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Posted by ブクログ
「世界は輪っかのように繋がっているのだ、一度も会ったことのない人と人も、実は深い関係があり、昔起こった些細な出来事が、今日の出来事を引き起こす、ということが。」
秩序は巡るがメインテーマ。
最後には、おまじないのような言葉は、ちゃんと伝えられるのだろうな、と、思いながら読んだけど、確かに巡り巡ったなぁ。
私は、宇佐美まことさんの本は、読むべき時に手に取っている気がする。
これも、秩序は巡る、なのかなぁ。
この本を読んで色んなことを言われた気がした。
お金に翻弄される人達ばかり出て来るけれど、博(ken)は言う、お金はただの道具でその道具を使いこなせるかどうかで人生は決まる。と。
人間、死ぬまでは生きてる。
変わりたいと思ったら、死ぬ間際でも変われる。と。
終盤に出てくる金子みすゞの詩がステキにマッチしている。
素晴らしいお話でした!
Posted by ブクログ
宇佐美まこと『熟れた月』光文社文庫。
全く救いの無い泥々した物語かと思いながら読み進んだのだが、まさかと思うような展開が待ち受けていた。人生とは近道もあれば、遠回りもあるのだと気付かせてくれるような作品だった。
弥生という女性が上司を刺殺する衝撃の場面から物語は始まる。
高校陸上部の阿久津佑太に恋心を抱く高校生の結は佑太の母親から佑太への謎めいた言葉の伝言を頼まれる。そして、冒頭で上司を刺殺した弥生こそ、佑太の母親だったことが明らかになる。何故、彼女は……
場面は変わり、乳癌が全身に転移し、余命半年と宣告された闇金業を営む宮坂マキ子とマキ子に雇われる元銀行員の取り立て屋の乾の物語が描かれる。宮坂マキ子の波乱の人生と借金から身を持ち崩し、深い泥沼から這い上がれないままの乾の惨めな人生。
やがて、乾の過去は明らかになると物語は一変する。まさか、そういうことだったのかと驚愕。マキ子が公園で知り合った車椅子の鈴木博という男。そして、狂言廻しのような柏木リョウの存在。『ウーピーパーピーの木の下に埋めた……』。次々と歯車が噛み合うかのように全てが繋がっていく。
本体価格720円
★★★★
Posted by ブクログ
がんで余命半年と宣告されたヤミ金業のマキ子。
落ちぶれた取り立て屋の乾。
陸上部のエース阿久津先輩に憧れる高校生の結。
生まれてから車椅子の生活しか知らない身体の不自由な博。
いったいどこで彼らが結びつくのかと思いながら読んだけれど、第五章で話が急展開を迎える。
最近"人と人とのつながり"を主としたものを読む機会が多いので、絶対に思いがけない人物でつながるものと覚悟していたのに…それでも予想外だった。
「世界はつながっているんだ。時とか空間とか。それから人と人も」
「世界は輪っかのようにつながっているのだ、という気がした。一度も会ったことのない人と人も、実は深い関係があり、昔起こった些細な出来事が、今日の出来事を引き起こす、というようなことが。」
風が吹けば桶屋が儲かる…じゃないけど、全然関係のないようなことでも実は影響を受けているということが、意外と世の中にはあるのかもしれない。パッと見では分からないし、私達も無意識の範囲内だから気づいていないだけで。
ラストは少しばかり明るい。けれど、マイナスがゼロになっただけである。
"ウーピーパーピーの木の下に埋めた。そこに埋めたら、何もかもなかったことになる。初めっからやり直せる。すべてはうまくいく"。そう、何もかもなかったことになって、初めっからやり直せるだけなのだ。
そこから自分を変えるかどうかは、自分にかかっている。
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