終戦からほどなく、東京の真ん中に827戸を擁する米軍家族住宅エリアが出現した。その名も「ワシントンハイツ」。「日本の中のアメリカ」の華やかで近代的な生活は、焼け野原の日本人にアメリカ的豊かさへの憧れを強烈に植え付けた。現代日本の「原点」ともいうべき占領期を、日米双方の新資料と貴重な証言から洗いなおした傑作ノンフィクション。日本エッセイスト・クラブ賞受賞。
Posted by ブクログ 2021年05月26日
実際に日本家屋を建て消防能力まで考慮された空襲計画、芸能娯楽も必要不可欠とする軍組織。
すでに大きかった日本との考え方・文化の違いや差は、戦後、占領軍を通して一般の人々も目の当たりにすることとなる。
検証されたのであろう膨大な資料、それを退屈でなく身近な感覚に引っ張ってくるのが多くの証言、「人の声」...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年09月25日
なぜ日本がここまで親米国になったのかについて、終戦後の占領から読み解くもの。主に現在の六本木、青山、原宿、渋谷、代々木あたりに存在した占領軍(=米軍)の様々な施設とその関係者を丁寧に取材し、米国式の生活や文化がいかにその後の日本人に影響を与えたかがよくわかる。本のタイトルにもなっている「ワシントンハ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年11月18日
六年に及ぶ取材で戦後の原風景を描いた文庫500ページ超の力作。
タイトルは『ワシントンハイツ』となっているが、それに触れているのは一部に過ぎず、むしろサブタイトルの『GHQが東京に刻んだ戦後』の方が本書の内容をよく表している。「洗浄野菜販売店」第一号として紀ノ国屋に触れたのはまだ予想の範囲内だったが...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年01月02日
アメリカとの関係って切っても切れないんだけど、そのベースになるのは第二次大戦の戦勝国と敗戦国というものであること案外忘れているよね。サンフランシスコ講話条約を締結するまでは日本はアメリカの占領下であったわけだけど、そのアイコンたるワシントンハイツの成り立ちを詳しく述べた本。アメリカとの関係を考えるに...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年09月11日
杏のおすすめ本。
彼女のオススメの背景には、多分に青山で育った環境に影響を受けているのでは?
私にとっては、青山・表参道は特別な場所ではない事もあって、一戦争の記録としての読み方しか出来ないが、やはり色々あったんだな〜と思わされる。
ジャニー喜多川さんの話は、へぇ〜って感じですね…それぞれ色々...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年08月24日
20歳をいくつか過ぎた頃に勤めていた事務所は青山にあった。通勤
途中で前を通る店舗が気になっていた。ある日、勇気を出して店内
に足を踏み入れてみた。
カルチャーショックだった。スーパーマーケット「紀ノ国屋」は、それまで
知っていた大手スーパーとは何もかもが異なっていた。なんだ?この
品揃...続きを読む