ロードノベルかと言われると、自信を持って頷けない部分もあるかなぁ。読書体験そのものはたしかにロードノベルだけれど(笑)
クセノスは歴史上の人物の名前のように聞こえるがクセルクセス(古代ペルシャ王)とかきセノフォン(古代ギリシャの軍人、哲学者)とかのような人名ではない。 クセノスは外国人、見知らぬ者
...続きを読む、友人を意味する古代ギリシャの言葉だ。もっと簡単に言うなら、他者である。アバーナシー教授の言うように、 クセノスは人がほとんど気づかない、目立たない身なりをした、その辺にいる者のことだ。歴史全体を通してさまざまな姿で出現した。 夜警や従者、使者や小姓、店主、給仕あるいは放浪者として普通は無名で、得体が知れず、きわめて頻繁に忘れられているが、 クセノスは常に正しい時に正しい場所にあらわれ、出来事の過程において欠かすことのできない役割を演じる。(p.651-652)
というのがテーマなのだろうが、色々な人たちの出会いで主たる登場人物の4人の何かが変わったようにはみえない。道行き後のサリーがエメットをどのように変えたのかが知りたかったがその前で話は終る。
エンディングについては賛否が分かれそう。
どこかトレヴェニアンを思わせた。