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ジュリアン・バトラーの真実の生涯
各メディアで話題騒然。もうひとつの20世紀アメリカ文学史を大胆不敵に描く、壮大なデビュー作にして、第73回読売文学賞(小説賞)受賞作が待望の文庫化! 【内容紹介(詳細)】 デビュー小説で読売文学賞(小説賞)を受賞し、各メディア絶賛の超話題作が、宇野亞喜良の装画で待望の文庫化! 作風は優雅にして猥雑、生涯は華麗にしてスキャンダラス。トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称された、アメリカ文学史上に燦然と輝く伝説の小説家ジュリアン・バトラー。その生涯は長きにわたって謎に包まれていた。 しかし、2017年、覆面作家アンソニー・アンダーソンによる回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになる――。 第73回読売文学賞(小説賞)、第9回鮭児文学賞、第2回みんなのつぶやき文学賞国内篇第1位受賞。あまりにも壮大なデビュー長編小説。 ◎解説=若島正 -
漫画でイけ
人気漫画家・鳥トマトの初小説集 「私には何もない。でも、漫画がある」 「絶対に埋められない穴を持った人にしか描けない漫画があるんだよ」 漫画家・鳥トマトによる小説×漫画ハイブリッド文学爆誕! 神様、僕は漫画に人生を捧げます。 お金もそんなにいりません。男も女も、大嫌いだから一生誰とも付き合えなくていいです。心が死んでるから幸せにもどうせなれないし、ならなくていいです。なので、僕が十年後も百年後も千年後も誰かに読まれる漫画が描けるようにしてください。僕の思う真実を漫画に閉じ込めて「永遠」にする力をください。 「漫画でイけ」 売れない漫画家のツグミは、人気作家・蛇川の紹介で「売れる漫画のロジック」を語る編集者・野分と出会う。彼に導かれ、漫画家として再起を賭けていくが…… 「僕の血」 出版社のライツ部に勤めながら、漫画を描いている主人公・鳩山。原作者の凄まじい執念に翻弄される一方、編集者・半本との出会いによって創作人生が大きく揺さぶられていく。 -
月曜のこない部屋
もう消えたい。 でも出たい。 就職難・8050・家族クライシス 孤独と焦りを抱え続ける146万人のひきこもり。 ひきこもり支援施設RS(リアルステップ)で 交錯する、家族の闇と再生の物語。 ベストセラー『看守の流儀』の著者が、 家庭の内側に迫る社会派ドラマ! 【著者からのコメント】 「ひきこもりが長く続く原因は家族にある」 ひきこもりの取材と膨大な資料から 何度も感じたことです。 「ひきこもりというのは、 ひきこもる当人だけをいうのでなく その家族も含む」 「家族の心も当人と同じように ひきこもっているのではないか」 いろいろな方の話を聞いてそう感じました。 本人と家族をがんじがらめにしつづける 固定化した関係とは、 いったいどういうものなのか? これを溶かして、もう一度時間を動かすには、 どうしたらいいのか? 希望の物語だからこそ、きれいごとを抜きにして、 あえてザラザラした世界を描きました。 そうでなければ、現状を変える本当のヒントは 見えてこないと思ったから。 この物語が「出口のない穴でもがいている人々」の 何かのきっかけになってくれたらと 心から願っています。 【あらすじ】 ひきこもり支援施設「リアルステップ」で 働く矢島宇宙は、新人の栗本日菜子とともに、 依頼された家を訪ね、当事者を説得し、 社会復帰への道を探る仕事をしている。 ある日、疲れ果てた様子の女性が 施設を訪れる。 総合病院に勤めていた息子・敦司が、 5年前からひきこもっていて、 母親の服を切り刻む行動まで始まったという。 矢島は手紙や電話で敦司との接触を試みるが、 応答はない。 栗本とともに自宅を訪ねると――。 プロローグ 第一話 即興役者 第二話 ロスジェネの落武者 第三話 どこまでも王子 第四話 生き埋め二十年 エピローグ -
記憶とツリーハウス
台湾版スタンド・バイ・ミーの誕生! 少年たちは親に逆らい 自由を求める旅に出た―― 台湾版「スタンド・バイ・ミー」の誕生! 「記憶とはこんなに不完全で、暗号のように時間をかけて解読するしかないのだ」 故・天野健太郎氏絶賛! 【あらすじ】 僕の人生最初の記憶は、3歳で神棚の前に跪かされ、百元札を盗んだ咎で両親と祖母から叱責されているものだ。でも、この記憶は本物だろうか……? 台湾のとある都会の片隅、夜市と花街で名を馳せる猥雑な下町で、僕ら3人――僕、翊亞(イーヤー)、阿煌(アーホァン)は育った。12歳の夏休み、僕らは廃屋の敷地にそびえるマンゴーの樹にツリーハウスを造り、大人たちが禁じた境界線の向こうを眺めながら、この街から脱出する秘密の計画を立てた。 時が経ち、暗号学を教える大学教授の職を失い、幼い娘の世話に専念する僕の元に、ピアニストとして名声を得ていた翊亞の訃報が届く。「こんな日が来るのを俺はとっくに知ってた」阿煌の言葉をきっかけに、僕は暗号を解くように、過去の記憶を手繰り始める――。 -
野生の暗き岸辺
エドガー賞最終候補の傑作文芸ミステリー! 水没が迫る亜南極の孤島に棲む一家。 その島に、謎の女性が打ち上げられた―― リース・ウィザースプーンのブッククラブ選出 タイム誌が選ぶ2025年の必読書 2026年エドガー賞最終候補作! 目も眩むほど美しく荒々しい自然と、 世界が消え去る間際の激しい愛。 豪州発、世界が愛した傑作文芸ミステリー。 気候変動の激化する近未来、タスマニアと南極の中間地点に位置するシーアウォーター島。ここには地球の滅亡に備え、世界中の種子を保管した貯蔵庫が設置され、生物学者や植物学者が滞在し、種を保護し、研究に従事していた。しかし環境は急速に悪化、海面が上昇し、島は海に沈みつつあった――研究者たちが島を去ることを余儀なくされ、父親ドミニクと3人の子どもたちのソルト一家、数人の研究者たちだけが島にとどまり、最後の船が迎えにくるのを待っていた。そんなある日、激しい嵐のあとで一人の女性が島の海岸に打ち上げられた。この女性は一体だれなのか。謎の女性ローワンがソルト一家の秘密を暴くとき、押し込められていた過去が動き出す―― -
言葉の欠片
高校一年生の柴乃は、場違いという自認もありつつ、一軍女子グループの一人として日々を送っていた。そんなある日、グループの中心人物であり、一番の仲良しである友人のあかりが亡くなる。明るくかわいく人気者だった彼女の突然の死 。心臓発作だというが、前兆もなく理由もわからない。弔問のあと、形見分けで持っていきたいものがあればと、特別に彼女の部屋に通された柴乃だが、「怖い」「イヤ!」という言葉が書かれた、柴乃にしか見えない透明の欠片を発見する。その帰り道、同伴の担任からあかりは遺書を残していたと知らされる。心臓発作なのに遺書? と眉をひそめる柴乃だが、直後、「イジメはなかったよな?」と確認される。そして、担任の足元に「お前らがやったんじゃないよな?」という、あかりの部屋で拾った欠片と似たものが転がったことに気付いた。「口に出さなかった言葉が欠片となって見える」能力を獲得したと気付いた柴乃は、あかりの言葉の欠片を不穏に思い、彼女の死にもなにか裏があるのではと探り始める。調査を進めるうちに自分以外にも能力者がいることを知った柴乃は、あかりの死が能力者による他殺ということに思い至る。そして新たな犠牲者が発生し――。 -
どれか一つは嘘
「“血の繋がりはなくても、心から心配し手を差し伸べてくれる人間やペットも家族と呼んでいい時代なのではないか”そんな思いで書いた物語」という『どれか一つは嘘』は、キム・エランにとって13年ぶりの長編小説だ。本作は、自己紹介ゲーム“どれか一つは嘘”を軸に、友情・嘘・罪・絵をテーマに展開される。 最近母親を亡くし、ペットのトカゲだけが自分に残された家族だと思っているジウ、ある理由から人が近づいてこないように絵を描き続けているソリ、「夫を刺した容疑」で母親が収監中のチェウン。三人の高校二年生が、それぞれがついた一つの嘘により互いを意識し、次第に関係を深めていく中で、家族との間に生じた悲劇を克服していく成長物語である。 -
ノー・ファンタジー
人はファンタジーがないと生きていけない。 会社を売った男、離婚歴のあるシングルマザー、AIスタートアップの出口を見つめる男、FXで生活する元証券マン、都市伝説の買取屋、婚約者が送ってきた座標を追う男、血の繋がらない父になろうとする小説家――。 清潔に、合理的に、機械的に、正しく整えられていく世界で、それでも人間の内側には、幻影、共感、リスク、下品さ、毒、そして物語が残り続ける。現実を直視しようとする者たちは、現実だけでは生きられないことに触れていく。 中心のない時代の東京を起点に、彷徨う孤独な男女と、たしかな救いを描いた傑作。 【著者略歴】 上田岳弘(うえだ・たかひろ) 1979年兵庫県生まれ。2013年「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞しデビュー。15年「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞、18年『塔と重力』で第68回芸術選奨文部科学大臣新人賞、19年「ニムロッド」で第160回芥川龍之介賞、22年「旅のない」で第46回川端康成文学賞、24年『最愛の』で第30回島清恋愛文学賞を受賞。他の著書に『異郷の友人』『キュー』『引力の欠落』『K+ICO』『多頭獣の話』『関係のないこと』などがある。 -
小説家シリーズ
私の職業は小説家である。怪談系の雑誌に文章を書く仕事をしている。ベストセラーとは無縁だが、一応、生活はできている。そして出版業界に長年関わっていると、様々な小説家に出会う。彼らは、奇人変人であることが多い。たとえば――。作家のO氏は日常と作品世界の境界を曖昧にすることで執筆モードに頭を切り替える。死体発見の場面では、部屋に血糊を撒いたり……(「墓場の小説家」)。Yさんは筆が異様に早い若い男性作家だ。わたしとの対談の約束をすっぽかし逃げた――(「小説家、逃げた」)。Kという作家の本は、動物霊の霊障の原因となっているという。私はK先生について調べることにした――(「キ」)。X先生はベストセラー作家だ。新作小説は映画化されるという。ところが、私はその小説の設定や展開、結末を知っていた――。X先生には創作に関するある秘密があったのだ――(「小説の怪人」)。R先生は脳内にアクターがいて物語を自由に演じさせているという。ある時地味なキャラクターを消してしまうと――(「脳内アクター」)。D先生は大学生デビューの作家だ。Uは最初は熱心な編集者と思っていたのだが――「担当編集ガチャ」がD先生に迫っていた――(「ある編集者の偏執的な恋」)。文豪J先生は交通事故で執筆が絶望的と言われていた。ところがベトナム出身のN君は手を触れるとJ先生の言葉を受け取ることができ――(「精神感応小説家」)。 7人の奇妙な作家たちを山白朝子は観察し、告発する、世にも不思議な小説家の世界。 ――読み終えたら世界が歪み始める、文庫版『小説の怪人』あとがき、書下ろし。 -
虹いろ図書館 司書のぼくと運命の一年
来春から他部署へ異動することになった図書館の職員たち。司書として最後の一年を精一杯働く犬上さんのもとに、学校に行けなくなった火村ほのかが現れて――。大人気シリーズ感動の完結巻! 司書の犬上さんと虹いろ図書館に起こった奇跡の物語 大人気シリーズ、グランド・フィナーレ! 図書館外への異動が決まった司書の犬上さん。かつてのぼくみたいな子どもを見つけたい、その子がさびしいなら、そばに立っていたい。最後の1年の間、ほのか、スタビンズ、ひな、ゆん、かおりたちに向き合う中、ピッピみたいな研究者・河野さんと再会し――? 『虹いろ図書館のへびおとこ』、もうひとつの奇跡の物語。 運命を切り拓くのは、たくさんの出会いと想い ■目次 Ⅰ ぼくの運命の一年 Ⅱ 『マヤの一生』 Ⅲ 『ものぐさトミー』 Ⅳ 『女生徒』 Ⅴ 『遠い座敷』 Ⅵ 『神曲』 Ⅶ 『フィレンツェの少年筆耕』 Ⅷ 『ドリトル先生と秘密の湖』 Ⅸ 『ラチとらいおん』 Ⅹ 『坊っちゃん』 Ⅺ 『ノロウェイの黒ウシ』 Ⅻ ぼくらの運命は今 -
ルバイヤート
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「ルバイヤート」とは「四行詩」を意味するペルシア語「ルバーイー」の複数形。九世紀半ば以降の中世ペルシア文学の中でペルシア詩最古の詩形とされています。短く平明な言葉、流麗な文体で、心の赴くままに詠うことができます。詩の形式上の取り決めに対して、詩の想念が優先する詩形といえます。本書は中世ペルシアの四行詩集「ルバイヤート」の日本初の英・日対訳詩画集。フィッツジェラルドの優れた英訳と竹友藻風の流麗な邦訳、そしてバルフォアの美しい挿絵に彩られたルバイヤートの世界をご堪能下さい。 -
サタンタンゴ
2025年度ノーベル文学賞を受賞したクラスナホルカイ・ラースローのデビュー作にして代表作。 ハンガリーのある寂れた農場で、住人たちはかつての村のリーダーが戻ってくるという知らせを受ける。彼らは居酒屋に集い、酔って踊ったり、牽制しあいながら男の帰還を待つ。ある人妻はこの来訪を不遇からの救いとみなし、ある男はこの英雄に疑いのまなざしを向ける。 泥濘に沈む村を舞台に、死んだはずの男の帰還が見捨てられた人々を狂乱の渦へと突き動かす。 永遠に続くかという雨の中、裏切りと救済、陰謀と悲劇が交錯する。 終わりのない強靭な文体が描く、絶望の果ての世界とは。 タル・ベーラ監督により7時間の叙事詩的映画に変容された、空前絶後の傑作。 2014年ベスト・トランスレイテッド・ブック・アワード、2015年マン・ブッカー国際賞受賞。 【書評の一部】 「終末的な恐怖の渦中で芸術の力を再確認させる」——ノーベル文学賞選考委員会 「現代ハンガリーの黙示録的な巨匠」—— スーザン・ソンタグ 「クラスナホルカイのビジョンの普遍性は、現代文学の小さな関心事をはるかに上回っている」——W・G・ゼーバルト 「その時、私は思ったのです。何かを書かねばならない。もっと深い層における「世界」そのものについて書かねばならないと」 ——クラスナホルカイ・ラースロー(2012年8月24日、『ガーディアン』紙) 装丁:松本久木 -
二日月
幼年童話からYAまで幅広い対象年齢に向て児童書を執筆し、野間児童文芸賞、河合隼雄物語賞、坪田譲治文学賞、日本児童文学者協会賞など数々の受賞歴がある、いとうみく。 本作では、妹の誕生を待ち望んでいた小学生の杏(あん)が、障がいをもって生まれた妹の芽生(めい)を次第に受け入れていく成長の過程が瑞々しく描かれる。妹のことを他人から「かわいそう」と言われたり、からかれたりすることで怒りを感じる一方、姉の自分こそが妹のことを「恥ずかしい」と思っていたと自覚する……。少女の心模様と、妹の存在を正面から受け止める凜とした母の姿が、ふたつの柱となって読む者を引き込んでいく。 本作『二日月』は、夏の読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれたが、このたびの文庫化にあたり、小学生だった杏が成人し、結婚・出産を経て家庭をもった姿が描かれる『月立つ』を書きおろし。杏と芽生のその後が描かれる決定版。 文庫版解説は、『二日月』を舞台化した笹部博司氏(脚本家・演出家)。 -
余命一週間の探偵として
ハロウィーンの晩。27歳のジェットは、何者かに殴打されて意識不明となってしまう。緊急手術を行い2日後に目覚めたものの、医師によると、彼女の脳内には確実に動脈瘤が形成されると考えられ、いずれ破裂して死に至るという。手術はほぼ不可能。余命1週間を宣告されたジェットは死ぬまでに自分を襲った犯人を見つけると誓い、幼なじみのビリーと調査を始める。だが、容疑者は身近な人物ばかりで……。究極のタイムリミットに挑む探偵役が、必死で謎を解き明かしていく。『自由研究には向かない殺人』の著者が放つ、圧巻の犯人当てミステリ!/解説=上條ひろみ -
海を破る者
なぜ、人は争わねばならないのか 弘安四年、夏。博多湾に蒙古軍14万の艨艟(もうどう)が押し寄せた。 日本史上最大の国難――元寇。 そのとき石築地(防塁)の外、波打ち際にあえて陣を張った若き武士がいた。 伊予の没落御家人・河野六郎通有である。 かつて名門として知られた河野家は、いまや一族骨肉の争いに沈み、再興の道は遠い。 伯父と当主の座を争う六郎が、奴隷市で買い受けたのが、西域から流れてきた少女・令那と、高麗から連れてこられた青年・繁だった。 言葉も、信じる神も、肌の色も違う三人。 それでも伊予の家で、血のつながらぬ者たちは奇妙にひとつの「家」を築いていく。 血を分けた一族とは争い、血のつながらぬ相手と心を通わせる――その日々の先に、海の彼方から異形の艦隊が現れる。 河野家は寡兵で、博多湾の砂浜に陣を据えた。 身を守る石築地の「外」に。 退路を断つかのようなその構えは、後世「河野の後築地」と呼ばれ、史実に名を残す。 六郎はなぜ、あえて防塁の外へ出たのか。 神風が吹く、その前に、彼は何を守ろうとしたのか。 家か。国か。それとも、共に生きる者たちの命か。 『塞王の楯』『イクサガミ』の今村翔吾が、元寇、鎌倉時代、博多湾、海戦、異文化との共生を壮大なスケールで描く歴史小説。 「別冊文藝春秋」連載時から話題を呼んだ、著者渾身の歴史長編、待望の文庫化! 単行本 2024年5月 文藝春秋刊 文庫版 2026年7月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
遠近法
ルネサンス期のフィレンツェ、10年以上もかけて描き続けているサン・ロレンツォ聖堂のフレスコ画の前でマニエリスムの画家ヤコポ・ダ・ポントルモが槌で殴打され、鑽で胸を刺されて殺害され、彼のアトリエにはフィレンツェ公コジモ・デ・メディチの長女マリアの顔をしたヴィーナスとキューピッドの猥褻な絵が残されていた。ポントルモを殺したのは誰か? いかがわしい絵を描いたのは彼なのか? コジモは信を置く画家で建築家で美術史家のヴァザーリに事件の解明を依頼する。ヴァザーリは、ローマでサン・ピエトロ大聖堂の建設に携わっているミケランジェロに書状を送り事件を知らせ、助言を求めた。ヴァザーリとミケランジェロ、マリアと遠縁のフランス王妃カトリーヌ・ド・メディシス、カトリーヌ・ド・メディシスとコジモの敵であるフランス軍元帥ピエロ・ストロッツィ……火薬庫のような当時のヨーロッパを舞台に繰り広げられた陰謀劇、恋愛劇・・・・・・。目もくらむような人物たちの書簡が全176通。事件は書簡で語られ、書簡で捜査され、書簡で解明される。『HHhH──プラハ、1942年』、『言語の七番目の機能』、『文明交錯』と次々に読者を驚嘆させてきた著者による、傑作書簡体歴史ミステリ。 -
ガス人間
不可解な連続殺人を起こす《ガス人間》。日本中が恐怖と熱狂に包まれる中、刑事と記者は正体を追う。 Netflixシリーズ、小説版! 生放送中のテレビ番組で起きた、人間が突如として膨張し爆死するという未曾有の殺人事件。 犯人は、自らの身体を自在にガスへと変化させ、あらゆる障壁をすり抜ける《ガス人間》だった。 ガス人間による連続予告殺人は、警察の包囲網を嘲笑うかのように、実体を持たぬ恐怖とともに社会を静かに浸食していく……。 その恐怖は、誰も捕まえられない―― 7月2日(木)より、Netflixにて世界独占配信 キャスト:小栗旬、蒼井優、広瀬すず、林遣都、UTA、竹野内豊 脚本:ヨン・サンホ、リュ・ヨンジェ 監督:片山慎三 -
拝啓見知らぬ旦那様、離婚していただきます
『拝啓 見知らぬ旦那様、8年間放置されていた名ばかりの妻ですもの、この機会にぜひ離婚に応じていただきます』 商才と武芸に秀でた、ガイハンダー帝国の子爵家令嬢バイレッタ。彼女には、8年間顔も合わせたことがない夫がいる。伯爵家嫡男で冷酷無比の美男と噂のアナルド中佐だ。 しかし終戦により夫が帰還。離婚を望むバイレッタに、アナルドは一ヶ月を期限としたとんでもない“賭け”を持ちかけてきて――。 周囲に『悪女』と濡れ衣を着せられてきたバイレッタと、今まで人を愛したことのなかった孤高のアナルド。二人の不器用なすれちがいの恋を描く溺愛ラブストーリー開幕! ◇◆登場人物◆◇ 【バイレッタ】 商才に溢れ、武術も得意な才女だが、それを妬む周囲により『悪女』とあらぬ噂を立てられている。 16歳のときに父により無理やりアナルドと結婚させられてから8年、一度も夫の顔も見たことがなかった。 【アナルド】 スワンガン伯爵家の嫡男で、ガイハンダー帝国の陸軍騎兵連隊長。 冷酷な策士で、戦場の灰色狐の異名を持つ。 他人への興味が薄く、上司命令でバイレッタと結婚をしたはずだが……。 -
火焔樹の柩 警視庁捜査一課十一係
さようなら、如月塔子。 100万部突破の大人気シリーズ、堂々完結!! 如月塔子の自宅に不気味なICレコーダーが届く 。差出人は「ジェム」と名乗り、塔子を猟犬に見立てた「狩りのゲーム」の開始を宣言する 。 ヒントに導かれて辿り着いたコンテナにはICレコーダーと血のような赤い手形が残され、女性が監禁されていた 。コンテナの借主の自宅に向かうと、ここにも赤い手形とICレコーダーが 。さらに事態は急転し、塔子の先輩であり相棒でもある鷹野秀昭までもがジェムに拉致される 。警察官をも標的にし、「ゲーム」と称して彼らを翻弄する犯人に、捜査一課十一係が総力で立ち向かう。 -
0冊目の本―今、ぼくの70ページ―
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「本を読みたいけれど、何を読めばいいの? どう読めばいいの?」そんな声を受け、読書の楽しみを伝える『0冊目の本』が誕生しました。ページをめくると、大きな文字! かわいいイラスト! さらに休憩スペースまで! 読書を楽しむヒントが盛りだくさんです。収録作の「今、ぼくの70ページ」は瀬尾まいこさんの書き下ろし小説。中学生の育生と妹の育子の物語です。次に読む本を気分で選べる「おすすめ本紹介」つき! 全国の中学校、高校に無料配布のほか、電子書籍版は各電子書店にて無料でダウンロードが可能です。 ※書店店頭での配布・販売はありません。 収録作「今、ぼくの70ページ」 中学3年生の朝井育生は、絶賛反抗期中。どうでもいいことにイライラしたり、突如やる気がなくなったり、妹の育子をうっとうしく感じたり。でも、中学最後の大会が2週間後に迫り、最後くらいは本気でやってみようかなと考えはじめ――。家族や友達が愛おしくなる、瑞々しいひと夏の物語。 ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
さかさまの
世界がおぞましく”歪む”、因縁と執念のオカルティックホラーミステリ 高校生は百々花は夏休み、親戚で住職の天明紫織を手伝っていた。 ある日、オカルトティストの清水陽陰が建てた奇妙な館「二魚亭」のお祓いを依頼される、 奇妙な館を調査すると、秘密の扉の向こうで遺体を見つける。 その調査を進める中で、百々花がふと目にしたホラーゲーム実況の写真がリンクしてく――。 世界がおぞましく”歪む”、因縁と執念のオカルティックホラーミステリ ●目次 【一日目】 【二日目】 【三日目】 【四日目】 【五日目】 【六日目】 【七日目】 【七十七日目】 ●著者 1983年徳島県生まれ。奈良女子大学文学部卒。 2017年『奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い』で第24回日本ホラー小説大賞優秀賞を受賞しデビュー。近年は「異形コレクション」(光文社)や「幻想と怪奇」(新紀元社)への寄稿など、ホラージャンルで活躍している。 著書に『能楽師 比良坂紅苑は異界に舞う』『世界一くだらない謎を解く探偵のまったり事件簿』『屍人探偵』(マイナビ出版)「奇奇奇譚編集部」シリーズ、『美食亭グストーの特別料理』『ゴースト・テーマパークの奇跡』(KADOKAWA)、『ホテル・ウィンチェスターと444人の亡霊』(講談社)がある。 -
俺が偶然ちいさいおっさんになる確率
【映画化もされた『ストロベリームーン』著者の最新刊】 【笑いあり、涙あり、人情あり、の世直しリトルヒーローファンタジー小説】 正義感の強い30代の刑事である葉月稜児は、SNSやニュースで流れてくる目も当てられない事件、人と人との関係性が希薄で殺伐とした今の世の中に嫌気がさしていた。そんなある日、同僚と飲んだあとの帰宅途中の駅で、一方的にやられている人を助けるべく、喧嘩の仲裁に入る。その日の深夜、妻と子どもたちが寝静まった家に帰宅すると、目の前に”ちいさいおっさん”の集団が出現。ちいさいおっさんたちは何者なのか……。その目的とは……。 令和イチ泣けるとSNSで話題になった『ストロベリームーン』の著者がこれまでとはまったく違うジャンルで書き上げた、世直しヒーローファンタジー小説。 -
泥棒は二度パンを焼く
天才錠前師の錠二が、元パン屋の強盗・太陽に向けた殺意。その瞬間、世界は二つに引き裂かれた。一方は、太陽を撃ち殺して冷酷な「ボス」として裏社会に生きる道。もう一方は、拳銃の故障で殺せず、太陽と共に「パン屋」になる明るい道。泥棒とパン屋――正反対の並行世界を歩む二人の錠二。交わるはずのない二つの運命が、ある「違和感」をきっかけに混ざり合い、物語は予測不能の終局へ加速する。幸せを手にするのは、泥棒か? それともパン屋か? 世にも奇妙な平行世界ミステリー! ※本作品は2023年1月に刊行された単行本『ボス/ベイカー』を改題し、加筆・修正したものです。 -
医人の夢
命を救うはずの場所で 僕は「重い現実」を見た―― 映画『廃用身』原作者が贈る、 「正しさ」を問いなおす物語。 「医者になりたい」高校生×医療ミステリー 医学部受験のため猛勉強中の高校二年生・医人(いひと)。 同級生の父親が喉頭がん治療中に急死し、医療ミスではないかとの話が持ち上がる。 事実を探るべく、主治医、親戚の麻酔科医、各科の専門医、新聞記者と対話し、 「病気を治して人の役に立つ」というきれいごとだけでは説明できない医療の重い現実を知る。 【本文より】 ……「そんな陽の当たる場面ばかり思い描いて医者になったら、すぐに挫折して、やる気のない医者になったり、金儲けに走る医者や、楽をすることばかり考える医者になったりする。医者になるなら、医療の陰の部分をあらかじめ知っておくことが大事なんだ。……医療にはそんな世間から隠された暗くて重い現実があることを知っておくことが、ほんとうの意味でいい医者になるための心の準備になるんだ」…… イラストレーション=石山さやか === 【目次】 第一章 「将来、医者になりたいんです」 第二章 「もし、医療ミスだったら、悔しいな」 第三章 「医療には知らないほうがいいことも多いんだぞ」 第四章 「そう、心の準備だ」 === -
多類婚姻譚
一緒に生きる。わかりあえないあなたと。 一番近くにいる他人-こいびと-。どうして結婚はこんなに難しくなってしまったのだろう。 『流浪の月』『汝、星のごとく』で二度の本屋大賞を受賞した著者が描く、今そこにある愛のかたち。 セクシュアリティ/ジェンダー、金銭感覚、世代間格差、成育環境…… あらゆる価値観の対立の中で現代を生きるわたしたちの祈りと叫び。 【凪良ゆう コメント】 「文芸書としては『星を編む』から2年半、ようやく新刊をお届けできます。 今作は結婚について。 婚姻譚と銘打ちながらも、婚姻への道のりがはてしなく遠い!! これは果たして婚姻譚と言えるのか、と担当さん達と首をかしげる場面もありました。 読んでくださった方たちと”現代の結婚”について語り合ってみたいです。」 【収録作 紹介】 「Thank you for your understanding」 家族の期待に応え、ついに恋人と帰省する決意を固めた華。 「Beautiful Dreamer」 結婚したい。ありふれた夢のはずなのに、東京ではこんなにも遠い。 「小鳥たち」 離婚して、実家の書店を継いだ一葉。そこに偶然、初恋の人がやって来て--。 「Position Talk」 入籍を目前にした男女。性差を越え、個としてわかり合える日は来るのか。 「C'est la vie」 仕事も恋も、魂を分けあった二人。だが、夢のような時間にはいつか終わりが来る。 -
八咫烏シリーズ
※2020年8月8日より、カバーが変更となりました。内容については変更ございませんので、ご注意くださいませ。 松本清張賞を最年少で受賞、そのスケール感と異世界を綿密に組み上げる想像力で選考委員を驚かせた期待のデビュー作は、壮大な時代設定に支えられた時代ファンタジー! 人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」では、世継ぎである若宮の后選びが今まさに始まろうとしていた。朝廷での権力争いに激しくしのぎを削る四家の大貴族から差し遣わされた四人の姫君。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれの魅力を誇る四人は、世継ぎの座を巡る陰謀から若君への恋心まで様々な思惑を胸に后の座を競い合うが、肝心の若宮が一向に現れないまま、次々と事件が起こる。侍女の失踪、謎の手紙、後宮への侵入者……。峻嶮な岩山に贅を尽くして建てられた館、馬ならぬ大烏に曳かれて車は空を飛び、四季折々の花鳥風月よりなお美しい衣裳をまとう。そんな美しく華やかな宮廷生活の水面下で若宮の来訪を妨害し、后選びの行方を不穏なものにしようと企んでいるのは果たして四人の姫君のうち誰なのか? 若宮に選ばれるのはいったい誰なのか? あふれだすイマジネーションと意外な結末――驚嘆必至の大型新人登場! 解説・東えりか -
北京沸騰 天安門秘聞
1989年。胡耀邦の死を受け、揺れる北京。失業中の勇強は、日本人記者・瀬見の現地ガイドを引き受けたことをきっかけに、民主化を求める学生たちと知り合う。初めは政治に関心のなかった勇強だったが、知人女性の失踪の謎を追ううち、共産党の暗部に触れ、やがて学生運動に参加するように。一方、勇強の幼馴染である若きエリート官僚・才敏は、保守派のスパイとして改革派のトップ・趙紫陽に接触していた。学生運動を煽り、趙紫陽の失脚を企む才敏だったが、やがて心境に変化が生まれはじめ――。 保守派、改革派、学生、第三勢力......それぞれの思惑が交錯しながら、中華人民共和国の建設以降、最大の騒擾〈天安門事件〉へと向かっていく。 -
ウルフ・ホール 三部作
「トマス・クロムウェル?」人はいう。「あれはたいした男だ」 1520年代のイギリス、ロンドン。 息子が生まれないと悩むヘンリー八世は、王妃との離婚を願う。しかし、教皇の反対により、一向に離婚協議は進まない。 トマス・クロムウェルは、卑しい生まれから自らの才覚だけで生きてきた男。数カ国語を流暢に話し、記憶力に優れ、駆け引きに長けた戦略家だった。仕える枢機卿の権勢が衰えていくなか、クロムウェルはヘンリー八世に目をかけられるようになるが―― 希代の政治家クロムウェルを斬新な視点で描き、世界を熱狂させた傑作、ついに登場。 著者紹介1952年にイギリスのグロソップで生まれる。ロンドン大学とシェフィールド大学で法律を学んだのち、ソーシャルワーカーとして働きはじめる。ボツワナやサウジアラビアでの滞在を経て1986年に帰国し、歴史小説から随筆まで幅広い分野の作品を発表。2006年にはその功績により大英帝国勲章を授与された。2009年に発表された12番目の著作にあたる本書は、全世界から高い評価を受け、ブッカー賞および全米批評家協会賞、歴史小説を対象とするウォルター・スコット賞を受賞したほか、コスタ賞およびオレンジ賞の最終候補となった。 -
祖国なき者たちへ
1937年。空のオリンピック――平和推進を目的とした青少年エアレースが開催される。パイロット12人が英国から飛行機で出発し、ヨーロッパのさまざまな国を経てパリへ向かい、タイムを競い合う。唯一の女性パイロットで英国代表のステラは、レース初日に恐るべき光景を目撃する。前方を飛んでいた二機の飛行機のうち、上の飛行機が下に向かって意図的に接近したように見えた。そして片方は海に墜落。勝利のために、誰かが殺人を犯したのか? ステラは身の危険を感じて、犯人探しをはじめるが……。国際スリラー作家協会賞YA部門受賞作!/解説=深緑野分 -
倫敦スコーンの謎
「なあ常悟朗。お前に頼んでいいことなのかどうかわからないんだが……小佐内を紹介してくれないか?」堂島健吾曰く、かつて絵の謎を解いた(ことになっている)小佐内さんに、もう一度知恵を借りたいのだという。──美術家の縞大我が、サンフランシスコ・ビエンナーレの黒熊賞を受賞した。健吾は地元のテレビ局に頼まれ学内を捜索、彼の在校時代の作品を発見するが、その作品は模写でありながら展覧会に出品された事実も掘り起こしてしまったのだ。果たしてこの作品は盗作か否か? 小市民を目指す小鳩君と小佐内さんの謎解きの日々。大人気シリーズ、待望の第二作品集。四編を収録。/【目次】桑港クッキーの謎/羅馬ジェラートの謎/倫敦スコーンの謎/維納ザッハトルテの謎 -
SAVE THE CATの法則で売れる小説を書く
映画脚本術の超定番「SAVE THE CATの法則」シリーズに、小説の書き方バージョンがついに刊行! 実際の名作小説を例に挙げて、魅力的な小説/物語を書き上げるための攻略法を実践的に指南! 世界中の小説家/小説家志望者にはスタンダードに読まれている1冊です。 「SAVE THE CATの法則」は、映画やテレビドラマなどの映像業界において、シド・フィールドの脚本術やロバート・マッキーの『ストーリー』とともに、”物語創作メソッドの権威”として知られています。 本書は、その「SAVE THE CATの法則」を用いて小説の書き方に応用した内容になります。 大事な鍵は、ペースの配分。テンポが良くて、視覚的で、登場人物の成長が興味深くて、もれなく構成されている小説なら、どんな大予算映画とも互角に戦えます。そして勝てる。 10の物語ジャンル、15段階のビート・シートでベストセラー小説を徹底分析し、物語の描き方をやさしくレクチャーします。 初級者が最初に読む入門的な1冊として、中~上級者がさらなるアイデアを得たい時のとっておきの1冊として、本書はあらゆる読者にとって重宝されるバイブルとなることでしょう。 -
ケアする心
本邦初訳、韓国発の衝撃の短篇小説集! 純度100%のケア文学 韓国社会と向き合った優れた作品に贈られるシン・ドンヨプ文学賞を受賞している女性作家による注目の短篇小説集。祖母の看病をする長男の嫁、育休中の母親、同い年の子をもつママ友、認知症の父を施設に預けている専業主婦の女性など、収録する10篇の主人公はすべて女性。ワンオペ育児や介護など、家族のケアに時間と労力を捧げる人々がケアされない日常の中で、不安、孤独、嫌悪感、愛着と憎しみにまみれながら静かに奮闘し、どんでん返しが待ち受ける――。 ケアする人が抱える不安や、繊細な感情の揺れを掬い上げ、ケアそのものを取り巻く社会の構造的な問題や矛盾も浮き彫りにする本作は日本の多くの読者に共感と衝撃を持って受け止められるだろう。 「ヨンジュの半分」:かつて同期だったヨンジュは息子を3歳で亡くしていた。「私」は育休中に子どもと出かけた公園で偶然ヨンジュと再会する。頻繁に会うようになったヨンジュの存在がワンオペ育児の唯一の息抜きになっていたが、ある日、ヨンジュが子どもの面倒を見てくれていた時に、死んだ子の名前で子どもを呼んでいる場面に出くわす……。 「ケアする心」:八か月の娘を抱えたミヨンは、職場復帰を前にベビーシッターを探すが、信頼できそうな人はなかなか見つからない。そんな時、同じ団地に夫婦で暮らす高齢女性、ナムヒが名乗りを上げ、自宅で子どもを預かりたいと言う。ミヨンは監視カメラを設置する条件で子どもの世話を頼むが、ある日、映らない場所の秘密を偶然目撃してしまう……。 [目次] 第一部 ナツメ 安 ギョンジャ 第二部 ヨンジュの半分 ケアセンター天国 ケアする心 私の隣人との距離 第三部 入所 特別災難地域 台風注意報 作家のことば 推薦のことば 訳者あとがき -
みんなの短歌
藤本美貴と横澤夏子のダブル3児のママの2人がMCを務める「夫が寝たあとに」(テレビ朝日系)の初番組本! 番組ではこれまで、歌人の俵万智をゲストに迎え「育児短歌」「夏の育児短歌」「冬の育児短歌」を放送。 笑えて泣ける大人気企画となっています。 書籍には、大きな反響があった育児短歌回に加え、俵万智による育児短歌のつくりかたをたっぷり収録。 他にも、豪華ゲストによる本書のための書き下ろし短歌に加えて、視聴者ママたちから募集した短歌から厳選して100首を掲載。 共感が止まらない読みどころ満載の内容です。 一生そばにおいて味わいたい短歌の数々、そして自分でも短歌が作れるようになるテクニックが詰まった一冊となっています。 -
立ち上がる時
『空、はてしない青』著者が描く圧倒的衝撃作 もう愛し合えないのか? パリを代表する舞台俳優として、人生の絶頂にいたフランソワ。しかし、交通事故が日常を永遠に変えてしまった。下半身不随ーー。リハビリを始めるも思い通りにならない肉体と周囲の視線に怒りを抑えられなくなってしまう。秘密の関係を経て彼と結ばれるはずだった若き恋人、エレオノール。彼女もまた運命に翻弄された1人だった。未来のすべてをなげうち変わらぬ愛を捧げようとするが、介護という過酷な現実を前にうちひしがれていく。 絶望の淵で、孤独の闇の中で、「愛」は力をもつのだろうか? -
月夜行路
45歳の誕生日、家族を捨てた。 冷えきった夫との関係や子どもとの生活に孤独感を募らせていた沢辻涼子は、我慢の糸が切れたある日、家出を決行する。飛び出した夜の街で出会ったのは、怜悧で美しい文学オタクのバーのママ、野宮ルナ。 ルナに自分が抱える報われなさの正体が「大学時代の元彼」であることを言い当てられた涼子は、彼女と二人で元彼を探すため大阪へ旅に出ることに……。元彼探しが難航する中、次々と事件に巻き込まれる二人は、無事に想い人と再会できるのか――。 家庭に居場所をなくした主婦×文学オタクのバーのママ 異色なバディが人生を取り戻す旅へ! 名作文学×ミステリー、感動のロードノベル。 仕掛けに騙され泣かされる、圧巻のサプライズエンディング! 特別掌編2編のほか、ドラマ主演を務める波瑠・麻生久美子と、著者の秋吉理香子による鼎談を豪華収録。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 『月夜行路 ―答えは名作の中に―』連続ドラマ化! 主演 波瑠 麻生久美子 日本テレビ系 4月8日スタート 毎週水曜よる10時放送 -
夜なのに夜みたい
頭に描いたものと、目で見たもの。記憶しているものと、今ここにあるもの。それらの間にはきっと時間的、空間的、詩的な差分が存在している。「差分」がはらむエモーションを、移ろいゆく一瞬の光景と感情を、短歌と散文、ふたつの言葉で集めてみたい。歳月・音源・景観・速度・手動・Magic・往来・真偽・Floor・温度・通信・余白・Transit・反射・輪郭 15の窓から切り取った鮮やかなスケッチ。大人気歌人による、待望の短歌×散文集! 【著者略歴】岡野大嗣(おかの・だいじ)1980年大阪生まれ。2014年に第1歌集『サイレンと犀』、19年に第2歌集『たやすみなさい』(ともに書肆侃侃房)、21年に第3歌集『音楽』(ナナロク社)、23年に第4歌集『うれしい近況』(太田出版)、24年に『うたたねの地図』(実業之日本社)、25年に佐内正史との共著『あなたに犬がそばにいた夏』(ナナロク社)を刊行。その他、著書多数。NHK短歌の選者や講師としても幅広く活躍する。 -
エージェントは二度推理する
伝説の人気シリーズ、24年ぶりの日本上陸! 『沈黙のメッセージ』『カムバック・ヒーロー』『ウイニング・ラン』……。90~00年代にわたりミステリーファンを魅了した、敏腕エージェントにして名探偵のマイロン・ボライターと仲間たちが還ってきた! 盟友ウィン所有のニューヨークの高層ビル内で事業を再開したマイロンのもとに、突然FBI捜査官がやってきた。元スーパーモデルの女性が、何者かによって殺害されたのだ。捜査官によると容疑者は、マイロンのNBA選手時代のライバルであり、私生活における因縁の相手であり、のちにマイロンのクライアントとなった男グレグだという。しかしグレグは5年前に失踪し、その2年後に東南アジアで死んだはずだった。 グレグは生きているのか? マイロンは、ウィンや元同僚のエスペランサの力を借りながら、真相を探ろうとするが……。 最後まで先の読めない展開に痺れ、すっかり中年になったマイロンとウィンの変わらないブロマンスに萌える。世界的ベストセラー作家ハーラン・コーベンが日本中の翻訳ミステリーファンに贈る、2026年最強の極上エンタテインメント! (底本 2026年4月発売作品) -
それを世界と言うんだね
物語管理官の少女は、「王子」と呼ばれる少年とともに、物語の世界を救うために立ち上がった――。“世界”の謎を解き、命を与えられた意味を知ったとき、ふわりと心がほどけ、温かな涙があふれる傑作! 読者から募集した物語をカンザキイオリが楽曲化。バーチャルシンガー・花譜が歌う『それを世界と言うんだね』を、綾崎隼がノベライズ。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で総作画監督を務めた錦織敦史の装画で刊行! -
ギアをあげて、風を鳴らして
第38回小説すばる新人賞受賞作。 小学四年生の吉沢癒知は、宗教団体「荻堂創流会」の近畿支部で「降り子(=創父の生まれ変わり)」として信徒から崇拝されていた。幹部の母からは、神聖な身体を持つ者として食事や他者との触れ合いを厳しく制限されていたが、自分に寄せられる信徒の信仰心や日々の「儀式」に抵抗をおぼえはじめていた。そんな癒知の前に現れたのは、家庭の事情で何度も転校を経験している渡来クミ。引越し当初、近所を散策中に見かけた「めっちゃきれかった」癒知に興味津々。ある日、学校のトイレで遭遇したことをきっかけに、ふたりは距離を縮めていく。そして繋がりを持ったのは癒知とクミだけでなく、母親同士も親交を深めるようになり……。 -
いばら姫とおやすみ。
仕事のストレス、カフェインの摂りすぎ、あと残業。大人には眠れなくなる理由が山ほどある。 朝の通勤中、居眠りから目覚めた私の肩で、やたらと目の下の隈が濃い女子高生が眠っていた。その日の夜、退勤する私を待ち伏せし彼女は言った――「お姉さん。お金払うからわたしと一緒に寝て」と。 不眠症だという彼女は、私の隣なら眠れると思ったらしい。そんなの偶然だし、女子高生と添い寝なんて流石にまずい。そうは分かっているけれど、通りすがりの他人に助けを求めるくらい彼女が苦しんでいるのも事実で……。 「……一晩だけ、だからね?」 独りでは眠れない夜も、ふたり寄り添えばきっと温かくなる。 ※特典として、書き下ろし短編ストーリー【魔女のクリスマス・イヴイヴイヴイヴイヴイヴイヴ】を収録。 ■□■□■□■□■□■□■□■□ 登場人物 雨海 時雨 社会人3年目のデザイナー。忙しない日々に少しお疲れ気味。人が良すぎて押しに弱く、いばらの必死のお願いについ頷いてしまい一緒に寝ることに 篠森 いばら 重度の不眠症の女子高生。時雨の肩で寝落ちしたことをきっかけに、「時雨の側なら寝れるかも!」と思い立つ。なにやら秘密も抱えているようで――? -
王妃の帰還 新装版
『BUTTER』で世界中を魅了する著者が贈る 最高に愛おしいガールズ青春小説! 学園の王妃(プリンセス)はお城に 帰ることができるのか―― 滝沢さんを再び王妃に―― 少女たちの革命が始まった! 聖鏡女学園中等部に通うノリスケこと範子は2年B組の頂点に君臨する姫グループのトップ・滝沢さんを心の中で「王妃」と呼んでいた。 しかし、クラスで起きた腕時計事件で王妃は失脚。範子の地味グループに迎え入れたものの、我がままな彼女の振る舞いに気疲れするばかり。 穏やかな日常を取り戻すため、範子たちはある作戦を立てることにするが……。 誰だって、誰かの大事なプリンセスなのだ。 柚木麻子の物語に登場する人たちが、今すぐ、あなたの友達になる。 彼女たちはあなたの味方だ。だって、柚木麻子はずっと、 作品を通して女の子たちの背中を押してきた作家だからだ。 ―――瀧井朝世(ライター・解説より) カバーを一新した新装版登場! -
小説 仮面ライダーリバイス ONE POSSIBILITY
悪魔崇拝組織・デッドマンズの野望を阻止すべく設立された政府特務機関・フェニックスが開発したリバイスシステム。 その適合者として選ばれたのは、五十嵐家の長男・五十嵐一輝だった……が、もしそうでなかったら、はたして……!? 本編では描かれなかった、さまざまな「if」。五十嵐三兄妹を待ち受ける運命は、天国か地獄か? 本編の脚本を担当した、鬼才・木下半太が描く、仮面ライダーリバイス、とある一つの世界線! -
先視の王女の謀
女神の神託…それは月の女神に愛された国フォルトゥーナの王族にのみ告げられる絶対的な女神の意思。 第二王女ディアナは、神託に従い隣国のウィクトル帝国に嫁ぐことになるが、結婚相手の皇帝イーサンは男爵令嬢フィリアを溺愛するあまり、国の政務を怠る愚帝だった。 自らが仮初の皇后であると知ったディアナは戸惑いつつも、神託の実行のために行動を開始する。 あらゆる手段で情報を集め、巧みな交渉術で国の中枢を担う公爵家を次々と味方につけることに成功し、自身の立場を着実に確立していくディアナ。 そんな中、ある日突然豹変した兄イーサンに疑念を抱く王弟ユージンがディアナに接触してくる。 二人は協力して動き出すが、やがて帝国を揺るがす巨大な陰謀に巻き込まれていく。 皇帝の乱心、禁止された呪具、影の国と呼ばれる第三の国…女神の意思はディアナを思いもよらぬ運命に導いていき――!? カクヨムコンテスト10〈ファンタジー恋愛部門〉特別賞受賞作! -
会えてよかった
このような会い難き人に会えたのは、なんという光栄だったろう。みんな肩書きにこだわる人ではなかったからでしょう――。谷川俊太郎と堀内誠一との旅、「街道をゆく」挿画取材で聞いた司馬遼太郎の「千夜一夜」……。画業から著述業まで多分野で活動し、幅広い交友関係を持つ著者が、「会えてよかった」五〇の人や出来事とのエピソードを味わい深くつづる。〈解説〉阿川佐和子 【目次】 高峰秀子/森ミドリ/岸田衿子・今日子/松岡和子/井上ひさし/井上麻矢/テレビ草創期/佐藤忠良/半藤一利/澤地久枝/黒柳徹子/平野レミ/竹田津実/大岡信/奥本大三郎/池内紀/鶴見俊輔/谷川俊太郎/千住真理子/藤原正彦/村松武司/俵万智/大野篤美/杉本秀太郎/「日曜喫茶室」/末盛千枝子/司馬遼太郎/岸惠子/河合隼雄/野田弘志/森まゆみ/小沢昭一/板倉聖宣/有元利夫/檀ふみ/阿川佐和子/猿谷要/日高敏隆/森毅・野崎昭弘/「風景画を描く」/アントニ・タピエス/中易一郎/江國滋/堀内誠一/遠山啓・清水達雄/吉田直哉/「少年倶楽部」/串田孫一/関容子/絵本の世界 -
少年とハリス
開国前夜。 肉親の愛に飢えた少年、日本の行く末を案じるアメリカ人総領事。 幕末動乱期に下田という港町で出会った二人の絆が、この国の運命を大きく変えてゆく…… 江戸時代末期の安政年間――捕鯨の補給基地確保と清国との交易を目指すアメリカは、その圧倒的な軍事力を背景に、強固な鎖国政策を敷く幕府と「日米和親条約」を締結。さらに4年後には「日米修好通商条約」を結んだ。しかし、この条約は天皇の勅許を得ない幕府独断での調印だったため、国論を攘夷強行派と穏健派に二分し、やがて安政の大獄、桜田門外の変へとつながってゆく。まさに幕末動乱の引き金となった条約だったが、果たしてそれは日本にとって真に不幸な出来事だったのか……? 日本の植民地化を狙うイギリス、プロイセン、ロシアといった列強諸国に対抗するため 下田へやってきたアメリカ全権、タウンゼント・ハリス。 その家僕として暮らしを支えた少年・滝蔵。 「日米修好通商条約」締結の裏に隠された異国人と少年の熱き友情の物語。 時代小説の俊英が幕末史に新たな光を当てる感動の歴史ロマン!! -
わたしたちの図書館旅団
1918年、フランス北部。ニューヨーク公共図書館(NYPL)の司書ジェシーは、前線からわずか65キロメートルに位置するブレランクール村に到着した。〈荒廃したフランスのためのアメリカ委員会(CARD)〉のメンバーとして、ドイツ軍との戦いで破壊された図書館の再建を目指すためだ。ジェシーは傷ついた住民に本を届け、兵士に戦地での慰めとなる一冊を紹介し、子どもたちに読み聞かせをおこなっていく。だがドイツ軍が村に迫ってきて……。1987年、アメリカ。ニューヨーク公共図書館の記憶保管課(リメンバランス)で、収蔵されている資料を保存用に撮影する仕事をしているウェンディーは、1918年に発表された〈荒廃したフランスのためのアメリカ委員会〉の会報に興味を惹かれる。第一次世界大戦中、有志の女性たちが集まって、フランス北部再建のために働いたという団体――。そして戦地に渡ったジェシー・カーソンという司書の存在を知り、彼女について調べはじめるが……。『あの図書館の彼女たち』の著者が贈る傑作長編! -
幽霊 新装版
アメリカを代表する女性作家イーディス・ウォートンによる、 すべての「幽霊を感じる人(ゴースト・フィーラー)」のための、珠玉の幽霊物語集。 静謐で優美な、そして恐怖を湛えた極上の世界。 生霊(いきりょう)や幽霊がこの世にいなくなると、何を失うことになるのか、つい考えてみたくもなります。しかし本書での私の目的は、むしろ幽霊を眼に見えるようにしてくれた人びとを称えることなのです。というのは、幽霊が生き残れる唯一のチャンスは、現実にせよ、想像にせよ、──おそらくは想像のほうが好ましいのですが──幽霊に出会ったひとたちの話のなかに存在すること、それを幽霊に忘れさせてはいけません。幽霊にとっては、ぼんやりと「体験される」よりは、いきいきと想像されるほうがありがたいのです。幽霊が影のようにぼんやりしていても、ちゃんと透けて見えるように表現することが、いかに困難なことか、幽霊だけが分かっています。――「付『ゴースト』序文」より 【目次】 カーフォル 祈りの公爵夫人 ジョーンズ氏 小間使いを呼ぶベル 柘榴の種 ホルバインにならって 万霊節 付『ゴースト』序文 訳者解説 【著・訳者プロフィール】 イーディス・ウォートン(Edith Wharton)(著) 1862~1937。ニューヨークの富豪の家に生まれる。1905年、ニューヨークの上流社会を批判的に描いた『歓楽の家』がベストセラーとなる。21年『無垢の時代』でピュリッツァー賞受賞。本作はマーティン・スコセッシ監督で93年に『エイジ・オブ・イノセンス』として映画化された。他の作品に『イーサン・フロム』、『夏』など。 薗田 美和子(そのだ・みわこ)(訳) 元女子栄養大学教授。津田塾大学大学院博士課程単位取得退学。共訳書にS・ギルバート、S・グーバー『屋根裏の狂女──ブロンテと共に』、E・ショーウォーター『心を病む女たち──狂気と英国文化』(以上朝日出版社)、P・リーフ『フロイト──モラリストの精神』(誠信書房)など。 山田 晴子(やまだ・はるこ)(訳) 元玉川大学教授。津田塾大学大学院単位取得退学。共訳書に『屋根裏の狂女』、『心を病む女たち』など。監修書に錢寧著、謝崇怡訳『現代中国青年たちの夢そして現実』(上・下、YMS 創流社)など。 -
海は灰色
有罪判決を受け警察官を辞め、探偵の手伝いをするようになった麻生龍太郎。温泉芸者として流転の生活を送っているという元妻を探して、初雪がちらつくなか、麻生は新潟の山間の温泉町にやって来た。寂れた温泉街で聞き込みを始めた矢先、この町の有力者から資金を受けていたという男が失踪し、直後、宿の女将が何者かに殴られ重傷を負った。この町で何が起きているのか? そして、動揺する麻生の前に、妻を連れ去った男――山内練が現れた……。 『RIKO』、『聖なる黒夜』から連なる麻生龍太郎シリーズ、23年ぶりの長編刊行! 2026年12月頃、続編刊行予定。 著者作家生活30周年記念作品。 -
なぜ日本文学は英米で人気があるのか
世界文学の潮流から、日本文学の快進撃の理由がクリアに見えてくる! 柚木麻子『BUTTER』、雨穴『変な絵』、王谷晶『ババヤガの夜』などが英国の文学賞やベストセラーリストを席巻した2025年。翻訳家・文芸評論家として国内外の文学シーンを長年観測する著者が人気の理由を読み解く。英米の書評に見られる意外な形容、日英翻訳家たちの創意工夫とネットワーク、排外主義的な政治状況に反発する若い世代からの支持……。フェミニズムからミステリ、猫と喫茶店が定番のヒーリングフィクションまで、村上春樹以後の「世界文学としての日本文学」を描く決定版! -
分裂蜂起
【改変歴史警察小説三部作、堂々の完結!】 日露戦争終結から12年経った大正6年。 敗戦した日本は外交権と軍事権を失い、ロシア軍の駐屯を許していた。 11月、ロシアで過激派が蜂起し、臨時政府から政権を奪取したとの情報が入る。 一方、警視庁の新堂は水死体の引き揚げ現場に遭遇し、牛込署の中西と事件の捜査を始めた。 ロシアで勃発した革命の影響が、日本にも着実に忍び寄っていたとは知らずに――。 ロシア占領下の東京、矜持をかけた潜入捜査が始まる。 大きな歴史のうねりの中で、特務巡査としての任務を全うする一人の男の物語、ついに完結。 【著者略歴】 佐々木譲(ささき・じょう) 1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」で第55回オール讀物新人賞を受賞。90年『エトロフ発緊急電』で第43回日本推理作家協会賞長編部門、第8回日本冒険小説協会大賞、第3回山本周五郎賞を受賞。2002年『武揚伝』で第21回新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で第142回直木賞を受賞。16年に第20回日本ミステリー文学大賞を受賞。 『笑う警官』にはじまる「道警シリーズ」のほか、『ベルリン飛行指令』『制服捜査』『警官の血』『沈黙法廷』『抵抗都市』『帝国の弔砲』『遥かな夏に』など著書多数。 -
日下狂四郎の奇奇怪解
時は明治末期。日露戦争が終わって早一年が経とうというのに、民衆の生活は困窮するばかり。兵隊時代の貯蓄が僅かとなった僕こと犬飼馬鞭助(いぬかいまめすけ)は、武を活かす職を求めて東京に流れついた。ひょんなことから、牛乳店を営む三木りん(みつきりん)の屋敷に居候して、警官職の試験を受けることに。 居候を続けるうちに、三木牛乳店に「ぬらりひょん」と綽名される男が、寄生していることを知る。 その男の名は日下狂四郎(くさかきょうしろう)。洋装を身にまとった、ちぢれたザンバラ髪のいかにも怪しい男で、「妖怪狩り」を生業にしているという。民衆の無知蒙昧に付け込み、人心を流言飛語で惑わす連中を、飯の種にしているとのこと。 ならばと、僕は狂四郎という人物を見定めるため、天狗の祟りで奇怪な犬が生まれた村の調査に同道することになった…。 第3回黒猫ミステリー賞特別賞受賞、痛快デビュー作! -
僕の永遠を全部あげる【文庫版】
――君がどこにいようと、僕は必ず君を見つける。たとえ君がどんな苦しみの中にいようと、僕が必ず救い出してみせる。――冷たい雨に凍えていた私にくれたぬくもり。今度は必ず、私が君を見つけ出す。家族からもクラスメイトからもぞんざいに扱われ、生きる意味を見失っている少女・千花。絶望に打ちひしがれていたある雨の日、不思議な少年・留生が現れ傘を差し出してくれた。「――やっと見つけた」という言葉とともに……。人との関わりを極度に恐れる千花に寄り添い、彼女の閉ざされた心をその優しさで少しずつ溶かしていく留生。しかし二人の出会いは、気が遠くなるような年月を経た、悲劇的な宿命を背負っていた――。今最も注目される作家・汐見夏衛が永遠の愛を描いた、号泣必至の青春小説!
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