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友人と旅行代理店を経営している四二歳の鞠子は、十一歳年下の男と付き合っているが結婚する気はない。そんな彼女が、亡父から相続した元遍路宿の古民家を訪れ、そこで古い日記を見つける。四国遍路で果てる覚悟の女が戦前に書いたと思われる旅の記録を読み、自身も女の生と性に揺れる鞠子はこの遍路日記に飲み込まれるようになり……。単行本『いきぢごく』を改題。(解説・杉江松恋)
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Posted by ブクログ
女を正直に生きたら…ってなことを考えながら読んじゃいました。同じ人間だけど 感情とか欲情とか すごく人間的な部分の受け止め方に違いがあるんだなぁ〜と。登場人物の誰かに自分が当てはまるな。とも思いました。
幼い時、母親を病気で亡くした女性。父親と姉に大切に育てられる。 二十歳になった彼女は、姉の夫に惹かれてしまう。大人しげな姉が不倫の末結ばれた男だった。 過ちは一度だが、彼女はその気持ちを引き摺って40過ぎまで、恋愛には不向きであった。 そんな彼女は11歳年下の男性と付き合う。男は、彼女に夢中になり別...続きを読むれ話の後、自殺する。 そんな、仕事はできるし自立心もある自由な生き方をしていた女性の、恋人だった男の自死、姉の夫との再会から揺れ動く気持ちを、四国遍路の一人の女性の手記に自分を重ねて、女としての醜い部分に恐れを感じる。そして、思わぬ罠にハマっていく。 遍路の日記が、出来すぎているのが、不自然な感じがあったけれど、ラストのほうで、その日記の本当の意味がわかり、女達は怖いなって思う。
瓶覗、この本に出て来たワード。 空の色を映しとった、はかない色。空を恋う色。綺麗な色。初めて知った。 私は寧ろ、姉の亜弥の話、どんな手を使って幹久を奪ったのだろうか? これには無いが、気になってしまい知りたいと思ってしまう。
体の芯を蕩かすような官能から逃れられない女の悩ましい血と人を恋う狂おしさに彩られ、独身キャリア四十路の鞠子の道ならぬ男女関係と千々に乱れる想いを綴る女遍路の手記が交互に語られていく。 途中までは鞠子を理解できなくてページが進まなかったが、それぞれが心に抱える修羅が露わになる怒涛の終盤は愛憎の“いきぢ...続きを読むごく”に絡め取られて出口の見えない緊張感の連続。女の立場で読めば恋愛小説、親の立場で読むと限りなくサスペンス。 鞠子と歳が近いせいか自分の過去にふと引き戻されたり眠る感情を揺すぶられたり、作者に見事かき乱された。
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