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おれを力いっぱい殴ってくれ、とタイラーは言った。事の始まりはぼくの慢性不眠症だ。ちっぽけな仕事と欲しくもない家具の収集に人生を奪われかけていたからだ。ぼくらはファイト・クラブで体を殴り合い、命の痛みを確かめる。タイラーは社会に倦んだ男たちを集め、全米に広がる組織はやがて巨大な騒乱計画へと驀進する――人が生きることの病いを高らかに哄笑し、アメリカ中を熱狂させた二十世紀最強のカルト・ロマンス。デヴィッド・フィンチャー監督×ブラッド・ピット&エドワード・ノートン主演の映画化以後、創作の原点を著者パラニューク自らが明かしたあとがきと、アメリカ文学研究者・都甲幸治氏の解説を新規収録。
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Posted by ブクログ
最初は正直、何が起きているのかよく分からないまま読み進めていた。語り手は支離滅裂、場面は断片的で、ファイト・クラブがいつの間にか組織化し、強襲集団のようになっていく展開。それでも読み進めるうちに、この「分からなさ」自体が、この小説の読書体験なのだと感じた。
強く印象に残っているのが、ハッセルに銃を突きつけ、獣医になりたいという夢を聞き出し、「それに向かって生きろ」と言い放って解放する場面。暴力的で危険な行為であることは間違いないのに、その言葉だけを切り取ると、私たち自身に向けられているように感じられる。
人は誰でも、「今ではない」「まだ時間はある」「いつかやる」と言い訳を重ねながら、本当にやりたいことから目を背けてしまう。その事実を、容赦なく突きつけられている。
『ファイト・クラブ』は、分かりやすい答えを与えてくれる小説ではない。むしろ、読み終えたあとに「自分はどう生きているのか」「本当に自分の人生を生きているのか」と問いを残す作品と言える。その問いが今も少し胸に残っている、そんな読後感。
Posted by ブクログ
映画「ファイトクラブ」が大好きで、原作も気になったので読んでみました。結論からいうと、人生のバイブルになるかもしれない1冊です。というと大げさに聞こえるかもしれませんが、これは小説という形を取った一種の思想書だと思います。我々の人生はどこにあるのか?何のために生きるのか?そういった誰もが一度は抱くであろう人生の問いに、暴力的かつ生々しく迫ったのがファイトクラブだと思います。漫然と生きている、人生に意味を見出せていない、生を実感できていない、自分の人生じゃない気がする、少しでもそう感じるならこの本はきっと心に響くでしょう。他人から人生を主導権を取り返し、自分の人生を歩み出しましょう。人生の主人公はあなたなのだから。
Posted by ブクログ
この本。最初から最後まで面白かったかと言えば、そうではなくて、どちらかといえば、後半から急速に面白くなってきたという具合でした。
そのため、おそらく読む人を選ぶ作品であるだろうし、駄作と見られても仕方がない表現も一部あり、それらのデメリットを乗り越えた名作、という表現がこの作品について書ける、ネタバレなしの書評かな、と思います。
実はこの作品、出会ったきっかけはMr.Childrenの『ファイトクラブ』という曲から始まり、実際にその映画があったことから映画を見て、原作を読んだ、という経緯を踏んでいます。
大まかなあらすじと結末は、映画で既に知っているので、だからこそ、改めて読み切ることができたかもしれません。
主人公の「ぼく」と、「ジョン・タイラー」。
制度の中に生きる自分と、自由に生きる「タイラー」。
タイトルである、「ファイトクラブ」はどのようにしてできて、そしてどのような結末を迎えるのか。
世紀末の退廃感、主人公の不安を、ぐるぐる感じながら、刺激的な表現にちょっとクラっとしてしまいました。
後半で明かされる、びっくり仰天な事実から加速する物語の面白さをぜひ。
Posted by ブクログ
私の人生はどこに向かっても、この本はバイブルとしたい。
ファイトクラブの映画のレビューで「かっけえ、これは男の映画だ」というレビューが割と多く、とても残念に思っていた。映像にするとタイラーが格好良すぎて、過激なシーンの本質がお洒落さに変わってしまうんだなあと、メッセージ性があるストーリーなだけに、残念に感じていた。でもそれは監督であるデヴィット・フィンチャーの力量が、あまりにも凄まじいが故の事象だとも思う。
小説だとカルピスの原液くらい濃く、何を言いたいかが切実に鋭利に伝わってきて良い。
原作者のチャック・パラニュークが何を思って書いたのか、詩的な文や直接的な皮肉が混じった言葉で、独特の世界観を通して視えるのが面白い。
この小説を読んだから、私はなにかしら人生を変えようとは思わないけど、自己崩壊を投影させて、現実の自分を見直すのにはいいのかなって思う。
Posted by ブクログ
えっっっも!
とにかくその一言に尽きる。あまりに繊細な文体、エモーショナルな展開、新奇性のある言葉選びに驚いた。カルト的人気があるというのは知っていたけどこれは納得。
一見視点があちこちに映っているような主人公の言葉選びは、でも読み進めていくうちに主人公のキャラクターに没入させられる。
繰り返す退屈な昼間と刺激的な夜。でもやがて昼間は夜に引き摺られるように不穏さを増して加速していく。夜の加速はそれ以上で、物語後半でも加速は止まるどころか増していき、ラストはそのまま窓の外に勢いよく飛び出していくような疾走感が残る。
ラストの数行に選ばれた言葉のエモさ。
繰り返される「ファイトクラブ規則第一条」のキャッチーさ。
最高の本だった。
Posted by ブクログ
エドワード・ノートンが好きで見た映画「ファイト・クラブ」、未成年だった当時の私には、派手な殴り合いや血まみれの顔しか印象に残らなかった、、、。
なので、再度本でしっかり読んでみよう!と、思い立ったが吉日すぐに購入。
、、、喧嘩だけの話じゃ全然無かった。
整合性がとれない部分や、全然感情移入できない人々、でも何故だか次が知りたくてページを捲る手が止まらない止まらない。
ぼくは〇〇の〇〇です。
ぼくが青年を脅すシーンが1番好きかもしれない、私も銃を突きつけられ脅されないと動けないかもしれない。
これはフィクションだけど誰にでも当てはまる話なのかもしれない。
だれにでもぼくとタイラーはいるのかもしれない。
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小説・文芸
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