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Posted by ブクログ
期せずして出会った2人の女詐欺師。超1流の伏見藍と3流の域を出ない上条みちる。
格の違う2人が、成り行きとは言えタッグを組むことに。しかも目的はみちるの両親の仇討ちで……。
厳重にガードされたターゲットに、みちるの執念と藍の知略は届くのか!?
2人の女詐欺師の無謀とも思える冒険を描くサスペンスミステリー。
◇
適度な暗さの照明。赤みがかったチーク材のカウンターにさりげなく置かれたキャンドルの炎が映える。落ち着いたアンティークの調度も気品に満ちた雰囲気を醸している。小さく流れるBGMはフォーレの舟歌だ。
そんな隠れ家的なワインバーの調和を乱す存在が、カウンター席に座っている。その男がスマホで見ているのは、自由が丘のコインロッカーで見つかったヒトの両足首についてのニュースらしい。
俗世の毒はこの空間には似合わないのにとため息を吐いた私が、隣に腰掛けて話しかけると男は目頭を指で押してからスマホを切った。
男の名は松浦秀和。47歳で法務大臣の座に就いた世襲議員だ。
資産家の家に生まれた松浦は、錚々たる学歴と弁護士資格を持つ見目麗しい男だ。常に洗練された言動を取り、自分をよく見せるという努力を怠らないが、傲慢で女にだらしがなく不誠実な男であることはわかっている。
松浦の政治資金パーティーで私は彼の関心を引き、このワインバーのプレオープンに来させることに成功したのだった。
自分のことを小出しに話しながら松浦の気を引いていたとき、ドアがいきなり開き1人の若い女が入って来た。Tシャツの上に着古したパーカーを羽織り、草臥れて膝の破れたデニムと薄汚れたスニーカーを履いた女は、無造作に伸びた前髪の間から覗くひと重の目をこちらに向けている。スタッフ募集のネット求人を見て来たというのだが……。( 第1章「嗜虐は黒く縁取られる」) ※全5章。
* * * * *
主人公は伏見藍。アメリカと日本、2つの国籍を持ち、主に欧米で芸術的とも言える詐欺の腕を振るってきた33歳の女性です。
相棒は上条みちる。両親の仇討ち費用捻出のため、詐欺まがいの荒業で金を稼ぐ27歳の女性です。
本作の面白さは3点あります。
1つ目は、みちるの仇討ちを2人がいかにして成し遂げるかです。
これこそ話の本筋なので、ターゲットにたどり着く過程も合わせて、藍が見せる知略の冴えを終盤まで楽しむことができます。
2つ目は、藍とみちるの珍道中です。
詐欺師としてのスケールから身に着けた教養や価値観まで、すべてが対照的な2人。彼女たちのやりとりがコミカルで笑えます。
そして3つ目は、2人の行動と並行して起こる、切断された「ヒトの両足首」遺棄事件の謎です。バラバラ殺人を匂わせるこの猟奇的な事件の真相も大きなポイントです。
他にも、ターゲットの女性に付き添う妙に影のある家政婦と敵か味方かわからない探偵の男の正体や、藍の持つ高いスキルやみちるの持つ不思議な力など、作品に彩りを加える要素がふんだんに盛り込まれています。
最後に、すべての謎が明かされる終盤について触れておきます。
このクライマックスシーンには批判的な感想も多いようです。確かに川瀬七緒さんの他作品と比較すると、スッキリとした締めくくりになっていないのは事実です。
けれど、本作が続編のためのプロローグであるとしたら、評価が変わってくるのではないかとも思えるのです。
なぜならば、主人公の藍にはそれだけの魅力があり、1作だけで終わらせるにはあまりに惜しいと感じるからです。
豊かな教養、優れた鑑定眼、繊細な味覚、変幻自在の変装技術。用心深さと周到さ。心理学に基づく分析力。申し分ないスキルを身に着けた超1流の詐欺師。
伏見藍が真価を発揮する作品を、ぜひとも読みたいと強く希望してレビューを終わります。
Posted by ブクログ
表題は、2人の女詐欺師の事なのか?最後のどんでん返しで2人の女詐欺師を復讐から騙した大富豪女帝の事か?定かで無いが面白く読めた。
国際的な詐欺師藍と20年両親の仇を追う詐欺師みちるの2人女詐欺師は、腐れ法務大臣の松浦を協力して殺人者にでっちあげ騙す。みちるは、極悪殺人者を見分ける不思議な能力を宿しており松浦もその部類だと見分け、藍はみちるに興味を示しその詐欺仕事からみちるの両親の仇打ちに協力する事になり、本題のミステリーに突入する。
20年前、大企業経営者戸賀崎が事故で娘と亡くなり、右腕として働くみちるの両親も戸賀崎の横領の罪をきせられ自殺として亡くなる。みちるはその自殺は、戸賀崎が仕組んだ殺人という事で事故の生残りである妻喜和子を両親の仇として稼いだお金で探偵を雇い追うも見つからず。藍は雇った探偵がみちるを騙していた事を見破ると同時に喜和子の世話人芳江の存在を知る。藍とみちるは、芳江に上手く取り入り喜和子を追いやっと面会に成功して復讐が出来る状況なる。ここからがどんでん返しで藍は、喜和子、芳江、探偵(医者)と対峙して、過去の出来事が実は、みちるの両親が戸賀崎親子を殺して残った喜和子が逆に復讐をしていた事実を知る。みちるの両親は、探偵に扮した医者に20年に亘り監禁されていて、みちるは仇と追い続けた喜和子と気持ちが通じ合い両親の監禁事実を知らずに終える。最後、みちるは極悪殺人者を見分ける不思議な力を初めて悟ったのが実は愛していた両親を見た時だったと藍に語り本編は終える。
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