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小説好きの五人兄妹が順々に書きついでいく物語のなかに、五人の性格の違いを浮き彫りにするという立体的で野心的な構成をもった「ろまん燈籠」。太平洋戦争突入の日の高揚と虚無感が交錯した心情を、夫とそれを眺める妻との画面から定着させた「新郎」「十二月八日」。日本全体が滅亡に向かってつき進んでいるなかで、曇りない目で文学と生活と戦時下の庶民の姿を見つめた16編。(解説・奥野健男)
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Posted by ブクログ
表題の「ろまん燈籠」 五人の兄弟たちで書き継いでいく物語 性格の違いからなんとも面白い 物語となっていく そして祖父の評価と、勲章 いい家族です そんな物語があれば 「服装に就いて」は、太宰治の 人となりがよくわかる おしゃれに目覚めて かっこよくすごそうとしているのに 飲み屋のお姉さんに 兄さん...続きを読む東北でしょうと言われてしまう すぐにすべてをかなぐり捨てる なんだか笑える 洋装をして友人に笑われたり 気に入らない着物を着てしまい 出かけている間ずっと気になって まったく楽しめない 義理の父の着物を着て出かけると 必ず豪雨に見舞われる 妻にまた雨に降られますよと 言われているのにそのまま出かけて やはりすごい豪雨になる 自分のせいですまないと 友人に心の中で詫びる どのエピソードもなかなか楽しい 本人としてはやるせないことも すべて文章に変えてしまうところは さすがです ますます親しみが湧きます 太宰治ってかわいいと思ってしまう 他の作品も読んでみよう!
表題作のろまん燈籠は文学好きの兄弟が皆で物語を完成していく話。最初の兄弟の紹介文や祖父のメダルについてのエピソードなど、思わず「くすっ」と笑えてしまうのような太宰ならではの独特のギャグセンスが盛り込まれていた。また、物語の中で登場するラプンツェルの恋愛模様は太宰による恋愛観が盛り込まれており、語り手...続きを読むが太宰ではないことになっているが(兄弟による物語上で)太宰が兄弟の姿に装って書いているみたいだった。口調やスピード感も読みやすいので太宰文学の入口にもぜひ。
市井の人々の慎ましい生活、その中に有る感情が細やかに描き出されていた。筆者の、人々の実生活に密着した、素朴な眼差しが心に沁みた。
戦時下の太宰は神がかっている。珠玉の短編16編を収録。どの作品も愛おしい。特に気に入ったのは「恥」それぞれ夫と妻の視点から書かれた「新郎」「十二月八日」友人の結婚に纏わるユーモラスなやり取りが光る「佳日」悲しくも美しい余韻に涙させられた「散華」である。「散華」の中の次の文章には胸を打たれた。「机上の...続きを読むコップに投入れて置いた薔薇の大輪が、深夜、くだけるように、ばらりと落ち散る事がある。風のせいではない。おのずから散るのである。天地の溜息と共に散るのである。空を飛ぶ神の白絹の御衣のお裾に触れて散るのである。」
戦争中に書かれた小説、十六篇。 どれも素晴らしかった。 読めば読むほど太宰がどんな人か見えてきます。 本当に、人間を愛した人だと思います。 とっても優しい人です。
ろまん燈籠。兄妹連作のラプンツェル童話、愛される力を失っても愛する力は永遠に失われず、そこに人が生きる誇りがあるという次男の指摘に感銘。最後を飾る長兄の「ぶちこわしになったような気もする。」に笑う。 みみずく通信。大真面目の発言を高校生に笑われる、外界と精神との乖離。 服装に就いて。町田康が重な...続きを読むって仕方ない。 誰。怖い。自分が悪魔かどうかに就いて、やっぱり主観と客観が乖離して怖い。 恥。凄い!自意識の氾濫! 作家の手帖。煙草の火を貸してあげて、御礼を言われることに対して言い知れぬ恐怖を感じるセンス。 佳日。人間性の勘所。どんなにムカついても「これだから愛おしい」という感じは、よくわかる。 散華。文学のために死ぬ決意が、三田君からの手紙に託して表現された、狂おしい文章。 雪の夜の話。眼の中に、今まで見てきたものが映るという。 東京だより。不当な試練が、底知れぬ美しさの原因だったという衝撃。
太宰の作品の中で一番好き。 実は太宰はユーモアたっぷりで優しすぎるくらいの人だってわかる。 兄弟で小説を回し書きするんだけど、兄弟によって文章も内容も性格に合わせて変わってきて・・。なんかとってもほっこりしちゃいます、でも、なんかじーんとするんです。太宰らしい作品だと思う。
太宰治作品、思いのほかクスッとなるもの、登場する人々が生き生きしているものが多い。今までは「登場人物がやたら項垂れて溜息ついてる」みたいなイメージを持っていたのだけど……。 この「ろまん燈篭」も家族間のやり取りが面白かった。最後もよいなあ。 「決して興奮の舞踏の連続ではありません。白々しく興覚め...続きを読むの宿命の中に寝起きしているばかりでおります。」
先日、100分de名著『太宰治 斜陽:名もなき「声」の物語』高橋源一郎 を読み、 思いの温かいうちに『散華』だけでも読もうと。 よって今回は、『ろまん燈籠』に収録された『散華』のみのレビューとする。 太宰は結局自ら死を選び逝ってしまったけれど、丸っきりこの世の全てを放棄していたわけではないように思...続きを読むえた。 小説家を目指す若き芽を育てていた。 太宰はそんな風に思ってはおらず、友人として接したようだけれど。 三田君が、作品を持参した日とそうでない日の、玄関の戸が開けられる音の違い。 太宰はちゃんと聞き分けて、体も心も気遣う。 まずは体を丈夫にして、それから小説でもなんでもやったらいいなんて言う。 しかも直接ではなく、三井君の親友に頼むのだ。 君から強く言ってやったらどうだろうと。 心遣いが温かく、大人の振る舞いだ。 戸石君のことも、続く三田君のことも太宰は温かな眼差しでよく見つめている。 詩の世界で芽が出た三田君のことも、 「私には、三田君を見る眼が無かったのだと思った」 「三田君が私から離れて山岸さんのところへ行ったのは、三田君のためにも、とてもいいことだったと思った」 と記している。 三井君も三田君も、年少の友人だったと太宰は言う。 自分には、いたわるとか可愛がるなど出来ないと。 ただ年齢のことなど手加減せずに尊敬の念をもって交際したかったと。 (それでも私には充分いたわって可愛がっているように感じられたが) しかし『散華』というタイトル通り、これは単なる楽しい思い出話ではない。 三井君は病気で、三田君は出征先で、命を落としたのだ。 太宰は三田君の原隊からのお便りを4通挙げているが、"最後の一通を受け取ったときの感動を書きたかったのである"と言う。 三田君はアッツ島守備部隊にいたが、太宰自身はその守備隊については"その後の玉砕を予感できるわけは無いのであるから………格段驚きはしなかった"けれども、"三田君の葉書の文章に感動した"と。 「御元気ですか。遠い空から御伺いします。 無事、任地に着きました。 大いなる文学のために、死んで下さい。 自分も死にます、この戦争のために。」 余程心に響いたのか、この文面を太宰は『散華』の中で3度も挙げる。 私はなんだか、太宰が取り違えているような気がしてならなかった。 本人はえらく感動した風情で、これぞ詩人!と感銘を受けたようであるけれど、 三田君は、"自分は戦争なんていうよく分からぬものの為に死ぬけれども、太宰さんはそんなものの為に死ぬのではなく、もし自分で死を選ばなければならないなら、文学の為に死んで下さい"と言いたかったのではないの? そもそも太宰が徴兵を逃れたのは、結核や自殺未遂など、心身が万全ではなかったからだよね。 戦地に赴いたこともない人間が、この戦争のために死ぬと言ってよこした便りに、"ただならぬ厳正の決意"を感じて"最高の詩のような気さえして来た"とは、呑気すぎないか。 "アッツ島玉砕の報を聞かずとも、私はこのお便りだけで、この年少の友人を心から尊敬する事が出来たのである" 確かに、素人の私でさえ、詩的で真っ直ぐな表現が並々ならぬ決意を含んで美しいとは思う。 でも、なんというか………言い方? こういう言い方しちゃうから、太宰を嫌う作家も居たのでは? 私にはよく分からない。 三田君は"詩"のつもりで書いたのかしら? というか、私が"詩"の概念を誤っているのかもしれないな。 心の内からポッと生まれた文章は、全て"詩"と呼べるのかもしれない。 だとしたら、酷い惨劇が起きている現場で、カメラマンが助けることより撮ることを選ぶように、 小説家であった太宰もまた、小説家として三田君からの便りを目にしたのか。 戦争を知らぬ私でも、三田君からの手紙は読んだだけでウルッとするのにな。。。 P297に自身のことを、"としとってから妙な因業爺になりかねない素質は少しあるらしいのである"と表現していて、 これを読むと年老いた自分を想像することもあったんだなと意外に思う。 Wikipediaによると『散華』の執筆時期は1943年11月上旬(推定)とあった。 『津軽』の直前かな…。 だとすると、死を意識した太宰が、故郷を見ておこうと思うに至るまでに、三田君からの便りも少なからず影響しているのだろうな。 その後、太宰は1948年に美容師の山崎富栄と心中しているが、前の年には『斜陽』のモデルの歌人である太田静子との間に子供が生まれて認知している。 きっとこの頃はもうぐちゃぐちゃだよね。 「御元気ですか。 遠い空から御伺いします。 無事、任地に着きました。 大いなる文学のために、 死んで下さい。 自分も死にます、 この戦争のために。」 太宰さん、貴方は何のために死を選んだんでしょう? アッツ島: その惨たらしい様は広く知られているはず。 守備隊の4倍ものアメリカ兵が上陸し、制圧下に置かれた。 日本の本営も、これ以上戦力を消耗しては…との考えから、増援部隊も送らず、アッツ島の兵士たちは孤立無援状態となった。 テレビ番組の特集を見たが、手榴弾を持ったり、または丸腰で、アメリカ軍に向かってくる様は異様だったとのこと。 守備隊は全員玉砕。 山本五十六の死、アッツ島守備隊の玉砕と続き、ここから更に日本は、一般市民もこれに続けと間違った方向へ突き進んでゆく。
太宰治 (1909-1948) は、中学時代から芥川文学に魅せられ、後に短編小説の名手となった。現代文学の先駆的作品が多く、長く新鮮さを失っていない。第一回芥川賞候補となったが、結果は次席。選考委員である川端康成に「作者、目下の生活に厭な雲ありて、才能の素直に発せざる憾みあった」と私生活を評された...続きを読む。太宰はこの選評に憤慨抗議した。彼にはマイナス思考の作品が多く、川端はそれを危うんだのではないだろうか。 『雪の夜の話』(1944) は、「少女の友」に発表した作品である。少女の目から、東京の戦時下の風俗を描いている。次の文は、その一節である。 「おれの眼は、二十年間きれいな雪景色を見て来た眼なんだ。おれは、はたちの頃まで山形にいたんだ。しゅん子なんて、物心地のつかないうちに、もう東京へ来て山形の見事な雪景色を知らないから、こんな東京のちゃちな雪景色を見て騒いでいやがる。おれの眼なんかは、もっと見事な雪景色を、百倍も千倍もいやになるくらいどっさり見て来ているんだからね、何と言ったって、しゅん子の眼よりは上等さ。」 私はくやしくて泣いてやろうかしらと思いました。その時、お嫂さんが私を助けて下さった。お嫂さんは微笑(ほほえ)んで静かにおっしゃいました。 「でも、とうさんのお眼は、綺麗な景色を百倍も千倍も見て来たかわりに、きたないものも百倍も千倍も見て来られたお眼ですものね。」
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ろまん燈籠(新潮文庫)
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