羊は安らかに草を食み

羊は安らかに草を食み

1,870円 (税込)

9pt

認知症を患い、日ごと記憶が失われゆく老女には、それでも消せない “秘密の絆” があった――

過去の断片が、まあさんを苦しめている。それまで理性で抑えつけていたものが溢れ出してきているのだ。彼女の心のつかえを取り除いてあげたい――
アイと富士子は、二十年来の友人・益恵を “最後の旅” に連れ出すことにした。それは、益恵がかつて暮らした土地を巡る旅。
大津、松山、五島列島……満州からの引揚者だった益恵は、いかにして敗戦の苛酷を生き延び、今日の平穏を得たのか。彼女が隠しつづけてきた秘密とは?
旅の果て、益恵がこれまで見せたことのない感情を露わにした時、老女たちの運命は急転する――。
八十六年の人生を遡る最後の旅が、図らずも浮かび上がらせる壮絶な真実。
日本推理作家協会賞 『愚者の毒』 を超える、魂の戦慄!

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羊は安らかに草を食み のユーザーレビュー

4.5
Rated 4.5 stars out of 5
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    Posted by ブクログ

    戦争についても、認知症についても大変勉強になり本当に読んで良かったです。


    夢に見るほど残酷な戦時のお話が描かれていました。
    このような体験をされた人がたくさんいて、それでも生きて日本に帰ってきたと知り、自分の日常がなんて幸せなんだろうと思いました。
    戦争は人を変えてしまう。
    どんな残酷な時代だっ

    0
    2025年03月05日

    Posted by ブクログ

    戦争の情景が痛々しく読むのが辛いけれど、この本と出会えて良かった。遠い昔の話ではなく、これに似たようなことが今も世界で繰り広げられているのかと思うとぞっとする。自分のこどもがもしこんな目に遭ったら…と思うと気が狂いそう。
    日本でぼーっと生きていると忘れてしまう大事なことを思い出させてくれた一冊。

    0
    2025年02月17日

    Posted by ブクログ

    たった17音の俳句の中に、
    10才の孤児が見た壮絶な景色が詠み込まれてい
    ました。

    永遠に癒されない戦争体験による心の傷が中心となり展開される物語。
    のどかなタイトルからはとても想像できないような内容でした。

    いつの頃だったか、
    ドラマで愛新覚羅溥傑の妻、浩さんの物語を観た事があります。
    特に満

    0
    2025年02月16日

    Posted by ブクログ

    『戦争がひどくないわけないやろ』って途中にお話があったけど、この老女の経験は凄かった。もし、当時に生まれてたら、とか、現在でも戦争地域に生まれてたらとか、真剣に考える機会を得ました。
    でも、賛否の分かれる最後のストーリーは無くて良かったかな〜

    0
    2025年02月09日

    Posted by ブクログ

    これはすごい。読んで良かった。星10

    子供の頃に、中国残留邦人が肉親探しのために来日するというニュースを何度も見た記憶がある。また、軍医だった祖父が中国から引き揚げてきた時の話もよく聞いたし、関東軍が民間人を置いて真っ先に退却したということも知っていた。

    だが、一般人の引き揚げがこれほどまでに凄

    0
    2025年01月18日

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