読みたかった作家が何人もいた。長いお話だと容易に手が出せないけれど、本作は児童文学を集めた名作集ということもあり、とても読みやすかった。色々な作家への入り口を作ってもらえてうれしい。
作品のはじめに各作者の紹介文が入ってるのも個人的にはありがたい。このへんは岩波書店さまさま。
菊池寛、有島武郎、室
...続きを読む生犀星、島崎藤村、宇野浩二、内田百閒、椋鳩十、こんなふうに並べて書いてみて、改めてこの一冊を読めたことの収穫が大きかったのをひしひしと感じる。
一作、とても好きだったものを挙げるとしたら、椋鳩十の「月の輪グマ」。作中の子グマがとても可愛らしく、また読み終わった後に通りすがる切なさが心地よい。