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まだいない君に星の舟を
2001年。中学二年生の高津は鬱屈した毎日を送っていた。離島の由緒ある家に生まれたが、父は女性問題が多く、母は何年も前に家を出て行った。家政婦の女性に育てられたが、その彼女自身が父の不倫相手。しかも狭い島では住人たちに事情は筒抜けだ。そんな彼はひと目を避け、「神隠しの入り江」と呼ばれる立ち入り禁止の海岸に入り浸っていたが、ある日、入り江で倒れている若い女性を発見する。診療所に運ばれた彼女は意識を取り戻すと、野津みかげと名乗り、自分は2079年にいたと語る。19歳だという彼女と交流をしていくうち、未来からきたというみかげの言葉を裏付けるような事件が起こり・・・・・・? 名作『どこよりも遠い場所にいる君へ』の前日譚を描いた表題作に加え、シリーズからのスピンオフ短編4作を収録! -
夜叉王の最愛
┣━━ 運命の恋が、いま始まる ━━┫ 悪質な怪異を退治する一族の娘・明彩(めい)は、退魔の力がなく冷遇されて育った。一方、傲慢な弟は禁忌を荒らし、異界の王・涼牙(りょうが)を呼び起こしてしまう! その場に明彩は置き去りにされて……。 危機に陥る明彩だが、実は涼牙は穏やかで理知的な美青年だった。彼は明彩の秘めた希少な”癒やしの力”の価値を教え「俺の姫(もの)となれ」と彼女を誘う。涼牙の治める異界で明彩は力を発揮して尊重され、居場所をくれた彼に惹かれていく。 しかし、現世では家族が涼牙に罪を転嫁し、あろうことか異界への侵攻を企てていて――!? -
さようなら王子様、どうか私のことは忘れてください
婚約者だった王太子ルミナスに悪女として断罪された公爵令嬢のオリヴィアは、気が付くと事件前に時が戻っていた。一度目の人生で、自身の存在が最愛の彼をも破滅に導いたと知った彼女は、周囲の幸せのため自ら姿を消すことに。 数年後、新たな地で充実した日々を送っていたオリヴィアは、ルミナスと再会する。自分が身を引いたことで幸せになったはずの彼から告げられたのは、「ずっと探していた」という意外な言葉で――。 そして明かされた事件の真相と彼の本当の想いとは? 不器用な二人のやり直しロマンス。 -
比嘉姉妹シリーズ
映画化決定!!! 映画「来る」 監督:中島哲也 出演:岡田准一 黒木華 小松菜奈/松たか子/妻夫木聡 幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。正体不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのだろうか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん"の魔の手から、逃れることはできるのか……。怪談・都市伝説・民俗学――さまざまな要素を孕んだ空前絶後のノンストップ・ホラー!! 最終選考委員のみならず、予備選考委員もふくむすべての選考員が賞賛した第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作。 -
月ぬ走いや、馬ぬ走い
第67回群像新人文学賞、第46回野間文芸新人賞、第11回沖縄書店大賞(小説部門)トリプル受賞! 琉球大学在学中、21歳での鮮烈なデビュー作! 沖縄に生きるアメリカルーツの男子小学生、片足を失い幻肢痛に苦しむ米兵と結婚したコザの女性、特攻へ向かう旧日本軍将校──。14人の語りを通して、戦中から現代までの沖縄の80年史を描き、その因果の物語を辿る。 『月ぬ走いや、馬ぬ走い』は、沖縄の近現代、連鎖する暴力、死者と記憶と時間といった明らかな主題や情報が霞んでしまうほど詩的で恍惚的な文章に満ち、読後にそのすべてが名状しがたい体験として迫り残り匂いたつ。抜群のリズムと声によるこの容赦のない疾走はまったくの才能である。 ──川上未映子 島尾敏雄ほか先人のエコーを随所に響かせながら、沖縄に深く堆積したコトバの地層を掘り返し、数世代にわたる性と暴力の営みを、『フィネガンズ・ウェイク』的な猥雑さで、書きつけた作品。Z世代のパワフルな語部の登場を歓迎する。 ―― 島田雅彦 十四章の構成で沖縄の近現代史を描き切る、しかも連関と連鎖、いわば「ご先祖大集合、ただし無縁者も多い」的な賑わいとともに描き切る、という意図はものになった、と私には感じられた。/この小説はほぼ全篇、ある意味では作者自身のものではない言葉で綴られていて、だからこそ憑依的な文体を自走させている。つまり、欠点は「長所」なのだ、と私は強弁しうる。要するにこの「月ぬ走いや、馬ぬ走い」は小さな巨篇なのだ。 ―― 古川日出男 「読んだものを茫然とさせ、彼のいままでを氷づけにし、そのうえで、読むことをとおしてあたらしい魂を宿らせる、そんな小説でありたい……テクストでの魂込め(まぶいぐみ)とでも呼ぶべきところが、ぼくの目標です。」豊永浩平(受賞のことば) ぼくがここにいて、そしてここはどんな場所で、なによりここでぼくはこうして生きてきた、ってことを歌って欲しいんだ、ほとばしるバースはライク・ア・黄金言葉(くがにくとぅば)、おれらは敗者なんかじゃねえぞ刻まれてんのさこの胸に命こそ宝(ぬちどぅたから)のことばが、月ぬ走いや、馬ぬ走いさ! -
あんたはだいじょうぶ
1歳になる前から、みち代は、 ご飯を食べるのも居眠りをするのも、 父の足の上だった。 足芸をする曲芸一座の流転ーー。 『芥川賞落選小説集』『おにたろかっぱ』の著者による 人間のおかしみと切なさが胸を衝く、傑作小説。 鉄熊みち代は、足芸をする曲芸一座の家に生まれた。 3歳でアメリカ巡業に出るが、6歳で父と生き別れ、18歳で母を喪う。 第二次世界大戦中は日本人を収容するマンザナー強制収容所で過ごし、 終戦後はホテルのメイドとして働いていたが、 ある日、ピストルの流れ弾にあたって天啓を受け 「あんたはだいじょうぶ」と唱えながら街角で足芸をはじめることに……。 失ってばかりだが わたしたちには心臓がある 足がある タライがある 樽がある 三味線があって りんごの木箱がある -
宙わたる教室
伝説の「定時制科学部」がよみがえる! NHKドラマ化で話題沸騰&大ヒット 『宙わたる教室』待望の続編! さまざまな背景を持つ生徒が集う、東新宿高校定時制。 理科教師の藤竹を中心に結成された「科学部」は、かつて「火星のクレーター再現実験」に取り組み、学会の高校生セッション優秀賞、JAXAとの共同研究と快挙を成し遂げた“伝説”になった。 その6年後、顧問の藤竹は去り、科学部は消滅していた。ある事情で私立の超進学校から定時制に転入してきた飯星佐那は、科学部を復興しようともくろみ、勧誘活動を開始する――。 岳人や佳純など、かつての科学部メンバーも再登場。彼らの思いも背負って、新生・科学部が走り出す! 「泣ける青春科学小説」として絶賛された前作を上回る感動がここに。 『藍を継ぐ海』で直木賞を受賞した伊与原新さんがおくる、科学に触れる喜びにあふれた傑作長編! -
XXX日後に呪われるだけの誰かさんの日記
類型化、不能。“生あたたかい系”日記調ホラー 不気味で、かわいい。 ウェブで話題の新感覚ホラー、観測者ゾクゾク増加中! XXX日後に呪われて死ぬらしい――ある呪いを抱える琴浪は、日々遭遇する怪奇現象、実話怪談を日記に残すことを続けている。 空き家となっていた琴浪の実家で肝試しをした挙句全焼を招いた「バカ」の霊や、動く肉の塊「生肉」、奇妙ながらもどこか愛嬌のある居候を迎えながら、安アパート暮らしの社畜として露命を繋いでいた。 会社の同僚や、宗教勧誘の訪問者、そして生肉たちとの関わりが、次第に琴浪の過去に起因する呪いと交差し―― 『入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください』著者最新作にして、第13回ネット小説大賞受賞作を書籍化。 -
孤高の血族
「公安部」シリーズの濱嘉之による、大病院の経営者一族の物語 【公安小説のトップランナー・濱嘉之の「幻の原点」がついに解禁】 元警察官が圧倒的熱量で描き出す、「ほぼ実話」の医療・経済サスペンス! 「病院には人が集まる。人が集まればカネが動く。カネが動けば、政治が絡み、警察が動く――」 数々の警察・公安小説を手掛けてきた濱嘉之氏が、作家デビュー前、警察官を辞する直前の46歳の時に「自分の人生の復習」として書き上げた幻の第一作。発表するつもりもなく、誰にも見せずに1000枚超の原稿を一気に書き上げたという、著者にとって最も個人的で熱量に満ちた「原点」が本作『孤高の血族』だ。 物語の舞台は東北、地方の名家である医療一族・池田家。その次男として生まれた利雄は、優秀なきょうだいたちに囲まれ、強いコンプレックスを抱えながら育った。しかし、伯父の導きで渡ったアメリカ留学を機に、内視鏡手術の「ゴッドハンド」として覚醒、医学界の寵児となる。 帰国後、利雄は次第に医療の現場から経営へと軸足を移していく。長男が病に倒れたことを機に、彼は冷徹な手腕で親族たちを次々と追放し、病院の全権を掌握。政治家や不動産業者を取り込み、地方の一病院を、巨額のカネが動く巨大な医療コンツェルンへと変貌させていく。 しかし、増長する野心と傲慢さは、知らず知らずのうちに彼を裏社会や詐欺の罠へと引きずり込んでいく。権力の絶頂から、男はどこで道を違えたのか――。 本作の圧倒的な迫力は、著者の実体験に裏打ちされた生々しい描写にある。 病院で余った薬が現金化される「現金問屋」の暗躍、医療法人を隠れ蓑にした裏社会の浸透、そして病院経営に群がる政治家たち。 著者が実際に親族から、そして警察官、病院協会委員として見聞してきた医療とカネの裏面史が色濃く反映されており、著者自ら「ほぼ実話」と語るほどのリアリティに満ちている。利雄を裏の世界へと導く伯父・宗春など、強烈な個性を持つ登場人物たちも実在の人物がモデルだ。 「悪」の道に足を踏み入れた時、人はどうなるのか。本作は、一人の男の人生の軌跡を通し、「あの時、立ち止まれたかどうか?」で分かれる人間の業を深く問いかける。 欲にまみれた一族の中で、現場と生活を知る弁護士となった末妹・恵理子は、暴走する利雄にどう立ち向かうのか。 濱嘉之作品を愛読してきたファンはもちろん、骨太な人間ドラマや企業サスペンスを求めるすべての読者を魅了する、圧巻の長編小説だ。 単行本 2022年11月 文藝春秋刊 文庫版 2026年4月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
小説 仮面ライダーガッチャード University
仮面ライダーガッチャード=一ノ瀬宝太郎たちが悪の錬金術師・グリオンとの戦いを経て、循環と永遠を司る存在・ウロボロスを消滅させてから1年が経ったある日、新地球に謎の光が飛来した。ケミー達の報告を受けた宝太郎と錬金アカデミーの教師・黒鋼スパナは調査を開始するが、時を同じくして謎の生命体「HOPE」を売りさばく組織「フラクタル」が暗躍を始め……。テレビシリーズ&Vシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS』に続く、宝太郎たちの新たな活躍を描いた仮想シーズン2から名エピソードを小説化したガッチャードファン必読の一冊! -
山田太郎の話
平凡以下だが令和のニューヒーロー、誕生! 自己主張が苦手なOL、及第点で満足している中学教師、野心を抱くホスト、ブラック企業で病んでしまった青年……。そんな彼らの共通点は、山田太郎に出逢ってしまったこと! 山田太郎は、中学の宿題「十年後の目標」に、「一生懸命、生きています」と書くほどのリアリスト!? 家族を残して家出してしまった父の代わりに、山田太郎は妹の学費を稼ぎ、母の介護費用を支払うため、職を転々としていた。その愚直なまでの姿勢が、かかわっている人間たちを変化させていく。生きづらさを感じる時代にあらわれた、令和のニューヒーローの物語! -
けんちゃん
障害を抱える青年けんちゃん、18歳。 けんちゃんと出会って、みんな変わった――。 特別支援学校高等部に通うダウン症のけんちゃん(18歳)。言葉をスムーズに発することができず、不可解な言動も多い。癇癪を起しては「気持ちを落ち着かせる部屋」に閉じこもる彼に、どの職員も手を焼いている。 そんな彼と出会った人々――特別支援学校の寄宿舎で臨時職員として働く多田野唯子、校内イベントを取材する地方紙記者・水上悠介、学校の生徒たちが立ち寄るコンビニの店員・七尾光、同じ支援学校に通うことになった女子生徒・若山葉月――それぞれの視点でけんちゃんとの交流を描いた連作小説です(全5編)。 著者こだまは、かつて特別支援学校の臨時職員として三年間働いていた。そこでの経験を下敷きに物語を紡ぎ、けんちゃんという障害のある高校生を魅力的に描く。気づけば読者は、“寄り添う”ともまた違う、“あたらしい世界”にいる。 『夫のちんぽが入らない』で衝撃デビューを果たした著者渾身、9年ぶりの初創作小説! -
消失
セロニアス・エリスン(通称モンク)はアフリカ系アメリカ人で、大学で教鞭をとりながら小説家として文学的な作品を書いている。彼の目からみると黒人を売りにしたレベルの低い作品が世間ではベストセラーとなっていた。モンクは三年ぶりにロサンゼルスから実家のワシントンに帰り、医師の姉や高齢の母に会う。姉からは母は物忘れが目立つようになり、金銭的にも困りそうだと告げられる。ロサンゼルスに戻ったモンクは教授昇進が決まったことを知るが、小説は十七社から出版を断られていた。エージェントからは「黒人らしさが足りない」などと言われる。 その後、姉が事件に巻き込まれて再度ワシントンに飛んだモンクは、兄が離婚して多額の借金を抱えていることを知った。モンクは母と家政婦が住む家に引っ越して休職する。エージェントに電話をすると、小説はさらに三人の編集者から断られていた。 モンクは亡き父の書斎に入り、父が使っていた古いタイプライターで小説を書き始める。一気に書き上げたその中編小説は、モンクにとって到底発表できないような低俗極まりない作品だった。しかし、別名スタッグ・リーで書いたその原稿をエージェントが大手出版社に送ったところ絶賛され、多額の契約金で出版されることに。モンクは、やりとりは基本的にエージェント経由とし、決してばれないようにスタッグ・R・リーを演じようと考えるが、作品は非常に大きな注目を集めていき・・・・・・。 2024年アカデミー賞脚色賞を受賞した映画『アメリカン・フィクション』原作小説。 (ERASURE by Percival Everett) 【著者略歴】 パーシヴァル・エヴェレット Percival Everett 1956年米国ジョージア州生まれ。アフリカ系アメリカ人作家。南カリフォルニア大学卓越教授。『ジェイムズ』(木原善彦訳、河出書房新社)で2024年全米図書賞、2025年ピューリッツァー賞などを受賞。著書にブッカー賞最終候補作『赤く染まる木々』(上野元美訳、早川書房)、ピューリッツァー賞最終候補作『Telephone』ほか。本書を原作とした映画『アメリカン・フィクション』が2023年に公開され、アカデミー賞脚色賞を受賞。 【訳者略歴】 雨海弘美(あまがい・ひろみ) 翻訳者。訳書にミシェル・ザウナー『Hマートで泣きながら』(集英社クリエイティブ)、クレア・ノース『ハリー・オーガスト、15回目の人生』(角川文庫)などがある。 -
薔薇の名前[完全版]
これは、中世の老修道士アドソが、見習修道士時代の体験を回顧して綴った手記である。そこに記されていたのは、彼が訪れた、北イタリアの修道院で起きた連続殺人事件の顛末だった。アドソが付き従っていたのは、理知的て論理的で誰もが驚嘆する推理力の持ち主であるイギリス人修道士、バスカヴィルのウィリアム。彼とともにアドソは、修道院の誇る、迷宮構造を持つ謎めいた文書館に足を踏み入れることになる。本書は、初版刊行以来、エーコ自身が加えてきた数々の訂正、削除等をすべて反映したものになっており、巻頭には、そうした修正について、2012年版に作者自身が寄せた付記も収めた。 -
よろこびの歌 新装版
悔いのないように歌おう。未来の自分に向けて―― 著名なヴァイオリニストの娘で、声楽を志す御木元玲は、音大附属高校の受験に失敗、新設女子高の普通科に進む。 挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。 しかし、校内合唱コンクールを機に、頑なだった玲の心に変化が――。 見えない未来に惑う少女たちが、歌をきっかけに心を通わせ、成長する姿を美しく紡ぎ出した、青春×音楽小説の傑作! 2009年の単行本刊行時には、<読売新聞読書委員が選ぶ「2009年の3冊」>という企画(2009年12月27日朝刊)で、 小泉今日子さんが推奨したのをはじめ、多数のメディアで高評を博し、書評家諸氏や数多くの書店員に絶賛された名作が、このたび装いも新たに刊行。 カバー装画は人気イラストレーターのカチナツミさんが担当。 2021年に本作が原作の舞台「よろこびの歌」をプロデュースした演出家の石川寛美さん(「演劇集団キャラメルボックス」所属)による巻末解説も必読! -
われら闇より天を見る
2023年本屋大賞翻訳小説部門第1位 自称無法者の少女ダッチェスが住む町に帰ってきた30年前の事件の加害者。彼の帰還は、ダッチェスを苛烈な運命へ巻き込んでいく。 -
天橋立物語 ~三年菊組ロリィタ先生~
その教師、人としてクズ、ロリィタじゃ最強! 「筋が通った生き方、この先生が教えてくれます!」(吉本ばなな) 国語教師・大石タネ。人としてクズ、ロリィタとして最強。 「下妻物語」竜ヶ崎桃子のDNAここにあり! 混迷の時代をレースの日傘でぶった斬る、痛快青春物語。 天橋立で知られる京都は宮津。のどかな観光地にある小さな私立高校に、臨時教師、全身ロリィタの大石タネがやってきた! 赴任早々、物議をかもしまくる彼女に何故かなつかれ、堂々ヒイキされるようになった姫山奈緒恵。 初恋、文化祭、進路、そして難病を抱える妹の瞑羅(くらら)とのこと……マイルールに生きる「ロリィタ先生」に振り回されながら、奈緒恵は、そして12人の生徒たちは、己の進むべき道を探っていく。 嶽本野ばら作家デビュー25周年記念長篇。 (底本 2025年11月発売作品) -
霜月記
名判官だった祖父・失踪した父・重責に戸惑う息子――町奉行を家職とする三代それぞれの葛藤を描く。 18歳の草壁総次郎は、何の前触れもなく致仕して失踪した父・藤右衛門に代わり、町奉行となる。 名判官と謳われた祖父・左太夫は、毎日暇を持て余す隠居後の屈託を抱えつつ、 若さにあふれた総次郎を眩しく思って過ごしている。ある日、遊里・柳町で殺人が起こる。 総次郎は遺体のそばに、父のものと似た根付が落ちているのを見つけ、また、 遺体の傷跡の太刀筋が草壁家が代々通う道場の流派のものではないかと疑いを持つ。 さまざまな曲折を経て、総次郎と左太夫はともにこの殺人を追うことになるが、 果たして事件の真相と藤右衛門失踪の理由とは。 第165回直木賞、第34回山本周五郎賞候補『高瀬庄左衛門御留書』の砂原浩太朗が描く、 令和の時代小説の新潮流「神山藩シリーズ」第三弾。 ~「神山藩シリーズ」とは~ 架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。 それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された 世界観で物語が紡がれる。 -
チームⅣ
“伝説の学連選抜”を駆けた男たちが箱根駅伝に帰ってきた――名手・堂場瞬一が放つ青春駅伝小説のベストセラーシリーズ、集大成的傑作! 箱根駅伝本戦出場を逃した大学から「関東学生連合」として選ばれた16人。 刻んだタイムが公式記録に残らない矛盾に揺れながら、選手たちは己の誇りと向き合い、東京~箱根間往復217.1kmを一本の襷でつなぐ戦いに挑む。 彼らを率いるのは17年前「学連選抜」の一員だった天才ランナー・山城悟。 そして山城が襷をつないだアンカーの浦大地が、優勝候補・城南大の監督として立ちはだかる。 名将と呼ばれる浦だが、大学側との確執で大会後の退任が囁かれていた……。 選手たちの葛藤と、監督二人の絆が交錯するとき、箱根路に2日間だけの特別なドラマが幕を開ける――! 堂場瞬一著作200冊記念作品。 -
光のとこにいてね
あまりに美しく激しい愛の物語 〇本屋大賞3位、島清恋愛文学賞受賞の話題作がついに文庫化! ――切ないほど美しく、激しい愛の物語 うらぶれた団地の片隅で出会った 小学2年生の結珠と果遠。 正反対の境遇に育ちながら、 同じ孤独を抱えるふたりは強く惹かれ合うも、 幸せな時間は唐突い終わりを迎える。 8年後、名門女子校で思わぬ再会を 果たしたふたりは――。 人がひとを想う気持ちを最高純度で描く、 本屋大賞3位、キノベス2位、直木賞候補、 島清恋愛文学賞受賞と、 大きな話題を呼んだ傑作長編が文庫化! 単行本の初回特典だった掌編「青い雛」収録。 解説:村山由佳 単行本 2022年11月 文藝春秋刊 文庫版 2025年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
そして、あなたは私を捨てる
竜の血を引く王族特有の病に罹った恋人のシリウスを救うため、自らを代償に死に戻ったアリアーナ。しかし、回復した彼が自分の姉に愛を告げる場面を目撃してしまう。 実家の公爵家では蔑まれ、二度目の人生でも恋人を失ったアリアーナは国を出ることに。だが数年後、竜の住む谷で暮らす彼女のもとをある人物が訪れたことで、二人の運命は再び動き始め……。 聡明で一途な青年だったシリウスはなぜアリアーナを裏切ったのか。彼の秘めたる愛が時を超えて明かされていく。 -
リミナルスペース
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新しいインターネット美学、〈リミナルスペース〉のすべて。 その誕生の過程と影響を、膨大なビジュアルとともに体系的に掘り下げる初の書籍、待望の翻訳! 人の気配のない出入り口や階段、長い廊下、古びたホテルのロビー、寂れたショッピングモール、無機質な地下鉄の駅……。 こうした日常で目にする光景の中に、不穏さと不気味さ、そして抗いがたい魅力を見出す「リミナルスペース」は、インターネットを中心に爆発的に広がった、2020年代を代表する美学的ミームです。 例えば、社会現象となったウォーキングシミュレーターゲーム『8番出口』は、リミナルスペース的な世界観の代表的な作品と言えるでしょう。 本書で取り上げるのは、映画『シャイニング』のかの有名な長い廊下、インターネット怪談の「バックルーム」、ヴェイパーウェイヴ音楽、ブルータリズム様式の巨大建築、さらにはマグリットの絵画など。時代や分野を縦横無尽に横断しながら、リミナルスペースの美学はそこかしこに息づいています。 リミナルスペースが引き起こすのは、ただの不安な感情ではありません。 人々の記憶と想像力に深く共鳴し、心の奥底にまで響く感覚を呼び覚ますのです。 リミナルスペースの何が怖いのか? なぜ私たちはリミナルスペースに魅了されるのか? 新しい「不安と恐怖の美学」の誕生の過程とその影響を徹底的に掘り下げる、リミナルスペース“解体新書”。 この一冊を手に取ることで、あなたの周りに潜む「異質な空間」の恐怖と魅力を、新たな視点で再発見することができるでしょう。日常の中に潜む非日常を感じたい方、アートや映画、ゲームに興味がある方にとって、必読の一冊です。 -
いただきます。 人生が変わる「守衛室の師匠」の教え
タイトルの意味がわかったとき、あなたの人生は大きく動く。 Audible人気作品ランキング第1位(2025/3/1~2025/3/31) 獲得! 泣けると大反響の小説が待望の書籍化! 喜多川泰・作家デビュー20周年の集大成となる最新作 【あらすじ】 高校を卒業後、楽に稼ぎ、好きなことをして遊んでいたいとバイトを転々とする日々を送っていた19歳の翔馬。 楽に稼げると聞いて飛び込んだ警備員バイトの仕事先は、まさかの大学の守衛室。 自分と年齢の変わらない学生たちに見られながら、老人と一緒に働くなんて……。 「遊ぶ金がたまったらとっとと辞めてやる」と後悔し始める翔馬。 しかし、一緒に働く松原、薮島、天野の過去を知り、翔馬の世界の見方は変わっていく。 仕事とは何か、人生とはなにか、生命のつながり…… 3人が自分の生きざまを通して教えてくれたのは、「未来の誰かの笑顔のために行動する」ということだった。 なぜなら、自分たちは皆、誰かの何かを「いただいて」生きているのだから。 守衛室で出会った人生の大先輩たちが押してくれた背中。 未来に向けて翔馬が決意したこととは? (本文抜粋) 自分は「未来の誰かの幸せのために働こう」なんて思ったことはなかった。 ずっと考えていたのは 「今の自分のお金のために」だ。 そのことに気づいた。 結果として、自分は幸せだなんて思ったことは一度もなかった。 いつだって何もかも思うようにいかなかったし、今の自分の状況を恨みこそすれ、感謝するなんて考えもしなかったのだ。 でも、天野の話に心が震えて仕方がないのはどうしてなのか。 認めたくないが自分が感動しているのがわかる。心の奥底で自分の魂が共鳴しているのが自分でもわかる。本当は自分もそういう男になりたいのだ。 (中略) 「俺も、そうなれますかね。天野さんや松原さんみたいに」 「え?」 「未来の誰かの笑顔のために、俺にできることってあるんすかね?」 天野は微笑んだ。 「もうやってるじゃない」 -
殺し屋の営業術
◎2026年本屋大賞ノミネート◎ ◎王様のブランチBOOK大賞2025 受賞◎ (TBS系 毎週土曜日 あさ9時30分から生放送) ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 大大大反響!! 大大大重版!!!! テレビ、新聞、ラジオ、雑誌で話題沸騰! 第71回江戸川乱歩賞受賞作 異例の超ハイレベル最終候補作の中で、ぶっちりぎり第1位! ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 有栖川有栖 「乱歩賞作品の中でも異彩を放つ一作だろう」 貫井徳郎 「この物語に惚れ込みました」 東野圭吾 「読み手の心を掴む力に満ちていた」 湊かなえ 「主人公の内面の変化にワクワクしました」 横関大 「新人賞のレベルを超えた優れたエンターテインメント作品」 「営業ノルマ」は、2週間で2億円。 稼げなければ、全員まとめて地獄行き。 〈あらすじ〉 営業成績第1位、契約成立のためには手段を選ばない、凄腕営業マン・鳥井。 アポイント先で刺殺体を発見し、自身も背後から襲われ意識を失ってしまう。 鳥井を襲ったのは、「ビジネス」として家主の殺害を請け負っていた「殺し屋」だった。 目撃者となってしまった鳥井は、口封じとして消されそうになる。 絶体絶命の状況の中で、鳥井は殺し屋相手に「ここで私を殺したら、あなたは必ず後悔します」と語り出す。 「今月のノルマはいくらでしょう? 売上目標は?」 「契約率は25%……、残念ながら、かなり低いと言わざるを得ません」 「どうしてこんな状況になるまでプロの営業を雇わなかったんですか?」 そう……これは商談なのだ。 研ぎ澄まされた営業トークを矢継ぎ早に展開し、場の空気を掌握する鳥井。 「あなたは幸運です。私を雇いませんか? この命に代えて、あなたを救って差し上げます」 契約成立。 鳥井は、殺人請負会社に入社することに。 前代未聞の、「命がけの営業」が始まる――。 常識を覆す発想から走り出す、ジェットコースター・ミステリー! -
眩光(げんこう)の彼方
あの日の選択は正しかったのか。 ユニフォームを脱いでも人生は続く。 人々の再起と夢の功罪を描く、感動のヒューマンドラマ。 デビュー作で第12回静岡書店大賞 気鋭の新人が放つ待望の第2作 あの日の選択は正しかったのか。 「プロにはいかない」立花国際大学の外野手・笠谷は、神奈川ブルーソックスのスカウト・真柴瑞稀の誘いを一蹴した。 安定した生活を求めて社会人野球に進むと笠谷は言うが、元警察官の瑞稀は持ち前の洞察眼で、本心ではないと疑う。そこには、警察官時代にとある少年犯罪を未然に防げなかった後悔があった。 他の有望選手を差し置いてドラフト上位に笠谷を推す瑞稀。スカウト陣から反対の声が上がるなか、瑞稀は笠谷の本当の想いを探り始めるが……。 夢に翻弄される者たちを描く感動の物語! -
今日未明
◆デビュー10周年記念作品◆ 大藪賞作家が描く 慟哭の犯罪ドラマ あのとき、 もっと話せていたら あの人を殺めずに、すんだのかな。 まだ引き返せる。 あなたがニュースになる前に。 【著者からのコメント】 目に留まる短いニュース。 憶測だらけのコメント。 肯定。否定。あふれかえる世間の声と、 拾われることのない当事者の声なき声。 先入観ほど怖いものはないけれど、 人間はそれを捨てられない 生き物なのだとも思います。 それを浮き彫りにする5篇を 書いたつもりです。 プロローグの「私」は、 作者の私かもしれませんし、 あなたかもしれません。 ■自宅で血を流した男性死亡 別居の息子を逮捕 ■マンション女児転落死 母親の交際相手を緊急逮捕 ■乳児遺体を公園の花壇に遺棄 23歳の母親を逮捕 ■男子中学生がはねられ死亡 運転の75歳女性を逮捕 ■高齢夫婦が熱中症で死亡か エアコンつけず 新聞の片隅にしか載らない、 小さな5つの事件。 その裏には、報道されない真相がある――。 【目次】 「夕焼け空と三輪車」 「そびえる塔と街明かり」 「ジャングルジムとチューリップ」 「まだ見ぬ海と青い山」 「四角い窓と室外機」 -
伝言
わたしは、やっと、自分がなにを作っていたのか知った。 満洲国・新京。 そこで彼女たちに何があったのか。 戦後80年 『きみはいい子』『世界の果てのこどもたち』『天までのぼれ』の著者がおくる、語り継ぐべき物語。 『世界の果てのこどもたち』には書かれなかった、もう一つの真実。 わたしは気づけなかった。 気づけなかったことはたくさんあった。 この物語の中で繰り返されるこの言葉が、いまを生きる、私に迫る。(略) 私はこの作品が『伝言』と題されたことの重大さを、ずっと考え続けている。 ――小林エリカ(解説より) 満洲国・新京で暮らす、ひろみ。 聖戦とよばれた戦に勝つため、工場に集められた彼女たちは、鉄の機械とのり、刷毛を使って畳ほどの大きさの「紙」を作り続ける。 それが何なのか、考えもせずに。 五族協和、尽忠報国――信じていた国でひろみたちはどう生きたのか。 これはわたしたちが忘れてはならない物語。 -
三毒狩り
激動の中国大陸。 捨て子・佟雨龍の数奇な運命が拓かれる――。 一度死んだ佟雨龍がふたたびこの現世へ舞い戻ってきたのは、甲辰の年(一九六四年)の十月十八日のことであった――。 舞台は、毛沢東率いる中国共産党が全権を握る中国山東省の吹牛村。捨て子の佟雨龍は、養父の佟継漢と養母の李秀媚の庇護のもと、姉の李平や犬の皮蛋(ピータン)とともに平和な少年時代を送る。そんなある日、共産党の青年幹部・田冲が村に赴任し、一家の暮らしにささやかな変化が訪れる。じつは、田冲は、養父の佟継漢と浅からぬ因縁があり、復讐の機会を虎視眈々と狙っていた。 -
13月のカレンダー
勤めていたバイオ企業を辞職した侑平は、父方の祖父母がかつて住んでいた愛媛県松山市の空き家を訪れていた。両親が離婚し、祖父母が亡くなって以来疎遠だった父から連絡があり実家を売ると言う。身勝手な父に反発を覚えたが、15年ぶりにその家に足を踏み入れた侑平は、祖父の書斎の机に積み上げてあった書類の中から、十三月まである不思議なカレンダーと脳腫瘍で余命いくばくもない祖母の病状を綴った大学ノートを見つける。その中に「寿賀子、『十三月はあったのよ』という」と書かれた一文が。祖母を知る関係者と接するうちに、導かれるように広島の地へと辿り着き、自らのルーツを知ることになり・・・・・・。 太平洋戦争終結から80年。愚かな戦争の記憶を継承する、至高の大河小説。 【著者略歴】 宇佐美まこと(うさみ・まこと) 一九五七年、愛媛県生まれ。二〇〇六年「るんびにの子供」で第一回『幽』怪談文学賞〈短編部門〉大賞を受賞。一七年『愚者の毒』で第七〇回日本推理作家協会賞 〈長編及び連作短編集部門〉を受賞。二〇年『展望塔のラプンツェル』で第三三回山本周五郎賞候補、同年『ボニン浄土』で第二三回、二四年『誰かがジョーカーをひく』で第二七回大藪春彦賞候補に。他の著書に『熟れた月』『骨を弔う』『羊は安らかに草を食み』『夢伝い』『月の光の届く距離』『その時鐘は鳴り響く』『謎は花に埋もれて』など。 -
スパイたちの遺灰
その“手記”は世界の秩序を破壊する。 WWⅡ後の諜報史、その裏には伝説のスパイ・スカーレットがいた―― ジェフリー・ディーヴァー絶賛! 「生まれながらのストーリーテラー」ジェフリー・ディーヴァー 「注目必至。ページをめくる手が止まらない」スティーヴ・キャヴァナー サンデータイムズ紙のBook of the Year 2023選出! ガーディアン紙のBook of the Year 2023選出! ある日、冴えない諜報史の准教授マックスのもとに1枚の名刺が届く。スカーレット・キング――MI6の伝説のエージェントが、半世紀にわたる諜報活動を綴った手記を出版したいと言うのだ。イギリス政府が隠蔽してきた作戦が表に出れば、世界が注目する。マックスは浮き足立つが、直後にスカーレットが殺害され、MI5に追われる身に。窮地を脱するため手記の原本を捜すうち、歴史の裏に隠された真実が浮かび――。 -
海は忘れない
戦後80年。今、伝えたい渾身の反戦小説。 高校2年生の遙瑠は、ある日自転車事故に遭う。目を覚ますとそこは、戦争の爪痕が色濃く残る昭和の世界。一冊の生徒手帳を手がかりに自分が「浜口晴子」という少女になり昭和33年にタイムスリップしたことを知る。 晴子として暮らし、戦後の時代を懸命に生きる多くの人と関わるうちに、誰しもが苦しみ、悶えぬいた現実を深く実感する。令和の時代を生きる遙瑠にとっては歴史上のことだった「戦争」は、普通に生きる人々を巻き込み、その傷跡は決して癒えることがないものだった。晴子としての想い出もたくさん作り楽しく暮らしていたある日、事故により、また令和の時代に戻ることに。 令和に戻った遙瑠は「未来に生きている自分ができることは何だろう」と戦争への認識を新たにし、「伝える人」として歩みを進める――。そして祖父に連れられていった読書会では大きなサプライズが・・・・・・・。 膨大な取材をもとにしたリアリティ溢れる時代描写、生き生きとした昭和の人々の生き様・・・・・・。児童文芸のベストセラー作家が放つ唯一無二の圧倒的な反戦・人間ドラマ。 -
フロントライン
2025年6月13日(金)全国で映画公開! 超豪華出演陣! 小栗旬/松坂桃李/池松壮亮/窪塚洋介 ほか ――事実に基づく物語―― 2020年2月、 新型コロナウイルスの感染者を乗せた船が、横浜に入港した。 乗員・乗客およそ3700人。 未知のウイルスとともに、逃げ場のない海の上の豪華客船に閉じ込められ、 感染は瞬く間に広がっていく。 「今、船内にいる医師はわずか3人。 ウイルス対応がDMATの専門外であることは承知しています。 でも、日本国内にウイルスを持ち込まないためには、 誰かに船に乗っていただくしかないんです」 災害派遣医療チームDMAT(Disaster Medical Assistance Team)は、 厚労省の要請を受け、ダイヤモンド・プリンセス号へと乗り込んだ。 乗客の命と、日本の安全を守るために――。 しかしマスコミは、彼らの懸命な救助活動を、 「ずさんな対応」「乗客を閉じ込めるのは人権侵害」と報道し、 DMATは激しいバッシングにさらされる。 それでも彼らは反論することなく、ひたすら救助活動に徹した。 「反論している時間なんてない。 命のために、やれることは全部やる。それがDMATだ」 これは、今までメディアで報じられることのなかった、 未知のウイルスに<最前線(フロントライン)>で挑んだ者たちの、 知られざる物語。 あの時、ダイヤモンド・プリンセス号の中で、 本当は何が起こっていたのか――? ※電子版には、初版限定映画特典はございません。ご了承ください。 -
老人と海
巨大魚と格闘する老漁夫の姿を通して描く、現代の神話。 20世紀アメリカを代表する作家、アーネスト・ヘミングウェイ。 彼の生前に発表された最後の小説にして、ピュリッツァー賞・ノーベル文学賞を受けるなど世界的に高い評価を得た『老人と海』。 劇作家・批評家の福田恆存によるその翻訳は、日本でも初訳(1955)以来、改訂を重ね、累計500万部を超える大ベストセラーとして読み継がれてきました。 本書は、いわば、日本語訳としてこれまで最も愛されてきた福田訳の、待望の新版です。 今回新たに、ヘミングウェイ作品および『老人と海』が日本でいかに読まれてきたかを示す、作家たちのエッセイを巻末に収録。 〈一生に一度は読みたい、文学の底力を示す名作〉として今も親しまれ続ける小説の、装い新たな復刊です。 -
ペドロ・パラモ
ペドロ・パラモという名の,顔も知らぬ父親を探して「おれ」はコマラに辿りつく.しかしそこは,ひそかなささめきに包まれた死者ばかりの町だった…….生者と死者が混交し,現在と過去が交錯する前衛的な手法によって紛れもないメキシコの現実を描き出し,ラテンアメリカ文学ブームの先駆けとなった古典的名作.(解説 杉山 晃)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
ボニーとクライドにはなれないけれど
コンビニ店員のルイーズは、学費のためにその店へ強盗に入った青年デルと恋に落ちた。ふたりはトレーラーハウスで暮らしていたが、デルの学位取得をきっかけに、デルの姉の仕事を手伝うという犯罪とは無縁の人生を始めることにする。だが旅に出たふたりには次々に事件が降りかかり、そのたびにあらたな土地へ向かう羽目に……。窃盗を疑われたり、ワイン泥棒に加担したり、結婚式を挙げようとした教会では強盗の人質にされてしまう。はたしてデルとルイーズは安住の地を見つけられるのか? チャーミングな恋人たちを描く連作ミステリ短編集。/【収録作】ルームミラー/手数料/来歴/女王さまのパーティ/極寒/ウェディングベル・ブルース -
小さな神たちの祭り
3.11を忘れない――。感動のTVドラマを作者・内館牧子 自らの筆で書き下ろした小説版が文庫で登場! 巻末にはドラマで主役を演じた 俳優・千葉雄大氏 感動の解説を掲載! ◎あらすじ◎ 谷川晃は宮城県南部の街・亘理のいちご農家の長男。 家業を継ぐ気はなく、東京の大学に進学することに。 2011年3月11日は、アパートの契約などのために上京していた。 その間、晃を除く家族全員が津波に呑まれてしまい、8年経っても誰一人見つかっていない。 大学卒業後、東京で就職するも志半ばで仙台に戻った晃の目には、 人々がすっかり震災のことを忘れてしまっているかのように映っていた。 そんな晃を支えてくれたのは、恋人の岡本美結。 しかし、家族のことを考えると「自分だけが幸せになれない」と、晃は苦しんでいた。 そんな時、二人の前に1台のタクシーが現れる。 -
声に出せずに叫んでる
母さんを殺したのは、俺だ――。 許せなかった。自分自身も、父の再婚も、大好きだった音楽も。 高校2年生の羽山陽介は母を亡くした幼少期の記憶に今も囚われていた。 男手一つで育ててくれた父と、突然紹介された父の恋人に懐く無邪気な妹。 あの人が家に来るたび作ってくれるカレーは、母の得意料理だった。 「俺、絶対認めないから」。 気持ちの整理がつかない日々の中、学校で不可解な事件が起こる。 切り刻まれた幼馴染のイヤホン、階段から突き落とされた友達。 突然部活を辞めたエース、誰とも長続きしない人気者、善意の押し売りに苦しむクラスメイト――。 それぞれの無言の叫びは渦となり、やがて溢れ出していく。 本当は誰かに叱ってほしい。お前を許すと言ってほしい。 誰も本当の意味では分かり合えない、それでも分かり合いたい。 僕たちは、必死にもがいて手を伸ばしている。 デビュー作で青春の「痛み」を暴いた若き才能が掬い上げるのは、 「痛み」の先にある一筋の「救い」。 -
琥珀色の騎士は聖女の左手に愛を誓う
魔獣という外敵から、聖剣と聖女によって護られているアイクラント王国。 聖女のみが、聖剣が持つ魔獣を鎮める加護の力を行使することができるが、その感情が糧として必要となり、救国の巡礼の間に聖女は感情を喪ってしまう。 その犠牲の代わりに、無事2年間の勤めを果たせば、王族かその縁者と結婚できる栄誉が定められていた。 しかし、今代の聖女リネッタ・セリエスが婚約者として指名したのは、王族でもなんでもない伯爵家の次男坊で、いわく付きと囁かれる黒騎士クウィル。 縁談から逃れたいという打算から不釣り合いな申し出を受けたクウィルだが、美しいが、人形のように感情が読めないリネッタとの距離感に四苦八苦する。 だが、この婚約はやがて互いの運命を大きく変え、建国に秘められた忌まわしき秘密をも明らかにしていくことになって――。 想う心が世界を変える、壮大で胸を打つ西洋風ファンタジー! 第9回カクヨムWEB小説コンテスト〈ライト文芸部門〉大賞受賞作! -
スケープゴート
ジョンはフランス史を教える英国人の歴史学者。空虚な人生に絶望していた彼は、旅先のフランスで自分と瓜ふたつの男ジャン・ドゥ・ギに出会う。相手に引っ張られるままに飲んだ翌朝、ジョンが目覚めるとジャンの姿はなく、車や持ち物のすべてが消えていた。呆然とするジョンは、彼を主人と信じて疑わない運転手に促されるまま、ジャンの家に連れていかれる。ジャンは伯爵だが所有するガラス工場は経営が危うく、家族間はぎくしゃくしていた。手探りでジャンになりすますジョンだったが、事態は思わぬ方向に……。名手による予測不能なサスペンス。/解説=杉江松恋 -
タッグ
コーナーの最上段から飛んで、リングに横たわる相手に体を浴びせる――得意技のバタフライ・プレスを武器に戦う、ベイビーフェイスのプロレスラー・戸部栄純。プロレス界のスターとしてリングに立ち続ける中、妻・美鶴が急逝した。残されたふたりの子どもを育てるため、プロレスを引退し居酒屋を始めた栄純。がむしゃらに生きているうちにあっという間に10年が過ぎ、子どもたちは親離れの時期を迎える――。大学入学、就活、そして親しい人との別れ。家族というチームから出て「これから」を探しはじめる戸部家の面々は、どんな人とタッグを組むのか。ひとり欠けた家族がそれぞれの道を歩き出す、まっすぐで優しい愛にあふれた物語。 -
ユニコーンレターストーリー
海を越え、手紙でつながるふたりの夢と挑戦のゆくえ。ことばはやさしい嘘をつき、絵は真実を語る・・・・・・かつてない青春小説! イラストと文章のスリリングな相互作用。大人気イラストレーターが細部までこだわりぬいた、やさしくて力強い“唯一無二”の物語。 【辻村深月さん推薦!】 大人になるってどういうことか。ハルちゃん、ミチオくん。かけがえのない、ふたりの大切な時間を読ませてくれてありがとう。 おさななじみのハルカとミチオ。10歳でミチオがアメリカへ引っ越し、ふたりの文通がはじまった。日米の学校や文化の違い、部活やバンド活動のこと、将来への迷い、友人や家族との問題。手紙だからこそ伝えられるさまざまな思いを共有しながら、やがてふたりはあるプロジェクトに挑戦することに・・・・・・。 -
虚史のリズム
新しい戦前? 否、死者の声は響き続けてきた―― ある殺人事件を機に巻き起こる、国家機密の「K文書」を巡る謎・・・・・・。 近現代史の魔法使いが仕掛ける、至高のメガ、もといギガ、もといテラ・ノベル! 1947年東京、石目鋭二はかねてより憧れていた探偵になることにした。進駐軍の物資横流しなど雑多な商売をこなしつつ、新宿にバー「Stone Eye」を開き、店を拠点に私立探偵として活動を始める。石目がレイテ島の収容所で知り合った元陸軍少尉の神島健作は、山形の軍人一家・棟巍家の出身。戦地から戻り地元で療養中、神島の長兄・棟巍正孝夫妻が何者かによって殺害される。正孝の長男・孝秋とその妻・倫子は行方知れず、三男の和春も足取りが掴めない。他の容疑者も浮かぶ中、神島の依頼を受けた石目は、初めての「事件」を追い始める。ほどなく、石目のもとに渋谷の愚連隊の頭から新たな依頼が舞い込む。東京裁判の行方をも動かしうる海軍の機密が記されている「K文書」の正体を探ってほしいと言われるが・・・・・・。 作中に差し挟まれる、dadadadadadaという奇妙なリズムが意味するものとは? 記憶と記録が錯綜する、超規格外ミステリー。 -
成瀬は天下を取りにいく 無料お試し版
かつてなく最高の主人公、現る! 2024年本屋大賞はじめ、坪田譲治文学賞、キノベス!2024など、前人未到の16冠に輝いた超話題作。無料お試し版。 2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。 コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。 M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。 今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。 令和最注目作家・宮島未奈のデビュー作にして、2024年本屋大賞受賞作。第一話「ありがとう西武大津店」を丸々試し読み! 12月9日からは、コミカライズ第一巻の配信開始! -
赤毛のアン論 八つの扉
モンゴメリ生誕150周年! 魅力を知り尽くした訳者による大人のための「赤毛のアン論」 世界でこよなく愛され、大人の文学として再評価されるアン・ シリーズ。 少女時代の『赤毛のアン』から、アンの息子三人が第一次大戦に出征する第八巻『アンの娘リラ』までの五十年をこえるアンの人生と、カナダの激動の時代を描いた大河小説。その魅力を、昨年完結した日本初の全文訳『赤毛のアン』シリーズ(文春文庫)を手がけ、話題を呼んだ著者が、八つの観点から解説する最新の「赤毛のアン論」。 ◎目次 はじめに 一の扉 エピグラフと献辞 二の扉 英文学 三の扉 スコットランド民族 四の扉 ケルトと「アーサー王伝説」 五の扉 キリスト教 六の扉 プリンス・エドワード島の歴史 七の扉 カナダの政治 八の扉 翻訳とモンゴメリ学会 おわりに 主要参考文献 保守党と自由党の二大政党が対立するカナダで保守党支持のマシューとマリラに育てられたアンは、女性に初めて投票が認められる画期的な歴史に直面する。アンはその時代をどう見つめたのか? 知られざる政治文学としての一側面。 また、シェイクスピア劇などの英文学を小説中に多数引用したモンゴメリの凝った仕掛け、アン・シリーズ各巻に登場する「アーサー王伝説」と円卓の騎士のロマンの輝き、ケルト文化とキリスト教の融合としての物語の魅力、愛すべき登場人物たちの民族、シリーズに描かれるカナダの歴史などを丁寧に謎ときしながら、『赤毛のアン』シリーズをこれから読む人の充実した手引きとして、再読する人には驚きと感動に満ちた一冊。 プリンス・エドワード島などの写真・図版・地図66点収載の決定版! -
ひまわり
ある日事故に遭い、頚髄を損傷してしまったひまり。 リハビリを続けるも復職の夢は潰え、一念発起して弁護士を目指す。 鉛筆も握れず、六法全書も開けない。 言葉のみを味方に、果たして司法試験を突破できるのか? 「言葉は私の最後の砦。 言葉がある限り、私たちはつながれる」 おしゃべりと食べることが大好きな33歳のひまりはある夏の日、出張帰りに交通事故に遭い、頸髄を損傷してしまう。意識は明瞭。だけど、身体だけが動かない。過酷なリハビリを続けるも突きつけられたのは厳しい現実だった。「復職は約束できない。できればこのまま退職してほしい」。途方に暮れ、役所で就労支援の相談をすると、すすめられたのは生活保護の申請。 私は人の役に立てるのに、どうしてその力を発揮させてもらえないのーー? ひまりは自立を目指し司法試験受験を決意する。思い通りにならない身体でロースクールに通い始めるが、次々と壁が立ちはだかり……。 落涙必至の、人生応援小説。 -
ナカスイ!海なし県の水産列車
強くなれ、自分! かけがえのない仲間のため。 学校が統廃合の危機に!? 水産高校のプライドと命運をかけた、グルメ列車大作戦! 大人気「ナカスイ!」シリーズ、卒業のフィナーレへ。 栃木県立那珂川水産高校(ナカスイ)3年の鈴木さくらは、進路に悩んでいた。志望する食品加工学科のある大学に、学力が全然足りないのだ。 さくらは可能性があるという推薦入試に挑もうと、学校での実績作りに精を出すことに。 そんなとき舌鋒鋭い政治系ユーチューバーが定員割れのナカスイを「無駄」と切り捨て、廃校論が再燃。さくらは、人のまばらなローカル線に揺られながら怒り狂うのだが、妙案を思いつく。生徒会発案で、「ナカスイ水産列車」を走らせよう!目玉料理はあの高級食材だ! ところが生徒会選挙にチョウザメの採卵、鉄道会社へのプレゼンに受験勉強と、課題は山積みで……。 走り出したら止まらない!進路に迷走? 料理に奮闘! 人気シリーズついに完結!! -
黄金旅程
装蹄師の平野敬は、北海道の浦河で引退した馬の世話をする養老牧場を営んでいる。敬が注目している馬・エゴンウレアは日高の小さな栗木牧場生産の最高傑作と言われるが、気性が荒く、プライドも高い馬で誰もが調教に手を焼いていた。以前エゴンに装蹄したことのある敬は、初めて彼に触れた時、間違いなく超一流の資質を秘めた馬だと確信していた。敬は、覚醒剤所持で服役していた元騎手で幼馴染の和泉亮介の才能を信じ、エゴンの乗り役を頼むことに。調教を重ねるうち、エゴンが自分の意志で走る姿を見せ始める。エゴンに人生を託した人々の想いは、二勝馬脱却への奇跡を呼び起こせるのか――。直木賞受賞第一作。 -
純喫茶トルンカ 最高の一杯
「トルンカは、 日常と地続きにある 桃源郷だ」 菊池亜希子 最高の一杯をあなたに――。 路地裏に佇む『純喫茶トルンカ』のコーヒーに 魅せられた人々の三つの人生模様。 近所で骨董品屋を営む滝田の痛切な後悔、 ハリネズミのように心にハリをはやし生きてきた 女優・ルミの思いがけない転機、 『トルンカ』の寡黙なマスター・立花の過去と 彼が長年一人で抱えていた驚きの秘密……。 読了後、あなたをあたたかな余韻が包み込む。 大人気シリーズ感動の最終巻! 「再会とは、人生における 一番身近な奇跡である」 純喫茶トルンカは、 あなたを肯定してくれる場所。 【目次】 眉雪の後悔 傷だらけのハリネズミ 最高の一杯 解説:菊池亜希子 -
シルバー保育園サンバ!
何歳でも人生はやり直せる!ハートフル小説! 銀治は、定年退職後に妻から離婚を言い渡され、孤独で怠惰な日々を送っていた。暇を持て余し、シルバー人材センターからの様々な仕事を担っている。ある時、保育園の草むしりの仕事が入り、担当することに。銀治は、人と接すること、特に女性と子どもは大の苦手。渋々保育園に向かうが、次々に巻き起こるハプニングに対応し、その活躍が認められた銀治は、熱烈なリクエストによりそのまま嘱託職員となるはめに。 当初は銀治を怖がっていた子どもたちもだんだん慣れてなつくようになり、人付き合いが苦手な銀治も徐々に保育士たちとも打ち解けていく。日々、子どもや周囲の人たちと接するなかで、孤独だった銀治の心には少しずつ変化が。そんなある日、定年退職後に離婚し離れて暮らす娘について、衝撃の事実を知る――。そして銀治は、自分自身が蔑ろにしてきた「本当に大切なこと」に向き合うようになっていく。長い間蓋をしていた感情が蘇り、前向きに変わっていく銀治。勇気を振り絞って行動することや、あきらめないことの大切さ、いくつになっても後悔は取り戻せるということ・・・・・・。人生に大切なたくさんのことを笑いと共に教えてくれる、人生応援小説。 -
森にあかりが灯るとき
介護の現場に、光の種を撒く努力をしたい。お笑い芸人の夢に挫折し、特別養護老人ホーム「森あかり」で介護士として働くことになった星矢は、初めての夜勤の日に、利用者の鼻に酸素を投与するためのチューブが人為的に切断されているという医療事故に遭遇。さらにその原因が星矢にあるのではないかと施設長から疑われてしまう。介護士としての将来に自信を失くし、仕事へのやりがいも感じられないまま過ごしていた星矢は、ある日、施設で厄介者扱いされている医師・葉山彩子を街で見かけて、意外な場所に連れていかれる。お笑い芸人になる夢に破れた新人介護士、自分の信念が周囲に理解されない医者、過去に利用者の遺族から訴えられた施設長――。それでも彼らがここで働く理由とは。吉川英治文学新人賞受賞の著者が贈る、感動長編。 -
スターゲイザー
コバルト短編小説新人賞&氷室冴子青春文学賞出身の著者が送る、 令和の青春×アイドル文学が、今ここに生まれる! アイドル事務所のユニバースに所属するデビュー前の青年、通称「リトル」。 彼らはデビューに向けて、限られた時間の多くを費やしレッスンに励んでいた。 そんなある日、リトルたちが主役のイベント「サマーマジック」で最も活躍した一人を、デビュー間近のグループ「LAST OZ」に加えるという噂が流れだす。 この噂をきっかけに皆が熱を帯びていく中、リトルの一人である加地透は疑問を抱いていた。 “恋愛も学校生活も自分の身体も、全てを捧げないとデビューは叶わないのか?” デビューに対して人一倍強い野心を抱いている持田、 わずか14歳にしてソロデビューを打診された遥歌、 誰よりもストイックで自分の見え方を計算し尽くした振る舞いをする葵、 芸能人一家の複雑な環境で育った問題児の蓮司、 デビューができる期限まで残り一年を切った若林、そして透。 デビューを目指すこと以外はすべてバラバラの6人が出会った時、 彼らの未来は大きく変わる――かもしれない。 【著者略歴】 佐原ひかり(さはら・ひかり) 1992年兵庫県生まれ。大阪大学文学部卒業。2017年「ままならないきみに」で第190回コバルト短編小説新人賞受賞。2019年「きみのゆくえに愛を手を」で第2回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞し、2021年、同作を改題、加筆した『ブラザーズ・ブラジャー』で本格デビュー。他の著書に『ペーパー・リリイ』『人間みたいに生きている』『鳥と港』、共著に『スカートのアンソロジー』『嘘があふれた世界で』がある。 -
輝山
読書メーターで感動の声多数! 単行本刊行時、新聞・雑誌で書評掲載多数、 話題の直木賞受賞第一作、待望の文庫化! 世界遺産・石見銀山を舞台に直木賞作家が描く 名もなき者たちの美しき生き様 あの山は命の輝きを永遠に宿し続けるいのちの山―― 江戸後期、弘化年間。 石見国大森銀山に赴き、大森代官所の中間として働く金吾は、 江戸から代官・岩田鍬三郎の身辺を探る密命を帯びていた。 間歩で鉱石を採掘し、気絶に罹り若くして命を落とす掘子、 重い荷を運び母と妹を養う手子の少年、石を選別するユリ女―― 銀山で懸命に働く人びとの姿に心動かされる金吾。 さらに彼らを慈悲深く見守る岩田を見て、金吾は己の命に疑問を抱く……。 【目次】 第一章 春雷 第二章 炎熱の偈(げ) 第三章 銀の鶴 第四章 ありし月 第五章 たたずむはまつ 第六章 いのちの山 -
イグアナの花園
動物の言葉が分かる美苑は、植物学者で大学教授の父と、厳格な華道師範である母親と住む家の中庭やアトリエで、生き物たちの言葉に耳を傾けるのが日課だった。一方、学校では人付き合いが苦手で「空気が読めない」子として回りから距離を取られていた。ある日、目覚めると、前日まで元気だった父が急逝した事実を知らされる。そんな美苑に声を掛けたのは、父の同僚である児玉先生。大学の植物園で飼育されている子供のグリーンイグアナを育てないかと美苑に提案する。そして14年間、「ソノ」と名付けられたイグアナと共にアトリエで暮らし、充分満たされた生活を送っていたのだが、突然母から呼び出され、驚愕の通告を受ける。母の体に癌が見つかり余命は恐らく半年。その半年の間に結婚せよと言われ……。 -
付き添うひと
弁護士・朧が、子ども達の閉ざされた心に向き合う、感動のヒューマン大作。 過去の経験を通して、付添人(少年犯罪において弁護人の役割を担う人)の仕事に就いたオボロ。彼に舞い込む依頼の先では、簡単には心を開かない、声を上げる方法すら分からない子どもたちが、心の叫びを胸に押し込め生き延びていた。オボロは、彼らの心に向き合い寄り添う中で、彼らとともに人生を模索していく――。 -
ボタニストの殺人
押し花を受け取った著名人が連続で殺される事件が起きた。捜査に挑むポーだったが、彼の同僚の病理学者が殺人容疑で逮捕され……
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