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海外で荒稼ぎして帰国した詐欺師の藍は、ある政治家のパーティーで知り合ったみちるに興味を抱く。みちるは親の仇を捜しており、そのために金がいるという。仇とは、世界的企業に成長した戸賀崎グループ筆頭株主の戸賀崎喜和子。隙だらけの復讐計画を聞いた藍は、みちるに協力することになるが……。 稀代のストーリーテラーが贈る、衝撃のラストにご注意を。
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詐欺師と詐欺師
面白かった。一気に読みました。藍のように若くても多彩なスキルが身に付いてる女性が詐欺師なんて、如何にもありそうなお話だなと思ったが、みちるの登場で手を若いが全く想像さえ許さない展開。最後も衝撃的であっという間に読み終わってしまった
#ドキドキハラハラ
Posted by ブクログ
ベテラン詐欺師の藍が、興味本位で拾った駆け出し詐欺師のみちる。みちるに詐欺の手口を伝授しつつ、復讐を手助けすることになる。詐欺師というのが魅力的なところに、藍は珍しい野菜の調理法にも長けている。野菜だけでなく、いろいろなところで繰り広げられる蘊蓄もこの本の魅力だが、それも詐欺師としての嗜みというとこ...続きを読むろが面白い。後味が良いとは言えないので、勧める人は選ぶかも。でも面白いことは確か。
有能な詐欺師である藍は、両親の仇を探すみちると出会う。両親を自殺に追いやった相手を探し当て、復讐を企てるみちるは直情的で危なっかしさに満ちており、放っておけないと感じた藍は彼女に協力し手を組むことにする。しかしターゲットの居所を探り当てることもなかなかできず、さらにバラバラ死体遺棄事件にも巻き込まれ...続きを読むることになる二人。スリリングで少しユーモラスで、ほっこりする部分もありながらラストでは戦慄させられるミステリです。 知的で冷静、何もかも洗練されて見える藍と、猜疑心に満ちて卑屈ながらも素直で純粋なみちる。生き方も金銭感覚も何もかもが対極にあるような二人のバディっぷりがとにかく楽しいです。堅実なようでときに大胆すぎるみちるの言動はたしかに放っておけないと思わせるし、復讐心に凝り固まってはいてもぎりぎりのところで踏み外さない良心には好感をおぼえます。そして、嗜虐に満ちた殺人者を察知するという能力もまた魅力でした。一方で藍の思い切りの良さと知略、そして彼女にもあるポリシーが素敵。「善と悪はさじ加減ひとつで結末を大きく変える」というのが印象的です。詐欺はもちろん犯罪だけれど、善と悪だけで測れないものもたしかにあると感じさせられました。 ラストも衝撃的。家族を奪われた者の復讐心の根深さ恐ろしさを身をもって感じさせられたのですが、しかし後味がそれほど悪く思えないのは何故なのでしょう。そして藍と同様、みちるの幸せを望む気持ちだけが残った気がしました。彼女がどのような選択をするにせよ、見守りたい気がします。
海外で荒稼ぎして帰国した詐欺師の藍は、ある政治家のパーティーで知り合ったみちるに興味を抱く。みちるは親の仇を捜しており、そのために金がいるという。仇とは、世界的企業に成長した戸賀崎グループ筆頭株主の戸賀崎喜和子。隙だらけの復讐計画を聞いた藍は、みちるに協力することになるが……。 藍がひたすらかっこい...続きを読むい。最後まで一気読み。面白かったです。
川瀬七緒はどれも面白いんだが、こちらもなかなか。 ベテランが若者を育てていく話といえば、映画版の『ハスラ―2』とかが思い浮かぶ。この小説の中でも主人公の藍とイギリス人大学講師との関係がそれにあたるかもしれない。そうして育てられた藍が頼りない女の子の詐欺師の復讐に関わっていくお話なんだけど、冒頭のバラ...続きを読むバラ殺人事件が伏線になって、意外な展開をしていく。 騙し騙されの世界だからこそ、若者を育てていく中で、べたべたしない緊張関係が良い。途中からんでくる探偵がもう少しいい味を出していたら、一層人気がでたかもと思うと少し惜しい。
期せずして出会った2人の女詐欺師。超1流の伏見藍と3流の域を出ない上条みちる。 格の違う2人が、成り行きとは言えタッグを組むことに。しかも目的はみちるの両親の仇討ちで……。 厳重にガードされたターゲットに、みちるの執念と藍の知略は届くのか!? 2人の女詐欺師の無謀とも思える冒険を描くサス...続きを読むペンスミステリー。 ◇ 適度な暗さの照明。赤みがかったチーク材のカウンターにさりげなく置かれたキャンドルの炎が映える。落ち着いたアンティークの調度も気品に満ちた雰囲気を醸している。小さく流れるBGMはフォーレの舟歌だ。 そんな隠れ家的なワインバーの調和を乱す存在が、カウンター席に座っている。その男がスマホで見ているのは、自由が丘のコインロッカーで見つかったヒトの両足首についてのニュースらしい。 俗世の毒はこの空間には似合わないのにとため息を吐いた私が、隣に腰掛けて話しかけると男は目頭を指で押してからスマホを切った。 男の名は松浦秀和。47歳で法務大臣の座に就いた世襲議員だ。 資産家の家に生まれた松浦は、錚々たる学歴と弁護士資格を持つ見目麗しい男だ。常に洗練された言動を取り、自分をよく見せるという努力を怠らないが、傲慢で女にだらしがなく不誠実な男であることはわかっている。 松浦の政治資金パーティーで私は彼の関心を引き、このワインバーのプレオープンに来させることに成功したのだった。 自分のことを小出しに話しながら松浦の気を引いていたとき、ドアがいきなり開き1人の若い女が入って来た。Tシャツの上に着古したパーカーを羽織り、草臥れて膝の破れたデニムと薄汚れたスニーカーを履いた女は、無造作に伸びた前髪の間から覗くひと重の目をこちらに向けている。スタッフ募集のネット求人を見て来たというのだが……。( 第1章「嗜虐は黒く縁取られる」) ※全5章。 * * * * * 主人公は伏見藍。アメリカと日本、2つの国籍を持ち、主に欧米で芸術的とも言える詐欺の腕を振るってきた33歳の女性です。 相棒は上条みちる。両親の仇討ち費用捻出のため、詐欺まがいの荒業で金を稼ぐ27歳の女性です。 本作の面白さは3点あります。 1つ目は、みちるの仇討ちを2人がいかにして成し遂げるかです。 これこそ話の本筋なので、ターゲットにたどり着く過程も合わせて、藍が見せる知略の冴えを終盤まで楽しむことができます。 2つ目は、藍とみちるの珍道中です。 詐欺師としてのスケールから身に着けた教養や価値観まで、すべてが対照的な2人。彼女たちのやりとりがコミカルで笑えます。 そして3つ目は、2人の行動と並行して起こる、切断された「ヒトの両足首」遺棄事件の謎です。バラバラ殺人を匂わせるこの猟奇的な事件の真相も大きなポイントです。 他にも、ターゲットの女性に付き添う妙に影のある家政婦と敵か味方かわからない探偵の男の正体や、藍の持つ高いスキルやみちるの持つ不思議な力など、作品に彩りを加える要素がふんだんに盛り込まれています。 最後に、すべての謎が明かされる終盤について触れておきます。 このクライマックスシーンには批判的な感想も多いようです。確かに川瀬七緒さんの他作品と比較すると、スッキリとした締めくくりになっていないのは事実です。 けれど、本作が続編のためのプロローグであるとしたら、評価が変わってくるのではないかとも思えるのです。 なぜならば、主人公の藍にはそれだけの魅力があり、1作だけで終わらせるにはあまりに惜しいと感じるからです。 豊かな教養、優れた鑑定眼、繊細な味覚、変幻自在の変装技術。用心深さと周到さ。心理学に基づく分析力。申し分ないスキルを身に着けた超1流の詐欺師。 伏見藍が真価を発揮する作品を、ぜひとも読みたいと強く希望してレビューを終わります。
2024年年内最後に読み終えました 最初から読みやすく世界観に入っていきやすかったです みちるは アンバランスなキャラクターだと思いながら 復讐に燃えるのが凄かった でもたまに出る素直な1面に笑ってしまい 魅力的にな所にも惹かれた 盛り上がった最後の最後で ちょっとスカされたような終わり方が 残念で...続きを読むしたが楽しめました
前半はちょっと本筋に迫らない退屈感はあったけど、なかなかどうしてよく練り込まれた展開でラストにかけては伏線も回収されており結末は唸らせてもらえた。 シンプルだけどよく出来たストーリーだと思います。 最後をだらだら引き延ばさないのも○
なんという面白さ! 最近読んだ推理小説の中で一番かも。 読み始めた時点で全く予想できなかった結末に そう来たか〜!とうれしい裏切り。 終盤若干のグロさが見られるにも関わらず 品のあるストーリーでございました。 この主人公たち、シリーズで読みたいな。
この後、二人はどんな行動に出るのだろうか、と思わせる終わり方が余韻があっていいな。苦労してきた二人が幸せになっているといいな。
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川瀬七緒
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