感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
鄙びた港町にある銭湯、みなと湯は地元で暮らす昭和世代にとっての密かな憩いの場だ。第一線を退き地元の支局に異動してきた新聞記者の弘之、老朽化した風呂釜修繕の金策に走る銭湯主人の邦明、暴力団を首になった釜焚き係の吾郎、儲からない骨董屋の跡を継いだ富夫らは、それぞれ人生に諦念を抱きながらも日々そこで交流を深めていた。彼らの前に突然現れたのは、不審死したみなと湯の銀行融資担当・丸岡の元婚約者・礼美。彼女は丸岡の死の真相と銀行の悪行を四人に訴える。
○クザ相手にこうも簡単に事は進まんと思うがそこは小説。
私欲のために病院や患者を食いものにする理事長は許せんが、びよ~んと飛ばして殺害して事件性無しは無いだろう(笑)がここも小説。
Posted by ブクログ
好きな著者だったので。
しみじみ。
松山市西部の港町。
町で一軒だけ残った銭湯の主人。
全国紙の支局でくすぶる元新聞記者。
父から嫌々引き継いだ骨董屋のあるじ。
それに、銭湯で働く元暴力団員。
銭湯への融資担当だった銀行員が、
雨の日に川に流され死んだことから物語ははじまる。
銭湯への融資が見送られる中、
亡くなった銀行員の婚約者だった女性が銭湯を訪れ、
地元の病院への融資を調べていたと告げる。
小児難病で全国的に有名な病院に何があるのか。
骨董屋のあるじが現金の運び屋になった時は、
誰が誰にだまされているかわからないが、
だまされている感が満載ではらはらした。
確かにだまされてはいたのだが。
殺人のために骨董品を使ったという話はどうかと思うが、
それぞれ人生の黄昏時を迎えている男たちが、
自分の人生を見つめなおし、前を向くところが良かったかな。
欲を言えば「松山」らしさがもうちょっと出ても良かったかも。
自分は、ゴローのことを信じてた。
Posted by ブクログ
宇佐美まこと作品2冊目
前回読んだ『羊は安らかに草を食み』は、老婆3人が主人公だったが・・・
今回 謎を解き明かすのは中年のおやじ3人
松山の小さな町の古い銭湯仲間 新聞記者の弘之、銭湯店主の邦明、骨董店の店主富夫。
事件は銭湯の蒔き釜が老朽化をして、融資を銀行に頼むことから始まる。
担当の銀行員 丸岡はまじめな好青年で手続きを進めてくれていたのだが・・・
その丸岡が大雨の日 不審な死を遂げる。
その真相を暴くため立ち上がった3人
事件は大きな裏組織や代議士・病院が関わっていた。
登場人物たちのキャラがたっていて、会話のテンポも心地よく 一緒になって謎解きをしてるかのように引き込まれていく。
前作でも感じたが この作家さんは登場人物それぞれが「抱えている悩みや気持ち」を話に乗せていくのが上手い。
そして (あっ アレかも。)と読者にも謎解きをさせ、(そうきたか)とストンと落ちるどんでん返しが小気味いい。
この秋 おすすめの1冊です。