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“これから”の働きかたの物語。
大学院を卒業後、新卒で入社した会社を春指みなとは九ヶ月で辞めた。所属していた総務二課は、社員の意識向上と企業風土の改善を標榜していたが、朝礼で発表された社員の「気づき」を文字に起こし、社員の意識調査のアンケートを「正の字」で集計するという日々の仕事は、不要で無意味に感じられた。部署の飲み会、上司への気遣い、上辺だけの人間関係──あらゆることに限界が来たとき、職場のトイレから出られなくなったのだ。
退職からひと月経っても次の仕事を探せないでいる中、みなとは立ち寄った公園の草むらに埋もれた郵便箱を見つける。中には、手紙が一通入っていた。
「この手紙を手に取った人へ」──その手紙に返事を書いたことがきっかけで、みなとと高校2年生の森本飛鳥の「郵便箱」を介した文通が始まった。
無職のみなとと不登校の飛鳥。それぞれの事情を話しながら「文通」を「仕事」にすることを考えついたふたりは、クラウドファンディングに挑戦する。
『ブラザーズ・ブラジャー』『人間みたいに生きている』の新鋭が描く“これから”の働きかたの物語!
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Posted by ブクログ
2024年出版。318ページ。
大企業の風土や習慣に馴染めず退職した、院卒の女性主人公。廃棄されていたポストを介して知り合った、色々と訳ありの高校生と共に「文通」をお仕事にしていく...。
文体が自然でリズムもバランスも良くて好み。変に「文学作品」していない。気持ちのゆらぎや気付きを大切に、過分なく拾っていく文章も好き。心象や風景・雰囲気等の表現も、過剰だったり難読漢字を使ったりも無く美しい。紡がれる物語が、複雑過ぎない範囲で上手く渦巻くところも素敵。変に恋バナに持ち込まなかった所も良いと思う。
良い読後感でした。この著者の別の作品を、是非読みたいと思えた。
Posted by ブクログ
①私は、文通をしたことはありません。
手紙を書きたいなと思っても、いざ書こうとすると、誰に書こうか迷ってしまう自分に気づきました。
この本を読み終えて、文通を始めることができないか調べてみると、文通ができるシステムというのは、いくつか存在することを知ったので、もう少し調べてみようと思いました。
②仕事との向き合い方について考えさせられました。
確かに、主人公のみなとのように、私も、会社に行くのが辛く、上司から今まで受けた指導がフラッシュバックし、明日が憂鬱だと思うこともあります。
そんな時に、仕事を辞めるというのも1つの選択なんだということを知り、少し、仕事との向き合い方も考えていこうと思いました。
いいなあ、私もこの人たちと文通してみたい。手紙を待つ間のワクワク感、懐かしいなあ。今でこそSNSで旧友ともつながる時代だけど昔は相手の住所を聞いて1か月に1度連絡を取ったり、毎日学校で会ってるのに文通したり。今はなかなかそんな機会もないから可愛い便箋を見ても買うのをためらっちゃう。文通、また誰かと始めてみたいと思った。
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