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派遣切りに遭い、やむなく特養老人ホーム「まほろば園」で働く康介。体に染みつく便臭にはまだ慣れない。それに認知症の人や言葉が不明瞭な人相手の仕事は毎日なぞなぞを出されているかのようだ。けれど僅わずかなヒントからその謎が解けた時、康介は仕事が少し好きになり……。介護する人される人、それぞれの声なき声を掬うあたたかな連作短編集。
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Posted by ブクログ
100人以上の入居者のいる特別養護老人ホームで働く新人介護士のお話だ。もちろん文章ではあるが介護現場のリアルが多少なりともわかった。 どこからともなく漂う便臭、認知症による徘徊、陰部洗浄、宿便対応、孤独な入居者の事情、そして死…果たして自分にはできるか…そして現実問題として、これから我がオフクロを施...続きを読む設に入れてお世話になることも充分に想定しておかねばならない… 派遣切りにあい仕方なく就職し、最初は嫌々いつ辞めようかと働いていたが、仕事を覚えるに連れ、やり甲斐等を見出して成長していく主人公が逞しく思えた。 本編の解説は、なんとメイプル超合金の安藤なつさんが書いている。もともと介護施設でお手伝いをしていて、2年前に介護福祉士の資格も取ったらしい。書いている内容も素晴らしく、ちょっと彼女を見る目が今後変わりそうだ…
よかった!!!一気に読んでしまった。 鈴子さんと自分の境遇が重なる部分があって、うわーわかるぅ、、ってなったりも。 できていたことができなくなる、伝えたいことが伝えられない状況ってしんどいなあ。介護する側の時はできるだけ相手の立場に立って考えていきたいなあって思った。それが難しいんだろうけどね。
介護する側もされる側も、皆んな幸せになってほしい、そんな想いでいっぱいになった。 介護する側は、時間に追われて効率重視な行動になってしまう。 だからといって、一人一人の要介護者と向き合ってしまうと一日の業務が終わらない。時には心身共に壊れてしまう…。 このもどかしさは、小説を読んだことで感じた。 ...続きを読む 康介も鈴子先輩もコロナ禍をどのように乗り切って今に至るのか、続編に期待!
いやあいっぱい詰まってた。康介の介護士の仕事の成長(人としても)が読んでいてわかりやすくて、風俗で発散して自分の心のバランスをとるとか、でも同窓会で言われた重労働がバランス取れるのかって今でも思うけど、お菓子にカップ麺を食べるとか。ラスト依田さんの事件も、園の本音と建前とあるのが切ない、自民党のダメ...続きを読むな政策のせいで、安い賃金で働く外国人も、6人に2人しかいない正社員も、あーなんでこんな国になっちゃうの?しか思えない。あとラスト依田さんない語り掛ける場合が何故かジーンときてた。あとオムツ換えにお風呂に陰部を洗うにお尻の穴に指入れてクソを掻き出すとか自分の親に出来るのかと考える
ウェルカム・ホーム/真夜中の行進曲(マーチ)/ 立派なお仕事/別れのワルツ/揺れる康介/ とりあえずのトリアージ/パニック・イン・三〇五 特養で働く新米の介護職員、康介。 先輩職員や入所者と過ごすなかで、少しずつ考えて考えていく。 ほぼ妹におまかせだった母の介護。 夫の主導ながらほんの少し分担し...続きを読むた義母の介護。 父や義父の介護はほぼ母と義母におまかせだったなぁと、今さらの反省をする。 身体と心の不調が増えてきた中で自分の これから を考えてみる
特別養護老人ホーム「まほろば園」、そこで働き始めた大森康介は慣れない介護士の仕事に振り回されている。そんな康介の心の支えは風俗嬢のこのみちゃんと職場の先輩鈴子さん。 ホームでの入居者さん達のお世話は辛い事も多いが学ぶ事もある。そんな康介の毎日を描いた作品。 老人介護の問題を柔らかく、丁寧に描いていて...続きを読むとても面白かった。決して綺麗事ではなく、かと言って過酷な面ばかりを強調するでもなく、これがら現実なんだなと思わせる作品だった。
介護の仕事は大変なのに、何故か見下される。そして、離職率も多い。 それは責められない。 なかなか出きることではない仕事だから。 私は介護士でもないが、身近にこの現場があるので、独特の空間やその匂いが解るだけにこの本は一気に読めてしまった。 あらためて、介護を生業としている人に頭が下がる物語。 仕事と...続きを読むしての介護、家族を介護すると言うことの違いも、凄くよく解る この物語の主人公は優しい。だから、いろんな気づきがある。 そして、いろんな事件はあるが、大抵は皆優しいのだ。根本。 ガンバレコースケ
丸山正樹『ウェルカム・ホーム!』幻冬舎文庫。 7話から成る連作短編集。 派遣切りに遭い、やむなく特養老人ホーム『まほろば園』で働く大森康介が介護士として少しずつ成長していく姿を描く。 今や正社員になれるのは介護業界くらいなものかも知れない。但し、毎日の業務はきつく、それでいて給与は低いのだから...続きを読む、なかなか介護士のなり手は少ないのだろう。そんな介護の現場で大森康介は迷いながらも進むべき道を見付け、歩み続ける様子がリアルに描かれている。 少子超高齢化社会が到来し、老人が介護施設に入所するのが難しくなっている。金さえあれば、有料の老人ホームに入所出来るのだろうが、それはほんの僅かの老人たちであろう。 本作に描かれるのは特養老人ホームなので比較的収入の少ない老人でも入所出来るが、希望者が殺到する狭き門である。2年前、大腿骨を骨折し、介護認定を受けた自分の父親も特養老人ホームに入所したが、9箇所以上の施設に応募し、面接や何やらの手続きを経て、ようやく入所することが出来た。入所が決まってからも、父親の住所変更や振込口座の開設、当面の費用の調達などで走り回った。 いずれ誰もが年老いて、こうした施設のお世話になる可能性があるが、介護現場の苦労を知ると何ともいたたまれない気持ちになる。 本体価格790円 ★★★★
介護にはどうしてもネガティブなイメージがあったんだけど、1人の介護士の成長物語をメインに、介護される側のストーリーも興味深く、読み終わる頃には少しポジティブで前向きな印象に変わりました。 ただ、実際の現場は壮絶なだろうなと改めて感じましたね。。。 自分は行きたくないって思ってしまった。 介護する側に...続きを読むも、される側にも。
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