作品一覧

  • スターゲイザー
    4.6
    1巻1,925円 (税込)
    コバルト短編小説新人賞&氷室冴子青春文学賞出身の著者が送る、 令和の青春×アイドル文学が、今ここに生まれる! アイドル事務所のユニバースに所属するデビュー前の青年、通称「リトル」。 彼らはデビューに向けて、限られた時間の多くを費やしレッスンに励んでいた。 そんなある日、リトルたちが主役のイベント「サマーマジック」で最も活躍した一人を、デビュー間近のグループ「LAST OZ」に加えるという噂が流れだす。 この噂をきっかけに皆が熱を帯びていく中、リトルの一人である加地透は疑問を抱いていた。 “恋愛も学校生活も自分の身体も、全てを捧げないとデビューは叶わないのか?” デビューに対して人一倍強い野心を抱いている持田、 わずか14歳にしてソロデビューを打診された遥歌、 誰よりもストイックで自分の見え方を計算し尽くした振る舞いをする葵、 芸能人一家の複雑な環境で育った問題児の蓮司、 デビューができる期限まで残り一年を切った若林、そして透。 デビューを目指すこと以外はすべてバラバラの6人が出会った時、 彼らの未来は大きく変わる――かもしれない。 【著者略歴】 佐原ひかり(さはら・ひかり) 1992年兵庫県生まれ。大阪大学文学部卒業。2017年「ままならないきみに」で第190回コバルト短編小説新人賞受賞。2019年「きみのゆくえに愛を手を」で第2回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞し、2021年、同作を改題、加筆した『ブラザーズ・ブラジャー』で本格デビュー。他の著書に『ペーパー・リリイ』『人間みたいに生きている』『鳥と港』、共著に『スカートのアンソロジー』『嘘があふれた世界で』がある。
  • 鳥と港
    3.8
    1巻1,683円 (税込)
    “これから”の働きかたの物語。  大学院を卒業後、新卒で入社した会社を春指みなとは九ヶ月で辞めた。所属していた総務二課は、社員の意識向上と企業風土の改善を標榜していたが、朝礼で発表された社員の「気づき」を文字に起こし、社員の意識調査のアンケートを「正の字」で集計するという日々の仕事は、不要で無意味に感じられた。部署の飲み会、上司への気遣い、上辺だけの人間関係──あらゆることに限界が来たとき、職場のトイレから出られなくなったのだ。  退職からひと月経っても次の仕事を探せないでいる中、みなとは立ち寄った公園の草むらに埋もれた郵便箱を見つける。中には、手紙が一通入っていた。 「この手紙を手に取った人へ」──その手紙に返事を書いたことがきっかけで、みなとと高校2年生の森本飛鳥の「郵便箱」を介した文通が始まった。  無職のみなとと不登校の飛鳥。それぞれの事情を話しながら「文通」を「仕事」にすることを考えついたふたりは、クラウドファンディングに挑戦する。 『ブラザーズ・ブラジャー』『人間みたいに生きている』の新鋭が描く“これから”の働きかたの物語!
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    3.6
    1巻737円 (税込)
    これが当たり前になった時代で、あなたならどう生きる? 信者に人生を壊されたVtuber、バズって神格化された女子高生、呪いのアプリの謎に迫る調査員、未だに動く亡き夫のアカウント。それぞれの物語に隠された、生きていくための秘密と嘘。ベストセラー『世界でいちばん透きとおった物語』のスピンオフも収録した、新進気鋭の最注目作家7名による“今”を切り取るアンソロジー。
  • 人間みたいに生きている
    3.8
    1巻1,699円 (税込)
    食べることそのものに嫌悪を覚えている女子高生・三橋唯。「食べること」と「人のつながり」はあまりに分かちがたく、孤独に自分を否定するしかなかった唯が初めて居場所を見つけたのは、食べ物の匂いがしない「吸血鬼の館」だった──。
  • ペーパー・リリイ
    3.8
    1巻1,760円 (税込)
    野中杏、17歳、詐欺師のこども。38歳被害者キヨエと、幻の百合を探す旅に出る。『ブラザーズ・ブラジャー』の新鋭が贈る新世代ロードノベル! 愛、罪、恩から、私たちは自由になる。 『ブラザーズ・ブラジャー』で最注目の新鋭が贈る 爆走青春ロードノベル! 野中杏、17歳、結婚詐欺師の叔父に育てられている高校2年生。 夏休みの朝、叔父に300万円をだまし取られた女性キヨエが家にやって来た。 キヨエに返してやりたい、人生を変える何かをしてあげたい。 だってあたしは「詐欺師のこども」だから。 家から500万円を持ち出し、杏はキヨエと一週間限定の旅に出る。 目指すは幻の百合! 氷室冴子青春文学賞大賞受賞作家、待望の新作長篇! 愛・罪・恩から私たちは自由になる。 装画:ばったん
  • ブラザーズ・ブラジャー
    4.1
    1巻1,672円 (税込)
    義理の弟・晴彦がブラジャーを着けているところに遭遇した、高校生のちぐさ。「おしゃれでやってるんだよ!」と言う晴彦に、ちぐさは……?
  • スターゲイザー

    Posted by ブクログ

    「サマーマジック」
    「夢のようには踊れない」
    「愛は不可逆」
    「楽園の魔法使い」
    「掌中の星」
    「スターゲイザー」
    6話収録の連作短編集。

    『人間みたいに生きている』を読んで以来、大注目している佐原さんの最新作。

    最高に良かった。

    メジャーデビューを目指す6人の通称「リトル」達の物語。
    それぞれの人物の書き分けが秀逸。

    彼等が見せる笑顔も、人知れず苦悩する姿も、全て脳内映像で再現された。
    青春×アイドル小説に関心がない人達にも刺さる言葉がたくさん散りばめられている。

    瑞々しい感性で描かれた本作は最終話で涙腺崩壊。

    もう推すしかない。

    0
    2024年11月15日
  • 鳥と港

    Posted by ブクログ

    文通。
    私自身、手書きの文字で気持ちを伝える『手紙』が好きだったから、この本にとても惹かれました。
    小さな幸せ、わくわくが詰まっていました。
    それぞれの手紙でのやり取り部分がとても素敵で、久しぶりに私も誰かに手紙を書きたくなりました。

    0
    2024年11月11日
  • ブラザーズ・ブラジャー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    普通であろうとすることの努力も、同時に自分を貫くことへの憧れも、どちらにしても葛藤があることも。わかるなぁと思いながら読んだ。

    思春期の気持ちの動きをすごく丁寧に言語化してあって、そのうえで、いろんな苦しみから救われるような物語だった。

    他者を受け入れることは、自分を受け入れること。
    その作業を、ちぐさと晴彦は関係性の中でやったんだと思う。前半と後半で、ちぐさの成長が著しくて、それもよかった。
    ちぐさは、友だちにも彼氏にも自分を開いていなかったから、晴彦が「家族」だったことは、やっぱり重要だったんだろう。

    0
    2024年11月10日
  • スターゲイザー

    Posted by ブクログ

     私は前に読んだ「鳥と湊」よりもこの作品の方が好み!アイドルデビューを目指して、日々奮闘する6人の若者たちの物語…これね、女性アイドルならここまで好きになれなかったかもだけれど、男性アイドルなんですよね!心が荒んでしまった私にとっては、清涼剤のように感じる作品でした。

     アイドル事務所「ユニバース」に所属し、デビューを目指す「リトル」。彼らは10代~20代の若者で、その活動の中で彼らなりのポリシーを持ちつつ活動していた。主に登場する6人は以下の通りです。

     〇加地透:
     いつも全力を出さずもセーブして活動し、
     周囲からは塩対応と言われがち。リトルたちに、
     全てを捧げるようなシステムに疑

    0
    2024年11月07日
  • スターゲイザー

    Posted by ブクログ

    すっっっっ……ごく良かった。
    ジ○ニオタなら身に覚えのありすぎるシステムで、某密着番組を観てる気分になれる。仕事量も年齢も目指すところも実家の太さもバラバラな6人のアイドルの卵がそれぞれの夢と傷を抱えて前を向いて行く……Jr.担もデビュー発表も経験したことがあるので余計にリアルに光景を浮かべて読めました。本はそれなりの厚さがあるけど、連作短編形式なのもあってサクサク読めてあっという間に読み切っちゃった。面白かった…ラストシーン、本当に「ああ〜〜〜〜〜〜」となりました!

    0
    2024年11月02日

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