通して、夢見という捉えどころのない能力を否定したいのに振り回される、奇妙な読み味の短編集でした。
Posted by ブクログ
最近の爆笑エッセイの印象が強くて、こんな作風だったけと戸惑ってしまった。
とはいえ、SFホラーを纏いながらもペースに巻き込まれていったところ。
「カリスマ」をテーマというが、カリスマというよりタイトルの「夜の恩寵」がぴったりとくる。
5作は連作になっているものの、繋がりがもつれて最後はなにがなんだかわからくなってしまったけど(笑)
Posted by ブクログ
少し期間を空けながら読んでしまい、人物の流れが夢うつつのように曖昧…
幻想文学になるのだろうか、夢に対しての哲学的思想と共に、登場人物の視点が作り出す物語。
その中でもやはり青春の物語が分かりやすく好きだった。
初めての三浦先生作品だったが、文体は読みやすく流麗で素敵と感じた。
ただ、恐らく物語全体のつながりは理解しきれていない…
Posted by ブクログ
三浦さんには珍しい?ちょっとホラーな短編集。「神馬に乗る女」「胡蝶」「夢見る家族」「金の糸」「夢の子ども」の5編。この内「神馬・・」「金の糸」「夢の・・」が神様が憑依する若い継母が居る一家を描いた連作で、「胡蝶」「夢見る・・」が夢見(≒予知夢)を見る一族が主人公の連作です。
「カリスマ」をテーマに描き出される五つの物語~と紹介されているのだけど、どこがカリスマなのだろう。良く分からない。
なかなかユニークなキャラが設定され、面白い流れで引き込まれるのですが、何故か最後に少し梯子を外された感がします。
悪くは無いのですがね。
Posted by ブクログ
夢見の力(予知夢)がある祖母をもつ未千は、21歳の
誕生日に高熱に浮かされて以降、それまで見ることの
なかった夢を見るようになり…。「胡蝶」など
”カリスマ”がテーマの5つの物語を収録。