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イソップ、グリム、アンデルセンの日本初紹介の作品をはじめ、日本の児童文学に新しいページを開いた『赤い鳥』の傑作など児童文学の名作を精選。上巻には、巌谷小波「こがね丸」、小川未明「赤い船」等十七篇、下巻には、芥川竜之介「蜘蛛の糸」、宮沢賢治「オツベルと象」、新美南吉「牛をつないだ椿の木」等二一篇を収める。
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Posted by ブクログ
若い頃に既読済みながら、資料として取り寄せたが、読み出すとまた違う読み方ができて非常に楽しめた。作者略歴、挿絵もありテキストとしても秀逸。 福沢諭吉『イソップ物語抄』、呉文聡『八ツ山羊』、『不思議の新衣装』(『女学雑誌』「子供のはなし」欄、執筆者は不明だが巌本善治の可能性大)、若松賤子『忘れ形見』、...続きを読む巌谷小波『こがね丸』『三角と四角』、幸田露伴『印度の古語』、石井研堂『少年魯敏遜』、押川春波『万国幽霊怪話抄』、国木田独歩『画の悲み』、竹久夢二『春坊』、小川未明『赤い船』『野薔薇』、吉屋信子『鈴蘭』(『花物語』)、鈴木三重吉『ぽっぽのお手紙』『デイモンとピシアス』、小泉八雲(内藤史朗訳)『ちんちん小袴』
子どもを対象に書かれた明治~大正期の作品。 教訓を平易に伝えるものや、幻想的な読み物など様々。 わくわくする展開、想像の余地を与える書き方など、読み応え有る作品ばかり。 作者紹介もありがたい。
明治、大正期の日本の児童文学選集。文語体に漢字も難しく、自分の子ども時代は絶対に読もうとしなかったと思うが、巌谷小波の「こがね丸」などは当時の子どもたちに熱心に読まれていたらしい。全体の印象として、明治期は書物を青少年の教育の近代化に使おうと、教訓的な話を積極的に取り入れた感があり、「赤い鳥」が出て...続きを読むくる頃は、自分の芸術の表現として「童話」という型を使ったのかなという印象を受ける。自分はすでに子どもではないので、大人の視点からの感想になってしまうので、児童がどう思ったかは児童たちに聞かないとわからないが、西洋の物語のローカライズなど工夫を凝らしており味わい深い。 福沢諭吉が紹介したイソップ物語は教訓的。 呉文聡(生涯を統計事業に捧げた官僚)「八ツ山羊」(1887)はグリムの「狼と7匹の子山羊」ですね。弘文社刊行の多色刷り仕掛け絵本というすごく豪華な本で、縦書きの地の文が限りなく日本ぽいが、挿絵に書かれた建物や衣装は外国風で、仕掛けもほどこしてある。子ヤギたちがたいへん可愛らしい。 「不思議の新衣装」。「女学雑誌」の「子供のはなし」欄に掲載されたアンデルセン「裸の王様」。母親が子供に読み聞かせるとのことだが、冒頭と末尾は語り口調なものの、途中は文語調で難しくなかったのだろうか。 若松賤子「忘れ形見」(1890)。英国の女性の詩人A.A.プロクター(1825-1864)の詩”The Sailor Boy”の翻案。14歳の少年の一人称で綴られる自分の来歴の物語。彼は大人になったとき、あれが母親だったと理解するのだろうか。そのときどのように感じるのだろうか。 巌谷小波「こがね丸」(1891)。かの有名な本作。読むまでまったく知らなかったが、犬の敵討ちだった!いわゆる動物を擬人化した世界だが、飼い主もちらっと出てくるし、動物そのままの状態と擬人化の状態がこなれていないというかちょっと違和感があり、そこが斬新で面白い。精神的にはどの動物も報恩忠義あるい悪逆非道のニンゲンである。歌舞伎なんかで人気のありそうな物語を動物が演じていて、ときどき動物としての仕種本性が現れてしまう感じ…といったらいいのだろうか。主人公の黄金丸が親を失って牝牛の牡丹とその夫である雄牛の文角に育てられる。牛の群れの中で育った黄金丸は強くなるんですね、ここ面白い。両親の死の真相を知った黄金丸は野犬となって仇討ちに旅立つ、道中出会った猟犬の鷲郎がいい相棒でね、気っぷもいいし、一度戦った後に盟友になるっていうのが少年漫画みたい。これ本当に児童向けなのかなと思ったのが鼠の阿駒、猫に懸想され襲われかかるところを黄金丸に救われ、かいがいしく黄金丸の世話を焼く。敵の狐聴水を罠にかけるためには鉱物の鼠の天ぷらを…という黄金丸と鷲郎の話を聞いて自害してその身を捧げる…うーんすごい。設定がなかなかに面白い、妙ちくりんな傑作でした。 巌谷小波「三角と四角」(1894)。形の知育本、なのかな、四角を羨んだ三角が角を切り落としたら八角になってしまったという…シュールだけど今の知育本にも通じるかもしれない。 幸田露伴「印度の古話」(1893)。2編のうち後半の年寄りを大切にしようという話は、途中の謎解き難問が面白く、良く出来ている。 石井研堂「少年魯敏遜」(1900)。大島に行こうと単身船を出した少年が暴風雨に遭い、海上を漂流、艱難辛苦の末、孤島に上陸し一人で暮らし、半年後にようやく房総の故郷に戻ってくる話。漂流中の飢えと渇き、鱶の群れの描写がなかなかすさまじく、また孤島についてからも苦労と工夫の連続で、子供はちょっと怯えてしまうのではないか、すくなくとも冒険の旅に出ようとは思わないんじゃないかと思うくらいリアリティがある…。 押川春浪「万国幽霊怪話」(1902)。「橙の花束」は現世に心を残した女の幽霊が成仏する話。設定が美しく夢のようでロマンチックである。ほかいくつか掌編あり。 国木田独歩「画の悲み」(1902)。美しく切ない少年の友情の物語。絵の才能ではどうしても志村に勝てない主人公の心の動きがとても丁寧に描写されている。二人共もすごく絵が好きで、そのために一生懸命に取り組んで、だから最初は反発するが、あるとき二人の間に友情が芽生えると、そのあとはずっとずっと仲良くなる。大人になって道が分かれ、久しぶりに志村の消息を知ったときの悲しみが胸に刺さる。 竹久夢二「春坊」(1906)。なんでもかんでも泣いてばかり泣き虫の春坊の描写が上手い。 小川未明「赤い船」(1910)。こちらはあまりピンとこなかったが「野薔薇」(1920)最後、若者が老人に会いに来るところのなんともいえない寂寥感。 吉屋信子「鈴蘭」(1916)。幽霊物語かと思ったがとても美しくロマンチックな少女物語。 鈴木三重吉「ぽっぽのお手帳」(1918)。鳩?の視点から描くすずちゃんの生まれる前と生まれた後の家庭のスケッチ。「デイモンとピシアス」(1920)。太宰治「走れメロス」と同じお話。シンプルな筆致で描かれる。 小泉八雲「ちんちん小袴」。日本の話がアメリカで紹介された例とのこと。無精な姫君が寝ていると、ちいさな侍たちに脅されるが、この正体は片付けずに畳に隠していた爪楊枝たちだった、というのがすごく面白い!
巌谷小波、幸田露伴、押川春波、小川未明、鈴木三重吉、小泉八雲、他が執筆した、明治~大正時期頃の児童文学モノを集めたもの。 面白かったのは、巌谷小波『こがね丸』。馬琴調の伝奇仇討ち物なのですが、子供向けなので登場人物が全部動物になっており、話のテンポと物語の展開が、歌舞伎の舞台を見ているようで。 そ...続きを読むれと、教科書で読んだことがある小川未明の「野薔薇」。子供の頃は授業受けを意識して読んでしまうため、ハイハイ教訓モノね-、ぐらいの気持ちで読んでいましたが、この年齢になって読むと、この短さの中でこれだけのモノを描ききってるということに驚き、凄い作品だなあと改めて思いました。
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