あらすじ
人生の折り返し点を過ぎた男たちが、平凡な地方の町を侵食する欲に塗れた悪事に立ち上がる、一発逆転のリベンジゲーム。
どんなお話?)鄙びた港町にある銭湯、みなと湯は地元で暮らす昭和世代にとっての密かな憩いの場だ。第一線を退き地元の支局に異動してきた新聞記者の弘之、老朽化した風呂釜修繕の金策に走る銭湯主人の邦明、暴力団を首になった釜焚き係の吾郎、儲からない骨董屋の跡を継いだ富夫らは、それぞれ人生に諦念を抱きながらも日々そこで交流を深めていた。彼らの前に突然現れたのは、不審死したみなと湯の銀行融資担当・丸岡の元婚約者・礼美。彼女は丸岡の死の真相と銀行の悪行を四人に訴える。
【本読みの達人たちから大絶賛ぞくぞく!】
しなしなのアラ還オヤジたちが巨悪との勝ち目薄き闘いに挑む。人生を取り戻していくその姿は勇気の塊。なんて愉快なおじさん小説!―文筆業 門賀美央子
こんな俺たちにも命がある。そう簡単にふみ潰されてたまるかよ――そんな呟きが聞こえてくる、見事な人間賛歌だ。―ミステリー評論家 杉江松恋
「人生の終焉が見え始めた男たち」が、本当に初めて見たもの。とんでもない「幸福の王子」に胸熱必至!―書評家 藤田香織
闇に迫れるのは、正攻法か、裏の手か。力なき庶民の巨悪への挑戦を、きめ細かく描いた著者の筆致に感服した。―ミステリー評論家 千街晶之
目を覚ましたならず者たちによる、あっと驚く逆転劇が素晴らしく小気味よい。―ミステリー評論家 吉野仁
うわあ、してやられた。「老い」は何かを諦めた時から始まるのだ。正攻法と搦め手を駆使し巨悪に挑む男たちの姿が眩しい!―ミステリー評論家 西上心太
今のままでいいのか、と強く問いかけられた。これは後悔を抱えたすべての人へ贈る、悲しくも力強い逆転のミステリだ。
―書評家 大矢博子
優れた社会派ミステリー。だけど、それだけじゃない。この物語、裏がありすぎる。―文芸評論家 細谷正充
著者の地元を舞台に設定した汚職禍を、果敢にミステリーに仕立て上げる作家魂を尊敬します。―担当編集
人生のたそがれ時を迎えた男たちに贈る応援歌。どんなにかっこ悪くても、最後までジタバタするべし。―著者
感情タグBEST3
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人生の折り返しに差し掛かった4人のおじさん達がそれぞれの想いを胸に大逆転をねらって奮闘していく様がとてもよかった。後半の謎解きは胸に沁みるものがありよくやったと讃えてあげたい気持ちになりました。
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何これ!めちゃくちゃ良かった‼︎
風呂屋、骨董屋、元ヤクザ、新聞記者
頼りになりそうなのは新聞記者だけで残り3人は初老?老人?
元ヤクザの釜番のゴローが好きなキャラ♪
事件探っていくうちに1人くらい死ぬなんてよくあるパターンだし…ゴロー死なないでね!とハラハラしながら気が抜けない。゚(゚´Д`゚)゚。
1人の銀行員の転落死から事件が想像以上に広がっていく面白さ!
ラストが痛快で王道のハッピーエンド‼︎
施設にいるお兄ちゃんの絵葉書を章タイトルにしてるのもグッときた\(//∇//)
何かストーリーは全然関係ないけど
雲霧仁左衛門を思い出して読みたくなった笑
Posted by ブクログ
丸岡将磨という銀行員が松山市内の川で溺死体で発見されます。欄干から落ちた事故死とみなされますが、同じ銀行で働いていた恋人だったという友永礼美が、初老の男5人が集まるみなと湯にやってきて「あれは殺人であり、銀行と病院のあいだの不正融資を知って殺されたのだ」とみなと湯に集まっていた初老の男たち、新聞記者の宮武弘之らをたきつけます。
弘之は事件を調べ出し、病院で医療過誤があったことを発見します。また、みなと湯の常連客の小松富夫は元暴力団の巽達郎と組んで氏家という悪徳金融ブローカーからみなと湯に融資されるはずだった一千万円を横取りしようとしますが、果たしてその辺のおじさん達のたくらみが上手くいくものなのか…?
そしてまた、あとになって死んだ丸岡には10年来の彼女がいて礼美とは恋人同士ではなかったことが発覚します。礼美は銀行を辞めて姿をくらましています。なぜ、礼美は他人の丸岡のためにみなと湯にやってきたのか…?
以下、ネタバレ含む感想なので、これから読まれる方はお気をつけください。
出てくる人物は初老のおじさんばかりですが、事件はとても上手く解決します。
警察や法の力を借りず、みなと湯に集まる5人の男達が大活躍します。
病院の不正は明るみに出て、悪徳ブローカーから取ったお金は大変有意義に使われます。
おじさん達、あっぱれ!!
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鄙びた港町にある銭湯、みなと湯は地元で暮らす昭和世代にとっての密かな憩いの場だ。第一線を退き地元の支局に異動してきた新聞記者の弘之、老朽化した風呂釜修繕の金策に走る銭湯主人の邦明、暴力団を首になった釜焚き係の吾郎、儲からない骨董屋の跡を継いだ富夫らは、それぞれ人生に諦念を抱きながらも日々そこで交流を深めていた。彼らの前に突然現れたのは、不審死したみなと湯の銀行融資担当・丸岡の元婚約者・礼美。彼女は丸岡の死の真相と銀行の悪行を四人に訴える。
○クザ相手にこうも簡単に事は進まんと思うがそこは小説。
私欲のために病院や患者を食いものにする理事長は許せんが、びよ~んと飛ばして殺害して事件性無しは無いだろう(笑)がここも小説。
Posted by ブクログ
好きな著者だったので。
しみじみ。
松山市西部の港町。
町で一軒だけ残った銭湯の主人。
全国紙の支局でくすぶる元新聞記者。
父から嫌々引き継いだ骨董屋のあるじ。
それに、銭湯で働く元暴力団員。
銭湯への融資担当だった銀行員が、
雨の日に川に流され死んだことから物語ははじまる。
銭湯への融資が見送られる中、
亡くなった銀行員の婚約者だった女性が銭湯を訪れ、
地元の病院への融資を調べていたと告げる。
小児難病で全国的に有名な病院に何があるのか。
骨董屋のあるじが現金の運び屋になった時は、
誰が誰にだまされているかわからないが、
だまされている感が満載ではらはらした。
確かにだまされてはいたのだが。
殺人のために骨董品を使ったという話はどうかと思うが、
それぞれ人生の黄昏時を迎えている男たちが、
自分の人生を見つめなおし、前を向くところが良かったかな。
欲を言えば「松山」らしさがもうちょっと出ても良かったかも。
自分は、ゴローのことを信じてた。
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一人の死をきっかけに病院への不正融資や故意による医療ミスが浮き彫りになる。みなと湯に集まるおじさん達の結束と執念により事件の核心に辿り着いていく。登場人物の背景が見えてきて同情する気持ちになる。
起承転結に忠実な作品でした。面白かったです。
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新聞記者、風呂屋、骨董屋、元ヤクザ、くたびれたオヤジたちが面白い。
事件を追いながら、段々と変わっていく新聞記者の弘之、家族の中で何も言えない毎日の中、一発逆転に立ち上がる骨董屋の富夫、読みながら応援したくなる。
後半は、ドキドキして、途中でやめられませんでした。
絵手紙もとても良かったし、重さと明るさのバランスが微妙で、読み終えた時は、気持ち良かった!
満足の一冊です。
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最近の宇佐美まことの作品、ニコが読んでいる限りではあるんですが、
温かいものに変わってきたように思います。
マジ、いい話。
本作も数年前に喧伝されてた事件を連想させつつ、地方のドンともいえる
ワルいヤツをみんなで懲らしめよう的なお話。
ウン、楽しく読めましたが好みではなかったです。
でも、以前の作品が好きすぎて、宇佐美まこと、新刊でれば読むだろうなぁ。
買うことはないけど。
Posted by ブクログ
宇佐美まこと作品2冊目
前回読んだ『羊は安らかに草を食み』は、老婆3人が主人公だったが・・・
今回 謎を解き明かすのは中年のおやじ3人
松山の小さな町の古い銭湯仲間 新聞記者の弘之、銭湯店主の邦明、骨董店の店主富夫。
事件は銭湯の蒔き釜が老朽化をして、融資を銀行に頼むことから始まる。
担当の銀行員 丸岡はまじめな好青年で手続きを進めてくれていたのだが・・・
その丸岡が大雨の日 不審な死を遂げる。
その真相を暴くため立ち上がった3人
事件は大きな裏組織や代議士・病院が関わっていた。
登場人物たちのキャラがたっていて、会話のテンポも心地よく 一緒になって謎解きをしてるかのように引き込まれていく。
前作でも感じたが この作家さんは登場人物それぞれが「抱えている悩みや気持ち」を話に乗せていくのが上手い。
そして (あっ アレかも。)と読者にも謎解きをさせ、(そうきたか)とストンと落ちるどんでん返しが小気味いい。
この秋 おすすめの1冊です。
Posted by ブクログ
スカッとする一冊。人生の下り坂にいるオヤジたちが一念発起!ただの逆転劇じゃなく、しっかりとミステリー要素もあり、どんでん返しも用意されていて、読み応え十分でした。
冒頭である銀行員が殺されます。その銀行員の恋人という女性がオヤジたちの集まるみなと湯にやってきて、彼は殺されたのだと言い、気の良いオヤジたちは、彼女のため、事の真相を探ろうと動き出します。
その真相は、巨大な悪が潜んでいて、それが発覚した頃には彼女がいなくなり、殺された銀行員の恋人ではなかったことがわかり・・・。
色んな謎が絡んでいて最初から最後まで楽しく読めました。世の中の中年オヤジたちにエールと檄を飛ばしてくれる一冊。読後感もスッキリ!
Posted by ブクログ
愛媛を舞台にある銀行員の死から大きな不正を暴いていく親父たちの物語。コンゲームっぽい流れのある話かと思いきや社会派ミステリーの様相。宇佐美さんは流石に巧みなので地に足のついた物語が展開されていく。地元の新聞社に異動してきた主人公の1人、弘之の造形が良い。仕事一筋で家庭を顧みなかったために妻と別れ一人暮らしをしている。施設に入れてしまった知的障害者の兄のことが気になりながらもどうにも会いに行けない。その不器用さに年配者のあるあるをみるのだ。ラストでの2人の邂逅は読みどころで素晴らしかった。
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熟年を迎え、人生に疲れを感じ始めた男たちが義憤に駆られて、不正を働く町の権利者たちに立ち向かうサスペンスミステリー。
◇
宮武弘之。東洋新報松山支局記者。
東京本局での出世争いに敗れ、故郷の松山でルーティンワークをこなしながら定年退職を待つのみ。息子は独立して家を出て行き、妻からは熟年離婚を申し渡され、孤独な生活を送っている。
戸田邦明。町で唯一営業を続けている銭湯みなと湯の主人。
66歳になり、みなと湯の古い薪釜同様くたびれてきた。老妻と2人、できるところまでがんばろうとは思うが、風呂釜の交換時期に来ており、その費用に頭を悩ませる毎日だ。
小松富夫。邦明の幼なじみで怪しげな骨董品屋を営む。
家では自由気ままな父親と気が強く偉そうな妻との間で気を遣い、心の休まるときがない。そんな自分を情けないと感じながらも、みなと湯で邦明たちとたわいない話をするのが唯一の気晴らしだ。
定本吾郎。みなと湯の釜焚き。
元は暴力団員だったが、お人好しで悪事に向いておらず組をお払い箱になった。流れ着いた松山で知り合った邦明に雇ってもらった恩は忘れていない。
みなと湯が休みの日には趣味の手品を活かして、ボランティアで施設を回るのが楽しみだ。
巽達郎。かつて暴力団で定本吾郎の後輩だった。取引でヘマをして窮地に陥ったところを吾郎に救ってもらったことを恩義に感じている。現在は大阪で特殊詐欺グループに属しているが、末端扱いの人生に嫌気が差している。
こんなしょぼくれた男たちが侠気を感じて立ち上がった。きっかけは、みなと湯の銀行融資を担当していた瀬戸内銀行三ツ浦支店の行員、丸岡将麿が松山市内の川で溺死体で発見されたことだった。そして、丸岡が太鼓判を押したみなと湯への融資話がなぜか凍結されていたことも判明する。
いつものようにみなと湯に集まり、丸岡の死を悼みつつ融資凍結に憤っていた宮武たちのもとを、友永礼美という女性が訪れる。
礼美は丸岡の婚約者で、丸岡は殺されたのであって、その死の裏に松山西部病院への不正融資が絡んでいて、丸岡はその不正について調べていたから殺されのだと訴えた。
宮武の記者魂に火が着いた。
一方、邦明に恩義を感じている吾郎も達郎と計って一世一代の大博打に打って出ようとしていた。
* * * * *
巨悪に立ち向かうのはしょぼくれ男たち。ドン・キホーテに勝ち目は薄いように思うけれど、作戦実行に適した役者が揃っていたのです。
新聞記者の宮武。詐欺師の達郎。そして元暴力団員にして奇術師の吾郎。さらに怪しげなモノを店先に並べる富夫。
物語は正攻法を仕掛ける宮武を中心に描かれていきます。それはそれでおもしろかったですが、やはり時間がかかるし、大勝とはいきません。
大きな見せ場となったのは、物語終盤の吾郎と達郎の活躍です。
達郎が組織から大金を騙し取ります。富夫は邦明のために達郎を輔け、現金の運び役を務めました。ちなみに詐欺のネタになったのは富夫の骨董品屋にあった模造金塊でした。
そして吾郎はというと……。
中盤まではひどくジリジリする流れだっただけに、この最後の展開にはシビれてしまいました。
社会正義だけでは裁けない悪は現然として存在します。そのもどかしさを身にしみて知っているだけに、痛快な読後感が味わえる、しょぼくれ男たちの武勇伝でした。
Posted by ブクログ
4.5点くらい。
他の本を借りたついでに借りた本だったが、面白かったー。
不正融資に気がついた銀行員がヤクザといざこざのなかで誤って橋から転落し、溺死してしまうところから始まる。
その不正融資疑惑から病院、政治家、ヤクザ、金融ブローカー絡みの金と利権が入り交じる、大きな展開に。
出世抗争で踏み外し、愛媛に戻ってきた記者の弘之。弘之と同年代の2人と吾郎との銭湯での仲間感もよかった。
銀行員の恋人で無念を晴らしたいと相談してきた女は、恋人ではなかった 果たして誰なのか? 徐々に真実が明らかになっていく描写もテンポよく、飽きなかった。
最後の方に実直な吾郎が詐欺集団から搾取した1億9000万を女性へと渡したという展開や中世の投擲器具で黒幕を殺害してしまったのではないか?と思わせる描写も最後まで面白く読めた作品であった。
Posted by ブクログ
途中から次はどうなるのかワクワクしながら読み進めることが出来ました。最後の意外な展開にビックリしました。
医療訴訟の難しさ、政治・権力の嫌らしさなど共感できる部分がありました。実際の世の中でもあるだろうなと…
Posted by ブクログ
色々人物が出てくるが、主人公の視点で語られるのは二人ほど。
帯の推薦文ほど熱い話ではないと思うが、良い話かと。
新聞記者宮武の、心情が変わっていく様が良かったと思います。
ラストの情景も個人的に好み。
Posted by ブクログ
前半は事件と登場人物同士の繫がりがよくつかめず、自分には合わないかもと思いながら読みすすめた。
が、事件の真相が見え始めておじさん達が活躍し出した中盤から、急に面白さが加速。
そこからは一気に読んだ。
何が正義なのかよくわからないけど、こんな人の繫がり方もいいなと思った。
Posted by ブクログ
いいねぇ〜
初老を迎えたちょっとくたびれたおっさんたちが一念発起して巨悪と闘う物語
人生に疲れ故郷に戻り安穏とした日々を過ごす男がかつての輝きを取り戻しながら足りなかったモノに気付かされる物語
う〜んベタや
またしてもベタ設定や
でもそこがいい!( ・∀・)イイ!!
ベタ大好きのワタクシといたしましては
ベタ設定に少しのスパイス
ちょうどいい味変
( ・∀・)イイ!!
宇佐美まことさん
もうちょっと追ってみよう
Posted by ブクログ
なんだっけ?正義を実現するため犯罪に手を染める冴えない中年おじさん達の物語。本書は仕掛けが大き過ぎて、どう着地するのかドキドキしたが…なんか微笑ましく着地。しかし宇佐美さん、引き出したくさん持ってるなぁ。
Posted by ブクログ
みなと湯に集う4人のおじさん達が闇犯罪を暴き、弱者を救う物語。新聞記者の弘之と骨董店主の富夫、事件は2人の視点で描かれる。吾郎と秀一に幸福の尺度を教えられた。
Posted by ブクログ
可愛いキャラに痺れる!沈みゆく夕日に、今一度立ち上がるオッサン達が熱いミステリー #逆転のバラッド
■あらすじ
銭湯を営む邦明であったが、経年劣化した風呂釜修繕のため、銀行に資金の融資を相談していた。しかしある晩、銀行の担当が亡くなってしまい、融資の話は流れることに。
途方に暮れる邦明は、銭湯の常連、新聞記者の弘之、骨董屋跡継ぎの富夫、従業員の吾郎に相談するも、解決せずに途方に暮れる。
ある日、亡くなった銀行担当の彼女が銭湯に訪れ、銀行の不正と不可解な死を訴えるのであった…
■きっと読みたくなるレビュー
おもろい! ストーリーもまとまってるし、抜群のエンタメ度。
裏社会の犯罪を描く社会派ミステリーでありつつも、嘆かわしくも微笑ましい登場人物たちが超可愛い(おっさんだけど)。
プロットはもちろん、文章を読ませる芸当も上手。ユーモアも小気味よく、さすがはベテランの作家先生です。どなたでも読んでもらえる、楽しいミステリーでした。
本作はあまりにもキャラクターたちが可愛いので、個々レビューしちゃいます。
○新聞記者:弘之
昭和のバリバリの新聞記者、ただしそれは過去のこと。
仕事場で戦ってきた男の悲哀。時代は変わりましたが、気持ちわかるなぁ。同じおっさんとして、読みながら応援しちゃいました。
○銭湯主人:邦明
可愛すぎ。愛媛弁が良いんですよ。「これ、な~んぞっ」とか、最高!
こんな人が友達なら、一緒に楽しく過ごせるでしょうね。
○銭湯釜焚き係:吾郎
これまた可愛すぎ。セリフ、行動、何もかも人柄の良さがにじみ出ている。
前向きなところが素敵、一緒に居酒屋でいっぱい呑みたくなる人。
○骨董屋跡継ぎ:富夫
9割の男は、こんなもんですよ(私も含め)。親近感、愛着があって大好きですね。
素寒貧で影響力もない、もう人生の終焉が見えつつある彼らが、とある事件をもとに逆転のバラッドをしたためていく。イケメン、金持ちがカッコイイのはわかりますが、こんなおっさんたちも十分絵になる! カッコいいんです。
そして本作は、社会派小説としても良くできてます。
最初は半沢直樹かと思いましたが、中盤からに厚みがでてくる展開に。登場人物もどんどん生き生きと活躍していく様は、読んでいてスカッとしますね~
そのままドラマ化できるような、素晴らしいエンタメミステリーでした。
■きっと共感できる書評
最近はネットニュースに個人の考えや意見をコメントできるようになりましたね。
例えどんな悪事であっても、様々な背景やいろんな人の感情があって起きた事件はず。しかしコメントする人たちは、安全な場所から正義を振りかざし、当然のように断罪するコメントばかりです。
罪を犯せば罰が与えられるのだから、それでいいでしょうに。親や子ども、友人知人がそれを見てどう感じるか、考えたことはないのでしょうか。
きっと本作に出てくる彼らなら、どうすればより良い社会に改善できるかなど、前向きな提案や行動をしてくれるでしょう。自分も大した社会貢献ができてないダメ親父ですが、こんなカッコいいおっさんになりたいと思いました。
Posted by ブクログ
最後の謎解きより悪人が成敗される過程をもう少し丁寧に描いて欲しかったな。口利きや環流裏金など、幾つも事例があったと思うけどそこまでは突っ込めなかったか。
Posted by ブクログ
アラ還のオヤジ達が、平凡な地方都市を侵食する金の絡んだ悪事に勇気と人生を賭ける
一人の真面目な地銀融資担当バンカーが不自然な死を遂げたところから始まる
彼に融資を依頼していた銭湯の主人とその周囲のオヤジ達が立ち上がる
なんか気持ち良い
勧善懲悪、ちょこっとミステリー
宇佐美さんってもっと評価されても良いと思う
Posted by ブクログ
自分たちが率先して動いていたと思っていたのに、実はそうなるような力が働いていた。それでも問題が解決して何より。しれっとした顔で成し遂げるってすごいな。