愚者の毒

愚者の毒

770円 (税込)

3pt

一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。しかし、希美の紹介で葉子が家政婦として働き出した旧家の主の不審死をきっかけに、過去の因縁が二人に襲いかかる。全ての始まりは一九六五年、筑豊の廃坑集落で仕組まれた、陰惨な殺しだった…。絶望が招いた罪と転落。そして、裁きの形とは?衝撃の傑作!

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愚者の毒 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年06月04日

    現在と過去のパートが交互にでてきて、徐々に過去に起きた事件の真実がわかってくるパターンの話。
    過去パートの話がとても興味深く、自分の父親と主人公の年齢が近かったこともあり,最近までこんなに大変な時代があったのかと。炭鉱の話は本当に驚きの連続でした。
    過去の出来事も4転5転もして,驚きの連続で,ほろっ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月07日

    面白かったです!
    貧しく地獄のような場所から逃げる為に父親を殺した少年と少女が過去を捨て、ひっそりと都会に紛れ
    何も望まず人生の共犯者となる。
    そんな二人がまるで過去からの亡霊が近づくかのように、じわじわと追い詰められていく。

    え?白夜行みたい?
    似てますね…途中で気づきましたd( ̄  ̄)
    白夜行...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月06日

    読みたかった本。
    とてもよかった!

    第1章の最後に、え?!っという展開に!
    驚いた。

    筑豊廃坑集落での地獄のような暮らしは、悲惨で壮絶で読むだけで辛い。実際に大なり小なりあった話なんだろうなと、思った。

    「身の内に毒をお持ちなさい。中途半端な賢者にならないで。自分の考えに従って生きる愚者こそ、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年09月03日

    初めて読む作家さんですが、かなり面白かったです。
    日本の現代ミステリーで面白いのは大抵読んでしまったかと思っていた自分が恥ずかしい。
    まだまだですね、これからも貪欲に良作を探していきたいと考え直しました。


    1980年代、葉子は深大寺の難波家で住み込みの家政婦として、甥の達也と共に暮らしていた。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年12月09日

    圧倒されました。すごい小説です。九州の炭鉱。あんな壮絶な世界があるのでしょうか。のほほんと生きてきた身には想像もできない日常です。しかも子供たちが生活する場なのに。平等な世界、公平な社会などこの世にはなく、夢のまた夢なのですね。幼い達也くんと先生や由紀夫さんがふれあう武蔵野の場面だけは天国のようでし...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年12月01日

    身勝手な妹夫婦の負債を背負わされ、孤児となった口のきけない甥の達也と二人途方に暮れていた1985年、上野の職安で出会った希美と葉子。同じ生年月日だった事が縁で友情を深めていく。
    希美の紹介で家政婦として住み込み働く葉子。
    元教師の難波先生と、息子の由起夫との穏やかな生活の中で、いつしか由起夫にひかれ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年08月12日

    終盤からはページを捲る手が止まらなかった。
    物語が終わってしまう事が残念だった。
    香り立つような美しい情景、色を感じない過酷な時代背景、抉るような心理描写、どれもこれも光と闇に満ち溢れていた。

    正しい事を言えるのは、望まれている身においているからだと思う。
    未来には絶望しかない状況で、その日生きる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月28日

     タイトルの意味、構成内容がとても深く、心をえぐられる日本推理作家協会賞受賞作品でした。
     貧困と犯罪、社会の二極化を扱い、現在パートと過去パートを交互に描く作品は他にもあった気がします。けれども本作は、社会時事を取り込みながら、犯罪ミステリー・社会派寄りのヒューマンドラマとして、絶妙のバランス加減...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月11日

    あっぱれです。
    現代と過去ともっと過去を行き来する物語だが、伏線の回収、微妙な差異、流される違和感、それらがうまく繋がっている。
    切なくもあり、怖くもある。
    どこで誰が道を間違ったのか、これも全部運命なのか。
    非常に良くできたストーリーでした。
    是非とも実写化してほしい。
    ただ、炭鉱のところの方言が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月18日

    2015年夏、一人の女性が介護付老人ホームを終の住処と選び、そこで過去と向かい合う。彼女が向かい合う過去と現在を交錯させながら、犯してきた罪が語られていく。
    一章では、語り部を前触れなく変えてくるので、女性が誰であるのか、混乱して作者の思惑にはまる。
    貧困から逃げる為、罪を犯す。罪を隠すために嘘を重...続きを読む

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