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大正初年の岡山。妾稼業をして両親と妹を養っている珠枝は、金回りのいい旦那から与えられた家で気ままに暮らしている。そこに近在の高等遊民たちが集い、優雅なサロンのような様相を呈していた。しかし大晦日の夜、珠枝は惨殺されてしまう。家ごと焼かれ、後ろ頭の髪の毛と右の耳以外は黒焦げの姿で。「近年稀な大事件」として広がる波紋、妹を通して語られる意外な犯人像。仄暗い場所から語りかけてくるものとは……。岡山で実際に起きた猟奇事件に取材した力作長篇。
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Posted by ブクログ
妾稼業で一家を支えてきた姉・珠江が惨殺されて、黒焦げ死体となって発見されて…という話。
全編通してこれぞ岩井節!とでもいうような、じっとりとした薄暗さがあります。ほぼ全編通して妹・晴子の視点で進んでいくのですが、どうもこの晴子が第三者に対して内心抱いているはずの印象と、他の人が思っている印象との表現が全く同じだったりして(容貌とかじゃなく人の内面部分で)、そこがちょっと読んでて引っかかりました。
また、確かに殺人事件の話ではあるのですが、犯人は誰が見てもすぐに判るし、謎解きとかミステリとしての面白さを期待して読むとがっかりするかも。殺人に至る経緯も、犯人の動機(というより自分語りか)も弱いし、今ひとつ何がしたかったのか不明。結局、誰からも部外者であった晴子の目線ではなく、違う人の目線で書いたらもっと怖かったんじゃないかな…。
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