新潮文庫の検索結果

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  • 李陵・山月記
    4.3
    1巻539円 (税込)
    人はいかなる時に、人を捨てて畜生に成り下がるのか。中国の古典に想を得て、人間の心の深奥を描き出した「山月記」。母国に忠誠を誓う李陵、孤独な文人・司馬遷、不屈の行動人・蘇武、三者三様の苦難と運命を描く「李陵」など、三十三歳の若さでなくなるまで、わずか二編の中編と十数編の短編しか残さなかった著者の、短かった生を凝縮させたような緊張感がみなぎる名作四編を収める。

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  • 林檎の樹
    3.9
    銀婚式の日、妻と共に若い日の思い出の地を訪れた初老のアシャーストの胸に去来するものは、かつて月光を浴びて花咲く林檎の樹の下で愛を誓った、神秘的なまでに美しい、野性の乙女ミーガンのおもかげ、かえらぬ青春の日の悔いだった……。美しく花ひらいた林檎の樹(望んでも到達することはできない理想郷)の眩ゆさを、哀愁をこめて甘美に奏でたロマンの香り高い作品。
  • 林檎の樹(新潮文庫)
    4.0
    徒歩旅行の途中、果樹園のある農場に宿を求めたロンドンの学生アシャースト。彼はそこに暮らす可憐な少女、ミーガンに心を奪われる。月の夜、白い花を咲かせる林檎の樹の下でお互いの愛を確かめ合った二人は、結婚の約束をする。だが旅立ちの準備で町へ出たアシャーストを待っていた運命は――。自然の美と神秘、恋の陶酔と歓び、そして青春の残酷さが流麗な文章で綴られる永遠のラブストーリー。
  • 凜と咲け―家康の愛した女たち―(新潮文庫)
    5.0
    女子(おなご)の賢さを、上様に見せてあげましょうぞ――。意外にしたたかで大胆だった知られざる側近女性たち。正室築山御前の〈最後の恋〉、出奔した側室お万ノ方、老いても家康に大切にされた西郡(にしごおり)ノ局、秀頼の妻千姫に誠実に向き合ったお夏ノ方、下層の出自ながら懸命に仕えた茶阿ノ方、女性として最高位に昇りつめた阿茶ノ局。徳川の礎を担いながら自分らしく生きた六人の魅力を描き出す傑作短編集。(解説・大矢博子)
  • リーガルーキーズ!―半熟法律家の事件簿―(新潮文庫)
    4.0
    法律のプロである弁護士や検事や裁判官……になる一歩手前の「法律家の卵」、それが司法修習生。初々しい新人たちがそれぞれの熱い想いを胸に過ごす、一年間の研修の日々。理想と現実の狭間で葛藤し、恋と青春の苦悩を乗り越え、さまざまな謎を解き明かしながら成長してゆく。さあ明日から法律家デビュー! 元弁護士の著者による爽快なリーガル青春ミステリ。『朝焼けにファンファーレ』改題。(解説・新川帆立)
  • リーラ―神の庭の遊戯―(新潮文庫)
    -
    飛鳥は二十三歳で突然自らの命を絶った。そして三年後の命日の前日、彼女はかすかな気配となって現れる。死をいまなお受け入れることのできない母親、弟、離婚して家を出た父親、男友だち、ストーカーだった男、弟の恋人……関わりのあった六人ひとりひとりが物語る飛鳥との過去とそれぞれの心の闇。自殺の真相は何だったのか? 逝った者と残された者の魂の救済を描く長編小説。(解説・堀江敏幸)
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)
    完結
    4.2
    825~1,045円 (税込)
    理不尽で我侭で好色な男の周辺に生起する幾多の波瀾。父と子の関係を軸に戦後生活の有為転変を力強く描く、著者畢生の大作。
  • 流転の海(第一部~第九部)合本版(新潮文庫)
    5.0
    1巻8,415円 (税込)
    理不尽で我侭で好色な男の周辺に生起する幾多の波瀾。父と子の関係を軸に戦後生活の有為転変を力強く描く、著者畢生の大作。 ※当電子版は新潮文庫版『流転の海』第一部~第九部をまとめた合本版です。
  • 流転の海 読本(新潮文庫)
    4.0
    宮本輝畢生の大作「流転の海」は実に37年の歳月をかけて全九巻で完結した。松坂熊吾、房江、伸仁、三人の戦後20年間を描いたこの大河小説には、実に1500人を超える人物が登場する。この物語の世界に調査の達人・堀井憲一郎が果敢に挑む。熊吾・房江両家の系図、それぞれの前史、舞台の地図、各巻あらすじ、主要人物370人の紹介、人物相関図等……。未曾有の文学的感動のお供に必携の一冊。
  • ルビーフルーツ
    3.8
    「縛って、……縛ってからして」そう囁いて足を絡める。「変態め、そんなこと、どこで覚えた」……ああ、もうその言葉だけでグッショリ濡れちゃう――激しくセックスに溺れ、こね回されたり、舌を這わせたり、痙攣したりするのが気持ちイイ。愛したり、愛されたりするのは、相手が男でも女でも、SでもMでも心地イイ。男にオモチャにされるときすら、自分の体が自分のものでなくなる屈辱と恍惚を感じて――女がセックスに嵌ったらもう誰にも止められない! 性の快楽を貪る女性たちの超エッチな恋愛小説集。

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  • ループ・オブ・ザ・コード(新潮文庫)
    4.6
    1巻1,155円 (税込)
    20年前に歴史の一切が“抹消”された、かつての独裁国家〈イグノラビムス〉。今や多数の企業が参入し、理想郷となったその国で、突如児童200名以上が原因不明の奇病を発症した。世界生存機関から派遣された私は、現地調査で人々の抱える闇に気づく。だが悲劇は再び目の前まで迫っていた。歴史を奪われた国に隠された衝撃の真実とは。混沌を生きる全ての人に捧ぐ、エンターテイメント超大作。
  • 礼儀作法入門
    3.8
    礼儀作法とは何か。それは「他人に迷惑をかけない」ことだと、山口瞳はいう。そのためにも「まず、健康でなくてはならない」と。世に作法の本は数あれど、礼儀を人づきあいの根本から教えてくれる書物は意外に少ない。「電話いそげ」「パーティーの四つの心得」「なぜか出世しない通勤の天才」など、金言の数々も心にしみる。とりわけ社会人初心者に贈りたい人生の副読本である。

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  • 零式戦闘機
    4.4
    昭和十五年=紀元二六〇〇年を記念し、その末尾の「0」をとって、零式艦上戦闘機と命名され、ゼロ戦とも通称される精鋭機が誕生した。だが、当時の航空機の概念を越えた画期的な戦闘機も、太平洋戦争の盛衰と軌を一にするように、外国機に対して性能の限界をみせてゆき……。機体開発から戦場での悲運までを、設計者、技師、操縦者の奮闘と哀歓とともに綴った記録文学の大巨編。

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  • (霊媒の話より)題未定―安部公房初期短編集―(新潮文庫)
    3.3
    太平洋戦争末期、満州で激動の日日を過ごした青年は、その時何を思い、何を未来に残したのか――。漂泊民の少年が定住を切望する19歳の処女作「(霊媒の話より)題未定」、2012年新たに原稿が発見された、精神病棟から抜け出した男を描く「天使」、「壁―S・カルマ氏の犯罪」に繋がる「キンドル氏とねこ」。やがて世界に名を馳せる安部文学、その揺籃にふさわしい清新な思想を示す初期短編11編。(解説・ヤマザキマリ)
  • 令和元年のテロリズム(新潮文庫)
    3.0
    20人を殺傷して何も言葉を残さず自殺した川崎無差別殺人犯。引きこもりとされる長男を殺害した元農水事務次官。戦後で最も多くの死者を出した京アニ放火殺人犯。自動車を暴走させて母子の命を奪い、「上級国民」という言葉を生んだ元高級技官――。令和の幕開けに起こった新時代の多難を予感させる事件から浮かび上がってくる現代日本の風景とは。安倍元首相殺害事件を追加取材した完全版。
  • 「雨の木」を聴く女たち
    3.7
    危機にある男たちを受け入れ、励ます女たち。若者を性の暴力にむけて挑発しながら、いったん犯罪がおこると、優しい受苦の死をとげて相手をかばう娘。かれらをおおう「雨の木(レイン・ツリー)」のイメージは、荒涼たる人間世界への再生の合図である……。宇宙の木でもあれば、現実の木でもある「雨の木(レイン・ツリー)」のイメージにかさねて、人の生き死にを見つめた、著者会心の連作小説集。読売文学賞受賞作。
  • 歴史と視点―私の雑記帖―
    3.9
    歴史小説に新しい時代を画した司馬遼太郎の発想の源泉は何か? 帝国陸軍が史上初の惨敗を喫したノモンハンの戦いを、太平洋戦争を戦車隊員として戦った自身の体験と重ね合わせながらふりかえり、敗戦に至る壮大な愚行に対する一つの視点を呈示するなど、時代の諸相を映し出す歴史の搏動をとらえつつ、積年のテーマ“権力とは”、“日本人とは”に迫る独自な発想と自在な思索の軌跡。
  • 歴史への感情旅行
    -
    歴史は、資料の積み重ねではない、むしろ一個の感情である。――著者は、古老の「むかし噺」に耳を傾けるように古今の文学を逍遥する。酒を慈しみ、愛犬を偲び、信念を述べ、精一杯生きて逝った人々に思いを馳せる。どんな短い一章にも、半世紀にわたる作家人生の精髄が刻み込まれ、暮しの下敷きである「過去」への、敬愛の念が込められている。我に返る時間を与えてくれる一冊。
  • 歴史をかえた誤訳(新潮文庫)
    3.7
    原爆投下は、たった一語の誤訳が原因だった――。突き付けられたポツダム宣言に対し、熟慮の末に鈴木貫太郎首相が会見で発した「黙殺」という言葉。この日本語は、はたして何と英訳されたのか。ignore(無視する)、それともreject(拒否する)だったのか? 佐藤・ニクソン会談での「善処します」や、中曽根「不沈空母」発言など。世界の歴史をかえてしまった誤訳の真相に迫る!
  • レッドアローとスターハウス―もうひとつの戦後思想史―
    5.0
    「西武の天皇」と呼ばれた堤康次郎。東京西郊で精力的に鉄道事業を展開し、沿線には百貨店やスーパー、遊園地を建設。公営団地も集まり、「西武帝国」とでも呼ぶべき巨大な文化圏を成した。しかし堤本人の思想と逆行するように、団地は日本共産党の強力な票田となり、コミューン化した「赤い病院」さえ現れた。もうひとつの東京、もうひとつの政治空間でなにが起きていたのか――。※新潮文庫に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
  • レパントの海戦
    4.2
    西暦1571年、スペイン王フェリペ二世率いる西欧連合艦隊は、無敵トルコをついに破った。コンスタンティノープルの攻略から118年にして、トルコの地中海世界制覇の野望は潰えたのだ。しかし同時に、この戦いを契機に、海洋国家ヴェネツィアにも、歴史の主要舞台だった地中海にも、落日の陽が差し始めようとしていた――。文明の交代期に生きた男たちを壮大に描く三部作、ここに完結!
  • レプリカたちの夜(新潮文庫)
    3.5
    動物レプリカ工場に勤める往本がシロクマを目撃したのは、夜中の十二時すぎだった。絶滅したはずの本物か、産業スパイか。「シロクマを殺せ」と工場長に命じられた往本は、混沌と不条理の世界に迷い込む。卓越したユーモアと圧倒的筆力で描き出すデヴィッド・リンチ的世界観。選考会を騒然とさせた新潮ミステリー大賞受賞作。「わかりませんよ。何があってもおかしくはない世の中ですから」。(解説・佐々木敦)
  • レ・ミゼラブル(一)
    4.3
    1~5巻737~1,100円 (税込)
    わずか一片のパンを盗んだために、19年間の監獄生活を送ることになった男、ジャン・ヴァルジャンの生涯。19世紀前半、革命と政変で動揺するフランス社会と民衆の生活を背景に、キリスト教的な真実の愛を描いた叙事詩的な大長編小説。本書はその第一部「ファンチーヌ」。ある司教の教えのもとに改心したジャンは、マドレーヌと名のって巨富と名声を得、市長にまで登りつめたが……。
  • レ・ミゼラブル(一~五)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻4,466円 (税込)
    わずか一片のパンを盗んだために、19年間の監獄生活を送ることになった男、ジャン・ヴァルジャンの生涯。19世紀前半、革命と政変で動揺するフランス社会と民衆の生活を背景に、キリスト教的な真実の愛を描いた叙事詩的な大長編小説。本書はその第一部「ファンチーヌ」。ある司教の教えのもとに改心したジャンは、マドレーヌと名のって巨富と名声を得、市長にまで登りつめたが……。 ※当電子版は新潮文庫版『レ・ミゼラブル』一~五巻をまとめた合本版です。
  • 檸檬
    3.8
    31歳という若さで夭折した著者の残した作品は、昭和文学史上の奇蹟として、声価いよいよ高い。その異常な美しさに魅惑され、買い求めた一顆のレモンを洋書店の書棚に残して立ち去る『檸檬』、人間の苦悩を見つめて凄絶な『冬の日』、生きものの不思議を象徴化する『愛撫』ほか『城のある町にて』『闇の絵巻』など、特異な感覚と内面凝視で青春の不安、焦燥を浄化する作品20編を収録。

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  • 檸檬夫人
    4.3
    1巻440円 (税込)
    「ああっ、何をなさいますっ、これ以上、私に恥をかかせるのはおやめ下さい」――親の仇である憎き男と、使用人であった下郎に、お志津は全裸に剥がされ後手に緊縛された。割り裂かれた両足首を棒杭に繋がれ、2人の男に上半身と下半身とを執拗に愛撫される。屈辱感と汚辱感、しかしそれと並行して突き上げて来るこの快美感は一体……「卑怯な、自由を奪った女を辱めるなど――」血走った声はやがて甘美な喘ぎ声に……武士の妻が2人がかりで嬲られる『卑怯者』など、緊縛の文豪による全5篇。

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  • れもん、よむもん!(新潮文庫)
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 読んできた本を語ることは、自分の内面をさらけ出すことだった!宝塚とK-POPを愛する漫画家が軽い気持ちで描き始めた読書遍歴は、予期せぬ展開に。父に禁じられた『キス・キス』、絶望の淵へ突き落とされた『ココの詩(うた)』、そして、謎めいた級友・はるなちゃんに借りた『放課後の音符(キイノート)』。彼女と愛読書を共有しながら新しい扉が次々と開き……。本と友との最高の出会いに満ちたコミック・エッセイ。(解説・山田詠美
  • 恋愛名歌集
    -
    歌こそは、日本語が構成し得る最上の韻文である。日本語の特質である柔軟かつ自由な不定則韻を踏み、微妙な音楽を構成する。真の韻律的な詩的陶酔を欲するならば、伝統の和歌を読む外はない。――近代の虚無をくぐった郷愁の詩人・朔太郎が、万葉集、古今集、六代歌集、新古今集から、主として恋愛歌をとりあげ、その浪漫的抒情のなかに日本詩の美しさを発見し、新しく解説した名著。
  • 恋愛論
    4.1
    恋の猟人であった著者が、苦しい恋愛のさなかで書いた作品である。自らの豊富な体験にもとづいて、すべての恋愛を「情熱的恋愛」「趣味的恋愛」「肉体的恋愛」「虚栄恋愛」の四種類に分類し、恋の発生、男女における発生の違い、結晶作用、雷の一撃、羞恥心、嫉妬、闘争などのあらゆる様相をさまざまな興味ある挿話を加えて描きだし、各国、各時代の恋愛について語っている。
  • 煉獄の使徒(上)(新潮文庫)
    4.1
    1~2巻1,034円 (税込)
    “カリスマ教祖”十文字源皇率いる、〈真言(マントラ)の法〉。弁護士・幸田は侍従長の高位にあり、外界との交渉を担っている。組織に罪を背負わされ失脚した児玉警部補は、この新興教団に目をつけた。ここは金のなる木だ、と。両者の間に奇怪な盟約が結ばれる。教祖が敵対する弁護士の殺害を命じたとき、黙示録の扉は静かに開かれた――。欲望と狂気に憑かれた男たちを描き切る、群像サスペンス。
  • 連続殺人鬼の妻(新潮文庫)
    -
    ルースはNYのバーで働く26歳。幼いころ友人が連続殺人鬼オズワルドに殺害されて苦い記憶となっている彼女に、故郷で発生した別な少女の失踪事件の一報が届く。獄死したオズワルドを連想せずにいられないルース。彼には〈共犯者〉がいたのでは? 真相を追ううちに見えてきたのは殺人鬼たちの妻の存在だった。彼女たちの心でくすぶり続ける感情とは? 異様な告白によるイヤミスが誕生!
  • 陋巷に在り1―儒の巻―
    4.2
    1~13巻539~1,001円 (税込)
    聡明で強い呪術の能力を持ちながら、出世の野心なく、貧しい人々の住む陋巷に住み続けた顔回。孔子の最愛の弟子である彼は師に迫る様々な魑魅魍魎や政敵と戦うサイコ・ソルジャーだった……息づまる呪術と呪術の暗闘、政敵陽虎との闘争、影で孔子を護る巫儒の一族。論語に語られた逸話や人物を操りつつ、大胆な発想で謎に包まれた孔子の生涯を描く壮大な歴史長編、第一部。
  • 陋巷に在り(1~13) 合本版
    -
    聡明で強い呪術の能力を持ちながら、出世の野心なく、貧しい人々の住む陋巷に住み続けた顔回。孔子の最愛の弟子である彼は師に迫る様々な魑魅魍魎や政敵と戦うサイコ・ソルジャーだった……息づまる呪術と呪術の暗闘、政敵陽虎との闘争、影で孔子を護る巫儒の一族。論語に語られた逸話や人物を操りつつ、大胆な発想で謎に包まれた孔子の生涯を描く壮大な歴史長編。 ※当電子版は『陋巷に在り』(1)~(13)の全十三巻をまとめた合本版です。
  • 老後破産―長寿という悪夢―(新潮文庫)
    3.8
    「預金が尽きる前に、死んでしまいたい」「こんなはずじゃなかった……」年金だけでは暮らせない。金が無いので病院にも行けない。食費は1日100円……。ごく普通の人生を送り、ある程度の預貯金もある。それでも、病気や怪我などの些細なきっかけで、老後の生活は崩壊してしまう。超高齢化社会を迎えた日本で、急増する「老後破産」の過酷な現実を、克明に描いた衝撃のノンフィクション。
  • 老人と海(新潮文庫)
    3.8
    八十四日間の不漁に見舞われた老漁師は、自らを慕う少年に見送られ、ひとり小舟で海へ出た。やがてその釣綱に、大物の手応えが。見たこともない巨大カジキとの死闘を繰り広げた老人に、海はさらなる試練を課すのだが――。自然の脅威と峻厳さに翻弄されながらも、決して屈することのない人間の精神を円熟の筆で描き切る。著者にノーベル文学賞をもたらした文学的到達点にして、永遠の傑作。
  • 朗読者(新潮文庫)
    4.2
    15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。「なにか朗読してよ、坊や!」――ハンナは、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求める。人知れず逢瀬を重ねる二人。だが、ハンナは突然失踪してしまう。彼女の隠していた秘密とは何か。二人の愛に、終わったはずの戦争が影を落していた。現代ドイツ文学の旗手による、世界中を感動させた大ベストセラー。
  • 浪漫的恋愛
    3.8
    禁断の恋の果てに自殺した母。その記憶に囚われる46歳の編集者・千津は、編纂中のアンソロジーに「月狂ひ」という幻想短編を収録する許可を得るため、作者の遺族である倉田柊介のもとを訪れる。その日から、身も心も灼きつくすような恋に堕ちていくとも知らずに……。作中小説の世界をなぞるかのように、狂気にも似た恋へと誘われていく男女の、静謐なる激情の物語。『月狂ひ』改題。
  • 楼蘭
    3.8
    1巻825円 (税込)
    大国の漢と匈奴とにはさまれた弱小国楼蘭は、匈奴の劫掠から逃れるために住み慣れたロブ湖畔の城邑から新しい都城に移り、漢の庇護下に入った。新しい国家はぜん善と呼ばれたが、人々は自分たちの故地を忘れたことはなかった。それから数百年を経て、若い武将が祖先の地を奪回しようと計ったが……。西域の一オアシス国家の苛烈な運命を描く表題作など、歴史作品を中心に12編を収録。
  • 老老戦記(新潮文庫)
    4.0
    グループホームの老人たちがクイズ大会に参加した。珍解答を期待する主催者を手玉に取る面々。覚醒した彼らは海外旅行に出かけ、合コンに妖しく浮き立つ。一方、世間では団塊アゲイン党なる政党が勃興した。同世代の反体制派が闘争を開始、社会に衝撃が走る。これは悪夢か、現実か。日本を守らんと義勇軍を結成したのは……。超高齢社会日本を諷刺するハードコア老人小説。『朦朧戦記』改題。
  • 6月19日の花嫁
    3.4
    わたしは誰──? 6月12日の交通事故で記憶を失った千尋。思い出したのは、一週間後の19日が自分の結婚式ということだけだ。相手は一体、誰なのか。“自分探し”を始めた千尋の前に、次々と明かされる予想外の事実。過去のジグソー・パズルは埋められるのか……。「結婚」に揺れる女性心理を繊細に描き、異色の結末まで一気に読ませる、直木賞作家のロマンティック・サスペンス。
  • 六合目の仇討
    -
    江戸後期、西神田を出発した富士詣での先達をつとめる町人・八兵衛には、幼な馴染みのぬいをめぐる苦渋の過去があった……十年前に武士を捨てた男への復讐劇が、富士山中腹に展開される表題作。蝦夷地北辺の警衛に功のあった近藤重蔵の失脚を描く「近藤富士」、ほかに「関の小万」「冬田の鶴」「指」「太田道灌の最期」「生人形」「賄賂」「島名主」「伊賀越え」「仁田四郎忠常異聞」「意地ぬ出んじら」の、歴史に材をとり、そこに生きた人々の姿を見据える全12編。

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  • ロケット・ササキ―ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正―(新潮文庫)
    4.5
    敗戦から高度成長期にかけて、デジタル産業の黎明期に、常に世界の最先端を突っ走ったスーパー・サラリーマンがいた。シャープの技術トップとして、トランジスタからLSI、液晶パネルと当時のハイテクを導入して苛烈な「電卓戦争」を勝ち抜き、電子立国・日本の礎を築いた佐々木正。インテル創業者が頼り、ジョブズが憧れ、孫正義を見出し、サムスンを救った「伝説の技術者」の痛快評伝。(解説・孫正義)
  • ロシアよ、我が名を記憶せよ(新潮文庫)
    3.0
    帝国海軍軍人の廣瀬武夫とロシア軍中佐の令嬢アリアヅナ。ペテルブルグで出会った二人は将来を誓いあう。一緒に日本で暮らす夢も膨らむ。だが戦争は不可避、日本も反ロの気運が満ちた。二人の愛の行方は……。開戦。決死の作戦行直前、廣瀬は彼女宛にロシア語の手紙を残し、激戦の海上で渾身のメッセージを刻んだ。一人の軍人の知られざる想いを通じ、明治日本の戦争と平和を描く感動作!
  • 路地の子(新潮文庫)
    4.0
    昭和39年、大阪――。中学三年生の龍造少年は学校にはいかず、自らの腕だけを頼りに、天職と信じた食肉の道へと歩み始めた。時に暴力も辞さない「突破者(とっぱもん)」と恐れられ、利権団体や共産党、右翼やヤクザと渡り合いながら食肉業界を伸し上がった一匹狼――。時代の波に激しく翻弄されながら、懸命に「路地の人生」を生き抜いた人々の姿を、大宅賞作家が活写した、狂おしいほどに劇的な物語。
  • ロックンロールミシン
    3.4
    賢司は入社二年目の“リーマン”。仕事は順調、彼女もいるのに、なんだか冴えない毎日。そんな時、高校の同級生・凌一がインディーズブランドを旗揚げした。気の合う仲間と作りたいものを作る――そんないい加減なことでいいのかよ!? そのくせ、足は彼らの仕事場に向かい、曖昧な会社生活をリセット、本格的に手伝うようになるのだが……。ミシンのリズムで刻む8ビートの三島賞受賞作!

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  • 炉ばたのこおろぎ
    -
    片田舎に暮している貧しい人々のあいだの助け合いと、富や金の権力にはけっして屈伏しない若い恋人どうしの愛情の強さ、そして、ついには善意こそがすべての異分子に勝って、人々が融和するという、いかにも正義の人ディッケンズらしい事件の動きのなかにあって、一匹のこおろぎが、炉ばたでチロチロと、優しく鳴いている――。素朴で美しい人情が躍動している、珠玉の名編である。

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  • ロビンソン・クルーソー(新潮文庫)
    4.2
    一六三二年、英国に生れた船乗りロビンソンは、難破して絶海の孤島に漂着した。ここから二十八年に及ぶ無人島生活が始まった――。不屈の精神で鳥や亀を獲り、野生の山羊を飼い慣らしてバターやチーズを作り、パンまでこしらえてしまう。ところが驚天動地の事態が……。めげない男ロビンソンを通して人間の真の強さを描き、世界中に勇気と感動を与えてきた、冒険文学の金字塔。待望の新訳。
  • ロビンソン漂流記
    3.7
    難船し、ひとり無人島に流れついた船乗りロビンソン・クルーソーは、絶望と不安に負けず、新しい生活をはじめる。木材をあつめて小屋を建て、鳥や獣を捕って食糧とし、忠僕フライデーを得て、困難を乗りきってゆく。社会から不意に切り離された人間が、孤独と闘いながら、神の摂理を信じ、堅実な努力をつづけてゆく姿を、リアリスティックに描いたデフォーの冒険小説である。
  • 路傍の石
    4.1
    1巻1,100円 (税込)
    極貧の家に生れた愛川吾一は、貧しさゆえに幼くして奉公に出される。やがて母親の死を期に、ただ一人上京した彼は、苦労の末、見習いを経て文選工となってゆく。厳しい境遇におかれながらも純真さを失わず、経済的にも精神的にも自立した人間になろうと努力する吾一少年のひたむきな姿。本書には、主人公吾一の青年期を躍動的に描いた六章を“路傍の石・付録”として併せ収める。
  • ロボットが泣いた夜(新潮文庫)
    3.0
    近未来の大韓統一共和国首都ソウル。難病を患う少女、北朝鮮出身の少年、戦争後遺症に悩むサイボーグ刑事、孤独なロボット・プログラマー。各々に傷を抱えた彼らは、心優しき元戦闘ロボット、ヨーヨーと邂逅する。が、とある殺人事件の容疑がヨーヨーに向けられて……。はたしてロボットと人間との共存は不可能なのか? 生とは? 正義とは? 様々な命題を問いかける喪失と再生の物語。(解説・大森望)
  • ろまん燈籠(新潮文庫)
    4.0
    1巻539円 (税込)
    小説好きの五人兄妹が順々に書きついでいく物語のなかに、五人の性格の違いを浮き彫りにするという立体的で野心的な構成をもった「ろまん燈籠」。太平洋戦争突入の日の高揚と虚無感が交錯した心情を、夫とそれを眺める妻との画面から定着させた「新郎」「十二月八日」。日本全体が滅亡に向かってつき進んでいるなかで、曇りない目で文学と生活と戦時下の庶民の姿を見つめた16編。(解説・奥野健男)
  • ロリータ(新潮文庫)
    4.2
    「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。……」世界文学の最高傑作と呼ばれながら、ここまで誤解多き作品も数少ない。中年男の少女への倒錯した恋を描く恋愛小説であると同時に、ミステリでありロード・ノヴェルであり、今も論争が続く文学的謎を孕む至高の存在でもある。多様な読みを可能とする「真の古典」の、ときに爆笑を、ときに涙を誘う決定版新訳。注釈付。(解説・大江健三郎)
  • ロング・ロング・アゴー
    4.0
    1巻693円 (税込)
    最後まで誇り高かったクラスの女王さま。親戚中の嫌われ者のおじさん。不運つづきでも笑顔だった幼なじみ。おとなになって思いだす初恋の相手。そして、子どもの頃のイタい自分。あの頃から時は流れ、私たちはこんなにも遠く離れてしまった。でも、信じている。いつかまた、もう一度会えるよね──。「こんなはずじゃなかった人生」に訪れた、小さな奇跡を描く六つの物語。『再会』改題。
  • 輪舞曲(新潮文庫)
    3.2
    私、四十になったら死ぬの。松井須磨子の後を継ぐと目された女優、伊澤蘭奢が、口癖の通り早逝した。そして集まった四人の男。愛人兼パトロンである実業家の内藤、蘭奢が人妻だった頃からの恋人、徳川夢声、サロンに出入りする帝大生の福田、そして生き別れの息子、佐喜雄。彼らそれぞれが見た蘭奢の姿が、一人の女の像を結び始める――。男たちを幻惑しながらもひとすじに生きたある女優の肖像。
  • 倫敦塔・幻影の盾(新潮文庫)
    3.8
    イギリス留学中に倫敦塔を訪れた漱石は、一目でその塔に魅せられてしまう。そして、彼の心のうちからは、しだいに二十世紀のロンドンは消え去り、幻のような過去の歴史が描き出されていく。イギリスの歴史を題材に幻想を繰りひろげる「倫敦塔」をはじめ、留学中の紀行文「カーライル博物館」、男女間における神秘的な恋愛の直観を描く「幻影の盾」など七編をおさめる。(解説・伊藤整)
  • ロードス島攻防記
    4.2
    イスラム世界に対してキリスト教世界の最前線に位置するロードス島。コンスタンティノープルを陥落させ、巨大な帝国を形成しつつ西進を目指すオスマン・トルコにとっては、この島は喉元のトゲのような存在だった。1522年、大帝スレイマン一世はついに自ら陣頭指揮を取ってロードス島攻略戦を開始した――。島を守る聖ヨハネ騎士団との五ヶ月にわたる壮烈な攻防を描く歴史絵巻第二弾。
  • ローマとギリシャの英雄たち 〈黎明篇〉―プルタークの物語―
    3.3
    1~2巻715~770円 (税込)
    いつか歴史の授業で習ったローマの皇帝、ギリシャの賢人。彼らの功績を暗記はしても、どんな人間だったかまでは知りえなかった。教科書の記述からこぼれ落ちてしまった古代リーダーたちの素顔を、恋、性格、家族関係など、魅力的なアプローチで解き明かす! 伝説の古典的名著『英雄伝』を、熟練の筆致で解かりやすく翻案した新しい歴史の入門ガイド。『プルタークの物語』改題。
  • ワイルド・ソウル(上下)合本版(新潮文庫)
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    その地に着いた時から、地獄が始まった――。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。だが入植地は密林で、移民らは病で次々と命を落とした。絶望と貧困の長い放浪生活の末、身を立てた衛藤はかつての入植地に戻る。そこには仲間の幼い息子、ケイが一人残されていた。そして現代の東京。ケイと仲間たちは、政府の裏切りへの復讐計画を実行に移す! 歴史の闇を暴く傑作小説。 ※当電子版は新潮文庫版『ワイルド・ソウル』上下巻をまとめた合本版です。
  • ワインズバーグ、オハイオ(新潮文庫)
    4.2
    オハイオ州の架空の町ワインズバーグ。そこは発展から取り残された寂しき人々が暮らすうらぶれた町。地元紙の若き記者ジョージ・ウィラードのもとには、住人の奇妙な噂話が次々と寄せられる。僕はこのままこの町にいていいのだろうか……。両大戦に翻弄された「失われた世代」の登場を先取りし、トウェイン的土着文学から脱却、ヘミングウェイらモダニズム文学への道を拓いた先駆的傑作。(解説・川本三郎)
  • 若きウェルテルの悩み
    値引きあり
    4.0
    ゲーテ自身の絶望的な恋の体験を作品化した書簡体小説で、ウェルテルの名が、恋する純情多感な青年の代名詞となっている古典的名作である。許婚者のいる美貌の女性ロッテを恋したウェルテルは、遂げられぬ恋であることを知って苦悩の果てに自殺する……。多くの人々が通過する青春の危機を心理的に深く追究し、人間の生き方そのものを描いた点で時代の制約をこえる普遍性をもつ。

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  • 若き詩人への手紙・若き女性への手紙
    4.4
    「若き詩人への手紙」は、一人の青年が直面した生死、孤独、恋愛などの精神的な苦痛に対して、孤独の詩人リルケが深い共感にみちた助言を書き送ったもの。「若き女性への手紙」は、教養に富む若き女性が長い苛酷な生活に臆することなく大地を踏みしめて立つ日まで書き送った手紙の数々。その交響楽にも似た美しい人間性への共同作業は、我々にひそかな励ましと力を与えてくれる。
  • 若き数学者のアメリカ
    4.2
    1972年の夏、ミシガン大学に研究員として招かれる。セミナーの発表は成功を収めるが、冬をむかえた厚い雲の下で孤独感に苛まれる。翌年春、フロリダの浜辺で金髪の娘と親しくなりアメリカにとけこむ頃、難関を乗り越えてコロラド大学助教授に推薦される。知識は乏しいが大らかな学生たちに週6時間の講義をする。自分のすべてをアメリカにぶつけた青年数学者の躍動する体験記。

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  • 若き日本の肖像―一九〇〇年、欧州への旅―
    4.3
    西暦1900年――。『坂の上の雲』の主人公・秋山真之や英留学に向かう途上の漱石はパリ万博を訪れていた。そしてロンドンに南方熊楠、ウィーンには青山光子。二十世紀を迎える欧州で、新しい世紀の熱い息吹に触れた若き日本人たちの精神と足跡を辿り、近代日本の源流と歴史の深層を見つめ直す。新潮選書『二十世紀から何を学ぶか(上)―一九〇〇年への旅 欧州と出会った若き日本―』改題。※新潮文庫に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。
  • 若草物語(新潮文庫)
    4.2
    マーチ家の四姉妹、メグ、ジョー、ベス、エイミーに、出征した父から手紙が届いた。勇気をもっておのれの内なる敵と戦い、美しい心を持ちなさい――。厳しくも優しい母親に見守られ、喧嘩と失敗を繰り返しながら成長していく姉妹。父危篤の報が届くと、父のもとに向かう切符代を用立てるため、次女ジョーは自慢の長い髪を切って売るのだが……。すべての女性を励まし続け、永遠に瑞々しい名作。
  • わかれ(新潮文庫)
    -
    親しい友人も愛した男も、皆この世を去った。それでも私は書き続け、この命を生き存(ながら)えている――。吉行淳之介との不思議な縁。幼い自分を容赦なく叱った職人の父との思い出。色恋に疲れた男と老女とのささやかな交情。流麗に達し合うことができる、女性同士の性と愛。円熟の筆が、「私」と艶やかな共犯関係を結ばせるように、読者を物語へと誘い込む。終世作家の粋を極めた、全九編の名品集。(解説・田中慎弥)
  • 別れの季節―お鳥見女房―(新潮文庫)
    完結
    5.0
    全1巻649円 (税込)
    時の流れは、いやおうなしに出会いと別れを運んでくる――。次男二女が巣立ち、五人の孫にも恵まれ、幸多き日々を過ごしていた珠世。だが、浦賀に黒船が来航し、雑司ケ谷の矢島家にも動揺が広がる。また、かつて居候していた源太夫は大地震に見舞われた郷里・小田原の生家が気がかりで、帰参を考えはじめ……。激動の時代を生きる人々のあたたかな繋がりを描く大人気シリーズ、堂々完結!(解説・神田蘭)
  • わが人生の時の時(新潮文庫)
    3.9
    ヨットレースの最中、髪の毛一筋ほどのきわどさで目撃した落雷の恐怖と眩さ。海面下23メートルに広がる豪奢な水中天井桟敷。杭打ち機の何千トンという圧力を跳ね返すぼろぼろのされこうべ。ひとだまを捕獲する男。冷たい雨の夜に出会ったずぶ濡れの奇妙な男。かけ替えのない弟裕次郎の臨終の瞬間。作家の人生の中で鮮烈に輝いた恐ろしくも美しい一瞬を鮮やかに切り取った珠玉の掌編40編。(解説・福田和也)
  • わが性と生
    3.8
    もし私が天性好色で淫乱の気があれば、五十一歳で、ああはすっぱり出家は出来なかったでしょう。しかし文学少女の姉の傍らで私も読書家でした。性に目覚める環境が情緒的に豊かな十歳の頃には、世界の淫書に読みふけり神秘的なエロスの領域に踏み込んでいたわけです……。あれから幾星霜「生きた、愛した」自らの性の体験、見聞を飾らず隠さずユーモラスに大胆に刺激的に語り合う。
  • 吾輩は猫である
    4.5
    中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。

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  • 『吾輩は猫である』殺人事件
    4.0
    「吾輩は猫である。名前はまだ無い」この一行に、大きな謎が仕組まれていたとは―。上海の街に苦沙弥先生殺害の報せが走り、猫の「吾輩」はじめ、おなじみ寒月、東風、迷亭に三毛子、さらには英国猫のホームズやワトソン、シャム猫の伯爵など、集まった人が、猫が入り乱れ、壮大な野望と謀議が渦を巻く。卓抜な模写文体とロマンで、日本文学の運命を変えた最強のミステリー。

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  • 脇役―慶次郎覚書―
    3.5
    元定町廻り同心、我らが森口慶次郎に心底惚れ込み、陰に日なたにその活躍を支え続ける「縁側日記」の登場人物たち。岡っ引の辰吉に吉次、飯炊きの佐七や嫁の皐月……こみ入った過去を背負い、一筋縄ではいかぬへそ曲がりもいるけれど、他人の涙を見過ごせない心根の出来のよさなら慶次郎にも負けやしない。いつも脇役、今日は主役の彼らが語る粋で優しい八つの江戸人情譚!
  • 和算の侍
    3.0
    天才算術家関孝和に師事し、葛藤する中で円理を究めた高弟建部賢弘(かたひろ)。その苦闘の生涯を描く「円周率を計算した男」(歴史文学賞受賞)ほか、独学にして大酒飲みの奇才久留島義太(よしひろ)、算学者であり大名だった有馬頼ゆき(よりゆき)、百姓出身で孤高の算術家山口和(かず)など、江戸の天才数学者たちを主人公に、数奇な人生模様を情感溢れる筆致で描く、和算時代小説の傑作。『円周率を計算した男』改題。
  • わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯―
    3.9
    下駄と靴と片足ずつ履いて――その男は二筋の道を同時に歩んだ。地方の一紡績会社を有数の大企業に伸長させた経営者の道と、社会から得た財はすべて社会に返す、という信念の道。あの治安維持法の時世に社会思想の研究機関を設立、倉敷に東洋一を目指す総合病院、世界に誇る美の殿堂を建て……。ひるむことを知らず夢を見続けた男の、人間形成の跡を辿り反抗の生涯を描き出す雄編。

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  • ワシントンハイツ―GHQが東京に刻んだ戦後―(新潮文庫)
    3.5
    終戦からほどなく、東京の真ん中に827戸を擁する米軍家族住宅エリアが出現した。その名も「ワシントンハイツ」。「日本の中のアメリカ」の華やかで近代的な生活は、焼け野原の日本人にアメリカ的豊かさへの憧れを強烈に植え付けた。現代日本の「原点」ともいうべき占領期を、日米双方の新資料と貴重な証言から洗いなおした傑作ノンフィクション。日本エッセイスト・クラブ賞受賞。
  • 話術(新潮文庫)
    4.3
    話は誰でもできる。だからこそ、上手に話すことは難しい。日常の座談では、何を、どう話すか。大勢の聞き手を相手にするときに気を付けておくことは。声の出し方、間の置き方はどうする? 一人で喋るな、黙りこむな。お世辞、毒舌、愚痴、自慢は、やりすぎると嫌われる。ほら吹き、知ったかぶりは恥ずかしい。人生のあらゆる場面で役に立つ、“話術の神様”が書き残した〈話し方〉の教科書。(解説・濵田研吾、久米宏)
  • 忘れ得ぬ芸術家たち
    -
    法隆寺壁画の模写に没頭し、戦争のさなかに法隆寺へ向う列車の中で倒れた日本画家の荒井寛方。烈しく一途に美を語り、最初の出会いから著者をとりこにしてしまった陶工・河井寛次郎。ほかに橋本関雪、上村松園、国枝金三など、著者が美術記者時代にめぐり会った画家や陶芸家たちとの交わりを中心に、美の創造者たちの内面と風貌を生き生きと描き、鎮魂の思いあふれる美術エッセイ集。
  • 忘れないと誓ったぼくがいた
    3.7
    大好きなのに、いつまでも一緒にいたいと思ったのに、ぼくの心を一瞬で奪った君は〈消えてしまった〉。君の存在を証明するのはたった数分のビデオテープだけ。それが無ければ、君の顔さえ思い出せない。世界中の人が忘れても、ぼくだけは忘れないと誓ったのに――。避けられない運命に向かって必死にもがくふたり。日本ファンタジーノベル大賞受賞作家による、切ない恋の物語。
  • 私の愛した小説
    -
    敗戦直後に出会ったモーリヤックの「テレーズ・デスケルー」は、作家として進むべき方向を、私に教えてくれた作品だった。『沈黙』を書く時も『侍』の時も、必ずこの小説を読み直してから執筆を始めた……。四十年以上にわたり、読むたびにいつも新しい顔を見せる「テレーズ」を回想し、文学と宗教について語った長編エッセイ。巻末に遠藤周作訳「テレーズ・デスケルー」を収録する。

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  • わたしがいなかった街で
    3.8
    離婚して1年、夫と暮らしていたマンションから引っ越した36歳の砂羽。昼は契約社員として働く砂羽は、夜毎、戦争や紛争のドキュメンタリーを見続ける。凄惨な映像の中で、怯え、逃げ惑う人々。何故そこにいるのが、わたしではなくて彼らなのか。サラエヴォで、大阪、広島、東京で、わたしは誰かが生きた場所を生きている――。生の確かさと不可思議さを描き、世界の希望に到達する傑作。
  • 私が語りはじめた彼は(新潮文庫)
    3.6
    私は、彼の何を知っているというのか? 彼は私に何を求めていたのだろう? 大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘――それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。だが、それは愛というようなものだったのか……。「私」は、彼の中に何を見ていたのか。迷える男女の人恋しい孤独をみつめて、恋愛関係、家族関係の危うさをあぶりだす、著者会心の連作長編。(解説・金原瑞人)
  • 私たちが好きだったこと
    値引きあり
    3.8
    1巻616円 (税込)
    工業デザイナーを目ざす私、昆虫に魅入られた写真家のロバ、不安神経症を乗り越え、医者を志す愛子、美容師として活躍する曜子。偶然一つのマンションで暮らすことになった四人は、共に夢を語り、励ましあい、二組の愛が生まれる。しかし、互いの幸せを願う優しい心根が苦しさの種をまき、エゴを捨てて得た究極の愛が貌を変えていく……。無償の青春を描く長編小説。
  • わたしたちが泥棒になった理由(新潮文庫)
    3.3
    優しいおばあちゃんはなぜマジメな小学生を誘拐したのか(「おばあちゃんの旅」)。ネット通販の倉庫で働いていた双子の姉妹が恐ろしいトラブルに巻き込まれて(表題作)。バーで出会ったふたりの男。やがて明らかになる《白猫消失事件》の真相(「空を飛んだ猫」)。ごく普通の男女が人生でたった一度だけ起こした犯罪。その“切ない動機”とは。鋭い切れ味&人間ドラマ。名手が描く6つのミステリ。(解説・どくさいスイッチ企画)
  • わたし、定時で帰ります。(新潮文庫)
    4.2
    1~3巻693~880円 (税込)
    絶対に定時で帰ると心に決めている会社員の東山結衣。非難されることもあるが、彼女にはどうしても残業したくない理由があった。仕事中毒の元婚約者、風邪をひいても休まない同僚、すぐに辞めると言い出す新人……。様々な社員と格闘しながら自分を貫く彼女だが、無茶な仕事を振って部下を潰すと噂のブラック上司が現れて!? 働き方に悩むすべての会社員必読必涙の、全く新しいお仕事小説!
  • 私という小説家の作り方
    4.2
    小説中の「僕」とは誰か? ジャーナリズムや批評家をアテにせず小説を書いていくには? なぜ多くの引用をするのか? 失敗作はどれか? ――『奇妙な仕事』以来40年に及ぶ小説家生活を経て、いまなお前進を続ける著者が、主要作品の創作過程と小説作法を詳細に語り、作家人生を支えてきた根源の力を初めて明かにする。文学を生きる糧とする読者へ贈る「クリエイティヴな自伝」。
  • 私と踊って
    3.9
    1巻693円 (税込)
    パーティ会場でぽつんとしていた私に、不思議な目をした少女が突然声をかける。いつのまにか彼女に手をひかれ、私は光の中で飛び跳ねていた。孤独だけれど、独りじゃないわ。たとえ世界が終わろうと、ずっと私を見ていてくれる? ――稀代の舞踏家ピナ・バウシュをモチーフにした表題作ほか、ミステリからSF、ショートショート、ホラーまで、彩り豊かに味わい異なる19編の万華鏡。
  • 私の愛する憩いの地
    5.0
    女の私が行ってきたのですから、私の歩いた道はどなたでも行けるのです――聖書の世界の神秘に出会うシナイ山、水源から辿るコロラド川、モザイク芸術の町ラヴェンナなど、31年にわたり「兼高かおる世界の旅」で日本のお茶の間を魅了した著者が披露する、とっておきの地の数々。すでに海外旅行通のあなたにも、新たな旅のロマンを教えてくれる“美しい星地球”への愛情溢れる一冊。 1995年刊。
  • 私の映画教室
    4.0
    チャップリンが88歳で死んだ翌日、人生の師チャップリンを偲んで著者が語った「不滅のチャップリン」。貧しい少女からセックス・シンボルへ、そして不幸な死へと生き急いだモンローを語る「かわいい女」のほか、「フランス映画の魂ジャン・ギャバン」「西部劇の神さまジョン・フォード」等、映画を愛し、映画から人生を学び続ける淀川おじさんが解説する、映画の魅力のすべて!
  • 私の嫌いな10の言葉
    3.6
    「相手の気持ちを考えろよ! 人間はひとりで生きてるんじゃない。こんな大事なことは、おまえのためを思って言ってるんだ。依怙地にならないで素直になれよ。相手に一度頭を下げれば済むじゃないか! 弁解するな。おまえが言い訳すると、みんなが厭な気分になるぞ」。こんなもっともらしい言葉をのたまう大人が、吐気がするほど嫌いだ! 精神のマイノリティに放つ反日本人論。

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  • 私の嫌いな10の人びと
    4.0
    「笑顔の絶えない人」「みんなの喜ぶ顔が見たい人」……そんな「いい人」に出会うと、不愉快でたまらない! 共通するのは、自分の頭で考えず、世間の考え方に無批判に従う怠惰な姿勢だ。多数派の価値観を振りかざし、少数派の感受性を踏みにじる鈍感さだ。そんなすべてが嫌なのだ! 「戦う哲学者」中島義道が10のタイプの「善人」をバッサリと斬る。日本的常識への勇気ある抗議の書。
  • 私の暮らしかた
    3.8
    大貫妙子――凜とした楽曲と透きとおった声で多くのファンをもつ、シンガー&ソング・ライター。その飾らない生き方にも共感が寄せられている。葉山での猫との暮らし。年下のパリの友だち。コスタリカで出会ったナマケモノ。歌い手としてさまざまな土地を訪れ、歌わない某日は田植えに出かける。母なる自然と自らの内なる声に耳を澄ます。愛おしい日々をまっすぐ綴る、エッセイ集。
  • 私の恋人(新潮文庫)
    3.7
    一人目は恐るべき正確さで世界の未来図を洞窟の壁に刻んだクロマニョン人。二人目は大戦中、収容所で絶命したユダヤ人。いずれも理想の女性を胸に描きつつ34年で終えた生を引き継いで、平成日本を生きる三人目の私、井上由祐は35歳を過ぎた今、美貌のキャロライン・ホプキンスに出会う。この女が愛おしい私の恋人なのだろうか。10万年の時空を超えて動き出す空前の恋物語。三島賞受賞作。
  • 私の詩と真実
    -
    「詩人との邂逅」「神への接近」「友情と人嫌い」「シェストフ的不安」「私のピアノ修業」「わが楽歴」「フランクとマラルメ」「若い知性の抒情」「認識の詩人」「ロンドンの憂鬱」「詩と人生の循環」の十一編からなる。優れた評論家であり、また稀なエスプリの人である著者が、評論の形で描いた、二十歳代に於ける精神形成を跡づけた自画像である。昭和28年の読売文学賞を受賞した作品。
  • 私の少女マンガ講義(新潮文庫)
    4.2
    日本の漫画は世界でも希有な文化である。中でも少女マンガは男性とは異なる視点で新たな物語を生み出してきた。その第一人者である萩尾望都が2009年、イタリアで行った講演で繙いた、『リボンの騎士』から『大奥』へ至る少女マンガ史、そして、自作の解説と創作作法を収録。'19年にデビュー50周年を迎えてなお現役であり続ける著者が、日本独自の文化である少女マンガの「原点」と「未来」を語る一冊。(解説・中条省平)
  • 私の食物誌
    -
    たべものにまつわる言葉の語源、歴史、食生活のしきたりをはじめ、一年三六五日の暮らしの中の食物に焦点を合わせて綴る、楽しい話の数々――日々の暮しを彩るさまざまな味のすがたを、古今東西の文献や流行歌などに幅広く求め、また、町角での買いぐいなどなど、著者が幼少の日より親しんできた味の思い出を、四季折々の風物と、周辺の人々の回想とともに語る、味の歳時記。
  • 私のなかの彼女
    4.0
    「男と張り合おうとするな」醜女と呼ばれながら、物書きを志した祖母の言葉の意味は何だったのだろう。心に芽生えた書きたいという衝動を和歌が追い始めたとき、仙太郎の妻になり夫を支える穏やかな未来図は、いびつに形を変えた。母の呪詛、恋人の抑圧、仕事の壁。それでも切実に求めているのだ、大切な何かを。全てに抗いもがきながら、自分の道へ踏み出してゆく、新しい私の物語。
  • 私の裸(新潮文庫)
    値引きあり
    3.7
    1巻400円 (税込)
    女は皆、平和を装っているだけ。ライターの天音は、妻としても職業人としても自己不全感を抱いていた。ある日、友人の紹介で俳優の朔也と出会う。人とは違う肉体を生かして役者になった朔也を取材するうち、彼の周りの女性たちが変貌した瞬間を知る。いい子の呪いに苦しむ鈴美、男性経験のない冬美恵、朔也の妻・理都子、そして天音自身も――。未知の私が現れる5編。『幸福なハダカ』改題。(解説・寺地はるな)
  • わたしの普段着
    4.0
    かつて電車で目にした、席を譲られた老紳士の優美な仕種。我が家に家出娘を迎えに来た父親が農村の事情を語る言葉の奥深さ。結核による死を覚悟した頃を思えば感じる、今この時に生きる幸せ――。気取らず、気負わず、殊更には憂いを唱えず。いつも心に普段着を着て、本当に知った人生の滋味だけを悠悠閑閑と綴ってゆく。静かなる気骨の人、吉村昭の穏やかな声が聞こえるエッセイ集。

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  • 私の文学漂流
    -
    1巻550円 (税込)
    結核に苦しみながら読書に熱中した少年時代。川端康成、梶井基次郎に心酔し、三島由紀夫らを訪ねた大学文芸部の頃。大学を中退して結婚、生活に追われつつも、小説へのいちずな情熱を貫いた同人誌時代。そして四度の芥川賞落選……。逆境を乗り越えて太宰治賞を受賞し、次いで名作『戦艦武蔵』が生まれるまでの軌跡を率直に綴り、一人の作家の誕生を描く自伝。初期短篇「死体」「青い骨」「貝殻」3作併録。

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  • 私の本棚
    3.9
    本棚は、すでにいっぱい。ほしい本は、まだまだある。――夢、憧れ、苦労、奮闘。23編の名エッセイ。小野不由美、椎名 誠、赤川次郎、赤瀬川原平、児玉 清、南 伸坊、井上ひさし、荒井良二、唐沢俊一、内澤旬子、西川美和、都築響一、中野 翠、小泉武夫、内田 樹、金子國義、池上 彰、田部井淳子、祖父江慎、鹿島 茂、磯田道史、酒井駒子、福岡伸一。
  • 私の遺言
    4.1
    北海道に山荘を建てたときからそれは始まった。屋根の上の足音、ラップ音、家具の移動をともなう様々な超常現象、激しい頭痛。私はあらゆる霊能者に相談してその原因を探った。そうせずにはいられなかった。やがてわかった佐藤家の先祖とアイヌとの因縁。霊界の実相を正しく伝えることが私に与えられた使命だったのか。浄化のための30年に及ぶ苛烈な戦いを記した渾身のメッセージ。

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