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真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。ターン。いつかは帰れるの? それともこのまま……だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。(解説・川上弘美)
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Posted by ブクログ
昨年行ったメゾチント展にちなんで読んだ。 生きることに意味を見出そうとするのが人間だけれど、それは哲学の迷宮への入り口になる。同じ1日を永遠に繰り返す中に自分がいたら、素直になるしかないか。運命を諦め、ただ自分を諦めない。
今年読んだ本の中で間違いなく1番面白く、読み終わった後2周してしまった。 まずストーリー展開が引き込まれる上に、「日々の繰り返しを不毛と思わずに、一瞬一瞬を大切に生きる」というテーマが心に響く。 初めは読みづらい文体(地の文が「君は〜する」なところ)だと思ったけど、それにもちゃんと仕掛けがあってえー...続きを読む!となったり、他にも母の主人公を思うセリフが胸を打って涙してしまったり。 泉さんの、「ピザなんかも飽きたりするけど結局戻ってくる。(森さんとの会話も)そういうことってあるよ」「面と向かってるのに会っていない人なんてたくさんいる」という考え方が素敵だと思った。
二十年ぶりくらいの再読。中学校生活という変わらない毎日(今にして思えばなんて貴重で密度の濃い時間)にうんざりしていた十三歳のとき、あらすじに惹かれて読んで、それからずっと宝物のように大事に思ってきた一冊。 主人公の真希は、交通事故が原因で"くるりん"という輪の中に放り出され、七...続きを読む月のとある日から抜け出せずターンし続けることになってしまった。 あんなに大人に思えた彼女よりも歳上になって、それでもあの当時と変わらないぐらいの瑞々しさを味わえたことが嬉しかった。 それと、電話がつながった相手である泉さんが、これほどまでに救いだったとは。真希にとって大きなよりどころであり、無人島から脱出するための一艘のボートであり、繋がりを示す命綱でもある。 まだ会ったことがないながらも、すでに唯一無二である二人の関係性が愛おしく、これまで憧れてきたものはここにあったのかと感じた。 "時"という流れのなかで、私たちはちっぽけな存在だ。 抗えない絶対的なものに身を任せることしかできないように思えてしまうけれど、どのようにその日を生きるか、その日をどんな一日にできるのかは自分次第。 どれだけ変わらないと思っている日々でも季節は移ろいゆくし、その逆に、何年の月日が経っても変わらずに残るものもある。 十三歳のときにはそこまで理解できていなかったとしても、本作にたどりついたこと、読んで心に残ったという事実は今もなお影響を与え続け、これから先もずっと残る。 私もいつのまにやら、"くるりん"から抜け出していたようだ。
何度も読んでいる好きな本のうちの一つ。 優しい語り口で、2人の人間性が映し出されているようで気持ちいい。 良質なエッセイを読んでいるような感覚にも似てる。
回転する時間に巻き込まれた女性の物語。 義太夫節に、最初は締めて語れという口伝がある。四章までは女性の置かれた環境が、そこに起こる一つ一つの現象が、実在するかのように描出される。その現象が人物を形作り、物語を形作り、一冊の本になっている。自分について真摯に向き合うことができたとき、回転する時間が元...続きを読むに戻ろうとしていくのを読んで、自分も、今、その一瞬を生きていこうと強く思った。
『スキップ』に続いて、時と人シリーズの第二弾。 29歳の版画家の真希はある夏の午後、 運転中に事故に遭いダンプと衝突してしまう。 気がつくと、自宅の座椅子で微睡から目覚める自分がいた。 15時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。 だが、この世界には真希以外誰もいなかった。 そしてどんな一日を過...続きを読むごしても、定刻が来ると一日前の座椅子に戻ってしまう。 いつかは帰れるのか?それともこのまま? だが150日を過ぎた午後、突然電話が鳴り…… スキップ同様、秀逸な設定である。 前半は謎の二人称で進み困惑するが、 この二人称にもちゃんと意味があり、これには驚かされた。 そう、電話が鳴ってからの展開はかなり読み応えがあった。 スキップ同様、時間を移動するという夢の行為に潜む絶望感。 この絶望感をしっかり味わわせてくれる物語であった。
426ページ 590円 5月26日〜5月29日 事故にあった日を水泳のターンのように何度も繰り返す日々。自分以外の生き物が存在しない世界で、1日過ぎるとすべてがリセットされる。不思議な世界の理由と、その出口を探し求める日々。私だったらそんな世界で何をするのだろうと考えた。きっと今と変わらず、本を読...続きを読むんで過ごすのだろう。
「ひやり」を「ひいやり」と書くところとか、 描写とか細かな言い回しが好きでした。 タイムループのSF要素は薄くて、心情がメインなのかなと感じました。 こんな状況になったとしてどう行動するかとかを考えながら読むのもおもしろかったです。
読み始めてしばらくは状況を把握するのに戸惑う。 物語の中の主人公と同じである。 読者の私は前編にわたってこのような調子で状況説明が続くのだろうかと、危うく本を閉じてしまいそうになる。 けれど「こちら」と「あちら」が一本の電話で繋がると話は一気に面白くなる。 本を閉じずによかった。 第9章のp336...続きを読む8行目から 「〜愛している片方が、夢をあきらめて、その代わり自分べったりになってくれるとしたら、そんなの我慢できないはずですよね。」と言う文章、以下まだ続くのですが、 コレ私が以前観た映画「ララランド」の主人公が、自分が彼女から離れて彼女が夢を叶えることに全力をそそげるようにしてあげるのが本当の愛だとおもってとった愛の形と一緒だ。
学生のころ、3部作読みたいなぁと思って 20年くらい経って。ふと思い出して読んでみた。 前半のゆっくりした時間の流れから一転、 後半の特に柿崎が出てきてからのストーリーは 手に汗握る、緊張の展開でおもしろかった! 自分が柿崎と二人だったらと思うと 背中に冷や汗が流れた。。怖すぎる。。 あたまの...続きを読む中の彼のことは、よく分からなかったけど…物語の随所に作者の伝えたいメッセージが込められていて。 特に、好きな人が好きなこと・大事なものを捨てて、自分のとこへ来てくれても…果たしてそれは、自分が愛したその人なのか?というくだりは、はっとさせられた。好きな人を大事に思うということは、そういう事なんだと。 個人的に終わり方が好きでした。 残る2作は未読だけど、またいつか読んでみたい!
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