作品一覧

  • 入江のほとり
    -
    1巻275円 (税込)
    教職に就きながらも独学で何年も英語を勉強していた辰雄。だがある日、久々に帰ってきた長男の栄一から、お前の英語はすべて無茶苦茶で意味を成していない、どうせ発音も間違いだらけなのだろう、愚の極みだ、田舎にいるのなら短歌や句でいいんじゃないか、伝わらない英語を学んでもどうにもならないだろう、と言われてしまう。
  • 白鳥評論
    5.0
    1巻1,562円 (税込)
    「多年文学を本質的に重要視しないで年を取ってきたのに、いつの間にか私の肉体の骨髄までも文学病に冒されているのである。自分はむしろ悲んでいる。」 辛辣な文化欄記者として名を馳せ、のちには評論家として、 独自のシニシズムに貫かれた透徹した視点で生涯にわたり旺盛な批評活動を展開した正宗白鳥。その膨大な評論群から、文学論と作家論の秀作を厳選。
  • 白鳥随筆
    3.0
    1巻1,771円 (税込)
    「すべて是路傍の人であると思いながら、すべて無縁の人であると思いながら、私はその感じに終始していないで、路傍の人々と一しょに闘技場に出ているのであろう」究極のニヒリストにして、八十三歳で没するまで文学、芸術、世相に旺盛な好奇心を失わず、明治・大正・昭和の三時代にわたって現役で執筆を続けた正宗白鳥。その闊達な随筆群から、単行本未収録の秀作を厳選。
  • 文壇五十年
    3.0
    1巻880円 (税込)
    自然主義文学の泰斗が、日露戦争以降から敗戦までの文芸・演劇・美術の変遷を回想。団菊以後の左団次、島村抱月の活躍、そして新風の如く登場した荷風や花袋へのオマージュ、江戸趣味や洋行の影響を受けた文学者たちの姿を描く。大逆事件や戦時下の言論制約のなかでの揺れ動いた芸術運動を冷徹な視点で描く文学的自叙伝。

ユーザーレビュー

  • 白鳥随筆

    Posted by ブクログ

    するする読める白鳥の随筆集。面白かった!
    明治後半~昭和初期にかけての、白鳥の視線から見た文壇(+出版社)の動向回顧が興味深い。文学だけでなく新派や歌舞伎、美術など芸術全般に対して貪欲に吸収しつづけた白鳥、でもどこか一歩引いたところから物事を眺めているようなニヒルなスタンス。どの随筆も媚びた感じのしないところが(かといって、貶すわけではなくそれを己の正統な感情として説明するでき筆力が)凄いなぁと思いました。

    0
    2018年05月29日
  • 白鳥随筆

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     随筆を通して、正宗白鳥の好きなもの、嫌いなもの、価値観、思考、そんなものを追える。だいたいニヒル、時々ぐっさり、結構流されやすいというのか、ごりごり頑固ではない印象。やっぱり変わり者とは確信する。
     自分の作品や生き方に自信や誇りはなく、でもそれを卑下しながらもすーっと書いてるから、驚きながらも読みやすい。
     特に、白鳥の目に映る文壇事情、懐関係や出版業の変遷などは知らない世界を覗けるという意味で興味深い。
     現代では、出版業の意味に『文学を育てる』というところを意識しにくいが、本来は出版社の利益追求(存続のために勿論必要だが)の他に文学の育成や保護という機能や理念があるんだろうなと認識でき

    0
    2018年04月29日
  • 文壇五十年

    Posted by ブクログ

    二十世紀前半における日本文学や演劇などに関する考察を記した自伝的芸術論。当時の世相、輿論の変遷、そして欧米に対する憧憬などが窺われる貴重な資料でもある。

    0
    2013年05月26日

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