長尾剛の一覧
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ユーザーレビュー
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口語訳でとても読みやすく、内容も面白かった。
新しい事に取り組もうと思う人にとってとても勇気を与える本だし、久しぶりに読んでワクワクする感じがした。また当時の状況がリアルに感じた。特に蘭学のパイオニアとして黎明期の雰囲気が非常によく伝わってきた。
辞書もなく、アルファベットも分からない段階から、一文
...続きを読む一文翻訳し、解体新書の出版までこぎ着けた第一世代。
ビギナー向けの蘭学階梯で蘭学の裾野を広げた弟子の大槻玄沢、蘭和辞典の編纂の中心となった稲村三伯などの第二世代。
若い頃から嘱望され、一度は道を踏み外しかけたが、周囲のサポートにより蘭学の世界に戻った宇田川玄随などの第三世代。
蘭学者の各世代の描写が非常にリアルだった。
パイオニアとして世界を切り開いてく偉業は、作中でも仏典の漢訳と並ぶ偉業と表現されていたが、その後の明治維新前後の日本と中国の差につながったと思うと、日本人として感謝したくなる。
Posted by ブクログ
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素晴らしい‼
これは、長い間探し求めていた私の理想に一番しっくり来る、最高の思想!
また、老子、荘子お二方が現在に蘇った様な人情味溢れる語り口、著者のユーモアのセンスも感じられる素晴らしい作品ですね!ありがとう!
バーキン
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西郷隆盛が大事にしていた考え、信念などがまとめられており、人間がおさめるべき「道」についてしるした本。肝に銘じておべきことだらけでした。何度も読み返したい良書。
以下、印象に残った内容、引用。
・人間は、どうしても自分の好き嫌いで物事を判断しがちだが、組織を率いるものは私心を持ってはならない。「相
...続きを読む手を嫌う心」を封じて対せねばならない。
・地位を与えるときには、一時の功績や、年功序列といった概念で与えてはならない。地位を全うできるだけの「考え方」「能力」もなく地位を与えられると、本人にとっても、組織にとっても、マイナスでしかならない。人の能力を冷静に見極める目を養わなければならない。
・リーダが持つべきは「ビジョンと決意」。どうしたいという「ビジョン」を明確にし、しっかりと語れなければならない。そのビジョンがあればこそ、周囲の意見も素直に聞け、物事の判断ができる。目指すべきビジョンの推進に対しては、いかなる困難にあたっても一歩もひかないという決意がいる。
・子孫のために美田を買わず。苦労が伴って、初めて人は成長する、だからこそ楽をさせる(美田を買い与えない)、という意味で捉えてた。が、「自分の子孫「だけに」美田を買い与えることはしない」「親族関係なく、いかに次の世代に美田を残せるかを考える」という趣旨も含まれている。
・文明とは何か。気高い生き物として営む生き方であり、決して電気や鉄道などが進んでいることを指すわけでない。開国を武力で迫り、人権を踏みにじる西洋は「野蛮」そのものにも関わらず、西洋の利便性のみに目をやり取り入れることを「文明」というのは、間違い。人の道を外さないその心こそが本当の「文明」である。
・自分の欠点を見出し自覚せよ。欠点のない人などいない。その欠点を自分で自覚することで、他人の意見を素直に聞き居れることが出来る。
・計画を立てる際には、実行を誰に任せるかを考えておくこと。崇高な計画を立てたところで、実行できる人材が居なくては、絵に描いた餅。実行を任される側は、常にどんな仕事でも対応できるよう修練を重ねておくこと。
・克己を大事にせよ。人間とは、自分勝手な己を、そんな己を反省し自ら諌めようとする己、この2つの己がいる。後者の己が、前者の己を上回らなければならない。克己は、自分自身で高めるもの。他人が見ていようがいまいが、常に己を磨き上げること。
・学問をするものは、学問ができることを鼻にかけてるだけで、一向に実行に移さないものが多い。学問は非常に重要だが、学問を行かした「大志を持つ」ことと、私利私欲なく「道」を究めるために役立てる、という2つの思いを必ず持つことが肝要である。
・人を相手とせず、天を相手とせよ。自分の大志を成し遂げるためには、多くの困難に直面する。その時に、うまくいかない理由を「人のせい」にしてしまいたくなる。が、人のせいにしたところで、ことが好転する訳ではない。困難はあるものだという自覚と、困難にぶつかったときには天の性であり、自分の修練が足らないと思うべき。そして、早々に次の手を進めていくべきである。
・正道を貫くのは確かにつらい。うまくいっていない時に、世間から非難があれば、諦めてしまいたくもなる。が、自分の正道を世間の声を理由に投げ出すことほど、卑屈なことは無い。自分の道を、自分の意思で歩いてこそ、人生。
・道を志す者が尊ぶのは結果ではなく、心がけ。
・過去の賢人偉人を学び、自分には無理だと思って、やるべきとをから逃げ出すのは卑怯だ。できるできないではない、やるかやらないかの心がけが問われている。
・厚き誠心誠意の心を持って、死後tに対する純粋な真心だけを源にして、そうして成し遂げた仕事こそが、人々に感動を与え、いつまでも語り継がれる仕事である。
・チャンスをつかむ、の本当の意味は、おのれの努力の積み重ねが徐々に形になっていき、ついには機が熟して成功のきっかけとなることを指す。
・行動に映る土壇場で躊躇するものがいる、、しかしこうした迷いは逃避でしかない。自らの行動によって事態を動かすことの責任を負いたくないというだけ。
Posted by ブクログ
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西郷隆盛の談話集「西郷南洲翁遺訓」を現代口語訳にしたもの。JALを立て直した稲盛和夫さんが、西郷さんを敬愛していたので、その流れで本書を手に取ったが、すばらしかった。
<印象的な言葉>
(仕事の理想)
・どんな小さなことでも誠心誠意、目の前の仕事に取り組むこと。策謀を用いてはならない。策謀を用いれ
...続きを読むば、後に報復されるわずらいが生じる。
・喜びも楽しみも、理想の中にあってこそ。理想を忘れて享楽を追い求めるだけになったら、国は滅びる。
・人は己に克つことによって最後に成功を収め、己を愛し過ぎることによって、最後には失敗する。
・ある程度成功すると、賞賛されるようになる。すると、純粋な理想を忘れ、傲慢で尊大になり、自分を愛しすぎるようになり、失敗する危険が生じる。
(学問)
・学問をする者は、大志と克己の心が必要。自ら選んだ分野でおおいに奮発し、学問の力で人々を幸せにするのだという高い志を胸に抱いて欲しい。
・学問にのめりこむと、いつしか学び覚えることだけに心囚われる者も出る。書斎に引きこもって、ただ知識を詰め込む自己満足の学問をすると、世の中に何の寄与もせぬ、民の幸せなど考えもせぬ、愚かしい自分勝手な人間になってしまう。
(敬天愛人の道)
・道とは、「この世の全ての存在が幸せになること」。その根本は愛。
・人を相手にせず、天を相手にせよ。他人の思惑は眼中におかず、ただ信じる道を堂々と進むこと。
・天を相手にするとは、たとえ恨みのある他人がいたとしても、相手にしないこと。復讐心、憎悪の心は仕事を暴走させる。
・道を行うのに、尊卑貴賎の差別は関係ない。全てはその者の心構えにあるから、立場や地位は関係ない。
・周りの評判は、よい評判も悪い評判も、関係ない。ただ天の道を行うのみ。増長せず、恨まず、道を進む。
・「世間が違うと言うのだから、この生き方をやめよう」と言うのは、道から逃げる口実。世間に言われて仕方なくといった態度で道から逃げて、安易な私利私欲の生き方を求めるようになる。
・日頃から道を行う者は、異変に動じなくなる。用意周到になり、火事が起きても慌てず騒がず、速やかに対処できる。
(日々の心得)
・誠心誠意、古の書に向き合い、記されている行いを自らも実践すること。記された内容を覚えただけで学問をしたと思い込むなど、恥知らずもいいところ。
・真心の仕事は、後世に必ず認められ、尊ばれる。為した者の誠意を見抜いてくれる者が、必ず現れる。
・まぐれ当たりのチャンスを喜ぶのは、道ではない。ほんの一瞬だけ世間からちやほやされるかもしれないが、やがて忘れられる。常日頃から世の中についてよく考え、自分だけではなく人々の幸福を願って、出来ることは厭わず何でも努力する。そうした日々の積み重ねが、後世語り継がれる真の成功を導く。
Posted by ブクログ
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面白くてわかりやすかった。多分、そもそも老荘思想が好きなんだと思う。ストーリーを語るときの基ネタになりそうなので、再読予定。
Posted by ブクログ
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