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Posted by ブクログ
恋愛小説の傑作。以前に読んで印象深かったので取り寄せての再読。
恋愛小説といっても若い男女のものではなく、40代半ばを過ぎた女性、千津の恋愛。恋は狂気に似ている。月明かりの美しさと妖しさと狂気。意図してなかったのに、あがらうことのできない激しい恋。
物語は千津と柊介の恋、千津の母と久保山の恋、そして葛城瑞穂作「月狂い」抜粋の中の峯子と門脇の恋、この3つが並行して語られる。どの恋にも月明かりによって妖しく狂気に突き進んでいく。この小説の題名は改名されたようだけど、「月狂い」の方がずっとしっくりくるように思う。
とにかく傑作。若くない男女の不倫の恋は渡辺淳一の「失楽園」が有名だけど、あれは男性目線で書かれているからかちっとも心に響かなかったけど、小池真理子のぐいぐいと引き寄せられるような筆力はすごいと思った。こんな経験はないけど、主人公の心の動きに共感を覚えたしこんな風に恋に落ちてしまうこともあるのかもという説得力があった。
以前に読んだときに結末を勘違いしていたようで、ふたりの関係はなんだかんだで続いていくと思っていたんだけど、あの終わり方。この先ふたりはどうするんだろう、もう会わないんだろうか、それとも・・・そんな余韻を残す終わり方。
Posted by ブクログ
小池真理子の小説を読んでいると粘度の高い生暖かい水の中に沈み込んでいるような気がしてくる。回りの音が何も聞こえなくてほのかな幸福感に満ちた孤独な暗闇にいるような そんな気がしてくる。そして 息が出来なくなる。互いに家庭を持つ40代半ばの男と女の狂おしいほどの恋。同じように許されない恋に堕ちた結果自らの命を絶った母の物語と、作中小説の『月狂い』と3つの恋が絡み合い美しく静かな官能へと沈み込んでいく。許されない恋の行く末には何が待っているのか。死 か 別れ か月には狂気が隠れているのかもしれない文庫化にあたり改題されているのだけれど 私は元の『月狂い』の方がぴったりくると思う。浪漫的恋愛 には 苦しみが見えない
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