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交通事故で夫・花守透を亡くした桜子は、嫁いできた愛知県渥美半島にある夫の実家で、料理上手の義母との暮らしを続けている。花守家の庭には“透の木”――ハナミズキが植わり、毎年七夕には短冊を吊るして願いをかけるのが恒例だ。古民家での二人暮らしは穏やかで温かいが、いつまでこの暮らしが続くのだろうとふと不安が過ることもある。そんな折、夫の前妻との子を名乗る少女が訪れ、事件が起きて……? 著者最新の家族小説。
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Posted by ブクログ
人と人との繋がり、「家族」について、静かに優しく時にキツく、でも、全体的にはあたたかく語りかけられるような作品(抽象的すぎる……!)で、とても素敵でした。
本の表紙がとても綺麗で手に取ったけど、 内容も物凄く良かった。 血縁関係がなくても家族になれる。 お義母さんの三河弁でより温かみが感じられた。 終盤号泣しながら読んだ。
優しくてあたたかくて、けれども芯はしっかりしている。 そんな花守家とその親族のかたがたのお人柄が素敵でした。 過去には実の家族とはいろいろ辛いことがあったかもしれないけれど、現在と未来は幸せで溢れているように感じました。
桜子と、義母と、夫の前妻の娘。三世代の血のつながらない3人で暮らす花守家。 血縁という確かな繋がりがないが故に遠慮したり気負ったり、最初はぎくしゃくしながら始まる生活だけれども、徐々に家族という輪郭が作られていく。 家族は心休まる温かな居場所。 「おかえり」「ただいま」 毎日帰る場所があり、毎日迎...続きを読むえてくれる人がいる。そんな場所が家族というものなのだ。 季節めぐり様相を変えていく花守家のハナミズキと共に、穏やかな生活が営まれていくのだろうと感じられた。 「自分の中にほんの少しでも好きって思える部分があるだけで、ちゃんと背筋を伸ばせるようなきがするから」 このお守りのような素敵な言葉が心に残った。
血縁関係ってそこまで重要なものではないんだなっと感じた。 本当に相手を思いやる気持ちが大切だと。 旦那さん、透さんが亡くなったのはすごくつらかったし、なんで自分が生きてるのって思ってしまうけど、それでもご飯は食べないといけない。 人と人だと、傷つけ合うこともあるかもだけど、 人でしか紡げないこともあ...続きを読むるんだなと感じました。
おかえりってちゃんと言いたいな。 読み終わって本を閉じて、そんな気持ちになる。 ただいまと帰る家がある。おかえりと言う相手がいる。 それはいとおしいことなんだなとしみじみ。 花守家が来年も再来年もこんな風に七夕を迎えて過ごしていくんだなとおもうと、しあわせな気持ちになるし、おいしいごはんをお腹い...続きを読むっぱい食べて、明日も強く生きていきたいものです。 私的にこのみちゃん推しです。
実の家族に愛されなかった桜子が本当の愛を知り、自らも愛することができ、家族と共に生きる。 書いてしまえば簡単だけど、そこに至るまでの道のりが繊細に描かれていました。涙涙…の物語。
2024.09.27 安城市出身の作家さんで、作中に県内の自分にゆかりのある市がいくつか出てくるとのことで迷わず手に取った。 ハナミズキの描写で季節を感じながらゆったりとすぎていく血縁関係のない3世代の女性のお話。 最後はスカッとしたし、血が繋がってなくても、血の繋がりよりも太い絆が生まれている3人...続きを読むに、これからもずっと幸せに暮らしていて欲しいと、思った。 普段はミステリ作品ばかり選んでしまうが、たまに小休止としてこういうヒューマンドラマ的なものを読みたくなる。心が何かじわりと温かいもので満たされていく感覚がある読後感でとてもよかった。
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