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記憶とツリーハウス
台湾版スタンド・バイ・ミーの誕生! 少年たちは親に逆らい 自由を求める旅に出た―― 台湾版「スタンド・バイ・ミー」の誕生! 「記憶とはこんなに不完全で、暗号のように時間をかけて解読するしかないのだ」 故・天野健太郎氏絶賛! 【あらすじ】 僕の人生最初の記憶は、3歳で神棚の前に跪かされ、百元札を盗んだ咎で両親と祖母から叱責されているものだ。でも、この記憶は本物だろうか……? 台湾のとある都会の片隅、夜市と花街で名を馳せる猥雑な下町で、僕ら3人――僕、翊亞(イーヤー)、阿煌(アーホァン)は育った。12歳の夏休み、僕らは廃屋の敷地にそびえるマンゴーの樹にツリーハウスを造り、大人たちが禁じた境界線の向こうを眺めながら、この街から脱出する秘密の計画を立てた。 時が経ち、暗号学を教える大学教授の職を失い、幼い娘の世話に専念する僕の元に、ピアニストとして名声を得ていた翊亞の訃報が届く。「こんな日が来るのを俺はとっくに知ってた」阿煌の言葉をきっかけに、僕は暗号を解くように、過去の記憶を手繰り始める――。 -
噓つきジェンガ
気づいた時には、もう戻れなくなっていた 直木賞受賞作『鍵のない夢を見る』と連なる、 圧巻の辻村ワールド! 大学進学で上京したのに、コロナ禍ですべてが狂った。 孤独感が募るなか、割のよいバイトに誘われる(「2020年のロマンス詐欺」)。 優秀ですんなり合格した長男に比べ苦戦している次男の中学受験。〝特別な事前受験〟があると囁かれた母は(「五年目の受験詐欺」)。 人気漫画原作者・谷嵜レオのオンラインサロンは、オフ会の創作講座が大好評。しかし、主催している紡は、谷嵜に会ったことすらない(「あの人のサロン詐欺」)。 騙す者と騙される者の切実な葛藤と後悔を描く、 スリリングな短篇集。 解説・一穂ミチ 単行本 2022年8月 文藝春秋刊 文庫版 2025年11月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
バベルの古書
札幌市近郊の町、荏原市で発生した女子大生殺人事件。遺体の首と両手は切断されて持ち去られ、現場にはフランツ・カフカの『変身』の一節が残されていた。その猟奇的な手口は5年前に発生した『グレゴール・キラー事件』に酷似しており、ほどなくして更なる被害者も現れる。グレゴール・キラーに相棒を殺された過去を持つ刑事、加地谷と新米刑事の浅羽は、事件の捜査を進めるうち、被害者の霊を目撃したという青年に遭遇する。最初は半信半疑な刑事たちだったが、青年の証言により新たな犠牲者が出たことを知り、逃走した犯人を追う。連続殺人鬼グレゴール・キラーは何故、現場に『変身』の一節を残すのか。被害者の共通点は何なのか。それらの謎を解き明かし、猟奇殺人犯へと迫る加地谷と浅羽が目にする事件の真相とは……。そして、謎の古書が導く物語は、さらなる事件とともに下巻へと続く。猟奇事件×スーパーナチュラルミステリー第一弾! -
ただいま神様当番
ある朝、目を覚ますと手首から腕にかけて「神様当番」と太くて大きな文字が書かれていた!突如目の前に現れた「神様」を名乗るおじいさんのお願いを叶えないと、その文字は消えないようで……?「お当番さん、わしを楽しませて?」幸せになる順番を待つのに疲れている印刷所の事務員、理解不能な弟にうんざりしている小学生の女の子、SNSでつながった女子にリア充と思われたい男子高校生、大学生の崩れた日本語に悩まされる外国語教師、部下が気入らないワンマン社長。奇想天外な神様に振り回されていたはずが、いつのまにか主人公たちの悩みも解決していて……。笑えて泣けるエンタメ小説です。大人気ミニチュアアーティスト・田中達也さんがカバー写真を制作。第1回宮崎本大賞を『木曜日にはココアを』で受賞した、青山美智子さんの最新作です。 -
薬師と魔王
元リケジョ、異世界で運命の恋に落ちる――。 薬の研究者として働く佐藤星奈は、気がつくと異世界に迷い込んでいた――! なんとか薬師「セーナ」としての生活を始めたある日、行き倒れた男性に遭遇する。絶世の美しさと、強い魔力を持ちながら病弱なその人は、魔王デルマティティディス。 漢方医学の知識と経験を見込まれたセーナは、彼の専属薬師となり、忘れ難い特別な時間を共にする。そうしていつしか二人は惹かれ合い……。 元リケジョの天才薬師と美しき魔王が織りなす、運命を変える溺愛ロマンス、開幕! 「魔法のiらんど大賞2021」小説大賞・異世界ファンタジー部門《特別賞》受賞作 -
やんごとなき一族
2022年4月クールのフジテレビ木曜劇場『やんごとなき一族』を完全ノベライズ! 篠原佐都は母とふたりで、下町の大衆食堂『まんぷく屋』を切り盛りしていた。そんなある日、佐都は、2年間交際してきた深山健太郎にプロポーズされ、喜んで受け入れる。 だがそのあとに、健太が江戸時代から400年以上続く名家の御曹司であることを知った。健太の父・圭一はふたりの結婚を決して認めようとはせず、佐都に健太と縁を切るよう促す。「自分とは住む世界が違う」と別れを切りだした佐都だが、健太は決してあきらめず、めでたくゴールインするが……。 王子さまに見初められたシンデレラは果たして本当に幸せに暮らせたのか……? 原作は同名の大人気コミック!誰もが気になっていたシンデレラの“その後”を描く、アフター・シンデレラ・ストーリー! -
じゃないほうの歌いかた
こんな奇跡があるのなら、人生にNOは言えない 落合南長崎の独立系カラオケ店「BIG NECO」では、今日もドラマが巻き起こる。 「カラオケの再現映像に出ていそうな女」と過去2回言われたことのある池田。 音が鳴らないトランぺッター・加賀と、その恋敵・サナ。 反抗期の娘と暮らす、元俳優の佐藤待男。 74歳にしてカラオケでアルバイトをする謎の老人・石崎さんと、 石崎さんを心配する指導役アルバイター・小野。 「E.YAZAWA」のステッカーを集め続ける、売れない作家・染井暖。 うだつのあがらない凡人たちが起こす、ちょっとした人生の奇跡ときらめき。 -
たえまない光の足し算
若者たちの生を鮮やかに描く、芥川賞候補作 第173回芥川賞候補作 若者たちの生を鮮烈な文章で描く、これが文学の未来! 「かいぶつ」と呼ばれる時計台が見下ろす公園で出会った二人の少女と一人の青年。 美容外科のポスターに啓示を受け、花を食べる“異食の道化師”薗(その)。 「みんなのひと」になりたくて、フリーハグを続ける“抱擁師”ハグ。 “プロの軟派師”としてデビューしたばかりの弘愛(ひろめぐ)。 「こんなふうだったら、かんぺきだと思う」 「なにが」 「人と人とのむすびつきがさ」 ここは帰るべき家を持たない少年少女たちの残酷な楽園 21歳の新鋭が爆発させる愛と幻想の世界! -
神の光
一攫千金を夢見て忍び込んだ砂漠の街にある高レートカジノで、見事大金を得たジョージ。誰にも見咎められずにカジノを抜け出し、盗んだバイクで逃げだす。途中、バイクの調子が悪くなり、調整するために寄った小屋で休むが、翌朝外へ出ると、カジノがあった砂漠の街は一夜のうちに跡形もなく消えていた──第76回日本推理作家協会賞短編部門の候補に選ばれた表題作を始め、奇跡の如き消失劇を5編収録。稀代のトリックメーカー・北山猛邦の新たな代表作となる、傑作推理短編集。/【目次】一九四一年のモーゼル/神の光/未完成月光 Unfinished moonshine/藤色の鶴/シンクロニシティ・セレナーデ -
書楼弔堂
古今東西の書物が集う墓場にて。 明治の終わり、消えゆくものたちの声が織りなす不滅の物語。 花も盛りの明治40年――高遠彬の紹介で、ひとりの男が書舗「弔堂」を訪れていた。 甲野昇。この名前に憶えがあるものはあるまい。故郷で居場所をなくし、なくしたまま逃げるように東京に出て、印刷造本改良会という会社で漫然と字を書いている。そんな青年である。 出版をめぐる事情は、この数十年で劇的に変わった。鉄道の発展により車内で読書が可能になり、黙読の習慣が生まれた。黙読の定着は読書の愉悦を深くし、読書人口を増やすことに貢献することとなる。本は商材となり、さらに読みやすくどんな文章にもなれる文字を必要とした。どのようにも活きられる文字――活字の誕生である。 そんな活字の種字を作らんと生きる、取り立てて個性もない名もなき男の物語。 夏目漱石、徳富蘇峰、金田一京助、牧野富太郎、そして過去シリーズの主人公も行きかうファン歓喜の最終巻。 残念ですがご所望のご本をお売りすることはできません――。 -
Leaf
2028年双葉社創業80周年記念カウントダウン企画 ~「Leaf」 物語の一葉が、心の幹に~ すべて読切の小説や、対談・エッセイなどオリジナル企画を贅沢に詰め込んだ新文芸誌、第1号! 各界の異才が結集した奇跡の一冊。 第1号から5号にわたって、計「80」名の創作者が登場予定。 価格は「880円(税込)」! ○第1号テーマ「街、あるいは何処かで」 小説界のレジェンドから今をときめく新鋭まで、実在の街や場所、もしくは架空の場を舞台に描く、綺羅星のごとく並ぶ作品群でお届けします。 [小説] 赤川次郎・朝井まかて・芦沢央・いしいしんじ・一穂ミチ・小田雅久仁・神永学・木爾チレン・佐藤究・澤村伊智・渋谷龍太(SUPER BEAVER)・染井為人・松下龍之介・宮島未奈 [エッセイ]伊坂幸太郎 [コミックエッセイ]小指 [対談]藤野千夜×志村貴子 -
女の国会
選挙に弱い政治家は、 誰かの言いなりになるしかない。 だからーー。 強くなりたい。 国会のマドンナ“お嬢”が遺書を残し自殺した。 敵対する野党第一党の“憤慨おばさん”は死の真相を探りはじめる。 議員・秘書・記者の覚悟に心震える、政治✕大逆転ミステリ! 野党第一党の高月馨は窮地に追い込まれた。 敵対関係にありつつも、ある法案については共闘関係にあった与党議員・朝沼侑子が自殺したのだ。 「自分の派閥のトップも説得できていなかったの? 法案を通すつもり、本当にあったの?」 死の前日の朝沼への叱責が彼女を追い詰めたのではないかと批判が集まり、謝罪と国対副委員長の辞任を迫られてしまう。 だが、長年ライバル関係を築いてきた高月には朝沼の死がどうも解せない。 朝沼の婚約者で政界のプリンス・三好顕太郎に直談判し、共に死の真相を調べることに -
隆家北方食目録
江(こう)国で長い歴史を誇る高級老舗酒楼・天上雲夢を若くして取り仕切る慶月(けいげつ)は、隆(りゅう)家の御曹司にして眉目秀麗、さらに頭脳明晰と非の打ち所のない青年だ。 ただし、「食」への強い興味関心を持ち、いわゆる奇食でも何でもためらわず口にするので、店の者たちからはある種の変わり者とも思われていた。 ある日、庶民たちが住まう外城の店に訪れた慶月は、酒樽の盗難疑惑をかけられ、店をクビにされて困り果てている料理人の青年と出逢う。 身分は低いが料理の才がありそうだと考えた慶月は、持ち前の頭脳で冤罪を晴らし、ある事情で元の名前を使えなくなってしまった青年に玉陽(ぎょくよう)という名を与える。 さらに、自分の店で雇ってやる代わりに、この国では禁忌となっている〈北方料理〉を共に作るよう命じて――!? 事が露見すれば互いの命が危うい事態に玉陽は怯えながらも、貧乏で苦しい生活から抜け出すために、慶月の交換条件を呑むことになり……? 食い道楽の御曹司と、名を失った料理人。 身分も性格も真逆の二人が出遭う事件の数々とは。 そして彼らの奇妙な〈共犯関係〉は、やがて新たな出逢いと国を揺るがす大事件を呼び込んで……!? 選考委員満場一致での受賞が決定した、第11回 角川文庫キャラクター小説大賞〈大賞〉受賞作!! -
一億円の犬
この犬さえいれば、人生勝ち組―― 人間の欲望と犬の純真が交差したとき、嘘・罪・謎が加速する。 疾走感No.1作家が放つ、傑作サスペンス! 六本木のセレブ妻という設定で、SNSにマンガ〈保護犬さくら、港区女子になる〉を投稿している梨沙。 ある日、出版社の編集者から書籍化のオファーが来る。動画サイトで人気になれば億単位の収入も夢ではないという。 年収一億円を夢見る梨沙は大胆な行動に出るが、想定外の“事件”に巻き込まれ……。 殺人者は誰か、嘘をついているのは誰か? 一度読みだしたらページをめくる手が止められない、疾走感満点の傑作長編ミステリー! -
運転者 未来を変える過去からの使者
辛いことがあった時には、このお話を思い出そう。 累計100万部 喜多川泰、渾身の感動作! *** 中年にして歩合制の保険営業に転職し、三年目の修一。 しかし、なかなか思うように成果が上がらない日々を過ごしていた。 ある日、唐突な担当顧客の大量解約を受け、 いよいよ金銭的にも精神的にも窮地に追いやられてしまう。 妻が楽しみにしていた海外旅行計画はキャンセルするしかない。 娘は不登校に陥っているうえに、今後の学費の工面も難しくなるだろう。 さらに長い間帰れていない実家で一人暮らしをしている、母からの電話が心にのしかかる。 「……なんで俺ばっかりこんな目に合うんだよ」 思わず独り言を言ったそのとき、 ふと目の前に、タクシーが近づいてくるのに修一は気がつく。 それは乗客の「運」を「転」ずるという摩訶不思議なタクシーで――? *** 運が劇的に変わる時、場というのが、人生にはあります。あなたにも。 運はいいか悪いで表現するものじゃないんですよ。 使う・貯めるで表現するものなんです。 先に貯めるがあって、ある程度貯まったら使うができる。 運は後払いです。何もしていないのにいいことが起こったりしないんです。 周囲から運がいいと思われている人は、貯まったから使っただけです。―――本文より 【読者の皆様より感動の声、続々! 】 *** とても感動した。運は良い悪いではなく、貯めるか使うか。 (20代 男性) *** 報われない努力は実際あるけど絶対ない理由に感銘を受け、 苦しいことがあっても乗り越えていける自信がつきました。 今この時代にいる自分はどう生きていこうかがわかり、 書籍を読み終わったあとは心が温かく、笑みがこぼれていました。 不思議な運転者に私も会いたいような気がしましたが、 この本を読んで 間接的に運転者から大事なことを気づかせてもらったので 私も実践あるのみです。 自分がいかに恵まれているのかも納得しました。 (10代 女性) *** 途中から涙が止まりませんでした。 人の愛情。 ご縁。 私も同じ考え方ですが まだまだ行動が少ないので 微力でも、もっと次の日本、世界の為に頑張ろう、と思えました。 自分の生かされている意味が実感出来る人生をいきたいと思わしてくれる素敵な物語でした。 (60代、女性) *** -
家族解散まで千キロメートル
実家に暮らす29歳の喜佐周(きさ・めぐる)。古びた実家を取り壊して、両親は住みやすいマンションへ転居、姉は結婚し、周は独立することに。引っ越し3日前、いつも通りいない父を除いた家族全員で片づけをしていたところ、不審な箱が見つかる。中にはニュースで流れた【青森の神社から盗まれたご神体】にそっくりのものが。「いっつも親父のせいでこういう馬鹿なことが起こるんだ!」理由は不明だが、父が神社から持ってきてしまったらしい。返却して許しを請うため、ご神体を車に乗せて青森へ出発する一同。しかし道中、周はいくつかの違和感に気づく。なぜ父はご神体など持ち帰ったのか。そもそも父は本当に犯人なのか――? -
海月の骨
小説現代長編新人賞から鮮烈デビュー 注目の新鋭・待望の第二作! 損壊遺体を直す納棺師を描いた『アフターブルー』で読書界隈騒然 次なる舞台は「特殊遺品整理課」 看取られなかった人生に、最後に寄り添う人がいる――。 特殊清掃の最前線。 二人の遺品整理士は部屋を片づけ、「生きた証」を見届ける。 「部屋には、そこで生きた人の人生が詰まってる」 異臭を放つ孤独死の現場を清掃し、遺された物を処分する【特殊遺品整理課】。 床を覆う無数のゴミ、家族との写真、子どもの工作品、謝罪を綴ったノート、お揃いの食器――。 清掃が終われば、そこで生きた人の痕跡は一つ残らず消えてしまう。 現場を担う水生と鳴海は、遺された部屋を手掛かりに、誰にも看取られず逝った見知らぬ他人の人生を想像する。 なぜ孤独な最期を迎えたのか。 遺された品々は何を語るのか。 故人の生きた証と向き合う日々はやがて、傷を抱えた孤独な二人の「今」をも変えていく。 -
弾丸とヒマワリ
第72回江戸川乱歩賞受賞 交錯する現在と過去。 勇気と誇りとやさしさの物語。 女子高生が自宅で銃殺され、その手には国連平和維持活動(PKO)に参加した自衛隊員に授与された名誉のメダルが握られていた。自衛隊を退官し、ピザ屋の配達員として働く本庄恵梨香は重要参考人として警察にマークされる。一方、恵梨香と同じ戦地でのトラウマから退官し、クスリに手を出し売人にまで落ちぶれた野島武のもとへ、ある日「人を殺せるクスリを用意できなか」と元地下アイドルだという南川杏子が訪ねてきたーー。 物語をぐいぐいと進めて読ませる力がある。 ーー有栖川有栖 自然なセリフに好感をもった。 ーー黒川博行 リアリティが最大の長所。 ーー貫井徳郎 多くの人に届いてほしいと願える作品です。 ーー湊かなえ 最初のトリガーが秀逸。 ーー横関大 -
氾濫の家
妻は自分のモノ。子供たちも自分のモノ。金を稼いでくるのは俺なのだから、家族は俺の言いなりにならなくてはならない。 郊外の住宅地に住む五十代の専業主婦、新井妙子。 ある日、隣の家で殺人事件が起きる。被害者の隣人が著名な大学教授だったこと、一人息子がいたことを、妙子は事件を通じて初めて知る。 平穏そうに見えた隣家で何が起きていたのかーー事件はやがて、妙子自身の家庭の闇をあぶり出していく。 『誰かがこの町で』で「同調圧力」を、『シャドウワーク』で「DV」を描いた異能のミステリー作家、今度のテーマは、この国に根深く残る「家父長制」! -
神様の用心棒
明治時代の北海道・函館。 戦争で負傷した兎月は目覚めると神社の境内にいた。 自分のことも思い出せない彼の前に神様と名乗る少年が現れ、死んだことを聞かされる。 兎月は修行として神社の用心棒となり参拝客の願いを叶えることに。 そして、願いを叶えることで少しずつ生前の記憶を取り戻していき、自身の正体を思い出したとき彼は――? 小さな神社の神様と記憶のない用心棒が北海道・函館に蔓延る闇を斬る。 大人気シリーズ『神様の子守はじめました。』(コスミック出版)の霜月りつが贈る、和風ファンタジー。 -
唐国の検屍乙女
検屍から謎を解く! 人生に絶望した少女が破天荒な天才少年とバディを組む、中華×ミステリー×ラブコメ? 1042年の北宋。 17歳の許紅花は、名医である父の許希について戦場で医者として活躍していた。 しかし怪我がもとで右手に震えが残り、戦場にも赴けず、実家の医院を手伝うこともできず、引きこもりとなってしまった。 ある時、紅花の姉が依頼を受けた検死に代わりに行くことになる。 検死のために向かった妓楼で、髑髏を抱えて罵詈雑言を喚き散らす少年、高九曜――人呼んで「髑髏真君」と出会う。 この出会いが、紅花の運命を大きく変えることとなった――。 口が悪く我儘で皆に疎まれているが、頭脳明晰で一回観察しただけで色々なことを見抜いてしまう九曜。 そんな九曜に振り回されながらも、彼の聡明さや心の機微に興味を持っていく紅花。 九曜も自分を拒絶しない紅花に興味を持ち、自分の主治医にしようと猛アタックする。 さらに許希の弟子、劉天佑からも言い寄られる紅花……。 果たして紅花の選ぶ道は? 紅花と九曜が辿り着く真相とは! -
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 完全版
「君を世界で一番×してる。……嘘だけど」 クラスメイトの御園マユ。まず第一に、とてつもなく美人。他人を寄せつけない孤高の存在。そして、これが大事なんだけど……実は僕の恋人。 ――そう、表向きは。 最近、小学生の誘拐事件が街を騒がせているらしい。 僕はずっと不思議なんだ。マユ……いや、まーちゃん。 君はなぜあの子たちを誘拐したんだろう。 すべての読者を騙し、慟哭と衝撃の真実を突きつけるミステリーが、完全版で蘇る。 【本編の前日譚にあたる、書き下ろし掌編も収録】 -
チーム・オベリベリ
約140年前、その女性は、北海道十勝の原野へ渡った オベリベリ――和人たちによって「帯広」とされた新天地 明治の先進教育を受けた彼女は、いかに生き抜こうとしたのか 開拓に身を投じた実在の若者たちを基にした、著者が初めて挑む長篇リアル・フィクション 〈明治維新という大きな時代の変わり目を体験した上に、それまでとまったく異なる世界に身を投じる若者たちの姿は、今、世界的な新型コロナウイルスの流行により、またもや大きな時代の変わり目を経験しなければならない私たちに何を思わせ、感じさせることだろうか〉――乃南アサ 文明開化の横浜で時代の最先端にいた女性は“その地”でいかに生きたか 私たちの代が、捨て石になるつもりでやっていかなければ この土地は、私たちを容易に受け入れてはくれない 宣教師たちが開いた横浜の共立女学校に学ぶ鈴木カネは、父や兄にならって聖書の教えを受け、勉学に励んでいた。 兄の銃太郎は、神学校で一緒だった渡辺勝、依田勉三と北海道開拓について考え始めている。 彼らは勉三を中心に「晩成社」を興し、新天地へ向かう準備を進める。 明治15(1882)年、23歳になったカネは女学校を卒業し、渡辺勝と結婚、そしてオベリベリとよばれた帯広へ行くことを決意する。 -
女王国の城
舞台は、めざましい成長を遂げる宗教団体〈人類協会〉の聖地、神倉。大学に姿を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。とかく噂の神倉へ、何故? 様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、4人はレンタカーを駆って木曾路をひた走る。紆余曲折を経て〈城〉と呼ばれる総本部で江神の安否は確認できたものの、思いがけず殺人事件に直面。外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し……。第8回本格ミステリ大賞に輝いた、江神シリーズ第4作。 -
〈家庭の天使〉を殺す時間 ――ジェンダーの視点で読み解く日本ミステリ史
ミステリ史の「死角」を撃つ ヴァージニア・ウルフは、女性作家にとって最大の困難は、〈家庭の天使〉を殺すことだったと述べた。 「家庭という名の〈密室〉」に潜む、女性たちの叛逆。 かつて女性は社会の〈周縁〉であり、探偵小説もまた、 文学の〈周縁〉だった――。 戦後女性探偵作家たちはなぜペンを執り、なぜ消えたのか? ジェンダーの規範に挑戦し、既存の枠組みでは回収しきれない「社会の歪み」を炙り出した彼女たちの探偵小説は、抑圧に対する切実な〈抵抗の文学〉だった――。 忘れられた先駆者たちの足跡を丹念に辿り、日本ミステリ史の空白を埋める渾身の文芸批評。 【目次】 はじめに 序章 「孤独な自転車乗り」――男性原理のミステリ小説の系譜 シャーロック・ホームズ譚から『容疑者Xの献身』まで 第一章 レジスタンスとしての探偵小説――深尾登美子 第二章 子宮という〈密室〉、あるいは戦場――四季桂子 第三章 自己実現としての〈団地マダム殺し〉――大貫進こと藤井禮子 第四章 彗星のごとく現れて消えた、謎の大型新人――松原安里こと松原一枝 第五章 〈家庭の天使〉を殺す時間――夏樹静子 あとがき 【著者】 二沓ようこ 福岡市中央区在住。文芸批評、エッセイを新聞・雑誌に多数連載。「文学批評 敍説」所属。日本詩人クラブ会員。福岡県詩人賞、福岡市文学賞(評論部門)受賞。 詩集『火曜サスペンス劇場』(ミッドナイト・プレス刊) 『夏樹静子と福岡』(福岡市文学館刊) -
最悪の相棒
少年時代に姉がストーカーに殺された男、潮崎。被害者家族によりそいすぎたため、心身を壊し、若くして亡くなってしまった警察官の父を持つ女性刑事の広中。潮崎に対して、一方的に憎しみをいただいている広中は、捜査一課にいきたいという夢があった。その夢がやっとかなう。しかし、捜査一課での相棒は、信じられないことに、潮崎だった――。 介護疲れによってひきおこされた犯罪、オレオレ詐欺に、ひきこもり。巨大団地で連鎖する事件は、やがて最悪の結末をむかえる――。先読み不能のストーリーテラーが用意した、極上の物語ラビリンス。そして最高のカタルシス! 「あなた」も刑事も気づかないうちに、事件はもう始まっていた――。 -
氷河期のゴミ
★★★いま読むべきミステリー No.1!★★★ 「もっといい時代に生まれていたら」 社会の理不尽に苦しんだことのある、すべての人へ。 大手広告代理店の就職面接。コネ入社を確約された大物議員や財閥の子息女らが毒殺された。同時刻、電力会社にも男が侵入。ビル全体を人質にとり、立てこもり事件を起こした。要求は、「おれたちに、人生を返せ」。刑事の名森は、捜査を進めるうちに匿名掲示板の書き込みに辿り着く。浮かび上がったのは、時代にすべてを奪われてきた者たちの悲しい半生だった。 共感、衝撃、憤り!感情わしづかみの徹夜ミステリー! 櫛木作品の到達点! この“犯人”に共鳴せずにはいられない。 ――宇田川拓也(ときわ書房 本店) 理不尽な社会を見事に描いたこの物語は時代を映す鏡である。問答無用、いま真っ先に読むべき一冊だ!! ――内田剛(ブックジャーナリスト) 世代あるあるをこんなにもスリリングな極上ミステリにする発想に脱帽! ――川俣めぐみ(紀伊國屋書店 横浜店) 彼らの共犯者になってしまいそうだ。そんな思いを、必死に抑えながら読んだ。 ――高頭佐和子(氷河期世代書店員) -
宝石のこえ
第20回小説現代長編新人賞受賞作。 故郷が無いこと。都会の生活を楽しむこと。まだ見ぬ光景に思いを馳せること。 宇宙人は、わたしがどんな人かお構いなしに、宝石をくれるだけ。 誰しもが抱える孤独の本質を問う、衝撃のデビュー作。 選考委員称賛! 侃々諤々の議論が巻き起こった作品。 今村翔吾さん 不穏さや虚無感に惹かれる読者は少なくないだろう。私もその一人だ。 塩田武士さん 出来事があまり多くない小説なのに読めてしまうのは、文章がよいからだろう。 中島京子さん 美しく流れるような文章。晴れすぎた空のような悲しみを帯びた世界観。 凪良ゆうさん 一押し。小説を読むことそれ自体の楽しみがあった。 宮内悠介さん 内なる閉塞感や繊細な心情などは読ませるものがある。 薬丸岳さん ある日突然、地球に宇宙人がやってきた。もはや言語を使わずにコミュニケーション可能な彼らだが、人間の声を聴くと宝石のような物質を排出するらしい。わたしは、彼らのその習性を利用して対価をもらう「宇宙人の店」で働く代わりに、大学に進学するための費用や生活費を奨学金として援助してもらっている。都会で新たな友人もでき、予備校で出会った了一と恋人になるなど日々を謳歌するが、親密になったはずの彼に、捨ててきた故郷の思い出をうまく話すことができず困惑する。根っこを失い、枝葉にも寄りかかることもできなくなって、言葉の通じない、宇宙人に自らの過去を語り始め……。 -
妖しいご縁がありまして
「決して手を離してはいけないよ」 そう、言われていたのに――。 ある夏祭りの夜、祖母の言いつけを守らなかった八重子(やえこ)は、田舎町で過ごした数年間の記憶をなくしてしまう……。 時は過ぎ、祖母の死をきっかけに再び田舎町で暮らすこととなった八重子はそこに突然現れた男に失礼な言葉をかけられる。 「おまえ、面白いものをなくしているな」 二紫名(にしな)と名乗るこの男、どうやら八重子のなくした記憶について何か知っているようで──!? 記憶を取り戻すため、八重子は自らを神使の狐だと名乗る二紫名と祖母ととも過ごした田舎町を奔走する。 記憶が戻った時、八重子の心に残る感情は果たして──。 -
逆行探偵
しがない私立探偵・烏間壮吾(からすましょうご)の足元に横たわっているのは、後頭部から血を流した自分自身だった。戸惑う壮吾のもとにやってきた、自分のことを「天使」と言い張るくたびれたサラリーマン風の男性と、「悪魔」と名乗る美しい女性。彼らの役目は、死んだ人間の魂を天国か地獄のどちらかに運ぶことらしいが、手違いにより壮吾はうっかり死んでしまったと明かされる。生き返る条件は、彼らの仕事である「魂の選別」の代行をすること。半ば強制的に仕事を手伝うことになった壮吾は、様々な事件に巻き込まれていく…。 新世代ホラーミステリーの旗手・阿泉来堂の新境地! -
時の辞典 365日の短歌
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【歌人・岡野大嗣、10周年記念ベスト作品集!】 365日、その日その季節にぴったりの短歌を並べてみたら、大切な記憶のとびらを開いてくれる「時の辞典」ができました。 短歌とは、五七五七七の三十一音にことばを映して、時を掬(すく)い上げうるもの。 (3月27日)あとがきにかえて、みたいに咲いている桜 そういう気持ちの夜に あの日、見上げた空を思い出したり。 (5月18日)方言をほころびあっていくふたり五月の川を並び歩いて 出会えた喜びに、目を細めたり。 (9月14日)沿道のコスモスざかりに押し歩く自転車 長く生きてきたよな 現在地を知って、ふと立ち止まったり。 (10月24日)ひさしぶりに食べるとおいしいねと話すあなたはひさしぶりが同じひと かけがえのなかった瞬間に、気づかされたり。 (12月27日)ファミレスは小さな足湯 近況をどこまでさかのぼって話そうか いつか見たい景色を、思い浮かべたり。 365日並べた短歌は、わたしたちが生きてきた「時間」そのものでした。 時の流れが止まることはありません。 けれど、忙しい日々の中で、1日1つだけでも短歌を読んでもらうことができたなら。 こぼれ落ちていった記憶を少しでも掬い上げてもらえるかもしれない。 まるで、見つからないことばの在り処を教えてくれる「辞典」のように。 そんなことを思って、この本をつくらせていただきました。 今日の日付でも、誕生日でも、たまたま開いた日でも、お好きなページからお楽しみください。 1年に始まりのカレンダー代わりに、あるいは、大切な人へのプレゼントにもぴったりの本です。 【こだわりの仕様】 ・短歌は1日1ページ、1つずつ。初めて短歌の本を読む方にも気軽に読んでいただけるよう、できるだけ文字も大きくしています。 ・四六版を少し細くしたサイズはT188mm × Y120mm。かわいくて、持ちやすく、読みやすいサイズです。 ・カバーデザインにある鍵のフチは、キラキラのホログラム箔加工です。 ・本文用紙は12色の色紙になっています。1ヶ月ごとに色が変わる、季節感ある読書体験をお楽しみください。 -
逆ソクラテス
逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える(逆ソクラテス)。足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが(スロウではない)。最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも(アンスポーツマンライク)。など短編全5編の主人公はすべて小学生。デビュー20年目の新境地ともいえる本作は、伊坂幸太郎史上、最高の読後感! 2021年本屋大賞第4位。柴田錬三郎賞受賞作品。 -
幻滅
「自分の力をもてあましている青年たちは、これをジャーナリズムや党派争いや文学芸術にうちこんだが、そればかりでなく、もっとも奇怪な放蕩にも乱費していた。若きフランスには、それほどありあまる精力過剰があったのだ。これらの青年はみんな活動的で、権力と快楽をもとめた。芸術家肌の者は富を欲し、無為の者は情欲をもっぱら刺激しようとした。なんとかして地位にありつこうとけんめいだった。が、政治は、どこでもそれをあたえなかった。多くの者がりっぱな才能をもっていたが、ある者は刺激の多い生活でその天賦の才を失い、ある者たちはなんとか生活にたえていた」……。 -
緊立ち 警視庁捜査共助課
警察小説の名手が満を持して放つ新警察小説 常時、七百名を超える所在不明の被疑者の顔を記憶し、人通りの多い場所に立つ見当たり捜査。警視庁捜査共助課見当たり捜査班の川東小桃は、仲間内で‟メモリー・アスリート“と呼ばれる見当たり捜査官の中でも、ひときわ優れた能力を持っていた。相手がサングラスをかけていても、変装していても、整形手術を受けていても、小桃の目から逃れることはできないのだ。 一方、同じ捜査共助課でも、わずかな手がかりを手繰り寄せて被疑者を追い詰める広域捜査共助係の佐宗橙。小桃は少女時代に盗難事件に巻き込まれ、その時の捜査官だった佐宗橙に憧れて警察官になった。奇妙な縁で結ばれた二人は、夫婦関係の難しさに悩まされながらも互いを励ましあい、着実に実績を重ねていく。 そんな時、手配中の強盗および強制性交殺人犯の「緊立ち」(緊急立ち回り情報)飛び込んできた。捜査共助課全員に出動命令が下り、小桃と燈も現場に急行する――。 単行本 2023年9月 文藝春秋刊 文庫版 2026年7月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
「記憶屋」シリーズ【全4冊合本版】
夕暮れ時、公園の緑色のベンチに座っていると現われ、忘れたい記憶を消してくれるという怪人、「記憶屋」。 記憶を消せることは、果たして救いなのだろうか。 そして、都市伝説の怪人「記憶屋」の正体とは――? 第22回日本ホラー小説大賞〈読者賞〉受賞作で映画化もされた1作目から始まる、シリーズ全4巻。 「記憶屋」に会いたいと願った人々の切ない思いが胸に迫る。 二度読み必至の青春ノスタルジックホラー! ※本電子書籍は『記憶屋』『記憶屋II』『記憶屋III』『記憶屋0』の合本版です。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。 -
犯罪心理捜査官セバスチャン 白骨
道に迷ったトレッキング中の女性が偶然見つけたのは、泥に埋まった人骨だった。山中に埋められた六人の遺体。大人が四人、子どもが二人。ずいぶん前に埋められたらしく白骨化していたが、頭蓋骨には弾痕があり、殺されたものと思われる。早速トルケル率いる殺人捜査特別班に捜査要請が出された。トルケルは迷ったあげく、有能だがトラブルメーカーのセバスチャンにも声をかける。家に居座ってしまったストーカー女にうんざりしていたセバスチャンは、渡りに舟とばかりに発見現場のイェムトランド県に同行する。史上最強の迷惑男セバスチャン再び登場。 -
ふくふく書房でお夜食を
元料理人の書店主が贈る心あたたまる物語。 古びた商店街にある小さな書店「ふくふく書房」。店を切り盛りするのは元料理人の夏郎とその娘の成、そして看板犬のフクコと猫の大福だ。書店の営業時間は夜八時までだが、閉店後ごくごくたまに、店前に灯りがつき食欲をそそるいい香りが漂い始める――。 同棲中の婚約者の浮気現場を目撃してしまった女性に、女手ひとつで育てあげた娘が巣立ち寂しさを覚える母親。 困りごとを抱える人々が訪れるのは、書店兼食事処という夜の小さな休憩場所。寡黙な店主が作る夜食と娘が作るデザートが、疲れた心を癒やし、明日への元気をくれる。心あたたまる感動の物語。 -
病棟
「過去に戻れる聴診器」を使ってみたら…。 33歳の医師・早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、「患者の気持ちがわからない女医」というレッテルを貼られ、悩んでいる。ある日、ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の心の“後悔”が聞こえてくるのだ。 「過去に戻って、もう一度、人生をやり直したい」 聴診器の力を借りて、“もうひとつの人生”の扉を開けた患者たちが見たものは――!? ●dream――千木良小都子(33歳) 母は大女優。「芸能界デビュー」の夢を諦めきれなくて… ●family――日向慶一(37歳) 俺はもうすぐ死ぬというのに、なぜ妻は金の話ばかりするのか。 ●marriage――雪村千登勢(76歳) 娘の幸せを奪ったのは私だ。結婚に反対したから、46歳の今も独り身で… ●friend――八重樫光司(45歳) 中三の時の、爽子をめぐるあの“事件”。俺が罪をかぶるべきだった。 この世の中の誰もが、「長生き」することを前提に生きている。 もしも、この歳で死ぬことを知っていたら… 家族、結婚、夢、友情。 女性から圧倒的な支持を受ける著者が描くヒューマン・ドラマ!! -
女署長の一番長い日
農村地帯を抱える地方都市の白堂警察署。いたって平凡な中規模署のはずが……署内で一千万円が紛失!? 警察署前に殺人遺体が遺棄された!? 次々起こる奇妙な事件に署長以下、刑事、制服警官、事務職員までもが奮闘する、かつてない警察ミステリー! 目次 「同期の紅葉」 樫原有子は赴任早々、署内での一千万円紛失事件の捜査を命じられる。 「正月の闖入者たち」 元日の当直勤務。交通事故の通報に始まり、重なる珍事が徐々に繋がっていく。 「警察官ではありませんが」 用務員の泊昌夫は、署内で偶然、巡査部長のセクハラ現場を目撃し……。 「女署長の一番長い日」 この春赴任してきた署長の三園紗栄子は、隣県の知人の通夜に参列するが……。 「警察署前死体遺棄事件」 深夜二時、白堂署前に女性の遺体が遺棄された。意外にも捜査は難航し……。 《解説・若林踏》 -
白い衝動
小中高一貫校でスクールカウンセラーとして働く奥貫千早のもとに現れた高校1年の生徒・野津秋成は、ごく普通の悩みを打ち明けるように、こう語りだす。「ぼくは人を殺してみたい。できるなら、殺すべき人間を殺したい」千早の住む町に、連続一家監禁事件を起こした入壱要が暮らしていることがわかる。入壱は、複数の女子高生を強姦のうえ執拗に暴行。それでも死に至らなかったことで、懲役15年の刑となり刑期を終えていた。「悪はある。悪としか呼びようのないものが」殺人衝動を抱える少年、犯罪加害者、職場の仲間、地域住民、家族……そして、夫婦。はたして人間は、どこまで「他人」を受け入れられるのか。社会が抱える悪を問う、祈りに溢れた渾身の書き下ろし長編。 -
砂のクロニクル
イランを舞台に描く壮大な一大叙事詩。 舞台は、イラン、イラク、旧ソビエト、そしてヨーロッパ・・・。壮大なスケールで描く超大作。ペルシアの地を目指した、2人の日本人が、苛烈な運命に翻弄されながらも強く生きる。 イスラム革命が成功したイラン。王の時代は終わりを告げ、念願のイスラム教を軸とする国家へと移りゆく。イスラムの教えを強く信じ、革命を成し遂げた革命防衛隊だったが、権力を手にしたとたん、内部からじわじわと腐敗がすすみゆく。革命の成功が、理想の国家を作り上げると信じていた革命防衛隊員サミル・セイフは、その現実を目の当たりにし、もう一度イスラム革命の理念を取り戻すべく戦う。 一方、イラク、イラン、トルコなど、カスピ海沿岸に国を持たずさまようクルド人。自らの国家を樹立するため、武装蜂起を計画。その意思を受けクルド人の武器を調達する日本人武器密輸商人ハジ。そして、イラン革命をつぶさに見てきた隻脚の日本人ハジ。2人の日本人の生き様を通じて、中東の置かれた現実や人々の思いを見事に描ききる。 長きに渡り、読み継がれてきた船戸与一最高傑作。小学館文庫にて刊行するにあたり、イランの地図と登場人物紹介を付記したものを電子化した。