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ピアノ調律師の一藤麻衣子には、忌まわしい記憶があった。父親の死を期に、母子で身を寄せた愛媛の山奥の小さな村。今はダムの底に沈んでいるその村で、少女時代の麻衣子が目撃したもの。それは村長であり、麻衣子の庇護者だった伯父が熱湯で茹で上げられた全裸の惨死体だった。伯父の肩に刻まれた十字の焼印。囁かれる隠れキリシタンの呪い――。村を捨て東京へ逃れ、ひっそり暮らしていた麻衣子だったが、ある人気女性ピアニストとの出会いから、運命の歯車が過去へと動き出す…。やがて明らかになる悪意の真相とは?2017年日本推理作家協会賞受賞後初の長編ミステリー!
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Posted by ブクログ
2022.08.27
「愚者の毒」に続き、一気読みしてしまった。愚者の毒も本当に暗い話だったけど、こちらも暗い…とにかく水の底のように登場人物の誰も彼もが境遇が暗くて重い。もうやめて!と叫びたくなるくらい暗い。イケメン御曹司である陽一郎でさえも…。陽一郎って、ガラスの仮面の速水真澄みたいで、唯一の救済者と思ったけど、恋人の殺人を知ってそれでも結婚する陽一郎も相当ヤバイ。
結婚後、母か彩香を殺してほしいと思ってるのかもしれないなと勘繰ってしまうイヤーな終わり方。
こういうのもイヤミスっていうのかしら?
この小説の中に一貫して流れているものは「狂気」だと思う。登場人物全員が心の中に暗くて醜い狂気を持っていて、それがまた面白くもありページをめくる手が止まらないんだけど、読み進めるごとにこちらの気分も沈んでくる。
もう誰も信用できなくなってきて、春日コーポーレーションの恩人ユリさんでさえ何か腹黒いものがあるんじゃないかと信用できなくなる始末(結果そこまで酷い展開じゃなくてホッとした)。
この作者さんの作品はどれもこんな感じで暗いのかな。好きだけど、覚悟して読まないと落ち込むなと思った。
Posted by ブクログ
この作品は四章から成り、章ごとに有名なピアノ曲にちなんだタイトルがつけられています。
第一章「沈める寺」ドビッシー、第二章「水の戯れ」ラヴェル、第三章「雨だれ」ショパン第四章「オンディーヌ」ラヴェル。
そしてこの本のタイトルである『死はすぐそこの影の中』はフランスのピアニスト、アルフレッド・コルトーに命名された「雨だれ」のもうひとつのタイトルです。
そして主人公である一藤麻衣子はピアノの調律師です。
麻衣子は東京の生まれですが5歳で父を亡くし愛媛県の七富利村の村長だった父の兄である伯父の家に母と身を寄せます。
麻衣子は転校生ですが困った時に麻衣子を助けてくれるミツルや司という友だちができます。
一方、麻衣子は5歳まで習っていたピアノに想いを募らせます。
麻衣子が中学生の時に子どものできない伯母のかわりに母と関係を持つようになっていた伯父は家の風呂に溺れるという不審死を遂げ、隠れキリシタンの呪いという噂がたちます。
そして、村にいられなくなり麻衣子と母、伯母の幸枝は東京へと移り住みます。
麻衣子は病院の精神科で治療を受けのちに調律師になります。
人気ピアニストの兄で実業家の橘陽一郎との噂がきっかけで、麻衣子の過去を知る人物に出会い、伯父の怪死事件の謎と麻衣子の過去が明らかになっていきます。
しかし、麻衣子の過去を知る人物は大怪我をします。
最後まで一番怖い人物は誰なのかわかりませんでした。
村の旧家で起こった数々の事件。
罪を犯した人物には一体、どういう制裁が下るのか。
かなり怖い終わり方です。ホラーだと思いました。
Posted by ブクログ
これはやられた! って感じでした(^ ^;
物語の序盤は、伝奇ホラー風。
ダムに沈んだ村、キリシタンの呪い、
謎の「事故死」を遂げた伯父...などなど、
おどろおどろしいモチーフが続けて出てくる。
それが、とあるきっかけで「謎解き成分」が増える。
主人公の過去を探ろうとする同郷の三流ライター。
この辺からさらに「バイオレンス成分」まで出てくる(^ ^;
さらに終盤には「え、そういうことだったの!?」
という驚きの展開になり、その後まだ二転三転(^ ^;
も、何を信じたら良いのやら状態(^ ^;
読み進めつつ「え、ちょっと待って」となって、
ページを遡って読み返すこと数回(^ ^;
一冊で5度も6度も楽しめる(^ ^
エンディングも、一応はハッピーエンドながら、
この先まだ波乱を予見させるモヤモヤは残り(^ ^;
巻末の解説を読むと、気づいてなかった
「さらなる仕掛け」が隠されていたりして...
本当にどこまで掘り下げて構成してるんだ作者は(^ ^;
いや〜、いろんな意味でやられましたわぁ...(^ ^;
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