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Posted by ブクログ
塩野七生の「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」三部作の最後の一つ。
強大なトルコがキプロスを攻略して我が物とし、その後クレタ島を攻略してクレタ島は陥落寸前であった。トルコは東地中海の覇権を確保しつつあり、ベネチアは支配地域だったキプロスを失い、その上クレタまで失い、海洋通商国家としてトルコと通商関係を破棄ししてでも対決せざるを得ない状況にあった。
しかし、東の超大国トルコに対してヨーロッパの結束は心許ない状況であり、ローマ法王の権威は低くヨーロッパ各国が領土争いをしていたため、ローマ法王が対トルコの十字軍をなかなか結成できない状態だった。そういった中で、ベネチアが対イスラムの十字軍としてヨーロッパ各国をまとめ、トルコと対決するのは並大抵の努力ではなかった。
そのベネチア外交によるヨーロッパ各国の政治的駆け引き、そして決戦となるレパントの海戦がベネチアの男たちの活躍を通じて描かれている。
手こぎのガレー船が主体であった時代に、ベネチアの最新兵器である浮かぶ砲台とも言える重装備船からの砲撃はベネチアの海軍力の技術力と強さを見せつける。
結果的にガレー船による最後の大海戦となったレパントの海戦は、ヨーロッパ・キリスト教国連合艦隊の勝利に終わり、超大国トルコが負けるという歴史的転換点になる。特に負けることがなかった超大国トルコが負けたと言うことの精神的な側面は大きかったようである。
戦闘もさることながら、外交交渉も興味深い。ベネチアの外交官がトルコからの帰国報告で、「相手にどう思われているかよく考え、相手が強大だからといっても怯むことなく相手の弱点を突き、毅然とした態度を取ること。そして、こちらの強みを生かして、なめられないように交渉するということが重要である。しかしながら対トルコ外交は穏便に済まそうとして外交交渉が不十分であったために、トルコに野心を抱かせ領土拡張を許してしまった。」と述べている。
何とも現代の日本が二重写しとなり、時と場所は違えども何も変わりがないように思える。
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