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Posted by ブクログ
ミステリーであり恋愛小説でもあった。
両親を殺され、通り魔から逃げる際に事故に遭い、その事故を起こした加害者と結婚をした万由子。
高次脳機能障害を患ってしまった万由子は、たった数十分しか記憶を保持できない。
そんな虚ろな記憶と自分がメモした記憶。
ふとした時に流れてくる記憶。
どれが一体正しくて、どれが間違いなのか。
交通事故の加害者であった夫、光治。
そして、物語の途中で現れた米森久江。
どちらが真実を語っているのかは、万由子には絶対にわからない。
読者は記憶を失くさない。
だから、それぞれの違和感を少しずつ感じていくし、万由子に気づいてほしいと思ってしまう。
そう思わされて、どんどん読み進めていった。
いやぁ…もう本当に面白かった!
介護の大変さ、自分の心が感じるモノの大切さ。
最後は、ただただ切なさだけが残った。
Posted by ブクログ
●あらすじ
20年前に起きた通り魔事件の犯人が刺殺された。
自ら殺したと通報したのは、その通り魔事件で両親を殺された柏原麻由子だった。
だが、麻由子は通り魔事件の直後に交通事故に遭遇して記憶障害を患っており、記憶が20分と持たない女性だった。果たして麻由子は本当に両親の復讐を果たしたのか?
●感想
先ず驚かされるのが、主人公が記憶障害という設定。
麻由子は記憶が10分〜20分で消えてしまう。
そう、記憶が保たない女性なのだ。
取調べで状況証拠を前に自白したかと思えば、数分後には学生時代の記憶に遡り、今自分がどこで何をしているのか分からなくなってしまう。
麻由子は本当に復讐を成し遂げたのか?
というミステリーの主軸で物語が進む一方で、元新聞記者の夫 光治は弁護士を立てようともせず、麻由子に罪を償わせようとする。夫の不可解な行動に、徐々に読者が疑心暗鬼になっていると、救世主の様に麻由子と唯一交流のあった米森久江という女性が現れ、人権派弁護士をたてるのだが・・・
更には、担当刑事である桐谷優香の実母の介護問題や、その背景にある男女差の固定観念にも焦点が当たる。また同じく介護をする者として優香が光治と自分を比較し始めたことで、事件は新たな進展を見せる。
記憶障害の麻由子が、周りの人々に翻弄され生きづらくなっている様子は、読んでいて胸が痛み、同時にその無垢な心が危うくて緊迫感が半端ない。
二転三転する結末は、まさに読む手が止まらない。
後半はサスペンスの要素が強まってくるので、手に汗握りながら読み進めた。限られた登場人物の中で、読み手の想像の更に上を超えて来る先に、圧巻のラストが待ち受ける。この読ませる力は流石の秋吉理香子さんだった。
ガラスの様に脆く儚い記憶・・・
その先には触れられそうで触れられない・・・
『ガラスの殺意』読めば納得のタイトルだった。
Posted by ブクログ
秋吉理香子『ガラスの殺意』双葉文庫。
何とも面白い設定のサスペンス・ミステリーの小説であった。
ガラスのように脆い僅かな時間だけしか記憶を持つことの出来ない女性が殺人犯として逮捕されるのだ。勿論、この事件には裏があるのだが、それが一筋縄ではなく、二転三転と予想外の展開を見せるのだ。
僅かな時間で記憶を失うという極めて特異な障害を巧く使って、見事なサスペンス・ミステリーに仕立てたものだと感心した。
20年前に通り魔事件で両親を殺害され、自身も通り魔から逃げようとして交通事故に遭い、記憶障害を負った柏原麻由子は自宅で通り魔事件の犯人を刺殺する。自ら警察に通報した麻由子は警察から取調べを受け、最初は殺害の記憶が無いと主張したが、被害者の写真を目にすると自分が殺害したかも知れないと自白する。記憶障害により、麻由子の記憶は10分から20分程度で消えてしまうのだ。
その後、何故自分が収監されているのか判然としないまま過ごす麻由子の元に夫の光治が面会に訪れる。何と麻由子の夫である光治は20年前に通り魔から逃げる麻由子を轢いたジャーナリストだった。
何故か麻由子を有罪にしようとするかのように弁護士を立てない光治。そこへ麻由子を知る米森久江という女性が面会に訪れ、麻由子のために有能な弁護士を立てる。
麻由子は20年前の通り魔事件の犯人に復讐を果たしたのか、それとも……
本体価格760円
★★★★★
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