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ピアノ調律師の一藤麻衣子には、忌まわしい記憶があった。父親の死を期に、母子で身を寄せた愛媛の山奥の小さな村。今はダムの底に沈んでいるその村で、少女時代の麻衣子が目撃したもの。それは村長であり、麻衣子の庇護者だった伯父が熱湯で茹で上げられた全裸の惨死体だった。伯父の肩に刻まれた十字の焼印。囁かれる隠れキリシタンの呪い――。村を捨て東京へ逃れ、ひっそり暮らしていた麻衣子だったが、ある人気女性ピアニストとの出会いから、運命の歯車が過去へと動き出す…。やがて明らかになる悪意の真相とは?2017年日本推理作家協会賞受賞後初の長編ミステリー!
...続きを読むPosted by ブクログ 2022年08月28日
2022.08.27
「愚者の毒」に続き、一気読みしてしまった。愚者の毒も本当に暗い話だったけど、こちらも暗い…とにかく水の底のように登場人物の誰も彼もが境遇が暗くて重い。もうやめて!と叫びたくなるくらい暗い。イケメン御曹司である陽一郎でさえも…。陽一郎って、ガラスの仮面の速水真澄みたいで、唯一の...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月23日
この作品は四章から成り、章ごとに有名なピアノ曲にちなんだタイトルがつけられています。
第一章「沈める寺」ドビッシー、第二章「水の戯れ」ラヴェル、第三章「雨だれ」ショパン第四章「オンディーヌ」ラヴェル。
そしてこの本のタイトルである『死はすぐそこの影の中』はフランスのピアニスト、アルフレッド・コルトー...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月18日
ピアノの調律師の麻衣子は幼い時に父を亡くし依存体質の母は麻衣子を1人で育てる事が出来ず、夫の兄夫婦を頼り実家の四国の山奥へ移住する。
義兄は、村の権力者であり、麻衣子の母は異形の義兄に依存して村での生活を送るが、麻衣子は叔父を毛嫌いする。
そんな中、村にダム建設の話が上がり、建設を巡って村人が対立中...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年12月14日
『入らずの森』を読んで、追いかけようと決めた作家さん。
不遇な子供時代を過ごしたピアノ調律師をしている主人公の麻衣子。
過去に住んでいた村での記憶と現在とが並行して話が進む。
正直オチは予想がついたのですが、それでもやはり面白かった。
隠れキリシタンが話のポイントとなってくると思っていたのだけれど余...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年12月07日
これはやられた! って感じでした(^ ^;
物語の序盤は、伝奇ホラー風。
ダムに沈んだ村、キリシタンの呪い、
謎の「事故死」を遂げた伯父...などなど、
おどろおどろしいモチーフが続けて出てくる。
それが、とあるきっかけで「謎解き成分」が増える。
主人公の過去を探ろうとする同郷の三流ライター。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年04月24日
水と音が様々な通奏低音として聴こえてくる。
半村良か横溝正史かと思いきやダニエルキイス、更にはこれでもかの力技。
何が本当か分からなくなり、自分ですらも、何人もの人格がいそう。
貫井さんや乃南さんのような人の心の闇に入り込んでくるが、読後感にはある種の爽やかを感じた。
読み通しのには、重たかった。女...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年07月14日
「愚者の毒」と同じ作者だったので。
だいぶ、作者のやり口に慣れてきたので、
今度こそだまされないぞ、と読み進めた。
幻のように消えた子供がいても、それは幽霊ではない。
呪いと言われても、信じてはいけない。
あっさり書かれている出来事には裏がある。
かなり真実に近づけたが、やっぱりだまされた。
...続きを読む
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