語り下ろしという形式をとっているので、著者の言葉は間接的に文章化されているのですが、一読して「この人の言葉は信用できそう」という印象を受けました。
これはライターや編集者の力量ももちろんあると思いますが、自分なりにその理由を考えてみると、一番大きいのは読書術の本であるにも関わらず「たくさん読むこと
...続きを読むが大事」とは全く言っていないことじゃないかと思います。
100分de名著のプロデューサーともあれば、「あの本がすごい」「この本は為になる」と量的に本の魅力を語ることも容易に出来ると思いますが、むしろ同じ本を繰り返し読むことの大切さ、難解な本と何度もぶつかりながら少しずつわからなさを解きほぐしていく楽しさを説く姿勢がとても魅力的でした。
おそらく書店ではビジネス書の棚あたりに分類されそうですが、本書が教えてくれるのは小手先のビジネススキルではなくもっと本質的なものです。