作品一覧

  • 世阿弥
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    現存する最古の演劇といわれる、能楽。 今から約600年前の室町時代に、世阿弥(1363~1443?)は、当時の大衆芸能を芸術へと昇華させ、『井筒』『高砂』『砧』『実盛』『葵上』など今も上演される名作を遺し、『風姿花伝』を始めとする世界初の演劇論を執筆しました。 これほどまでの偉業をなしえたにもかかわらず、肖像画の1枚もない。 世阿弥とは、一体どんな人物だったのでしょうか? なぜこの時期に、これほどまでの仕事をなしえたのか――。 その時代背景や彼の思想哲学を、父・観阿弥や、禅竹、金剛などライバル達との作品比較、伝書から見る芸論などから細やかに考察。 晩年、大衆に拒絶され、自身も佐渡に流された世阿弥の生涯も辿りながら、彼が求めた「老いの美学」についても検証します。 本書は『世阿弥』(1972年 中公新書)より、舞台写真、資料写真を新たに差し替え、解説を加筆、文庫化したものです。 解説「異端者としての世阿弥」 土屋恵一郎(明治大学長)
  • 怪物ベンサム 快楽主義者の予言した社会
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    1巻1,210円 (税込)
    功利主義者、パノプチコン創案者。近代批判の中で忘却されたベンサム。しかし、この怪物の構想は現代にも生きている。死刑廃止、動物愛護、都市衛生、同性愛擁護、さらにはチューブによる社会通話システム、冷蔵庫……。人間を快感と欲望の中に配置し、自我の解体をも試みた男。19世紀最大の奇人啓蒙思想家の社会設計図を解読し、その背景を解明する。(講談社学術文庫)
  • 能、ドラマが立ち現れるとき
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    室町以前の「文学」を再構築し、身体芸の総合芸術へと変革した能。その代表的な作品の舞台から、能という装置と身体によって顕わになるものを凝視し、逸脱のテキスト論を展開。能の見方を挑発する現代能楽解体新書。
  • 能、世阿弥の「現在」
    3.0
    1巻594円 (税込)
    面、装束の記号的な意味、序の舞の身体、ドラマを生み出す仕掛けとしての夢、世阿弥の言葉「花」「離見の見」「幽玄」。能のさまざまな側面に切り込み、演劇空間の「現在」がどのようにつくられるのかに肉薄する。
  • 処世術は世阿弥に学べ!
    3.6
    能の大成者・世阿弥は、マーケティングの天才でもあった! 彼が残した『花伝書』は、「人気」「景気」など目には見えない「気」との戦いに生きる人間にとって、何が必要なのかを説いた克明な戦術書であり、優れた人生論である。「男時・女時」「目前心後」「離見の見」などのキーワードから、現代にも通じる人生の智恵を伝授する。

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  • 処世術は世阿弥に学べ!

    Posted by ブクログ

    世阿弥も能も、恥ずかしながら名前を聞いたことがあるくらいだったけど、世阿弥、とても興味深い。風姿花伝の幼年期の子どもの稽古についてのことばは、現代でも小さな子どもを育てるにあたって非常に共感できる。

    0
    2020年11月07日
  • 処世術は世阿弥に学べ!

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    能の大成者・世阿弥は、マーケティングの天才でもあり、彼が残した『花伝書』は優れた戦術書だった!
    「男時・女時」「目前心後」「離見の見」などのキーワードから、現代ビジネスにも通じる人生の智恵を伝授する。

    [ 目次 ]
    第1章 世阿弥の人生戦略論(リスト時代の「初心」;チャンスをつかむ力こそ、「時節感当」;勝負の波を読む「男時・女時」 ほか)
    第2章 世阿弥の創造性(「旅」の発見―境界を越える方法;能は情報カプセル―「名所教え」;能は「夢」のカプセルのなかにある―夢幻能 ほか)
    第3章 人生のシステム 世阿弥の人生論(幼年期;少年期前期;少年期後期 ほか)

    [ POP ]


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    2010年07月01日
  • 処世術は世阿弥に学べ!

    Posted by ブクログ

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    ▼ 100文字感想 ▼ 
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    マーケティングや商売の本によく出てくるのが、世阿弥
    の花伝書。なるほど、マーケットの把握の仕方、消費者
    のニーズへの応え方、など、世阿弥の考えは今の社会
    に通じる。というか、人って室町から変わってないの!?


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    ▼ 5つの共感ポイント ▼ 
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    0
    2009年10月04日
  • 能、世阿弥の「現在」

    Posted by ブクログ

    能と世阿弥にかんする著者の評論を収録しています。

    著者は、面や声、装束について、もっぱら現象学的な立場からの批評を展開するとともに、テクスト論的な視点もとりいれて能の物語構造にかんする分析をおこなっています。歴史的な立場からの議論ではないものの、各演目についての印象批評にとどまるものではなく、能にかんする美学的な考察と呼ぶことのできる内容だと感じました。

    とくに観世寿夫とジャン・ルイ・バローの競演についての分析では、身体へと閉じられてしまうバローのパフォーマンスと、空間へと広がる観世寿夫の演技を対比的に論じており、能における身体と舞台空間とのつながりについて興味深い思索が見られます。

    0
    2020年07月30日
  • 処世術は世阿弥に学べ!

    Posted by ブクログ

    学生時代の国語の授業で見せられた能があまりにも退屈だったので、50歳を超えてしまった今までずっと敬遠していたのですが、NHKの「100分 de 名著」で「風姿花伝」を取り上げたのを見ると、世阿弥は実にいいことを言っているんだと感心し、とりあえず「100分 de 名著」での解説の土屋氏の本を読んでみることにしました。
    当然ながらNHKの番組内容と結構かぶっていますが、なかなかおもしろかったです。ここでの「処世術」というのは、一般的なニュアンスの「その場しのぎ」ではなく、むしろ人間としてかっこいい「生き方」「老い方」といった感じ。著者は「処世術」の方が「人生論」より的確と考えてこのタイトルにしたそ

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    2014年01月21日

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