逆転のバラッド

逆転のバラッド

1,881円 (税込)

9pt

人生の折り返し点を過ぎた男たちが、平凡な地方の町を侵食する欲に塗れた悪事に立ち上がる、一発逆転のリベンジゲーム。

どんなお話?)鄙びた港町にある銭湯、みなと湯は地元で暮らす昭和世代にとっての密かな憩いの場だ。第一線を退き地元の支局に異動してきた新聞記者の弘之、老朽化した風呂釜修繕の金策に走る銭湯主人の邦明、暴力団を首になった釜焚き係の吾郎、儲からない骨董屋の跡を継いだ富夫らは、それぞれ人生に諦念を抱きながらも日々そこで交流を深めていた。彼らの前に突然現れたのは、不審死したみなと湯の銀行融資担当・丸岡の元婚約者・礼美。彼女は丸岡の死の真相と銀行の悪行を四人に訴える。

【本読みの達人たちから大絶賛ぞくぞく!】
しなしなのアラ還オヤジたちが巨悪との勝ち目薄き闘いに挑む。人生を取り戻していくその姿は勇気の塊。なんて愉快なおじさん小説!―文筆業 門賀美央子
こんな俺たちにも命がある。そう簡単にふみ潰されてたまるかよ――そんな呟きが聞こえてくる、見事な人間賛歌だ。―ミステリー評論家 杉江松恋
「人生の終焉が見え始めた男たち」が、本当に初めて見たもの。とんでもない「幸福の王子」に胸熱必至!―書評家 藤田香織
闇に迫れるのは、正攻法か、裏の手か。力なき庶民の巨悪への挑戦を、きめ細かく描いた著者の筆致に感服した。―ミステリー評論家 千街晶之
目を覚ましたならず者たちによる、あっと驚く逆転劇が素晴らしく小気味よい。―ミステリー評論家 吉野仁
うわあ、してやられた。「老い」は何かを諦めた時から始まるのだ。正攻法と搦め手を駆使し巨悪に挑む男たちの姿が眩しい!―ミステリー評論家 西上心太
今のままでいいのか、と強く問いかけられた。これは後悔を抱えたすべての人へ贈る、悲しくも力強い逆転のミステリだ。
―書評家 大矢博子
優れた社会派ミステリー。だけど、それだけじゃない。この物語、裏がありすぎる。―文芸評論家 細谷正充

著者の地元を舞台に設定した汚職禍を、果敢にミステリーに仕立て上げる作家魂を尊敬します。―担当編集

人生のたそがれ時を迎えた男たちに贈る応援歌。どんなにかっこ悪くても、最後までジタバタするべし。―著者

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逆転のバラッド のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年06月04日

    人生の折り返しに差し掛かった4人のおじさん達がそれぞれの想いを胸に大逆転をねらって奮闘していく様がとてもよかった。後半の謎解きは胸に沁みるものがありよくやったと讃えてあげたい気持ちになりました。

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    Posted by ブクログ 2023年05月26日

    何これ!めちゃくちゃ良かった‼︎
    風呂屋、骨董屋、元ヤクザ、新聞記者
    頼りになりそうなのは新聞記者だけで残り3人は初老?老人?
    元ヤクザの釜番のゴローが好きなキャラ♪
    事件探っていくうちに1人くらい死ぬなんてよくあるパターンだし…ゴロー死なないでね!とハラハラしながら気が抜けない。゚(゚´Д`゚)゚...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月21日

    丸岡将磨という銀行員が松山市内の川で溺死体で発見されます。欄干から落ちた事故死とみなされますが、同じ銀行で働いていた恋人だったという友永礼美が、初老の男5人が集まるみなと湯にやってきて「あれは殺人であり、銀行と病院のあいだの不正融資を知って殺されたのだ」とみなと湯に集まっていた初老の男たち、新聞記者...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年03月28日

    導入が少し長い気はするが、最高のプロットで還暦間際のみなと湯で交錯する男たちの人生と哀愁の描き方が抜群に上手い。巨悪と対峙する新聞記者の弘之が、人生を振り返り、省みなかった自分を取り戻していく様は、多くの団塊世代や少し下の世代の男性の共感を呼ぶと思う。宇佐美氏の作品の面白さを十二分に堪能できる傑作。

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    Posted by ブクログ 2024年03月16日

    新聞記者、風呂屋、骨董屋、元ヤクザ、くたびれたオヤジたちが面白い。

    事件を追いながら、段々と変わっていく新聞記者の弘之、家族の中で何も言えない毎日の中、一発逆転に立ち上がる骨董屋の富夫、読みながら応援したくなる。

    後半は、ドキドキして、途中でやめられませんでした。
    絵手紙もとても良かったし、重さ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月13日

    最近の宇佐美まことの作品、ニコが読んでいる限りではあるんですが、
    温かいものに変わってきたように思います。
    マジ、いい話。
    本作も数年前に喧伝されてた事件を連想させつつ、地方のドンともいえる
    ワルいヤツをみんなで懲らしめよう的なお話。
    ウン、楽しく読めましたが好みではなかったです。

    でも、以前の作...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月28日

     スカッとする一冊。人生の下り坂にいるオヤジたちが一念発起!ただの逆転劇じゃなく、しっかりとミステリー要素もあり、どんでん返しも用意されていて、読み応え十分でした。

     冒頭である銀行員が殺されます。その銀行員の恋人という女性がオヤジたちの集まるみなと湯にやってきて、彼は殺されたのだと言い、気の良い...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月12日

    愛媛を舞台にある銀行員の死から大きな不正を暴いていく親父たちの物語。コンゲームっぽい流れのある話かと思いきや社会派ミステリーの様相。宇佐美さんは流石に巧みなので地に足のついた物語が展開されていく。地元の新聞社に異動してきた主人公の1人、弘之の造形が良い。仕事一筋で家庭を顧みなかったために妻と別れ一人...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月12日

     熟年を迎え、人生に疲れを感じ始めた男たちが義憤に駆られて、不正を働く町の権利者たちに立ち向かうサスペンスミステリー。
             ◇
     宮武弘之。東洋新報松山支局記者。
     東京本局での出世争いに敗れ、故郷の松山でルーティンワークをこなしながら定年退職を待つのみ。息子は独立して家を出て行き、妻...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年06月22日

    4.5点くらい。

    他の本を借りたついでに借りた本だったが、面白かったー。

    不正融資に気がついた銀行員がヤクザといざこざのなかで誤って橋から転落し、溺死してしまうところから始まる。

    その不正融資疑惑から病院、政治家、ヤクザ、金融ブローカー絡みの金と利権が入り交じる、大きな展開に。

    出世抗争で踏...続きを読む

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