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その地に着いた時から、地獄が始まった――。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。だが入植地は密林で、移民らは病で次々と命を落とした。絶望と貧困の長い放浪生活の末、身を立てた衛藤はかつての入植地に戻る。そこには仲間の幼い息子、ケイが一人残されていた。そして現代の東京。ケイと仲間たちは、政府の裏切りへの復讐計画を実行に移す! 歴史の闇を暴く傑作小説。
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Posted by ブクログ
ホラーでいう「ひとこわ(人間の仕業だったのかよ...)」に入るんじゃないだろうか。 人間がする所業には思えない。 フィクションであれ、似たような事が実際起きただなんてものすごく衝撃的だった。 愛も恨みも遺伝していく怖さも学んだ。 だれも恨まずに生きていくのが理想だけれど、もし私がケイ達の環境におかれ...続きを読むたらどうなってしまうのだろうか。 私の今の環境が恵まれたものなんだと改めて感じた。
昔の移民政策の当事者達の復讐劇のお話。移民後の政府の説明とかけ離れた現地での惨状から始まり、時間は経ち、日本での当時の政府関係者達への報復へと移り変わっていく。 章ごとに視点が切り替わり、登場人物それぞれにストーリーがあり、皆んな何かを抱えており、全員に魅力を感じた。 前半では、移民後の凄惨な実態が...続きを読む語られ、日本政府へ憤りを覚え、衛藤達の報復を自然と応援したくなる気持ちになっていた。 とにかく後半の計画の実行になってからは、疾走感が心地よく、読み手を飽きさせない。 最後は、とても綺麗な終わり方で、ドラマの終わりを観ているような感覚…! 出会えて良かったと思える一冊でした。
「君たちに明日はない」に続いて、垣根涼介作品を読む。 前半の棄民政策時代の話は読んでいて辛い。 時代と場所が現代(に近い)日本に移ってからのスリリングな展開との対比が際立つ。 外務省関係者が本作を読むとどういう感想を持つのか大いに気になるところ。 下巻が楽しみだ。
劣悪な環境でも毅然とした態度で生き延びようとする登場人物に尊敬の念を抱いた。今生きている環境は当たり前じゃないと親に散々言われてきたが、この本を読んでそれを痛感した。 外務省の人でなしな仕打ちに対して反逆を目論む主人公たちを自然と応援している自分がいた。下巻も楽しみだ。
戦争も戦後の混乱も知らない世代だけど、凄く引き込まれる。ブラジル、コロンビア・・・と、グーグルマップで知らない土地を彷徨いながら、どっぷりストーリーにのめり込んでた。(^_^)v
タイトル通り、大きな裏切りや悲しみにあいながらも己の魂の火をたぎらせ続け、苦境に立ち向かっていく姿は読んでいて熱くなる。 人間1人というのはとてつもなくちっぽけな存在だけど、だからこそ大きなものに立ち向かってやるという意志の強さがかっこいい。
アツすぎる。 壮大な映画を一本分観るくらいの面白さがあって、非常に濃厚なテーマとストーリーがある。 著者が書く、登場人物一人一人の心の声やその背景などの表現が好きで読んでいて心を奪われる。 電車の中はもちろん、家に帰っても、気付けばトイレの中にまで持ち込んで隙間時間を見つけては読み進めていた作品。
日本史でも、ほとんど日本人の南米移民に関する話題に触れられてこなかった記憶があるが、 それも政府が関わった負の歴史として未だに隠蔽されていることも沢山あるのではないかとおもった。 ワイルド・ソウルはフィクションだけれど、 少なからず似たような経験をされてきた方達が存在すると思うと、自分達の歴史として...続きを読むもっと深く知っていくべきだと思った。
戦後、日本政府の募集でブラジルに渡った約4万人の人たちは入植先で極めて過酷な運命に遭った。 上巻の前半では、未開拓の入植先がいかに過酷な環境だったが記される。道路、電気、水道のインフラはなく、土地は酸性で痩せていて、開墾した側から洪水で流される。マラリアなどの伝染病が襲いかかる。 中盤から後半ではそ...続きを読むんな過酷な環境をなんとか生き抜いた者たちのある企みが記される。 下巻で何が起こるのか。なんとなく想像はつくがハラハラが止まらない。
多くの現代日本人が知らないであろうブラジル移民の歴史。 その大きな史実を土台に描かれるフィクション。 序盤の100ページだけで1つの作品として成立するであろう濃密かつ重厚なテーマ。 下巻でいよいよ復讐劇が幕を開けるのだが、 おそらく彼らが望む結末には至らないのではなかろうか。 悲しい結末でない...続きを読むことを願いつつ下巻へ。
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