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大正初年の岡山。妾稼業をして両親と妹を養っている珠枝は、金回りのいい旦那から与えられた家で気ままに暮らしている。そこに近在の高等遊民たちが集い、優雅なサロンのような様相を呈していた。しかし大晦日の夜、珠枝は惨殺されてしまう。家ごと焼かれ、後ろ頭の髪の毛と右の耳以外は黒焦げの姿で。「近年稀な大事件」として広がる波紋、妹を通して語られる意外な犯人像。仄暗い場所から語りかけてくるものとは……。岡山で実際に起きた猟奇事件に取材した力作長篇。
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Posted by ブクログ
これで卒論を書きたかったけど、断念しました(笑) 時代背景を考えると思考のめぐり方が一層興味深いものとなります。 装飾された文章と生々しさを感じさせるテクニックはさすが。 現代作品も読んでみたいです。
ホラーでもなくミステリでもなく どことなく純文学を感じさせる1冊。 派手な読後感は無いのだけれど ふとした時に思い出したり色濃く記憶に残るのって こう言う本だったりする。
実際にあった事件をモチーフにしてるというので、興味があり読んでみた。 あのお芝居の脚本を書いた人物には驚き。そういう人だとは思ってなかったので。
突出したところが見当たらない、何となく読み終えられる作品。後半の自白(手紙)の感じが乱歩っぽいかなという程度。
大正時代の人々の陰の特徴に焦点を当て、 拡大して描写したらこういう小説になるんだろう。 全ての人の内側に鬼でも入ってるんじゃないかと思わされる。
妾稼業で一家を支えてきた姉・珠江が惨殺されて、黒焦げ死体となって発見されて…という話。 全編通してこれぞ岩井節!とでもいうような、じっとりとした薄暗さがあります。ほぼ全編通して妹・晴子の視点で進んでいくのですが、どうもこの晴子が第三者に対して内心抱いているはずの印象と、他の人が思っている印象との表現...続きを読むが全く同じだったりして(容貌とかじゃなく人の内面部分で)、そこがちょっと読んでて引っかかりました。 また、確かに殺人事件の話ではあるのですが、犯人は誰が見てもすぐに判るし、謎解きとかミステリとしての面白さを期待して読むとがっかりするかも。殺人に至る経緯も、犯人の動機(というより自分語りか)も弱いし、今ひとつ何がしたかったのか不明。結局、誰からも部外者であった晴子の目線ではなく、違う人の目線で書いたらもっと怖かったんじゃないかな…。
読むと岡山に住みたくなくなる逆村興し小説家。 彼女が文学賞とか獲ったとして、地元は表彰したりするんじゃろうか…。
大正時代に実際に起きた殺人事件を題材とし、 志麻子ワールドが展開する。 犯人に意外性はなかったものの、 殺された「黒焦げ美人」を取り巻く人間模様とか、 案外冷静に物事を見ていた妹の心情など、 耽美で淫靡な文章で綴られていた。
常にうすぐらいかんじが、した、かなぁ。 多分勘違いだけれどもだざいっぽいかんじが、した。 おはなしはおもしろかったけれど、 こわいというかくらいというかそれこそ、黒焦げ。 解説が辛酸なめ子さんだったのが、なんか意外でした。
主人公を始め登場人物はみなそこそこ嫌なヤツとゆうところが共感を覚え すんなり読み終えました。力入れずに読めるので そこそこお勧めです。
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岩井志麻子
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