岩井志麻子の作品一覧
「岩井志麻子」の「七つのカップ 現代ホラー小説傑作集」「おんびんたれの禍夢」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
現代ホラー小説傑作集。これまた全部再読なのだけれど、傑作揃いというほかのないセレクションです。
かるかやシリーズの「芙蓉忌」、実はシリーズ他の作品に較べると印象が薄かったのですが。再読してみると、なかなかに怖いしひっそりとした切なさも感じる名作でした。なによりこのアンソロジーがこの一編で幕を開け、そしてラストが「七つのカップ」で優しく終わるという構成も素敵なのですよね(ラスト一歩手前が「あまぞわい」でとことんどんよりしたあとだというのもまた)。
小林泰三さんの「お祖父ちゃんの絵」をセレクトするというのもまたなんとも。これ、最初に読んでいるうちは「お祖母ちゃんの絵」の間違いじゃないの? って思う
Posted by ブクログ
明治末の岡山で、片目を斬られて霊媒師になったタミエの元に様々な人たちが不思議な相談事をしにくる。なんとも言えず艶めかしく、不気味で哀しく、どこか懐かしいお話の数々。やはり岩井志麻子面白い。少女小説出身というだけあって、謎なくらい読みやすく、ちょっと内に籠って夢想に耽るような独特な味わいもある。これはホラー小説というよりは、抒情奇譚という趣だった。
舶来品をありがたがる明治期のあれこれもレトロで良かった。ドリップしたコーヒーを一升瓶に詰めて「珈琲液」として売り始めたって本当か。少し多すぎやしないか。日持ちするくらいだからものすごい濃いだろうにブラックで飲んで、苦い苦いと言いながらハイカラの味と