古民家を買った男は、なぜ家の中にある氷室のことが気になってならないのか(宇佐美まこと「氷室」)。自殺した妹の部屋が、しばらく後に訪ねていくと、元通りに復元されている(神永学「妹の部屋」)。家の中に真ん中にある座敷牢は、誰を閉じ込めるためのものだったのか(黒木あるじ「牢屋」)。その家は、何か変だ(平山夢明「ろろるいの家」)。
当代随一の作家たちが紡ぐ、「超怖い」物語。
Posted by ブクログ 2022年11月23日
一応、「家」にまつわる怪談、ということになるのかな。(読んでいる最中それが強く意識されるという感じでもないのだけど。)
全体的にはきちんとそれぞれ「作品」になっているので、素人っぽいノリで集めた聞き書き怪談、みたいな雰囲気ではなく、しっかり読み応えがあるものが多かった。
ただ、なんというか、「物...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月15日
宇佐美まことさんの『氷室』と澤村伊智さんの『笛を吹く家』が好き!お二人の作品がそもそも好きなのもあるけど、最初と読み終わった後のイメージがガラリと変わるのがいい。
ついついホラーでもオチ的なものを求めてしまいがちなので、理由の分からない恐怖はどこか冷めちゃう感じで読んじゃうところあるけど、全体的に...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月09日
「物件」に関する怪談小説のアンソロジー。おすすめ作品
神永学『妹の部屋』死んだはずの妹の部屋がいつしか復元されている。おかしいのは自分か、家族か。ミステリ要素のあるホラー。
澤村伊智『笛を吹く家』一番おすすめの作品。ラストにどんでん返しがあるホラーミステリー。
郷内心瞳『トガハラミ』人間に取り憑いて...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月01日
読み応えのあるホラーオムニバス
好きだった話抜粋
「氷室」
途中でオチは読めたけど更なるオチがついてるとは…読んでくとひんやり感が伝わってくる
「旧居の記憶」
昔住んでたとこ変なこと多くて〜心霊現象多かったンスよ〜で済んでいいのか分からない作者の体験記
かつてのノスタルジックな情景を思い描きなが...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月29日
家に取り憑いているもの、そこにやって来る何か、ヒトコワ系…住むにはどれも勇気がいる怖い物件勢揃い。
宇佐美さんの正統派ホラーミステリー「氷室」で一気に黒々した冷気に包まれ、澤村さんの「笛を吹く家」の心の痛みと闇の見事な完成にほぉーっとため息。黒木さんの「牢家」と芦花さんの「終の棲家」の訳わからない恐...続きを読む