リセット(新潮文庫)
  • 完結

リセット(新潮文庫)

小説・文芸
781円 (税込)

3pt

「――また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は黄金色の入り日のなかで、穏やかに見つめてこういいました。六年半前、あの人が選んだ言葉で通った心。以来、遠く近く求めあってきた魂。だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの日だった→←流れる二つの《時》は巡り合い、もつれ合って、個の哀しみを超え、生命と生命を繋ぎ、奇跡を、呼ぶ。(対談・宮部みゆき)

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    リセット(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    1794353
  • 電子版発売日
    :
    2025年02月14日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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リセット(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「スキップ」「ターン」と来て、最後が何とも不吉な「リセット」になるのだが…前2作と比べて全く時間に変化が起こらない…。第2部になっても兆候が見られなかったのだが、突然襲い掛かってくる「リセット」要素がかなり衝撃。

    タイトル回収まで時間がかかるのと、伏線や匂わせを多々散りばめさせているのも、前2作との相違点となっていて、ガラリと印象が変わる。

    ただこの作者は物事がそうなるまでの「過程」を非常に描いており、中には伏線でも何でもないただの「脇道」にそれるような描写もあるのだが、それが逆に「一人の人間がしっかり存在している」という雄弁な証になっている。

    正直オチは途中で読めてしまったが、(頼むぞ…変なことしないで、頼むぞ…)という良い意味での期待をしっかり裏切らずに成就させてくれて嬉しい。

    0
    2021年08月14日

    Posted by ブクログ

    時と人のシリーズ第三作。記憶は人を形作るものではあるが、それが時を超えたらどうなるのだろうか。

    本作には様々な物語の伏線が張られている。それらのモチーフが突然現れては消え、また現れては消える。それでいて、一つの大きな物語を何度も形作っているのだ。

    第二部は独白が続くので、読み難いが、読み進め、時を遡っていくうちに、大きな物語のうねりに飲み込まれていく。

    惜しむらくは『スキップ』『ターン』から読み始めるべきだったかと思うことである。

    0
    2020年03月24日

    Posted by ブクログ

    「時と人」シリーズ、三部作の最終巻。前2作とは序盤のペースが随分違いますので、最初は戸惑いました。

    だけど、クライマックスが凄かった。地名と状況から途中でピンときましたが、あの出来事をこんな形で使うのかと驚きました。そこに至るまでの文章量が多かったからこそ、なおのこと劇的な描写となったのだと思います。

    そしてラスト、ちょっとだけ涙腺が緩みました。あたたかい作品に出会えたことを、幸せに感じました。

    3部作でいちばんのお気に入りは「スキップ」で、それとはちょっと毛色が違うのですが、こちらはこちらで断然オススメです。

    0
    2016年11月27日

    Posted by ブクログ

    流星群。フライパン返し。切手。列車の事故。麦畑。

    高校の時に読んで以来、時折パッと灯が点いたようにこれらの場面を思い出していた。
    どちらかと言えば、一回限りでは内容を忘れてしまうことの多い私にとって、これは珍しいことだ。
    裏を返せば、本を読み返さずとも反芻してしまうくらい、強く印象に残った話だったということなのだろう。
    この度、ようやく、再読の機会を得た。

    細部まで記憶していただけに、「高校の時の読後感を再確認する」というくらいのつもりで読み始めたのだが、そうはならなかった。
    年かさが増し、色々な知識を得た結果だろうか。
    以前は二人の恋の行く末に目が行っていた。
    だから、どこか時を隔てても結びつく二人に「羨ましい」とさえ感じていたのだけれど、今回は「子どもたちを、こんな目にあわせてはいけない」という思いが、自分でも驚くほど強かった。

    戦争が、子どもたちから教育を奪っていく。
    主人公やその周囲はどちからといえば裕福で、お嬢様学校に通っていただけあってギリギリまで恵まれた学習環境にいた。
    それなのに、いや、もしかすると、だからこそ。
    少し前には雑誌の付録のカルタで遊んでいた少女たちが、テニスで遊んだ後にレモネードで喉を潤していた彼女たちが。
    飛行機の組み立てに参加する、尊敬する兄を隊内の暴力により亡くし絶望する、その落差に、やるせなさを覚えずにはいられなかった。

    確かに、何度も巡り会う運命は、とても美しいものだ。
    けれど、そうせずにはいられなかった運命は、決して歓迎されるべきではない。
    お互いの感情の行き違いではなく、「そうせざるを得なかった」というのだけは、絶対に、繰り返してはいけないと思うのだ。

    たぶん、当たり前のことなのだけれど。
    本は、同じものでも毎回違った印象を与えてくれる。
    それを改めて実感した、今回の再読だった。

    0
    2015年09月12日

    Posted by ブクログ

    前作前々作は比較的現代が舞台ですが、本作は戦前戦後の日本が舞台なので、テイストが違う。

    主人公の美しいお言葉遣いが素敵。

    彼女の過去の切なすぎる思い出。
    そして、未来で起こるまさかの出会い。

    感動するけど、どこか寂しくて、切なくて。

    北村先生。こういうの本当に巧いんだよなぁ。
    また虜にさせられてしまった。

    0
    2026年09月13日

    Posted by ブクログ

    8月の今読んだからかいろいろ感じるものがあった。
    まだ100年も経たない自分たちの親の世代に本当に戦争なんかあったのかななんて今の世の中からはちょっと想像がつかない。
    ラストはハッピーエンドで良かったけどちょっと奇跡が起こりすぎかなぁって感じもあった。
    まぁそれが小説ってものだから仕方がないかな。
    とりあえず読後感は良かった。

    0
    2026年08月24日

    Posted by ブクログ

    時と人シリーズ三部作、ついに完結!

    前作『スキップ』では時間を奪われ、『ターン』では同じ時間に閉じ込められた。完結編の『リセット』では、一体どのような形で時間に翻弄されるのだろう――。そんな期待に胸を膨らませつつページをめくった。 

    物語の背景にあるのは意外にも、太平洋戦争だ。昭和初期のモダンな日常が戦争によってじわじわと壊されていく過程が丁寧に描かれ、理不尽に奪われた生、叶わなかった想いの重みが、ひしひしと心に刺さる。
    そんな中、啄木カルタや木下夕爾の詩、ドイツの歌を「合言葉」にして、時を超え再会する二人の姿には胸が熱くなった。
    特に啄木の「かの時に言いそびれたる 大切の言葉は今も 胸にのこれど」という一首は、もう、二人の想いをそのまま歌にしたようで、たまらなく切なく感じてしまう。ただの再会ではなく、こうした歌や詩が再会の「鍵」になっているのが、なんとも北村薫さんらしくロマンチックではないか。

    後半、黄金色の麦畑で二人が向き合うシーン。それはまるで『風の谷のナウシカ』のナウシカが、金色の野に降り立つ奇跡を見ているようで、嬉しさと感動で心が震えた。
    私は見たことはないが、33年周期の獅子座流星群のように、一度「リセット」されても、大切な人と必ず巡り合える――。修一の「また会えたね」の言葉がそんな奇跡を信じたくなる。

    冒頭の「星です。私の最初の記憶は流れる星なのです」から始まり、ラスト家族で見上げる流星群。「そして時は流れ星は巡りつづける」という結び。
    ふと夜空を見上げた時、「独りじゃない、また巡り会える」と思わせてくれる、最高のハッピーエンドだった。 

    引用される詩や歌、本のひとつひとつが祈りや願いとなり強く心に残る一冊。シリーズ完結に相応しい壮大な物語だった。
    三部作のなかでわたしはこの作品が一番好きかも。

    0
    2026年03月29日

    「リセット」について

    この「リセット」は、北村薫さんの「時と人の三部作」の第3弾で、これで完結ですね。

    「スキップ」では未来へのタイムスリップ、「ターン」では同じ時の繰り返しが描かれたのですが、この「リセット」はどうなるのだろうと、とても楽しみにしていた作品です。

    しかし、開いてみると、戦前のお嬢様の生活描写がつらつらと続き、さらに時代は戦争に突入。
    北村薫さんの文章なので読みづらいということはなかったのですが、正直この手の話は苦手なので、最初はどうなることかと思いました。

    ごく普通の淡々とした日常が描かれ、恋の予感などはあるものの、特に何も起こりません。
    さらに第2部に入ってみると、私だけかもしれないのですが、今度は一体誰の話をしているのかもよく分からないのです。

    しかし、第2部の終わり間際からは、いきなり話が進み始めます。
    それまでの淡々とした描写は、すべてその必要があってのことだったんですね。

    それらの細かい描写が伏線として後半に生かされて、じわりじわりと効いてきます。
    そして読んでいる側は、何時の間にか自分のことのようにすっかり感情移入してしまう。

    北村薫さんの筆力をまざまざと感じさせられてしまいます。中でもホットケーキのシーンは凄いですね。
    小道具の使い方もさすがです。上手すぎます。

    「想いは時を越える、希いはきっと、かなえられる-----」ラストはお見事ですね。
    切なさが一転して幸福感に包まれます。

    読みながら途中ずっと、「リセット」という題名は、一体何を意味するんだろうと思っていたのですが、全てが腑に落ちた時、これ以上の題名はないと分かります。

    とても素敵な物語でした。

    0
    2025年09月04日

    Posted by ブクログ

    時代の空気感が滲み出てきて、文字を追っているあいだ周りの空間から切り離されるような本だった。
    先の展開は若干読めたものの、割にめっちゃ泣きながら読んでた。

    0
    2025年07月31日

    Posted by ブクログ

    〈再登録〉「時と人」三部作の三作目。互いに惹かれ合いながらも戦争に翻弄され、死別する二人。いくつかの時代を経て再び巡り合う…
    前世からの恋とは、ちょっと照れくさいテーマだと思いながらも静かにゆっくりとハッピーエンドに向かっていく展開は感動してしまいました。

    0
    2024年05月27日

リセット(新潮文庫) の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    リセット(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    1794353
  • 電子版発売日
    :
    2025年02月14日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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