【感想・ネタバレ】ターン(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。ターン。いつかは帰れるの? それともこのまま……だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。(解説・川上弘美)

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Posted by ブクログ

昨年行ったメゾチント展にちなんで読んだ。
生きることに意味を見出そうとするのが人間だけれど、それは哲学の迷宮への入り口になる。同じ1日を永遠に繰り返す中に自分がいたら、素直になるしかないか。運命を諦め、ただ自分を諦めない。

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2025年04月28日

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今年読んだ本の中で間違いなく1番面白く、読み終わった後2周してしまった。
まずストーリー展開が引き込まれる上に、「日々の繰り返しを不毛と思わずに、一瞬一瞬を大切に生きる」というテーマが心に響く。
初めは読みづらい文体(地の文が「君は〜する」なところ)だと思ったけど、それにもちゃんと仕掛けがあってえー!となったり、他にも母の主人公を思うセリフが胸を打って涙してしまったり。
泉さんの、「ピザなんかも飽きたりするけど結局戻ってくる。(森さんとの会話も)そういうことってあるよ」「面と向かってるのに会っていない人なんてたくさんいる」という考え方が素敵だと思った。

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2024年12月06日

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二十年ぶりくらいの再読。中学校生活という変わらない毎日(今にして思えばなんて貴重で密度の濃い時間)にうんざりしていた十三歳のとき、あらすじに惹かれて読んで、それからずっと宝物のように大事に思ってきた一冊。

主人公の真希は、交通事故が原因で"くるりん"という輪の中に放り出され、七月のとある日から抜け出せずターンし続けることになってしまった。
あんなに大人に思えた彼女よりも歳上になって、それでもあの当時と変わらないぐらいの瑞々しさを味わえたことが嬉しかった。
それと、電話がつながった相手である泉さんが、これほどまでに救いだったとは。真希にとって大きなよりどころであり、無人島から脱出するための一艘のボートであり、繋がりを示す命綱でもある。
まだ会ったことがないながらも、すでに唯一無二である二人の関係性が愛おしく、これまで憧れてきたものはここにあったのかと感じた。

"時"という流れのなかで、私たちはちっぽけな存在だ。
抗えない絶対的なものに身を任せることしかできないように思えてしまうけれど、どのようにその日を生きるか、その日をどんな一日にできるのかは自分次第。
どれだけ変わらないと思っている日々でも季節は移ろいゆくし、その逆に、何年の月日が経っても変わらずに残るものもある。
十三歳のときにはそこまで理解できていなかったとしても、本作にたどりついたこと、読んで心に残ったという事実は今もなお影響を与え続け、これから先もずっと残る。
私もいつのまにやら、"くるりん"から抜け出していたようだ。

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2024年07月21日

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ネタバレ

語り口が軽やかで優しく、それでいて寂しさを感じさせる素敵な小説だった。「世界に一人ぼっち」という世界観もたまらない。電話一本で声しか知らない相手との恋愛がこんなにも尊いとは…最後は誰でもニヤニヤする。

☆勝手にイメソン
older(ファイブ・セカンズ・オブ・サマー)

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2023年06月03日

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何度も読んでいる好きな本のうちの一つ。
優しい語り口で、2人の人間性が映し出されているようで気持ちいい。
良質なエッセイを読んでいるような感覚にも似てる。

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2022年05月14日

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ネタバレ

時と人シリーズ2冊目。銅版画家の真希が交通事故に会い、生きているのか、死んでいるのか、分からない。1日過ごすと何故か15時15分にその日へ舞い戻る。しかも誰もいない世界。150日目に真希の下に電話がかかり、現実世界の1人の男性・泉との会話が始まる。主人公・真希の潔癖性と泉への強烈なカタルシスが真希の可愛らしさを表現していたのだが、その一方で、これまでの母親との薄い関係性が母との愛情を深くした。最初から登場する「君」の存在、最後の眼を開けた瞬間、君達同士の印象はどうだったのだろうか。

まさかとは思うけど、泉さん、柿崎の病室に行っていないよね?まさか、行ってしまったのか?

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2021年01月23日

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回転する時間に巻き込まれた女性の物語。

義太夫節に、最初は締めて語れという口伝がある。四章までは女性の置かれた環境が、そこに起こる一つ一つの現象が、実在するかのように描出される。その現象が人物を形作り、物語を形作り、一冊の本になっている。自分について真摯に向き合うことができたとき、回転する時間が元に戻ろうとしていくのを読んで、自分も、今、その一瞬を生きていこうと強く思った。

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2020年06月07日

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『スキップ』に続いて、時と人シリーズの第二弾。

29歳の版画家の真希はある夏の午後、
運転中に事故に遭いダンプと衝突してしまう。
気がつくと、自宅の座椅子で微睡から目覚める自分がいた。
15時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。
だが、この世界には真希以外誰もいなかった。
そしてどんな一日を過ごしても、定刻が来ると一日前の座椅子に戻ってしまう。
いつかは帰れるのか?それともこのまま?
だが150日を過ぎた午後、突然電話が鳴り……

スキップ同様、秀逸な設定である。
前半は謎の二人称で進み困惑するが、
この二人称にもちゃんと意味があり、これには驚かされた。
そう、電話が鳴ってからの展開はかなり読み応えがあった。
スキップ同様、時間を移動するという夢の行為に潜む絶望感。
この絶望感をしっかり味わわせてくれる物語であった。

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2025年11月07日

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426ページ
590円
5月26日〜5月29日

事故にあった日を水泳のターンのように何度も繰り返す日々。自分以外の生き物が存在しない世界で、1日過ぎるとすべてがリセットされる。不思議な世界の理由と、その出口を探し求める日々。私だったらそんな世界で何をするのだろうと考えた。きっと今と変わらず、本を読んで過ごすのだろう。

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2024年05月29日

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「ひやり」を「ひいやり」と書くところとか、
描写とか細かな言い回しが好きでした。

タイムループのSF要素は薄くて、心情がメインなのかなと感じました。
こんな状況になったとしてどう行動するかとかを考えながら読むのもおもしろかったです。

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2024年04月13日

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読み始めてしばらくは状況を把握するのに戸惑う。
物語の中の主人公と同じである。
読者の私は前編にわたってこのような調子で状況説明が続くのだろうかと、危うく本を閉じてしまいそうになる。
けれど「こちら」と「あちら」が一本の電話で繋がると話は一気に面白くなる。
本を閉じずによかった。

第9章のp3368行目から
「〜愛している片方が、夢をあきらめて、その代わり自分べったりになってくれるとしたら、そんなの我慢できないはずですよね。」と言う文章、以下まだ続くのですが、
コレ私が以前観た映画「ララランド」の主人公が、自分が彼女から離れて彼女が夢を叶えることに全力をそそげるようにしてあげるのが本当の愛だとおもってとった愛の形と一緒だ。

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2023年02月12日

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学生のころ、3部作読みたいなぁと思って
20年くらい経って。ふと思い出して読んでみた。

前半のゆっくりした時間の流れから一転、
後半の特に柿崎が出てきてからのストーリーは
手に汗握る、緊張の展開でおもしろかった!

自分が柿崎と二人だったらと思うと
背中に冷や汗が流れた。。怖すぎる。。

あたまの中の彼のことは、よく分からなかったけど…物語の随所に作者の伝えたいメッセージが込められていて。

特に、好きな人が好きなこと・大事なものを捨てて、自分のとこへ来てくれても…果たしてそれは、自分が愛したその人なのか?というくだりは、はっとさせられた。好きな人を大事に思うということは、そういう事なんだと。

個人的に終わり方が好きでした。

残る2作は未読だけど、またいつか読んでみたい!

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2022年12月11日

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誕生日直前29歳の女性版画家が7月のある日自動車横転事故に遭い目覚めると誰もいない、どんな一日を過ごしても15:15になると昨日にリセットされる世界に。
150日過ぎたある日電話が鳴り物語が動きます。毎日何事もなく繰り返す日常は尊くもあり年を重ねるごとに時間の流れがますます速くなる今日この頃、自問自答させて
いただきました。後悔ない時間を過ごしたいものです。

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2021年06月12日

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初の北村薫さん。文庫本の紹介文に惹かれて読みました。
主人公の真希は内なる声といつも会話してるようだ。どうやら小さい時から。交通事故で意識不明の真希は誰もいない世界に入り込み、同じ日を数ヶ月孤独に過ごすのだか、やはり内なる声はそばに居る。突然、泉という男から電話がかかってきて現世との接点が出来るところから面白くなってきました。内なる声は泉なのか・・・。

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2021年05月08日

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北村薫の「時と人 三部作」と呼ばれる作品の2作目。

版画教室の講師を勤めながら銅版画家として生活する主人公・森真希。
とある夏の日、彼女は車を運転中に誤ってダンプと衝突してしまう。
が、目が覚めるとそこは自宅の座椅子。
夢か…と思いつつ行動し始めるが、何かがおかしい。
物音一つしないのである。
に、昨日体験したはずの出来事が無かった事になっているのだ。
不思議に感じた真希は外に出てみると、そこはどうやら真希以外の生き物が一切存在しない世界であった。
そんな世界で過ごした翌日、15時15分になると再び彼女はいつの間にか座椅子でまどろんでいた。
つまり、どのように過ごしても事故と同時刻になると彼女は必ずその前日に戻ってしまうのだ。
誰もいない孤独な世界を一人で過ごす真希。
既に何度目の15時15分を迎えたのかもわからなくなったある日、突然電話が鳴り出す。。。

設定はSFなのだろうか。
いわゆる「タイムスリップ」系のお話と言えよう。
何を作っても、怪我をしても、新しい洋服を買っても、全ては形として残らず
真希の記憶にのみ残る。
つまり、日々の努力の結果を何も残せない、非常に哀しい世界に入り込んでしまったのである。
しかも、一人である。
これは厳しい。
が、彼女は前向きに、「いつか帰れる時が来る」と信じてターンの日々を繰り返す。
前作「スキップ」の主人公も含め、
こうしたとんでもない事態に対してパニックになりながらもギリギリの所で前向きに挑んでいく姿が非常に心に響く。

また、この作品は基本二人称(君は〜〜)で書かれている。
主人公の真希は心の声と自分の声で会話をしながら生活しているのである。
この手法を取った理由は物語の後半で明らかになるのだが、これは非常に上手いと思った。
彼女が強い理由の一つでもあるし、電話が掛かってきた以降の運命的な何かを感じさせるのに十分な設定である。

物語の終盤、彼女の唯一の希望の光が途絶えてしまう。
そしてその希望すら、自分の願望から来る妄想なんじゃないかと思ってしまう。
このあたりで「もしかすると暗い終わり方なのかも」と思ってしまったが
最後は綺麗に終わった。とても読後感が良かった。

巻末に作者自ら「解説」と称してちょっとした矛盾点についての考え方を書いていたが、
個人的には全然気にならなかった(というか気付かなかった)。
とても心温まる作品である。オススメ。


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2021年03月14日

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「不毛なのは毎日ではなく、私だと。繰り返しの味気ない日常にしているのはいつも自分だ」

「人間は、人との約束は守ろうと努力するのに、自分との約束はすぐに破ってしまう」という何かで読んだフレーズが頭に浮かんだ。自分ひとりの世界で、強い意志を持って生きるのは難しい。コロナ禍の自粛の中、この期間をどう生かすか。

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2020年05月11日

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最初の方は声との対話が読みづらかった。

単純に想像したりはらはらして読んでいたけど、深い…

孤独って何かとか
自分にしかないものって何だろうとか?
愛とか?

うーん。ちょっと読みにくかったけど好き。忘れなさそうなお話。

北村さんの本は初めてよみました。

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2020年03月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公は29歳の女性版画家森真希さん。ある日交通事故で命の危機に遭遇したのをきっかけに、時空のパラレルワールド"くるりん"に迷い込んでしまう。毎日15時15分になると、それまで過ごしていたことが全てリセットされ、昨日の15時15分@自室の畳の上 に戻ってしまう。そうして永遠に毎日同じ日々をくり返すのか、と思ったら果てしない孤独と生きがいの見出せなさに絶望感を抱いてしまいそう。
現実では時間を繰り返すことはないけれど、付記にもあるように朝起きて朝食を食べ身支度をし仕事をして帰って寝るという同じ行動の繰り返しに、鬱屈とした気持ちを持つことが社会人なら誰しもあると思った。だからこそ真希の境遇に共感してしまうのだと思う。
一人で生活していて、誰に見られてなくてもお店で商品を買った(もらった?)ときは必ずお金を置いてきたり、他人からの評価ではなくあくまで自分がどうあるべきかという軸で生きている姿勢がとても好き。
そんな150日を過ごしてきて、かかってきた1本の電話。泉さんとの出会えて本当によかった(必然だったのかもしれないけれど)。やはり人を好きになるというのは生きるのに心の支えになるのだ。

直に会うことはできなくても声を聞き、考えに触れることで好きになってしまうことはあるだろうなぁ。
真希が愛について話した内容が素敵だった。
「相手が自分だけを愛してくれるから、その人に魅かれるわけじゃない。その人が、自分以外の何を、どのように愛するか、それを知るからこそ、相手を愛せるのでしょう?」

人を愛すること、そして自分にとっての生きがいを持つこと、すなわち日々成長が楽しいと思える習慣・仕事・趣味を持つことは大切だなぁと感じた。

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2021年01月29日

Posted by ブクログ

あらすじ
真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。いつかは帰れるの?それともこのまま…だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。

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2019年11月05日

Posted by ブクログ

主人公の駆け出しの女性版画家に絶えず話しかける男性の声。昔、池澤夏樹さんの1枚の写真をもとに「君」に話しかける掌編集があったけど、それに似ている文章。
でも、あれは一方的に君に語りかけていかけど、この本では主人公とその誰かが対話している。不思議な文体。筆者が主人公に話しかけているんだろうか。

事故で誰も居ない時間の中に囚われてしまった彼女。その時刻が来ると、1日前に「くるりん」してしまう。

長い孤独の末に1本の電話が鳴って、物語が動き出さす。これが声の主?そうすると、これまでの文章は回顧してたわけか?
後になって、勘違いに気付くんだけど、ボール球で空振りを取るのが上手いなあ。文句をつけているじゃなくて、お蔭で更に感動が深くなっている。

北村薫さんの描く女性は皆、凛としているけど、本書の森真希さんが一番魅力的だと思う。北村さんはオジサンなのに、なんでこういう女性を活き活きと描けるんだろう。

文章もドキッと心に刺さる処がそこここに。
(引用)
君は、くるりと振り返って、≪フウの木≫にいう。
「わたしは、真希よ」
そうか、と木は、葉を鳴らした。

終幕も良かった。こんなラブロマンスもあるんだなあと感激しながら本を閉じた。僕にとって北村薫最高作。

以下、雑文。
実は子供の頃から目が覚めたら誰も居なくなっていることを夢想していた。そして、いい年したオッサンになったのに、まだ時々誰も居ない、たった一人の毎日を考えている。
電気も水道などのインフラは使える前提は都合良過ぎ。スーパーに行けば食料はあるから、生きていける。
急に人が居なくなっても何故か交通事故は起きていないし、火事も起きない。そう云う処はこの小説に似ている。
つまりこういう空想をするのは人間嫌いだからなのかな。北村さんも?まさかね。

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2019年03月19日

Posted by ブクログ

北村薫っておっちゃんなのに、女性の心理描写がうまいね。
いや、女性が見たらちゃうで〜って思ってるかもしれないけど。

二人称の小説もびっくり。。。。

ネタ的には、結構よくあるパターンのような気がするが
これは、心理描写を読ませる小説でしょう。

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2021年02月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

版画を趣味?仕事?にしている女性が事故に遭ってそこから同じ1日を過ごすことになってしまう。5ヶ月ほど後、家の電話が鳴る。

女性はいつも「声」を聞いていてその声との2人称の話が進んでいく。電話も声の延長みたいな表現がされていく。
恋愛や人生について、美しく描かれている物語だと思いました

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

はじめ、馴染むまで時間がかかった。
なんで二人称なんだよ読みづらい…えっ…あぁそういう事…えっどういう事?

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2025年09月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初の1/3は、わたし(森さん)と、「心の中にいる」君との会話。この部分が一番好きだったかもしれない。森さんの考えとか、行動がとても可愛くて、心に残る言葉が多かった!《くるりん》が始まってからは謎が多い序盤だったけど、あとから考えると文学的で素敵な文章だった
泉さんが登場するところで、一気に物語が進み始めて、とてもロマンチックで好みだった〜!《くるりん》にハマってしまった原因についてはよくある感じだった
最後の柿崎さんは怖かったけど、ハッピーエンドで良かった

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

感性や表現が「きれい」すぎて薄ぼんやりと感じる部分もあるかと思いきや後半読んでいて結構小っ恥ずかしくもなる本。
柿崎のターンちょっと急展開すぎない?

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2024年05月17日

Posted by ブクログ

映画とかのループもの見ると若干目が回る感じがするが、読んでる分には大丈夫でよかった。主人公と泉さんのひととなりがすごく伝わってきて、応援モード全開!
ちょっとさしたサスペンスもありでなかなか面白い作品でした。

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2024年03月06日

Posted by ブクログ

一人ぼっちの寂しさ怖さ、誰かと繋がっているとこんなにも心強くなるものなんだと感じるお話しでした。読みはじめはくるりんの仕組みに理解が難しかったです。真希の賢さ、強さ、優しさに応援したくなりました。後半はハラハラドキドキもあり、結末もホッとしました。

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2023年04月02日

Posted by ブクログ

最初はゆっくりしたトーンで描かれていて、のんびり読みました☀︎

最後の方で意外とハラハラドキドキ♪

続きが気になり、一気に読みました…
ほっこりしたい人にはおすすめかな★

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2022年04月16日

Posted by ブクログ

今日より明日のほうが希望があると思うのは若いうちだけではない。
年をとるのはいやだけれど、明日があるさと思うのは明るい方向をめざしていて好きだ。

しかし、明日が来ず、昨日今日を繰り返すことになったとしたらどうなる?
ターンテーブルはレコードをのせて繰り返し音楽が聴ける。くるくるくる。
そんな「ターン」の物語。

作者の語り口がおもしろい。耳元でささやかれているような気がする。
それにはあっというカラクリがあった、後でわかる。

主人公版画家の森真希はある日、自動車事故にあう。
気を失って目覚めたら、昨日に戻っていた。
なあんだ夢だったのかと思ったのもつかの間、そこには誰も生き物すらもいなかった。

29歳の真希の冒険が始まる。
けれど誰もいない世界で何をしていても、一日が過ぎるとまた昨日に戻る。
それは怖かったし、淋しかった。151日。

そしてある日偶然に「明日へ」一本の電話がつながる。

一本の電話で明日へつながる相手。理解よきおのこ、泉さん。
これはもう熱烈な恋愛小説だということ。

真希ともにボルテージが上がる。
でも現実には会えない相手。真希には明日がないから。

『「会っているじゃないか」
  そういわれて一瞬、震えた。泉さんは続けた。
 「面と向かったって、会ってない人たちはいくらもいるよ」』

北村薫描く主人公の女性は、芯はしっかりしているのだが楚々としている。
ちょいとおかしみもある。

「スキップ」「ターン」「リセット」と読み進み、描くところの女主人公にあやかりたく、ほっとするのはどうしたことだろうか

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2021年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

スキップの後に読んだ。
スキップの、お昼寝から起きたら時が進んでいたと言う状況も辛いが、わたしならこっちの方が辛い。
初めはいいかも知れないけど、ずっと独りぼっちだし、戻れる保証もない。自分が何かを残しても、翌日には元通り。

最後の方で、第2の若い男が出てきて「やだやだヤバい逃げて!」と思ったが…無事に戻れてよかった。
真希はとても強くて前向きで、素敵な女性だった。
勿論、彼女の母も、電話の相手も。

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2020年08月22日

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