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Posted by ブクログ
超★5 今年一番のトンデモサスペンス! 不穏な雰囲気、胡散臭さ満載キャラ、驚愕必至の展開を堪能せよ #隣人
■あらすじ
イギリスの湖水地方、わたしの住む家の隣に引っ越してきたアナ。彼女はパン屋を営み、村のみんなから親しまれていた。
ある日、怪しげな教会信者たちが現れ、アナのパン屋にも訪れるようになる。そして信者の少女コンスタンスがアナに助けを求めに来た… 前年四月、女性精神科医のアナリーズは、教師をナイフで刺した少年ジェイゴに対して精神医学的評価を行っており…
■きっと読みたくなるレビュー
超★5 今年一番のトンデモサスペンスですね、またもやってくれたシャロン・ボルトンの新作です。
本作をひとことで表現するとこちら。
「何から何まで、全部が怪しい」
サスペンスって鬼気迫るハラハラドキドキ感が重要なんですが、前提として「不穏な雰囲気」ってのが大事だと思うのよ。シャロン・ボルトンはその世界観を作り上げるのが上手なんすよね。でもネッチョリした気持ち悪さやグロさはほとんどない(多少あるけど)。読み進めるほどに作品に取り込まれてしまうような、奇妙な読み心地を味わえるサイコサスペンスなんすよね。
ストーリーとしては、語り手であるわたしとアナが、教会信者たちに囚われた少女と少年を救い出そうと画策する。並行して1年前の精神科医と少年犯罪を犯した二人のやり取りも描かれる。果たして少女たちは救われるのか? 過去の人物、出来事との関係性は…?
まず出てくるキャラクターの全員が全員、胡散臭んすよ。教会信者たちはもちろんのこと、もうひとりの隣人ガードナー、教師を刺した少年ジェイゴ、そして語り手である"わたし"ですら得体が知れない。性格の悪さが露骨に出てるし、悪いたくらみが身体じゅうからしみ出てるのよね。
一方、隣人パン屋のアナと1年前の登場人物の精神科医アナリーズは、超まともなんすよ。この物語の唯一の良心、おかげでちょっと息がつけるんだけど… ん? このふたりの関係性ってやっぱり… なーんてと勘繰り始めると、もはや作者の術中にはまっています。
とにかく幾重にも重なった不穏な謎が秀逸すぎるんすよね。怪しい教団では何が行われているか、精神科医のアナリーズと少年ジェイゴの関係性、アナとかつての出来事と関連性、わたしの正体… これらの謎が複雑に絡み合って、気づいたら熱中してどんどん読み進めちゃうのよね。
そして帯に「三度は大きな衝撃が待ち受ける」とあるのですが、果たしてどうでしょうか。ぜひ読んでみて下さい。個人的には「衝撃の回数」よりも「衝撃の強さ」にノックアウトですね。作者がやってやったぞ!という意気込みが伝わってきましたね。
今年必読のサスペンスミステリーだと思います。面白いのはもちろん、ハチャメチャ感がたっぷりと味わえますよ。
■ぜっさん推しポイント
後半までずっと謎追いがメインなのですが、最終盤になると遂にハラハラドキドキのサスペンスフェーズに入ります。まず舞台が超素晴らしいし、これまで語られてきた誰が誰がどうなるって状況に目が離せないし、この混沌とした雰囲気も大好き。そしてラスト1ページのやり取りは、本作が表現したかった世界なんだと感じました。
Posted by ブクログ
シャロン・ボルトン『隣人』新潮文庫。
『幾重もの驚愕が待ち受け、読者を迷宮に陥れる究極のサイコ・サスペンス!』らしい。
よく解らないシチュエーションの中で別な時間軸で進行する2つの物語が描かれる。どちらの物語も謎だらけであり、迷宮に陥れられたと言えば、その通りである。やがて2つの物語は交わっていくのだが、確かに予測を裏切る驚愕の展開が用意されている。
そして、如何せん乱暴な消化不良の結末が一番の驚愕だった。一体、サイコ・キラーは何人居たのか……
10月半ばのイングランド北西部にある湖水地方の陰鬱で小さな村、セント・アベルズ・チャペルに住む、物語の語り手である“わたし”の三連棟のテラスハウスの左隣りの家に、女が独りで引っ越して来た。その女は『アナ・ブラウン』と名乗り、パン屋を始めるのだが、“わたし”は女が『アナ・ブラウン』というのは噓ではないかと疑っていた。
そして、その頃、村には各地から得体の知れない教会の信者たちが大勢集まり、『召集』と呼ばれる毎年恒例の集会を始めていた。
すると、さっそくアナのパン屋を訪れた教会の信徒と思しき3人の女性たちは怪しい挙動を見せ、その中の1人15歳のコンスタンスは両手首を切ったような状態で、アナに何かを告げようとしていた。
一方、前年4月、イングランド南西部のドーセット州では、一人の女性精神科医のアナリーズが、教師をナイフで刺して重傷を負わせた17歳の男子高校生ジェイゴ・ムーアの精神医学的評価を始めていた。
本体価格1,150円
★★★
Posted by ブクログ
イギリスの女流作家、シャロン・ボルトンの新潮文庫第二弾。過去、東京創元社から3作出版されており、順調に邦訳されて嬉しい限り。
病院から退院してきた「わたし」は、隣家にアナという女性が引っ越してきたことを知る。アナが開業したパン屋に足を運ぶと、年に二週間だけ村を訪れる宗教団体の一家が、娘の誕生日ケーキを注文しているところに出くわすのだが…
個人的には、イギリスのイヤミス女王。
一昨年に出た前作「身代わりの女」に負けないくらい、全く好きになれない登場人物たち。登場人物表が「わたし」の時点で身構えながら読んだが、それでも騙されたし、ラストの絶妙さ加減は素晴らしかった。
今年のエンタメ的なベスト、とまではいかないが、安心して騙してもらえる良作を連発してるなぁと。昔の土着的な作品も好きなので、今作の湖畔地域かつ怪しげな宗教団体との軋轢は懐かしかった。おすすめ。
一点だけちょっと…と思った点。
帯で煽るのは結構冒険で、最近は特にネタバレを忌避する雰囲気もあって、ほとんどうまくいっていないんじゃないかなと。巻末解説の切り取り方だと思うが、今作に限っていえば、登場人物表の時点で何かあるのはわかりきっているわけで。あえて帯で煽らなくとも…と思った(海外エンタメなんてなかなか売れないので、苦労されているんだとは思うけど…)。
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