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Posted by ブクログ
11月7日という一日を繰り返し続ける女性の視点で展開されるわけだが、
同じ日が延々と続くという奇妙な状況は、単なる怪異ではなく、むしろ自分達が日々の中で無意識に支えにしている「明日がくる」という希望の「脆さ」を浮き彫りにしているように思う。
死後の世界を誰も知らぬように、自らの有限な肉体と時間の束縛の中でもがきながら生きている。
それでも、1日の終わりに「いろいろあったが、悪い一日ではなかった」と思えるならそれはひとつの救いであり贅沢な事なのだと本編を読んでそう思う。
「幻は夜に成長する」は醜悪かつ後味の悪い「人間の怖さ」を描きながらも、どこか登場人物が見せる夢幻のような美しさが作中には漂っている。
「肉体は魂の牢獄」という言葉があるが、人が人として生きること自体が、ある意味ではこの世の「牢獄」なのかもしれないと作品を読んで感じた
秋という季節は、楽しい行事が多い一方で、だんだんと寒く夜が長くなり、
自然の色が褪せていく寂しい季節でもある。
そんな秋の静けさの中で読むには、「秋の牢獄」ほどぴったりな本はないと思う。
Posted by ブクログ
3編の短編が収録されています。
過去に「夜市」を読んで、独特の雰囲気に魅了された私。
本作も同じ雰囲気だといいなと、どうしても期待値があがってしまいました。
そして、読んでみての感想ですが、どれもがおもしろいのは言わずもがな、著者の独特のあの雰囲気は健在で、非常に満足度の高い読書体験となりました。
最後の一編はちょっとだけ雰囲気違う気がしましたが、それも楽しく読むことができました。
正直、短編ってちょっと苦手なんですよね。
良い短編ほど、「そんなところで終わるの!?結末読ませてよ!」とか「あれは結局なんだったの?設定教えてよ!」みたいなフラストレーションが溜まるので、どちらかといえば長編として読みたい派なんです。
本作も当然良作揃いでしたので、前述のフラストレーションが溜まってしまいました。
最後の一編なんて、これからだろっていうところで終わるので、キーッとなってしまいました。
良い短編に仕上げる一つのテクニックなのかもしれませんね、最高潮のクライマックスでスパッと終わるのが。
短編は終わり方も重要なんだと思います。
この作品、平成22年(2010年)の作品なんですよね。こう入った作品は時間が経っても色褪せないんですね。
恒川作品、俄然読みたくなりました。
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