国内文学作品一覧

  • 秋の森の奇跡
    3.3
    1巻660円 (税込)
    輸入家具店店長の裕子は42歳、夫、娘と何不自由のない毎日を送っていたが、実母が認知症になったことから、その人生が大きく暗転する。母親の介護を巡る実兄との諍い、夫の隠された過去への不信感から逃れるように、裕子は妻子ある男との関係を深めていく。不倫ではない、浮気でもない、真の恋愛を求める裕子にとって、その男は、人生の秋に巡り会う“奇跡の恋愛相手”となるのだろうか。魂が触れ合う真の恋を、裕子は掴むことができるのだろうか。絶妙な舞台設定とハプニング続出のストーリー! “林真理子恋愛文学の最高傑作”と呼ばれる珠玉の純愛小説。

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  • はじめての日本神話 ──『古事記』を読みとく
    3.2
    神話はたんなるファンタジーではない。なぜ古代の人々が見えない神々の世界を想像したのか、“自然”と“人間”の接点を舞台に読みとく。『古事記』の全容がわかる、あらすじ紹介つき。
  • 作家と珈琲
    3.1
    1巻1,672円 (税込)
    食卓で、喫茶店で、旅先で……珈琲の香りただよう52編。昭和の文豪や現代の人気作家によるエッセイ、詩、漫画、写真資料を収録
  • いまこそ読みたい 教科書の泣ける名作
    3.0
    1巻889円 (税込)
    国語の教科書で読んだ、記憶に残る物語の短編集。「ないた赤おに」「スーホのしろいうま」「走れメロス」「少年の日の思い出」「故郷」「握手」「高瀬舟」「よだかの星」「トロッコ」など、懐かしい有名作品から隠れた名作までを多数収録。
  • 幼さという戦略 「かわいい」と成熟の物語作法
    3.0
    1巻1,500円 (税込)
    現代日本社会には幼さが氾濫し、「かわいい」は文化の象徴でもある。では老いと成熟はどうなる?太宰治、谷川俊太郎、村上春樹、江藤淳、古井由吉、小島信夫の作品を通じて、賢く強い語りと幼く弱い語りの差異に注目する文芸評論の新しい地平。
  • 源氏物語の楽しみかた
    3.0
    1巻1,100円 (税込)
    「死」の場面は、なぜ女ばかりなのか 源氏物語の魅力を味わう絶好の入門書 『源氏物語』全五十四帖の現代語訳『謹訳 源氏物語』(全十巻)の著者林望が、 『源氏物語』の味わい方を徹底解説。現代語訳を進める際に残したメモをもとに、 名文、名場面、登場人物など、面白く読むためのヒントを十三の視点でまとめる。 千年の時を超えて堂々生き延びてきた日本文学の金字塔、 その魅力を存分に味わうための絶好の入門書。 本書は、単行本『謹訳 源氏物語 私抄』を新たに「はじめに」を入れるなど加筆修正したものです。
  • 王朝才女の謎 紫式部複数説
    3.0
    1巻935円 (税込)
    栄華を極める藤原氏政権の時代に源氏の王朝物語が生まれた不可思議な矛盾。源氏物語は反藤原の抵抗文学なのか? 才女紫式部の実体は? 先に「源氏物語は紫式部作ではない」と提唱して多くの古典ファンに衝撃的話題を投げかけた著者が、再び大胆な推論を展開、藤原氏の系譜を遡り、物語成立年代の誤りと“作者”紫式部の実体を解明し、才女伝説の虚像と実像を浮き彫りにする。好評『源氏物語99の謎』姉妹篇。
  • 好色一代男
    3.0
    生涯で戯れた女性は三七四二人、男性は七二五人。伝説の色好み・世之介の一生を描いた、井原西鶴「好色一代男」。破天荒な男たちの物語が、島田雅彦の現代語訳によってよみがえる!
  • 太平記(上)
    3.0
    正中の変、元弘の変を経て鎌倉幕府はついに滅亡するが、後醍醐天皇による建武の新政も世の混乱を収めきれず……。足利尊氏・直義兄弟、後醍醐天皇、新田義貞、楠木正成、高師直らによる、日本各地で繰り広げられた南北朝時代の動乱を描いた歴史文学の傑作。全2巻
  • 枕草子の楽しみかた
    3.0
    1巻1,155円 (税込)
    作家・三浦しをんさん推薦! こんなに現代人の気持ちを代弁してくれるなんて、清少納言はエスパーかなにかなんだろうか。 「美麗で美声なお坊さんに、ついうっとり」って、コンサートに行ってアイドルのきらめきに圧倒される我々と同じである。 十五の講義で徹底解説! 『枕草子』全三百十九段から読みどころを精選。清少納言の鮮やかな筆が、 『源氏物語』全五十四帖の現代語訳『謹訳 源氏物語』の著者林望の解説と現代語訳で甦る。 「今どきの親は……」と嘆く場面もあれば、男女の恋心の機微や、宮廷サロンの雅な情景、はたまた男の不条理さを責め立てたり、男に騙される若い女房たちに苦言を呈したり、抱腹絶倒の笑い話もあり。 学校では教わらない古典随筆の名著の本質に触れられる絶好の入門書。 著者の古典の知識と人間への深い洞察による解説は必読。本書一冊で、『枕草子』の世界が語れるようになる。
  • おどるでく 猫又伝奇集
    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    室井光広とは誰だったのか? 誰でもない。宇宙を吹き渡るコトバの元気(げんき)、天籟(てんらい)だった。 ――辻原登 こんな凄い小説が書かれていたことに驚きました。 生きる悲しみが言葉の奥底に繋がっていることを知りました。 貪るように読みました。 ――町田康 カフカ、ボルヘス、ジョイスといった先達を読み/書くことを通して、日本という「辺境」から世界文学の最前線へ。詩と小説と批評の三位一体を追求した現代文学最高の精華が、ここに再生する――。 辻原登氏 町田康氏 多和田葉子氏 推薦! 表題作は第111回芥川賞(1994)を受賞しながらも、その余りに独特な内容と形態によって「はたしてこれは小説なのか?」と賛否両論を巻き起こした伝説の傑作。そのほか、著者の故郷・南会津を舞台にした関連作を「猫又」サーガとして初集成/初文庫化。 古今東西の博識を呼び込み、「言語」と「小説」そのものの謎を探究する室井光広の目眩くテクストによって、日本語文学は何を目指し、何を実現したのか。 遺作『エセ物語』へのイントロダクションともなる、まさに「室井入門」として最適な一冊。 今こそ、時代は室井光広に追いつくことができるか――? 【目次】 [本編] 猫又拾遺(1991) あんにゃ(1992) かなしがりや(1993) おどるでく(1994) 大字哀野(1994) 和らげ(1996)(初書籍化作品) [巻末資料] 単行本版あとがき(1994) 万葉仮名を論じて『フィネガンズ・ウェイク』に及ぶ(1994) インタビュー 室井光広氏と語る(1995) 巻末エッセイ=多和田葉子「海に向かえ山に向かえ言葉に向かえ」 解題=川口好美 《あらゆる翻訳は最終的に原作の行間にただようおどるでくを読者の心底にうつすことを目的とするといっていいだろう。そのうつし方は、病気をうつすようにしてなされる。私は再度キリシタン版の中にうつし方の現場をさがしにゆく。おどるでくをうつされるのを好む人は何よりも「写す」行為をいやがらないと露文氏はいっている。》――表題作より
  • 「東京文学散歩」を歩く
    3.0
    戦前の作家の暮らしの跡や文学作品の舞台となった場所を訪ね歩き、往時を本の中に「復元」した野田宇太郎による『東京文学散歩』シリーズは、1950~60年代に一大文学散歩ブームを引き起こした。本書は『東京文学散歩』から、往年と現在との比較が興味深い個所や、野田の主張が強く見て取れる個所などを紹介しつつ、実際にいまの東京を訪ね歩いて検証。さらに独自のコースも提唱し、新たな散歩の楽しみを提案する。昭和の文学散歩の時代を追体験できる文学ガイドブック。
  • マンガでわかる愛と謀略の源氏物語:華麗なる平安恋物語の舞台裏
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 マンガだから初心者でも読みやすい! マンガなのにマニアックだから中・上級者も楽しめる! 初めての切り口で堪能する『源氏物語』 『源氏物語』=マルチな才能のイケメン光源氏の恋愛遍歴、というイメージを持つ人が多いと思います。 もちろん、それも正解ですが、実は結構政治的だったり、恋以外の要素が複雑に絡み合った重層的なストーリーでもあります。 本書では、ラブストーリーという観点だけでなく、政治的、文化的な側面にも等しくスポットを当てて、マンガ仕立てで源氏物語を紹介した1冊です。 また、ワンフレーズの原文から物語の背景を紹介したり、和歌に込められた意味など、コラム的な読み物も満載! 初めて『源氏物語』に触れる人、あらすじは知っているけれどもう少し深く知りたい人、ラブ要素だけでは飽き足らない人などなど、あらゆる人に楽しんでいただける、新しい『源氏物語』手引書です。
  • 眠れなくなるほど面白い 図解 源氏物語
    3.0
    1巻990円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 平安時代に紫式部によって著された長編小説、日本古典文学の最高傑作といわれる『源氏物語』は、千年の時を超え、今でも読み継がれる大ベストセラー。光源氏、紫の上、桐壺、末摘花、薫の君、匂宮————古文の授業で興味を持った人も、慣れない古文と全54巻という大長編に途中で挫折した人も多いはず。本書は、登場人物、巻ごとのあらすじ、ストーリーと名場面を中心に解説。平安時代当時の風俗や暮らし、衣装やアイテム、ものの考え方も紹介。また、理解を助けるための名シーンの原文と現代語訳も解説。『源氏物語』の魅力をまるごと図解した、初心者でもその内容と全体がすっきり楽しくわかる便利でお得な一冊! 2024年NHK大河ドラマも作者・紫式部を描くことに決まり、話題、人気必至の名作を先取りして楽しめる。
  • 直木賞をとれなかった名作たち
    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    直木賞をとってしかるべきだった83作品を独自基準で選出。理屈抜きに面白い名作を紹介し、文壇のこぼれ話を交え昭和から現在までの文学史を裏側から描き出す。
  • 古典と日本人~「古典的公共圏」の栄光と没落~
    3.0
    高等教育の古文・漢文不要論が唱えられる今、古典は本当に必要なのか。日本において古典が成立した経緯を辿りながら、そもそも「古典」とは何かを考える。一般社会通念としての「古典」とは、歴史の中で他者の視線に耐え抜いた書物を指すことが支配的であるが、本書では、本来の「古典」には明確な基準があったことを明らかにする。「古典の日本史」を踏まえつつ、日本人にとっての「古典」や「教養」のあり方を問う一冊。
  • 作家たちの17歳
    3.0
    十七歳,誰もまだ「文豪」じゃなかった――太宰治は作家になろうと決意し,宮沢賢治は進路をめぐって父に反発,芥川龍之介は友達と雑誌を作り,谷崎潤一郎は苦学生だった.夏目漱石は下宿で受験勉強し,樋口一葉は父と兄を亡くして一家を背負うことになる.作家たちの十代とその決断を,当時の日記や創作とともに紹介.

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  • たぶん、おそらく、きっとね
    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    1967年、東京。キャバレーのバンドマンとゲストの女性歌手として出会った二人は、どちらともなく鏡の中で視線を重ねた。三日後、男は部屋に電話が設置されると、番号を知らせるべき相手を紙に列挙し始める。それもまた、日常の一場面のはずだった――。
  • 源氏物語五十四帖 現代語訳 紫式部の物語る声 [一] 桐壺・帚木・空蟬・夕顔・若紫
    3.0
    1巻1,584円 (税込)
    千年前の物語は、すでにこの世の真実を語っていた 複雑に絡み合う人間心理、繊細な自然描写、内裏での政(まつりごと)や神事。 目に映るすべてが緻密に描かれた物語世界を分析し、 「原文分解分類法」を確立した著者による、原文に沿い本質に迫った現代語訳。 紫式部にとって、「物語」は、「物事の真実を語ること」。 後世の我々に、人間として「生きる意味」を、伝えたかったのだと思います。 (「おわりに」より) 光源氏誕生から、のちに妻となる紫の上との出会いまでを綴った、 「源氏物語」はじまりの全5 帖を収録。 理解がより深まる、著者作成の五十四帖人物相関図付き まえがき 源氏物語原文五十四帖構成分類 源氏物語原文分解分類法1〜18 桐壺 帚木 空蟬 夕顔 若紫 あとがき 参考文献

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  • 一寸法師・さるかに合戦・ 浦島太郎 日本の昔ばなしIII
    3.0
    1巻858円 (税込)
    日本各地で古くから語りつがれてきた昔ばなしの中から,『一寸法師』『うばすて山』『さるかに合戦』『兎と亀』『浦島太郎』『彦市ばなし』など,百数篇を選んでここに収める.すべて,私たちの幼いときから親しんできたなじみの深い話ばかりである.前二著と併せ,三冊で日本の代表的な「昔ばなし」が全部集録されている.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 今とこれからがわかる はじめてのLGBT入門
    3.0
    1巻1,496円 (税込)
    【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 トランスジェンダーの第一人者の清水展人氏が、性の問題をどう考えるかを訴える! 多様性の時代を理解するために必読の1冊。 トランスジェンダーの第一人者の清水展人氏が、性の問題をどう考えるかを訴える! 多様性の時代を理解するために必読の1冊。女性から男性に性転換手術をし結婚。現在二児のパパとなっている著者が、自身の実体験を交えてLGBT問題とどう向き合うかを解説する入門書です。 ◎現状のLGBTを取り囲む状況の解説 ◎著者自身の実体験からわかるLGBTへの世間の実際の対応や悩み、希望 客観的解説とリアルな実態の両方がわかる2部構成となっています。 第1章 違和感を感じたのは性ではなく「世の中の当たり前」 第2章  寿命よりも、どう生きたいか 第3章  人生を好転させるよきパートナーとの出会い・結婚 第4章 人生は挑戦だ! 第5章 明るい未来を描き、やってくると信じよう 清水展人(シミズヒロト):元女性。15年前に男性戸籍になり性別・氏名変更。現在2児の父。武庫川女子大学/武庫川女子大学短期大学部 健康教育コース卒。関西総合専門リハビリテーション専門学校卒。1985年生まれ。兵庫県 西宮市出身。メンタルセラピスト。読書好き。人生経験を糧に、枠にはまらず、自分らしく生きる、非営利型一般社団法人日本LGBT協会代表理事。FMびざん清水ひろとの広がるラジオ(水曜日放送)パーソナリティ。医療専門学校 非常勤講師。専門は医学概論、臨床心理学他。性的マイノリティ特設電話相談員、中学校教職免許、作業療法士免許を生かし全国の官公庁、学校、企業で性の多様性自分らしく生きられる社会について、LGBT活動の先駆者として教育機関等での講演・研修依頼に応じている。全国各地での講演実績は日本トップレベル。

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  • 深夜の人・結婚者の手記
    3.0
    生涯で膨大な作品を残した室生犀星。大正から昭和初期にかけての著作の中から、結婚や家族を対象したもの、芥川龍之介を中心とした交遊関係に言及したもの、関東大震災を経験し生と死について触れたものを各章に分けて編纂。小説、詩歌のみならず、日記や書簡からも犀星の文学に対する姿勢や精神を読み解く作品集。 (※本書は2012/2/11に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)
  • 「坂の上の雲」もうひとつの読み方
    3.0
    原作のストーリーを追いながら、厖大な資料を駆使して、その背後にある数多くの新事実を発掘!司馬遼太郎の名作『坂の上の雲』をさらに面白くする著者渾身の作! (※本書は2009/11/1に発売し、2022/2/10に電子化をいたしました)
  • 野口冨士男犯罪小説集 風のない日々/少女
    3.0
    二・二六事件前夜。判で押したような平凡な日常を送る平凡な一銀行員が、自分と周囲の小さな行き違いの果てに一線を踏み越えてしまう……。リアルな描写の積み重ねが予測不能のサスペンスを生む『風のない日々』に、戦後の復員兵による財閥令嬢誘拐事件を描いた『少女』併録。〈同時代批評〉井上ひさし 〈解説〉川本三郎
  • 古典文学の秘密
    3.0
    1巻550円 (税込)
    『古事記』『土佐日記』『源氏物語』『徒然草』『古今和歌集』……。かの有名な日本文学の古典には、学校では教えてくれない「秘密」があった。それはエロティシズムだ。おなじみリンボウ先生が誰もが知る有名な作品の数々から色事溢れる場面を抽出し、面白おかしく解釈を披露。つまらなかった古典がこんなに艶っぽいものとは!「目からウロコ」のリンボウ流「特別課外講義」。(『本当はとてもえっちな古典文学』改題)
  • 青年
    3.0
    1巻814円 (税込)
    現代社会を描きたいという希望をもって東京へ出た文学青年小泉純一が,初志に反して伝説に取材した小説を書こうと決意するまでの体験と知的成長を描く.作中に夏目漱石,木下杢太郎,正宗白鳥,森鴎外自身などをモデルとした作家が登場する.漱石の『三四郎』と並称される鴎外初の現代長篇小説.(改版)(解説=須田喜代次)

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  • 佐藤春夫中国見聞録 星/南方紀行
    3.0
    1巻1,100円 (税込)
    「あまり日本語で話をしない方がいい。皆、日本人を嫌っているから」―――中華民国初期の内戦最前線を行く「南方紀行」、名作「星」など運命のすれ違いを描く9篇。  佐藤春夫は戦前の二十数年間に中国を五度訪れた。一九二〇年、台湾から対岸の福建省へ。七年後には杭州・南京へ。しかし時代は田漢・郁達夫との友情に暗い影を落とす……。 「南方紀行」では東アジア初の社会主義実験都市・漳州を訪れているほか、「曾遊南京」で明らかになる蒋介石とのすれ違いなども興味深い。  また、「わが支那游記」は長らく行方不明であったが近年発見された。 文庫オリジナル。〈編集・解説〉河野龍也〉 目次 ・星   ・南方紀行 厦門採訪冊    厦門の印象/章美雪女士の墓/集美学校/   鷺江の月明/漳州/朱雨亭の事、その他  ・市井の人々-大陸逸聞-   老青年    南京雨花台の女  ・ 交遊の思い出-郁達夫・田漢-   西湖の遊を憶う    秦淮画舫納涼記    曾遊南京  ・わが支那游記  ・旧友に呼びかける
  • 恥ずかしい日本語
    3.0
    1巻1,540円 (税込)
    正しい日本語、面白い日本語の伝道師としてヒット作多数の著者が、「間違って使っている恥ずかしい日本語」「一度は聞いたことがあるけれど意味はわからない」「人にうまく説明できない言葉」など92語を厳選し、語源や正しい使い方を指南。 語彙力・社会人力アップだけでなく、思わず人に話したくなる日本語知識満載の一冊。

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  • 芥川賞候補傑作選 戦前・戦中編
    3.0
    1巻1,650円 (税込)
    戦前に芥川賞候補になった作品の中から、惜しくも賞を逃した名作・問題作・異色作・意欲作を掘り起こし、珠玉の14作品を精選。 太宰治、織田作之助、中島敦などいまも読まれている作家から、一瀬直行、村田孝太郎、埴原一亟といった知られざる作家まで、様々な文学の形が体験できる一冊!
  • 幸田露伴と明治の東京
    3.0
    1巻699円 (税込)
    明治を代表する文豪・幸田露伴の汲めども尽きない面白さは、いまなお新鮮であり、なんとも切ない懐かしさを覚えるものだ――。本書は、代表作『五重塔』の舞台となった日暮里の谷中霊園、生誕の地である現在の上野アメ横、人生の半ばを過ごした向島、隅田川近辺など、露伴ゆかりの地を訪ね歩き、作品の読みどころを紹介。学歴とは無縁、独学で一時代を築いた「明治の教養人」の魅力にせまる。文章と風景画で綴った新しい文学案内の書。
  • 女の家
    3.0
    東京銀座の裏通りにある妾宅で、折竹雪枝がガス中毒死した。事故か自殺か、それとも他殺か――。老練な刑事・小柴と老獪な女中・乃婦、二人の語りが交差し、炙り出される意想外の真相とは。陰影のある文体で人間心理を巧みに描き、澁澤龍彦、種村季弘らに愛された著者による代表作。
  • 数学者と哲学者の密室――天城一と笠井潔、そして探偵と密室と社会
    3.0
    1巻2,640円 (税込)
    本格ミステリの探偵はどのような推理をすべきか? 密室などのトリックはどうあるべきか? そして、社会とどう対峙すべきか? 戦中派の天城一と戦後派の笠井潔の作品からその答えを探し求める評論書! 天城一と笠井潔は、資質的にはよく似ている。名探偵の独特なレトリック、戦争や社会批判といったテーマの導入、トリックのバリエーションへのこだわり、ハイデガー哲学の援用、作中に取り込まれた評論等々。本書では、これらの類似点を用いて、本格ミステリの本質を考察する。 本書を書き終えた今、私が思うことは、“本格ミステリ”というジャンルの豊潤さです。天城一と笠井潔は、「テーマとトリックを連携させ、それを探偵の推理が明らかにする」という作風の物語を描いてきましたが、これは他のジャンルではできないでしょう。テーマもトリックも探偵も、本格ミステリの専売特許ではありませんが、この三つを連携させたものは、本格ミステリ以外の何ものでもないのです。そして、ただ単にテーマが作中で語られるだけの他のジャンルと異なり、探偵が行うトリックの解明によって、テーマは読者の心に深く刻まれることになるわけです。(あとがきより)

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  • 山峡奇談
    3.0
    古代から近代まで、諸国の山野に伝わる怪異譚、不思議な話、奇妙な話を多数蒐集し、現代語訳でお届けする。僧や、旅人、木こり、山人など、登場人物も多彩。知られざる話もまた多数収録。
  • 大親分! アウトレイジな懲りない面々
    3.0
    1巻858円 (税込)
    河出新書で「北野武の最新小説」が登場!「利口はやらない、バカじゃできない、一途な人たち。」(北野武)の物語が、幕を開ける。
  • 雅子さまの笑顔 生きづらさを超えて
    3.0
    弾けるような笑顔、華やかなファッション、外国賓客に対する堂々たる振る舞いと、日々輝きを増す皇后雅子さま。しかし、一九九三年のご結婚から今日までの道のりは、長く苦しいものだった。外交官から皇室へと新しい人生を選択したものの、男子出産の重圧にさらされ、生きる意味を見失った日々。そこからどう立ち直ってこられたのか?失わなかった「普通の人としての感覚」とは?雅子さま、そして愛子さまほか女性皇族にとって生きやすい皇室を考えながら、誰にとっても生きやすい社会のあり方を問う、等身大の皇室論
  • 宮沢賢治 デクノボーの叡知(新潮選書)
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    〈土偶坊(デクノボー) ワレワレ カウイフ モノニナリタイ〉――殆どの作品を「未完」の状態で残した宮沢賢治。その手稿が示す揺らぎと可能性を丹念に追うことで、賢治世界=イーハトーブのまったく新しい姿が見えてきた。石、宇宙、火山、動物、風等に込められた創造原理を解き明かし、いまを生きる私たちの倫理を問う、画期的批評。
  • シェイクスピア大図鑑
    3.0
    「死ぬことは生きるのとおなじように当たり前のこと」(『エドワード三世』)、「針でつついたら血が出よう?」(『ヴェニスの商人』)、「もう一度あの突破口へ、諸君、もう一度だ」(『ヘンリー五世』)など、200を超えるシェイクスピアの名ぜりふを、河合祥一郎による翻訳で掲載。 世界中の舞台や映画作品の写真、作品に触発された絵画など、写真・図版を数多く掲載。図解入りのあらすじ紹介や、オールカラーの人物関連図により、初めてシェイクスピアに触れる人から、すでに舞台や書籍をとおしてシェイクスピアを知っている人まで、幅広く楽しめる本。
  • 赤塚不二夫 伝 天才バカボンと三人の母
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    【内容紹介】 強い、弱い、きれい、汚い……、 すべての存在をあるがままに 命がけで肯定した天才と その天才を生み育てた「母」の物語 3人の「かあちゃん」が大好きだった 赤塚不二夫のすべて 天才・赤塚不二夫。赤塚は、無防備な幼児だった。 3人の『母』がそれを理解し、補い、支え、天才を育てた。 実母、りよは、十歳の長男(赤塚)を筆頭に4人の子どもを連れ、満州から1人、引き揚げてきた。 漫画と接する機会を与え、漫画家を志した赤塚を応援した。 最初の妻、登茂子は、アシスタントとして、妻として、出世作『おそ松くん』を共に描き、 プロとしての漫画家・赤塚不二夫を育てた。 そして二番目の妻・真知子は、アルコール依存症になり、がんも患うなど、 どん底に落ちた赤塚を世話女房として復活させ、その命をつないだ。 3人の「母」を通して描く、知られざる赤塚不二夫の物語。
  • 超口語訳 方丈記
    3.0
    1巻612円 (税込)
    震災、台風、戦乱、政治的混迷……。 激動の時代を生き、挫折を経験した鴨長明の名随筆『方丈記』が、わかりやすい口語訳で読める!
  • 僕という容れ物
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    浅野忠信、菊地成孔絶賛! インディーズでカルト的人気を誇るミュージシャン、衝撃の小説デビュー。 荒涼とした精神の砂漠を徘徊する日々、どこまでが幻覚か現実か。ようやく、僕たちの時代の「文学」が生まれた。 カバーのコラージュは、国内外で幅広く活躍するコラージュ・アーティスト、Q-TAが担当。 これは苦しんでいる人の話だ。 文句なしに面白かった! 浅野忠信(俳優) ラッパーが書いた純文学にベットできるか? 本当か? 菊地成孔(音楽家/文筆家/著者のマイメン) 【著者プロフィール】 檀 廬影(だん いえかげ) 平成元年、横浜生まれ。日本人と黒人のハーフ。二十歳よりDyyPRIDE名義でラップを始める。2011年 音楽レーベルSUMMITより1st ソロアルバム「In The Dyyp Shadow」 グループSIMI LAB 1st アルバム「Page 1 : ANATOMY OF INSANE」 2013年 2nd ソロアルバム「Ride So Dyyp」 2014年2nd グループアルバム「Page 2 : Mind Over Matter」をリリース。2017年にSIMI LABを脱退。
  • 赤ひげ診療譚 1 狂女の話
    3.0
    1~6巻275円 (税込)
    『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』『季節のない街』などで知られる小説家・山本周五郎が残した連作短編時代小説。 江戸時代の小石川養生所を舞台に、青年医師の保本登と、小石川養生所の医長である「赤ひげ」こと新出去定(にいで・きょじょう)、患者との魂のふれあいが描かれる。 黒澤明監督が『赤ひげ』と題して、三船敏郎主演で映画化した(1965年)ほか、たびたび映像化・舞台化されている。
  • 源氏物語を反体制文学として読んでみる
    3.0
    紫式部が『源氏物語』を書いた平安時代は、摂関政治(天皇に嫁いだ娘が男児を産むことで外戚として権力を得る)の全盛期にあった。しかし『源氏物語』は天皇親政の時代を舞台とし、「源」という元皇族が活躍するストーリーだ。摂関政治をあえて否定するという、いわばその時代の「反体制文学」として『源氏物語』は大ベストセラーとなり、多くの読者の支持を得た。なぜ紫式部はそのような果敢な挑戦をしたのか。紫式部が時代をどう感じ、またどのようなモチベーションで物語を綴ったのか。独自の視点で鮮やかに描く、新しい『源氏物語』論。 【目次】まえがき――『源氏物語』の謎/第一章 紫式部と『源氏物語』/第二章 源氏一族の悲劇/第三章 摂関家の権威と専横/第四章 紫式部の出自と青春時代/第五章 紫式部の恋と野望/第六章 摂関政治の終焉/あとがき/主な参考文献
  • 漱石山脈 現代日本の礎を築いた「師弟愛」
    3.0
    1巻950円 (税込)
    「生意気言うな。貴様は誰のおかげで、社会に顔出しが出来たと思うか」(内田百間が記した弟子に激怒する漱石の言葉)。芥川龍之介・寺田寅彦・小宮豊隆・鈴木三重吉……熱心で純粋な若者たちを一途に愛した漱石と不肖の弟子24人。文壇史上稀にみる強い師弟愛。
  • 作家と楽しむ古典 好色一代男 曾根崎心中 菅原伝授手習鑑 仮名手本忠臣蔵 春色梅児誉美
    3.0
    古典を平易にわかりやすく。「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」の古典新訳で活躍した作家たちによる古典講義。人気シリーズの第三弾は江戸のベストセラーと三大浄瑠璃を軽やかに紹介。
  • 近現代作家集 II
    3.0
    明治から現代までの作家の名品を、作品の時代背景順に収める『近現代作家集』。II巻には昭和初期から戦後までを扱った20篇を集成。安岡章太郎、井上ひさし、安部公房、上野英信など。 戦争、敗戦、占領。 混乱期の中で開花した新しい作家たちの才能。 社会と対峙する20篇。 解説=池澤夏樹 月報=加藤典洋・斎藤美奈子 ※なお、電子書籍版には三島由紀夫『孔雀』は収録されておりません。
  • 目の見えない子ねこ、どろっぷ
    3.0
    ある日、つぐみの家に、迷い込んできた子猫は、病気で目が見えなくなっていました。つぐみに、どろっぷと名付けられたその子猫は、命の危機もある大手術をのりこえ、つぐみの家の猫になりました。どろっぷに寄り添い、家の様子を教えたのは、おじいちゃん猫のメイでした。3匹の猫とかかわりながらたくましく生きるどろっぷの姿と、4年生になったつぐみの成長を実話をもとに描きます。
  • P+D BOOKS 冥府山水図・箱庭
    3.0
    1巻605円 (税込)
    短編出世作と不倫の性を描いた代表長編小説。 「冥府山水図」は己の絵の完成に生涯を賭した老画家の鬼気迫る執念と、到達点のない芸術の魔性を巧みに描き、“芥川の再来”とまで評された著者出世作の短篇。 東京山の手を舞台にした、広大な敷地に住む明治生まれの老父母、大正生まれの長男夫妻、昭和生まれの次男夫妻と、世代の異なる一族が繰り広げる赤裸々な人間模様を描いた「箱庭」は、一見平和で裕福に見える裏側に蠢く、性の衝動や空疎な関係性を生々しく描いた長篇意欲作。
  • 近現代作家集 I
    3.0
    明治から現代までの作家の名品を、作品の時代背景順に収める『近現代作家集』。I巻には平安末期から太平洋戦争前夜までを扱った12篇を精選。久生十蘭、泉鏡花、金子光晴、高村薫など。 解説=池澤夏樹 月報=荒川洋治・中島京子
  • 文壇挽歌物語
    3.0
    石原慎太郎の華々しい文壇への登場とそれに続く太陽族ブームは、出版界に大きな影響を与える事件となった。敗戦からの復興とともに、旧体制の変革が急激に進行しつつあり、かつて栄華を謳った文壇もその例外ではなかった。編集者の目から眺めた戦後昭和文壇史の舞台裏。好評の『文壇うたかた物語』『文壇栄華物語』につづく“文壇三部作”の完結編。文庫版のための書き下ろし「補説」を増補。
  • 中原中也 沈黙の音楽
    3.0
    近代日本を代表する詩人の、自らへの自負と揶揄、表現者としての存在の不安がみなぎる作品の数々は、どこからやってきたのか。自身実作者ならではの繊細な視点で、詩や詩集誕生の瞬間(過程?)を目撃者の証言のように鮮やかに読み解く。生誕一一〇年、没後八〇年の今、研究の最新成果をも存分に盛り込んだスリリングな一冊。

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  • 古典のすすめ
    値引きあり
    3.0
    1巻935円 (税込)
    神話から江戸の世話物へとつながる恋愛観、挽歌と哀傷歌そして源氏物語に描かれた「死」と「病」など、日本の古典作品に描かれた哲学をやさしく説く。古典に立ち返り、人生を見つめる新たな視点を養う本。
  • 空吹く風/暗黒天使と小悪魔/愛と憎しみの傷に 田中英光デカダン作品集
    3.0
    太宰治をして「この荒れ果てた竹藪の中にはかぐや姫がいる」と言わしめた「空吹く風」、戦後の混乱の中で春をひさぐ女たちに真実の愛を夢想する「暗黒天使と小悪魔」、運命の女との愛欲の果てに傷害事件に至る顛末を描いた「愛と憎しみの傷に」。共産党の活動など生きる意味への絶望ゆえか女に溺れ、薬と酒で破滅へと突き進んでいく自らの姿を見据え、人間の本性を浮き彫りにする小説集。
  • 新版 雨月物語 全訳注
    3.0
    上田秋成が遺した、江戸中期を代表する怪異小説集。安永5年(1776)刊、5巻9編。執念は彼岸と此岸を越え、死者との対話を繰り広げる。それは夢幻か、現実か――。現代語訳に語注、考釈も加えた決定版。
  • 秘密
    3.0
    1巻110円 (税込)
    谷崎潤一郎のフェティシズム。「秘密」秘密の趣味は女装して町へ繰り出すこと。初めは恐る恐るだったがやがて優雅な仕草と美しい容貌に男も女も振り返るようになる。ある日劇場で妖艶な女が隣に座る。それは昔交際した女だった。その女にも秘密があった……。「少年」私の少年の頃の思い出。良家の息子の信一には腹違いの姉がいた。ガキ大将のはずの仙吉は姉弟には卑屈な態度で接していた。少年達の遊びはだんだんエスカレートしていった。「秘密」「少年」の2本収録。
  • NHK「100分de名著」ブックス 岡倉天心 茶の本
    3.0
    1巻880円 (税込)
    20世紀初頭、物質主義的文化が支配的だった欧米世界に対して、岡倉天心は『茶の本』を英語で書き、東洋の伝統的な精神文化の奥義を説きつくした。自然との共生を説いた先見の書の真価が、今、明らかになる!書き下ろしの特別章「『茶の本』をめぐる五つの日本文化論」収載。
  • ヤマケイ文庫 穂高の月
    3.0
    井上靖の山と自然にまつわるエッセー集。「氷壁」に関わる文章のほか、今までの紀行集やエッセー集に収められなかった作品を含め、少年期から円熟期まで、全集でしか読むことができない山と自然にまつわるエッセイ。 「氷壁」の舞台・穂高岳への登山、取材記を中心に、少年時代を過ごし「しろばんば」の背景となった天城の自然、海外ではネパールの旅など、文学者ならではの自然観が綴られたエッセー50篇を収録。作家の目が捉えた山や自然風物が作品にどう反映されたのかを探る。 内容: 1.天城の雲 少年時代の原風景について 2.穂高の月 山との出会いと「氷壁」の舞台を訪ねて 3.日本の風景 文学者の自然観 4.作品の周辺 山を舞台とした作品について 「あすなろ物語」「しろばんば」に描かれた故郷・天城によせる思い、「氷壁」の舞台となった穂高岳への山行、さらにはネパール・ヒマラヤへの旅。文学者の自然観と、作品構築に至る思索が表われたエッセー五十篇を収録。自然と旅を背景とした作品の成立過程をたどる。
  • 江戸の都市伝説
    3.0
    あ、あのこわい話はこれだったのか、という発見に満ちた、江戸の不思議な都市伝説を収集した決定版。ハーンの題材になった「茶碗の中の顔」、各地に分布する飴買い女の幽霊、「池袋の女」など。
  • 久米正雄伝 微苦笑の人
    3.0
    1巻3,190円 (税込)
    文壇の紳士録に必ず載るような存在でありながら、今日ほとんどかえりみられることがなくなった作家、久米正雄。なぜそうなったのか。その人生と作品分析をとおし、明治大正昭和の、日本における純文学と大衆文学、私小説と通俗小説の成立と相克を描く。
  • 「清張」を乗る 昭和30年代の鉄道シーンを探して
    3.0
    日本における社会派推理小説の先駆けとなったベストセラー『点と線』が発表されたのが昭和32年から33年にかけて。その昭和33年は、現在の天皇・皇后両陛下のご婚約が発表されるなど、昭和史にとってエポックメーキングな年であった。また、高度経済成長のさまざまな明暗が現れはじめた年でもあった。本書は、当時の世相を反映した松本清張作品から、鉄道シーンを一挙に再読する試み。 岡村 直樹(おかむらなおき) 昭和23年東京生まれ。慶応義塾大学卒。ローカル紙記者などを経て旅行作家に。日本旅行作家協会会員。川の旅人。文学、歌謡、映画、民俗、歴史、絵画などの方面から川にアプローチして21年。全国109の一級水系すべてを踏破。現在は二級水系を歩いている。平成21年1月、弘文堂から講演集『自然と神道文化―海・山・川』(共著)を上梓。時代小説に描かれている旅のスタイルに注目した『旅する時代小説』も執筆中。おもな著書は『切り絵利根川の旅』『川の歳時記』『寅さん人生の伝言』『とっておきの里祭り』ほか。 ※電子書籍の仕様による紙版と異なる図版・表・写真の移動、本文中の参照指示の変更、ほか一部修正・訂正を行っている箇所があります。予めご了承ください。
  • あじさい日記 (上)
    3.0
    1~2巻605円 (税込)
    開業医の川嶋省吾は、美人の妻と2人の子どもに恵まれ、愛人とも順調にいっている。 しかし、ある日、偶然にも妻の日記を読んでしまったことから、少しずつ歯車が狂い始める。 妻はどこまで知っているのか? どうするのか? 妻の本当の目的は何なのか? やめたくてもやめられない日記の盗み読みに振り回される夫を通して夫婦のあり方を描く。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。
  • 倫敦塔・幻影の盾 他五篇
    3.0
    留学体験に取材した『倫敦塔』、日露戦争にまつわる怪談『趣味の遺伝』、アーサー王時代の物語『幻影の盾』など七つの短篇。同時期の『猫』と全く異質なこれらの作品の世界はユーモアや諷刺の裏側にひそむ漱石の「低音部」であり、やがてそれは『それから』以後の彼の全作品に拡大されてゆく。 (解説 江藤淳・注 石井和夫)

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  • 会津物語
    3.0
    会津の奥に秘められていた昔話が100年後の今によみがえった。キツネに騙され、美女に惑わされ、座敷わらしや人助けする地蔵なども登場し、「遠野物語」を彷彿させる古老たちの実話が初めて発表される。人知を超えた奇跡世界が楽しめる。
  • 紫式部日記解読 天才作家の心を覗く
    3.0
    1巻1,144円 (税込)
    道長の要請によって書かれたとされる紫式部日記。中宮彰子の出産や、華やかな行事にあふれた宮廷を描写しているようにも思える日記だが、著者はそこにたぐいまれな人間観察の筆致を見る。たとえば皇子誕生の祝いの場で、一見くったくなくたわむれているようであっても心中穏やかでない人たちを描く紫式部の洞察力が見逃すことはなく、馬鹿な男、立派な男をどのようなことで判断しているかも教えてくれる。また、有名な清少納言への批評は、彰子の周囲はこうあってはならぬという道長への密かな具申と解釈すべきと考え、単なる個人的な評価だという考えを退ける。 読み進めるうちに、紫式部は女性たちにどう生きることを望んだのかが私たちにわかってくる。日記文学の解読を通して、現代にも通じる女性の生き方を指南する画期的な書。

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  • 耳袋 1
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 狐狸妖怪譚から庶民の風俗・犯罪まで、江戸後期の巷説奇聞を集めた随筆集。著者の根岸鎮衛は名奉行としても知られた。不思議な話・味のある話が大好きだった江戸人の姿が浮かび出る。
  • 草枕
    3.0
    1巻110円 (税込)
    「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」という文章で始まる有名な作品。洋画家の主人公が山中の温泉宿に滞在する。そこには美しく謎めいた那美がいた。どことなくユーモラスな文体の中にも漱石の物の見方やとらえ方が描かれており味わい深い。この作品は読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • P+D BOOKS 少年・牧神の午後
    3.0
    1巻770円 (税込)
    北杜夫 珠玉の初期作品をカップリング。  病弱な少年の病気への密かな親しみや、発熱によって開かれる想像力の世界を描く「病気についての童話」。  牧神がまどろみから目覚め、パンの笛とアポロン の竪琴による音楽勝負に挑む、詩的世界を描く「牧神の午後」。  精神を病んでいく主人公がある日知った、『狂詩』という言葉の意味と、心理の変換を描く「狂詩」。  少年の無垢な純真性喪失を瑞々しく描く「少年」。  北杜夫初期の繊細な世界が、7篇の小編を通じて拡がっていく珠玉のカップリング集。
  • かなしみの場所
    3.0
    離婚して雑貨を作りながら細々と生活する果那。離婚のきっかけになった事件のせいで家では眠れず、雑貨の卸先「梅屋」で熟睡する日々。昔々、子供の頃に誘拐されたときのことが交錯する、静かで美しい物語。
  • あおむけで走る馬
    3.0
    イケなくなった売れっ子ホストの兄、ひたすらビル登りをする弟。そして元美人の太った女。無垢にしか生きられない3人が手探りする、温かな旅路とは……。
  • 正徹自筆本 徒然草 上
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現在知られている「徒然草」写本のうちでは最も古い、静嘉堂文庫珍蔵の正徹自筆本「つれづれ種」を影印で収録、詳細な解説を付す。
  • 室町和歌への招待
    3.0
    1巻2,420円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 天皇、公家、武士…秀吉から、宗祇まで乱世に詠まれ続けた「歌」のアンソロジー。
  • 変体平仮名演習
    3.0
    1巻660円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 前半に「変体平仮名の諸体」「混同しやすい仮名」を掲げ、基礎を能率的に修得できるよう編成した。特に「混同しやすい仮名」は類書がほとんどなく有効。近世期にあまり用いられていない字体には×印を施す等、適切な工夫がなされ本書を至便の手引としている。後半に古今・伊勢・源氏・徒然の影印を抄出し、自学自習に便利。
  • 雨月物語の世界 上田秋成の怪異の正体
    値引きあり
    3.0
    短篇傑作集であり、伝奇小説、時代小説、怪異小説、翻案小説のいずれともいえる『雨月物語』九作品を、より深く面白く読むための絶好のガイド。翻案の元となった古典作品をたどりつつ怪異の本質に迫る。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 岩佐美代子の眼 古典はこんなにおもしろい
    3.0
    1巻2,420円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 四歳より十三年間、昭和天皇第一皇女照宮成子内親王のお相手を勤め、女子学習院高等科卒業、結婚後、独学で京極派和歌・中世女流日記研究を開始…。その異色の経歴と研究者としての業績は一部では「伝説」とも言われているほどである。氏の大正・昭和・平成、その83年間を語って頂いた。「人として、生きるための思想」とは何だったのか、古典文学の面白さはどこにあるのか。その秘密を明らかにする。「女房の眼」を持つ国文学者のロングインタビュー。
  • 「垣間見」る源氏物語 紫式部の手法を解析する
    3.0
    1巻3,850円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「垣間見」は、男女の恋の展開だけに有効だったのか?幻想の垣間見論を突き崩す。
  • インドラの網
    3.0
    ツェラという高原を歩いているうちに、ふと“天の空間”に滑り込んでしまい、天人、蒼い孔雀、天界の太陽などあらゆる美の極致を目にする主人公を描く表題作「インドラの網」をはじめ、夢と神秘にあふれた幻想的作品を集める。「雁の童子」「学者アラムハラドの見た着物」など“西域異聞”と呼ばれる作品も含め、賢治の持っていた〈心象宙宇〉の途方もない大きさと透明度をあますところなく伝え、賢治世界の真骨頂ともいえる童話集である。
  • 吾輩は猫である
    3.0
    1巻330円 (税込)
    「吾輩は猫である。名前はまだ無い」で始まる有名な作品。中学校の英語教師をしている珍野苦沙弥の家に拾われた猫が「吾輩」である。そこに集まる人間たちを風刺、戯作的に描いた、夏目漱石の処女作であり、代表作の一つ。ユニークな登場人物(猫)たちとの愉快なやりとり。猫の視点から描かれる真理は核心を突いている。漱石のユーモアと皮肉、深い洞察力と分析をお楽しみください。
  • 梁塵秘抄の世界 中世を映す歌謡
    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    悪人への共感、赤裸々な恋愛、ファッション、祭礼の賑わい――。『梁塵秘抄』に歌われた世界の多様なひろがりを探り、中世の人々を魅了した歌謡の面白さ、楽しさを通して当時の世相を鮮やかに描き出す。 ※本文中に〔*〕が付されている箇所には注釈があります。その箇所を選択すると、該当する注釈が表示されます。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • あの作家の隠れた名作
    3.0
    1巻660円 (税込)
    「代表作」ばかりが名作ではない。作家たちが残した、あまり知られていないけれども極めておもしろい作品の数々。そこには、書き手の意外な一面や素顔がちらりと顔をのぞかせることも。裏まで奥まで、丹念に読めば読むほど深まる、小説の愉悦がここにある。異国の人魚に魅入られた皇帝の退廃と耽美の物語(谷崎潤一郎『人魚の嘆き』)、出生の秘密を抱える妹と兄とその友人の秘やかな三角関係(尾崎翠『無風帯より』)、女の片腕と過ごす奇妙な一夜に漂う孤独なフェティシズム(川端康成『片腕』)、女学生の一人語りで綴られる、自己を超越した自意識(太宰治『女生徒』)、冷感症の美女と精神科医の男の艶かしくも知的な駆け引き(三島由紀夫『音楽』)……。その他、夏目漱石、萩原朔太郎、芥川龍之介、宮沢賢治、梶井基次郎、吉行淳之介、多和田葉子と、彩り豊かな作家計12人が勢ぞろい。あなたにとっての名作が、きっと見つかる。[挿画:宇野亜喜良]

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  • 新編 八犬伝綺想
    3.0
    曲亭馬琴の代表作『南総里見八犬伝』。歌舞伎でもおなじみのこの長い物語は、はたしてたんなる「勧善懲悪の封建的冒険活劇」なのか。かろやかに境界をとびこえて、綺想を広げてみよう。たとえば、ユートピア・安房の「大いなる母」のもとへ集まる犬士たちは、ミシシッピを筏で流れ下るハックルベリー・フィンだ。浜路を拒絶する犬塚信乃は、オフィーリアの死に安堵するハムレットだ。―「水」や「少年」「竜」などをキーワードに、トウェインやメルヴィルを重ね、イーグルトン、ユングをひきながら、八犬伝に近代の人間像を読み解く、比較文学からの八犬伝論。新編として、「江戸の二重王権」「『八犬伝』の海防思想」の二論文を増補。
  • 美少女 桜桃 帰去来
    3.0
    1巻110円 (税込)
    「美少女」妻と一緒に甲府の大衆浴場に出掛けた私はそこで青い桃実のような美しい裸体の少女を見た。その感動と後日談。「桜桃」「子供より親が大事」ではじまる父親の苦悩と夫婦のすれ違いのお話。妻から言われる「涙の谷」も切ない。「帰去来」ある事情で故郷の津軽に顔向けできない主人公。それを北さんと中畑さんが相談して実家の母親に会わせてやる心温まるお話。自伝的小説。
  • 影絵の町
    3.0
    ときめく恋――淋しい恋――情熱的な恋――せつない恋――〈おとこ〉と〈おんな〉。新たな〈恋〉のドラマが始まる時、夕闇という名の幕(ヴェール)は、静かに二人の姿を隠す……恋のドラマにあわせて、阿刀田高が奏でる恋の〈夜想曲(ノクターン)〉。今夜(こよい)の観客は、貴女ひとりです。
  • 能、世阿弥の「現在」
    値引きあり
    3.0
    面、装束の記号的な意味、序の舞の身体、ドラマを生み出す仕掛けとしての夢、世阿弥の言葉「花」「離見の見」「幽玄」。能のさまざまな側面に切り込み、演劇空間の「現在」がどのようにつくられるのかに肉薄する。
  • 新版 蜻蛉日記I(上巻・中巻)現代語訳付き
    3.0
    美貌と歌才に恵まれ権門の夫をもちながら、自らを蜻蛉のように儚いと嘆く作者二一年間の日記。母の死、鳴滝籠り、夫との実質的離婚――。平易な注釈と現代語訳の決定版。I(上・中巻)、II(下巻)収載。
  • こんなにも面白い日本の古典
    値引きあり
    3.0
    『万葉集』は庶民生活のアンソロジー、『竹取物語』は恋する男を操る女心を描き、『源氏物語』の六条院は老人ホーム。名作古典の背景にある色と金の欲の世界を探り、日本の古典の新たな楽しみ方を提示する。
  • 西鶴に学ぶ 貧者の教訓・富者の知恵
    3.0
    1巻1,650円 (税込)
    井原西鶴の作品には、混迷の時代を生きる現代人への貴重な教訓が詰まっている。当代気鋭の研究者であり小説家でもある著者が、つとめて平易に、時に楽しく読み解いて、その核心となる要点を伝える。遠い時代の人々の生きざまが、現代社会の実感を伴って腑に落ちる、知的好奇心をそそる読み物。
  • こころ残り
    3.0
    一生のうちに、ほんの一つか二つ。きれいに光る、素晴らしい瞬間。数は少ないけれども、きらめきを実感できる灯、人生にはそれさえあればいい――。たとえばあの頃、私たち夫婦の心は通じ合っていた。まだ、連れ合いは元気だった。生きてきた道筋をふり返り、ふと気づく。自分がいつのまにか手にしていたものに。ささやかだけどかけがえのない一瞬が、確かに自分にもあったことに。短篇の名手が手がける、12の追憶の物語。
  • ちくま日本文学全集正岡子規
    3.0
    日本の近代文学史を彩るキラ星たち。そんな作家の代表作を短篇中心にコンパクトな一冊に収める文学全集。各巻に詳細な年譜を附す。本巻では、赤貧のうちに脊椎カリエスに冒され、死ぬまでほとんど床についたきりの身でありながらも、近代俳句の提唱と短歌革新を主導。旺盛な精神活動に裏付けられた写生文による文章革新運動で後世に決定的な影響を与えた文学者の全貌が見て取れる。
  • 漱石の「こころ」 ビギナーズ・クラシックス 近代文学編
    値引きあり
    3.0
    青春の恋愛に端を発した悲劇を題材に、エゴイズムという普遍的な問題を追究する傑作。日本文学の不朽の名作を、各章のはじめに簡潔なあらすじを付け、背景と内容をわかりやすく読み解いたダイジェスト版。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 親と子の心をつなぐ日本名作昔ばなし
    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 幼児教育に永年携わってきた著者が、保育現場や家庭で子どもに読み聞かせができるように脚注形式で話し方のポイントを付した、日本の心を伝える昔話集。

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  • 食べる日本近現代文学史
    3.0
    正岡子規は、死ぬ直前まで食べ、排泄し続けた。村上春樹は、食事を作ることで、新しい小説世界を生み出した。谷崎潤一郎は、戦中闇市で警察に目をつけられるほど食べている、だからこそ性愛や心情を、見事な食べ物に置き換えて小説にすることができた。食べること、生きること、書くこと、その欲望は果てしなく、恐ろしい。食べ物を描いた小説と作家の生き方を軸に、私たちの生きる意味を考える、楽しく美味しい文学史エッセイ。
  • 批評時空間
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    ジャン=リュック・ゴダール、チェルフィッチュ、アルヴァ・ノト、飴屋法水、ジョナス・メカス、吉増剛造、クリント・イーストウッド――。映画、演劇、音楽、写真など、さまざまな分野の作品が生まれる場所に立ち、震災後の著者の、そして私たちの心の動きに寄り添いながら、芸術表現のありようを凝視し思索する12の論考。

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  • 文壇五十年
    3.0
    自然主義文学の泰斗が、日露戦争以降から敗戦までの文芸・演劇・美術の変遷を回想。団菊以後の左団次、島村抱月の活躍、そして新風の如く登場した荷風や花袋へのオマージュ、江戸趣味や洋行の影響を受けた文学者たちの姿を描く。大逆事件や戦時下の言論制約のなかでの揺れ動いた芸術運動を冷徹な視点で描く文学的自叙伝。
  • 男の詩集
    3.0
    1巻1,300円 (税込)
    七五調に代表される、日本の美しい言葉のリズム。その韻律に彩られた珠玉の名詩を味わいつくせるのが本書である。上田敏、北原白秋、石川啄木、島崎藤村、百人一首から、中島みゆきまで心を洗う名詩文がならぶ。ちなみに著者は、詩への要件として、次をあげる。●暗記できること●文章が美しいこと●わかりやすい文章であること●口ずさめること●リズムがあること●いつまでも忘れないこと●酔ったときに、口ずさむと急に幸福な気分を味わえること●他人に対してやさしい気持ちが持てること●「オレだって、生きていてもいいんだ」という自信も持たせてくれること●他人にも「こういう詩がありますよ」と教えてあげたくなること……。まさに、本書にはその要件を満たした詩が満載されている。本書を一読すれば、日本人がこれまでいかに美しい言葉を紡いできたか、あらためて感動させられるに違いない。生きていくために、これだけは知っておきたい名詩集である。

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  • エッチな古典 楽しく読めて面白い説話文学
    値引きあり
    3.0
    この本は「古典離れ」への新しい挑戦のために、「源氏物語」や「平家物語」のような有名な古典ではなく、一般にはなじみの薄い「説話」と呼ばれる作品群を主な材料としています。しかも、「説話」の看板である神話や伝説、鬼人や超人の活躍する霊験譚や英雄譚などははずし、新聞の社会面の記事に類する「世間ばなし」、日常的な空間に勃発した意外な出来事、われわれの周辺に住む普通の男女の織りなす事件的な説話……などを取り上げて、昔も今も変わらない丸裸の人間、スッピンの日本人の本然の姿や人間性を振り返るよすがにしたいと思うのです。(「はじめに」より)
  • 文豪たちの大陸横断鉄道
    3.0
    満州を珍道中した漱石、女一人でシベリアを横断した林芙美子、憧れの都パリを目指した荷風、利一、開戦間際のアメリカ大陸を駆け抜けた野上弥生子……明治以来、海外旅行は日本人にとって憧れだった。特に世界各地で張り巡らされつつあった鉄道は人々の旅愁を誘ったのである。そこには今とは対照的にスローテンポな車窓風景があった――。紀行文をひもとき、もはや忘れてしまった贅沢な時間、近代旅行史を振り返る。

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  • 新書で名著をモノにする 平家物語
    3.0
    もはや乱世を越え「末世」の様相を見せる現代社会は、幕末維新ではなく、平家物語の時代に似ている。朝令暮改をくり返す為政者(政府)、批判するだけで何もしない貴族(野党)、騒ぎ立てるだけの寺院勢力(学者・マスメディア)等々。そして男だけではなく、女もそれぞれの戦いを生きている。本書では登場人物をいくつかの身分に分け心の動きを眺めつつ、物語の背景にあるいつの世も変わらぬ人間の各階層のドロドロを描き出す。【光文社新書】
  • 蜘蛛の糸
    3.0
    1巻110円 (税込)
    地獄に落ちていた男は、天から下りてきた細い糸につかまり、はいあがろうとしますが……。 芥川龍之介の名作を原文のままに、読みやすく改編しました。

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  • 羅生門
    3.0
    1巻110円 (税込)
    羅生門で、死体から盗みを働く老婆に遭遇した男は……。芥川龍之介の代表作を、原文のままに読みやすく改編しました。

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  • 人間・歴史・風土 坂口安吾エッセイ選
    値引きあり
    3.0
    自然の風土の中で生きる人間をとおして作られるのが真実の歴史であるとする安吾独得の歴史観を背景に、自ら現地に足を運び、卓抜した洞察力を働かせてものした歴史紀行の中から「天草四郎」「安吾・伊勢神宮にゆく」「飛騨・高山の抹殺」など10篇を収録。司馬遼太郎の「街道をゆく」や松本清張の「古代探究」などの紀行文学のさきがけとなった画期的エッセイ。
  • 漫画 人間失格
    完結
    2.7
    全1巻1,485円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 なぜ人生はこんなにも生きづらいのか 夏目漱石の「こころ」と累計発行部数1位を争う自伝的小説。太宰治は連載完了と同時に自殺。2010年に生田斗真、2019年に小栗旬さん主演で映画化 ネグレクト、幼児虐待、アルコール依存、薬物依存、自殺未遂、現代に通じる社会問題が描かれ、現代の生きづらさに通じる。

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