羊は安らかに草を食み

羊は安らかに草を食み

1,870円 (税込)

9pt

認知症を患い、日ごと記憶が失われゆく老女には、それでも消せない “秘密の絆” があった――

過去の断片が、まあさんを苦しめている。それまで理性で抑えつけていたものが溢れ出してきているのだ。彼女の心のつかえを取り除いてあげたい――
アイと富士子は、二十年来の友人・益恵を “最後の旅” に連れ出すことにした。それは、益恵がかつて暮らした土地を巡る旅。
大津、松山、五島列島……満州からの引揚者だった益恵は、いかにして敗戦の苛酷を生き延び、今日の平穏を得たのか。彼女が隠しつづけてきた秘密とは?
旅の果て、益恵がこれまで見せたことのない感情を露わにした時、老女たちの運命は急転する――。
八十六年の人生を遡る最後の旅が、図らずも浮かび上がらせる壮絶な真実。
日本推理作家協会賞 『愚者の毒』 を超える、魂の戦慄!

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羊は安らかに草を食み のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    俳句仲間の益恵、アイ、富士子が、認知症になり記憶をなくしていく益恵の生涯をたどる旅に出る
    益恵の旧友たちの語り
    満州からの引き揚げという壮絶な経験を表す益恵の俳句
    読むのが辛くなるくらい悲惨なのに、読み進める手が止まらない
    教科書を読むより、余程平和や戦争への意識が変わると思う
    ラストの「別れる辛さ

    0
    2025年11月28日

    Posted by ブクログ

    本当に出会えてよかった小説でした。
    内容が濃くて、読みごたえがありました。

    認知症の妻(益恵)が住んだ土地を巡ってほしいと頼まれた、益恵の親友のアイと富士子。三人は滋賀県大津市、愛媛県松山市、長崎県國先島を訪れます。益恵が11歳の時、満州から引き揚げるときの出来事と交互に語られていました。

    満州

    0
    2025年09月01日

    Posted by ブクログ

    とても良かったです。
    「別れる辛さを思うより、この世で出会えたことを喜びましょう」
    辛い戦争体験には言葉がみつからないけれど
    最後の、この言葉で救われた気がします。
    そして、とてもいい言葉です。

    0
    2025年08月24日

    Posted by ブクログ

    この三人の女性にとても近い年齢なので…
    そして、戦争は終わってから80年…近いです。
    すべてが想像できるので、辛く読み進めるのにも気がせきました。
    何とも言えない終末ですが、でも私も、
    それに近いことをしたかな・・‥と思います。
    読後はちっとも重い気持ちにはなりません‥‥でした。

    0
    2025年08月23日

    Posted by ブクログ

    久しぶりに心に迫る本に出会えた気がします。

    戦中、戦後を逞しく生き延びた少女たちに涙が止まりませんでした。
    たった80年ほど前にこんな過酷な現実があったなんて…。
    戦争の話は子供の頃から繰り返し、学んできたつもりでしたが、こうして物語形式で読むとリアリティをとても感じました。

    そして主人公を支え

    0
    2025年08月22日

    Posted by ブクログ

    読書備忘録935号。
    ★★★★★。

    なるほど。
    タイトルの暗喩はラストで着地するんだ。
    アイと富士子が羊飼いという訳ね。
    そして、カヨちゃんと益恵が羊か・・・。
    サスペンスであり、見方を変えればホラーです。

    読後ずいぶん経ってしまったので忘却の上での備忘録となってしまった。( ノД`)シクシク…

    0
    2025年08月13日

    Posted by ブクログ

    戦争の悲惨さ、人間の愚かさ、運の分かれ道、、、友の存在だけが生きる意味だったのかな

    本当にこんなことが起きてたんだな
    起きてたまるかよ…

    目眩がしそうでした。

    0
    2025年05月25日

    Posted by ブクログ

    宇佐美まことさんの著書を読むのは2冊目だ
    益恵さんや佳代さん他にも色々な人が戦争によってトラウマや不幸な目に遭わされた
    やはり戦争なんて誰も幸せにならない
    途中満州での2人の子ども時代はついウッと目を背けてしまいたくなる描写が多かったが、戦争を経験したことのない私も知っておいた方がよいだろうと思いし

    0
    2025年05月06日

    Posted by ブクログ

    2021年読書メーターOF THE YEAR 2位

    涙なしに読めない素晴らしい小説だった。
    認知症の話ではなく、満州から生き延びて引揚げた益恵の壮絶な体験と彼女が貫いてきたものを描いた、帯のとおりの「圧巻の人間ドラマ」だった。
    その体験があるからこその彼女の人となりや、人生の選択が、あまりにも説得

    0
    2025年03月20日

    Posted by ブクログ

    戦争についても、認知症についても大変勉強になり本当に読んで良かったです。


    夢に見るほど残酷な戦時のお話が描かれていました。
    このような体験をされた人がたくさんいて、それでも生きて日本に帰ってきたと知り、自分の日常がなんて幸せなんだろうと思いました。
    戦争は人を変えてしまう。
    どんな残酷な時代だっ

    0
    2025年03月05日

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