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明治新政府軍の来襲で家族や友人を失った二本松藩の少年タキは、人並外れた強さをもつ怪しげな「キ」と名乗る一団に窮地を救われ、秋姫という目の見えない老女の家に匿われることになる。理不尽な命令ばかりする秋姫と衝突してばかりのタキだったが、やがて奇妙な絆が生まれ始める。だが、政府軍の魔の手が再び迫り……(「鬼婆図探訪」)。その他、人語を話す大猿が書いた幻の書「狒々日記」をめぐる回想と証言を描く「夢狒々考」、争乱と復讐に満ちたとあるキの激動の半生「最後のキ」など全四編を収録。若き民俗学者・鶯谷玄也が、文明開化と共に姿を消した歴史の闇に生きる集団「キ」の痕跡を追う連作集。
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Posted by ブクログ
恒川光太郎さんの新作、いつもながらとても面白かった。少し不思議な怪譚ではあるものの、怪異的な要素は控えめで、「現実の世界にもこのような集団がいたのではないか」と強く想像力を掻き立てられた。世の陰に隠れたダークヒーローのような存在であり、もし現在も続いているのなら、年甲斐もなくぜひ参加してみたいと思ってしまう。
物語の節々で垣間見える人の優しさにも胸を打たれた。もっと掘り下げてほしい魅力的な登場人物が多数登場するが、あえて語りすぎない点も、恒川さんの小説ならではの魅力なのかもしれない。
これからも恒川さんの新作は常にチェックして、手に取っていきたい。
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