作品一覧

  • 地震雑感/津浪と人間 寺田寅彦随筆選集
    5.0
    1巻660円 (税込)
    「天災は忘れた頃にやって来る」の名言で有名な寺田寅彦の、地震と津浪に関連する文章を集めた。地震国難の地にあって真の国防とは何かを訴える色あせぬ警告の書。寺田寅彦が漱石門下の友人小宮豊隆に送った「震災絵はがき」のカラー図版十葉を収める。〈解説・註解〉千葉俊二・細川光洋
  • 文芸的な、余りに文芸的な/饒舌録 ほか 芥川vs.谷崎論争
    4.5
    1巻1,672円 (税込)
    昭和二年二月号『新潮』合評会での谷崎の小説に対する芥川発言に端を発し、舞台を『改造』に移して文学史上に残る〈筋のない小説〉を巡る論争が始まった。――芸術とはなにか。何が文学を文学たらしめているのか――本書では二人の文学観の披瀝と応酬を雑誌発表順に配列し、「新潮合評会」とその俎上に載った小説二篇、論争掲載中の昭和二年七月に自殺した芥川への谷崎の追悼七篇を収録する。
  • 鴎外随筆集
    4.3
    1巻704円 (税込)
    幕末、津和野藩の下級武士の子として生まれた森鴎外(1862-1922)は、藩校で漢籍を学び、上京して東大医学部で学んだ。軍医総監に上りつめ、最後は帝室博物館長として没した公的生活と小説家鴎外-封建的イデオロギーと藩籍の素養、近代ヨーロッパ文明と自然科学者の眼が同居したこの作家の息づかいが聞こえる随筆18篇。

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  • 江戸川乱歩短篇集
    4.1
    1巻1,045円 (税込)
    大正末期、大震災直後の東京にひとりの異才が登場、卓抜な着想、緻密な構成、巧みな語り口で読者をひきこむ優れた短篇を次々と発表していった。日本文学に推理小説の分野を開拓し普及させた江戸川乱歩(1894-1965)の、デビュー作「二銭銅貨」をはじめ「心理試験」「押絵と旅する男」など代表作12篇を収録。

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  • 日本児童文学名作集 上
    3.8
    1~2巻770~924円 (税込)
    イソップ、グリム、アンデルセンの日本初紹介の作品をはじめ、日本の児童文学に新しいページを開いた『赤い鳥』の傑作など児童文学の名作を精選。上巻には、巌谷小波「こがね丸」、小川未明「赤い船」等十七篇、下巻には、芥川竜之介「蜘蛛の糸」、宮沢賢治「オツベルと象」、新美南吉「牛をつないだ椿の木」等二一篇を収める。

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  • 作家たちの17歳
    3.0
    1巻968円 (税込)
    十七歳,誰もまだ「文豪」じゃなかった――太宰治は作家になろうと決意し,宮沢賢治は進路をめぐって父に反発,芥川龍之介は友達と雑誌を作り,谷崎潤一郎は苦学生だった.夏目漱石は下宿で受験勉強し,樋口一葉は父と兄を亡くして一家を背負うことになる.作家たちの十代とその決断を,当時の日記や創作とともに紹介.

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  • 谷崎潤一郎 性慾と文学
    -
    1巻847円 (税込)
    谷崎文学の神髄、性と愛の交響。谷崎潤一郎は「無思想の作家」と称されていた。階級闘争を標榜したプロレタリア文学が隆盛をきわめた時代も、戦時体制のもとに民族主義的な思潮が台頭した時代も、谷崎は魅惑的な女性の美しさを描くためだけに命をささげ作品を紡いだ。誰しも政治、実業、学問などで身を立てることを願った、明治という立身出世の時代にあって、なぜ谷崎は社会の変革などよりも官能の充足の方がもっと大切だという人生観を抱くようになったのか。谷崎研究の第一人者が、その人生と作品群を詳細に検証する。
  • 寺田寅彦セレクション1
    -
    1~2巻1,672円 (税込)
    「天災は忘れた頃にやってくる」など、後世に今も残る数々の言葉を生み、物理学者として世界的な業績をあげた寺田寅彦は夏目漱石の高弟として、透徹した観察眼で散文詩的美しさを湛えた文章を物し、科学と芸術の融合を果たした。本巻には『冬彦集』『藪柑子集』『万華鏡』『続冬彦集』から、内田百間に「昭和年代の随筆として後生に遺る第一のもの」と言わしめた、随筆家の真骨頂を示す名品を厳選収録する。

ユーザーレビュー

  • 文芸的な、余りに文芸的な/饒舌録 ほか 芥川vs.谷崎論争

    Posted by ブクログ

    「話の筋」について,否定的な芥川龍之介と肯定的な谷崎潤一郎との論争を再現した構成。晩期の芥川と初期の谷崎といった対比もある。

    0
    2024年06月09日
  • 江戸川乱歩短篇集

    Posted by ブクログ

    日本の近代ミステリ小説の礎を切り開いた乱歩の
    代表作が多く集められている短編集で、当時日本では、珍しい探偵が主人公の作品シリーズ、明智小五郎が謎を解決していくのだが、今回の短編集には、「D坂の殺人事件」「心理試験」「屋根裏の散歩者」が、明智小五郎がでてくるのだが、全部面白かったですね。現代のミステリ作品にも通じるトリックなどが、この時代にもう出来上がって
    いるのかと、ビックリしましたね。

    0
    2023年08月20日
  • 江戸川乱歩短篇集

    Posted by ブクログ

    江戸川乱歩『江戸川乱歩短篇集』岩波文庫。

    千葉俊二により編纂された12編収録の江戸川乱歩短編集。江戸川乱歩の短編は様々な出版社から様々な形式で出版されているが、何度でも読みたくなる。

    『二銭銅貨』『D坂の殺人事件』『心理試験』が絶品。

    『二銭銅貨』。これがデビュー作かと驚くばかりの完成度。真相もトリックも解りきっているのに何度読んでも面白い。作中に登場する乱歩オリジナルの暗号にも驚かされるが、ツイストの魔術師と呼ばれるジェフリー・ディーヴァーも驚くレベルの捻りには脱帽するしかない。工場から給料の5万円を盗んだ泥棒紳士と呼ばれる男を羨むほど生活に困窮していた松村武と私。★★★★★

    『D坂

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    2025年02月09日
  • 江戸川乱歩短篇集

    Posted by ブクログ

    江戸川乱歩短編集(千葉俊二編/岩浪文庫)
    処女作の「二銭銅貨」「D坂の殺人事件」「心理試験」「白昼夢」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「火星の運河」「お勢登場」「鏡地獄」「木馬は廻る」「押絵と旅する男」「目羅博士の不思議な犯罪」の12篇を収録。
    個人的に好きなのは「押絵と旅する男」「鏡地獄」「二銭銅貨」。特に「押絵と旅する男」では遠眼鏡を逆さまにしたことで見える世界により恐怖心だけでなく不思議な懐かしさを覚えます。今回、再評価したのは完全犯罪をテーマにした「お勢登場」。閉所恐怖症の人にはきついかもしれません。
    編者である日本文学研究者の千葉俊二さんの解説では日本探偵小説の黎明、乱歩と時代の背景に

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    2023年02月28日
  • 日本児童文学名作集 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読みたかった作家が何人もいた。長いお話だと容易に手が出せないけれど、本作は児童文学を集めた名作集ということもあり、とても読みやすかった。色々な作家への入り口を作ってもらえてうれしい。
    作品のはじめに各作者の紹介文が入ってるのも個人的にはありがたい。このへんは岩波書店さまさま。
     菊池寛、有島武郎、室生犀星、島崎藤村、宇野浩二、内田百閒、椋鳩十、こんなふうに並べて書いてみて、改めてこの一冊を読めたことの収穫が大きかったのをひしひしと感じる。
     一作、とても好きだったものを挙げるとしたら、椋鳩十の「月の輪グマ」。作中の子グマがとても可愛らしく、また読み終わった後に通りすがる切なさが心地よい。

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    2022年09月13日

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