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Posted by ブクログ
自殺をするために集まった4人組だったが、三郎によって4人が結託し、追ってからの逃亡を図る。千代子は男を扱うのが上手く、子守りもプロ、長谷部は車の修理と昔ながらの頑固おやじで怖いもの知らず、陸斗に至っては中学生の割に大人びていて頭も良い。夏美は悪知恵の働く美人という、ちぐはぐな4人が1人の赤ちゃんを助けるため、車で不便な生活をし、社会の目から逃げる。三郎をどうするかの話し合いの時に、千代子が念仏を唱え、長谷部は怒り、夏美と陸斗は喧嘩をしていて、三郎は泣いているというカオスな空間に笑えた。非日常を体験し、不思議な縁でつながった4人の絆は深い。きっと何年経っても家族以上に会いたくなるのではないだろうか。インフルエンサー気取りの女や、探ってくるおばさんもウザイ。猪の口に至ってはもっと。夏美は、猪の口から逃げられなければ殺されてしまうかもしれない。刺激のある日々を過ごしたいが、あまり悪目立ちしないように平和に過ごしたいと思った。そんなこと起きる!?という展開ばかりだったが、面白く現実逃避できる本である。
Posted by ブクログ
ネットでの集団自殺の呼びかけに応じて集まった4人の自殺志願者たち vs 嬰児売買専門の闇組織 の攻防を描くサスペンスミステリー。
なお物語は、自殺志願者の1人である坂崎夏美の視点で描かれる。
◇
坂崎夏美は後悔し始めていた。
夏美は現在、廃車目前のようなハイエースの中にいる。今夜のうちに車内で練炭自殺する予定で、山中に向かっているところだ。
ハイエースを運転しているのは長谷部という初老の男。集団自殺の発起人で、場を仕切りたいのか、とにかくよく喋る。しかも偉そうだ。
長谷部の隣には千代子という老婆。年齢に似合わぬ派手な格好で、その言動にはしたたかさが見え隠れしている。
夏美の隣に座るのは陸斗という少年だが、妙に落ち着いた態度で冷めた目を3人に向けている。
いずれもひと癖もふた癖もあるようで信用できそうにもない連中だ。中でも特に問題なのは発起人たる長谷部に死ぬ覚悟ができていないように見えることだ。
夏美がグループから抜けると言い出して長谷部たちと揉めていたところ、前方の少し離れたところに赤いミニバンが止まるのが見えた。
すぐにミニバンの運転席から降りてきたガラの悪そうな女は、大きなリュックを持って雑木林に入っていき、しばらくすると手ぶらで出てきて車で去って行った。
不審に思った夏美たちが雑木林に入りリュックを探し出して開けてみると、中にいたのは生後3ヶ月くらいの赤ん坊。女の態度から衰弱死目的での遺棄と見た夏美たちは、自殺を中止して赤ん坊を保護することにした。
だが、その直後から4人は誘拐犯としてネットに晒されることになった。
( 第1章「最悪への扉」) ※全5章。
* * * * *
ヒューマンドラマのおもしろさと現代社会のリアルな恐ろしさが十二分に味わえる作品でした。
おもしろかったのは、人生に嫌気が差し自殺する気でいた4人の老若男女が、拾った赤ん坊を守り抜くことで生きる気力を取り戻していく過程。
しかもこの4人はいずれも、他人のことなど考えない身勝手な人間だったのだけれど、赤ん坊を守るためにやむなく協力して苦難を乗り越えるうちに、思いやりや謙虚さに目覚めていくという、心温まるストーリーになっています。
やはり川瀬さんはうまいなと思いました。
戦慄したのはネット社会の闇の部分。
サバンナを徘徊するハイエナのごとき輩が無数に存在し、獲物になりそうな対象を常に探している。そして生贄が見つかれば我先にと個人情報を暴きたて晒していく。
恐ろしいのは彼らがゲーム感覚で、そんなエグい行動をとっているところでした。
けれど、そんな連中を利用して敵を撹乱したり、迷惑系ユーチューバーを抱き込んで敵を葬ろうとしたりする、夏美たちの戦法がとてもおもしろい。
また、主要人物として登場する4人のキャラも魅力的です。
リーダーシップのある夏美、若き軍師の陸斗、豪胆な老将の長谷部、しぶとくしたたかな老媼の千代子。なんてバランスの取れたいいチームなのでしょう。
『フォークロアの鍵』もそうでしたが、絶妙な人員配置こそ川瀬七緒さんの真骨頂なんだと感心しました。
四日間限りとなった擬似家族。永久解散はあまりに惜しい。図らずもチーム再結成の続編ができないかなあと思っています。
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小説・文芸
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