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「ミステリが読みたい!」第1位に選ばれた『ありふれた祈り』著者の傑作ミステリ 50年代、アメリカの田舎町。地主の死体が川中で発見され、第二次大戦帰還兵の保安官ブロディの捜査で、日本人の妻を持つノアが容疑者として浮かぶ。弁護士チャーリーは住人たちの過去を調べるが……。エドガー賞ほか四冠に輝いた『ありふれた祈り』著者の新作
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Posted by ブクログ
鬼★5 感涙… まるでこの街に住んでるみたいな感覚に陥るスモールタウン・ミステリー #真実の眠る川 ■あらすじ 第二次大戦の影響が残る1958年、アメリカはミネソタ州の田舎町の大地主が殺害された。保安官を中心に捜査を進めていくと、容疑者として先住民の血をひく男があげられる。 街の住人達は彼を非難...続きを読むし、さらに日本人の妻の身にも危険が差し迫るほど。しかし容疑者の彼は事件について何も語らず、無罪を主張をすることもなかった… ■きっと読みたくなるレビュー 鬼★5 はい、早くも年間トップレベルのミステリー、控え目に言って必読です。 田舎町で事件が起き、地元保安官が捜査をしていくというスモールタウンもの。捜査を進める中、住民たちの関係性やその土地の背景なども描かれる群像劇、人間ドラマになっています。 ずーーーっと読んでいたくなる作品、まるでこの街に住んでるみたいな感覚になる。 ミネソタ州ジュウェルという小さな街で、アラバスター川という静かな川が流れている。みんなこの川に親しんでいて、いつも泳いだり、釣りをしているという古き良き田舎町。 住民たちも皆な家族のような関係性で距離感が近い。煩わしさはあるものの、困ったことや悲しいことがあれば、いつでも声をかけてくれる人たちがいる… いいですよね~、なんか読んでると子どもの頃を思い出しちゃうんです。 ただもちろん悪い部分もある。まだ1950年代、まだ先住民子孫の記憶も強く、第二次大戦も終わって間もないという時期。偏見や差別というのは当然あり、小さな街だからこそ噂が流れるのも速い。さらに誹謗中傷だけでとどまらず、直接的な行動にでることも多い。 この事件の容疑者は先住民子孫、その妻は敗戦国の日本人。肩身の狭い環境に置かれた二人の行動や意識が一番の謎であり、読みどころでもあるのです。 そしてこの夫婦が… めっちゃ素敵なんよ。奥さんキョウコ・ブルーストーンには痺れたなー。まさしく日本人らしい生き様、もうね日本人として誇りに思うよ。 また本作は他のキャラクターも生き生きとして描かれている。 ・保安官ブロディ:これぞ保安官って人、頼れるナイスガイ。しかし彼も人間なんですよね、弱い部分があってさー。一緒にお酒を酌み交わしたくなるね。 ・弁護士チャーリー:女性弁護士、1950年代ですからね、それだけで凄い。意志の強い力強いセリフを見てるだけで、涙が出てくるのよ。正しいことをするぞって姿勢が悶絶級にカッコイイ! ・少年たちスコットとデル:このふたりも目の前に浮かぶんすよ、やんちゃなガキのデルと、彼に抵抗できないスコット少年。まさしく少年時代を切り取ったようなシーンばかりで、自分も同じようなことがあったなー、色んなことを学んで成長してきたなーって思えて、しみじみと胸に刺さる。 他にも保安官の仲間たち、被害者家族、カフェの店員、街の住民など、たくさんの人が出てきます。 全員の顔が目に浮かぶくらい、丁寧に綿密に描かれているんです。ほんと読んでると、みんな知り合いや友達になったような感じがしてくる。だからこそ、この物語をずっと読んでたいという気にもなるし、この街、この世界に行ってみたくなるんですよねー そして本作で最も深く描かれているのは「家族」 被害者家族だけでなく、ほぼ全員の夫婦と親子の関係が綴られているんすよね。それぞれの家族愛をかたち作っているんだけど、そこに避けられない出来事がおこると… やっぱり歪みが生じてしまうんすよね。もうちょっと何とかならんかったのかと… 残念でならない。 物語が終盤になると、事件の背景が浮き彫りになってくる。そしてラストにかけては勢いを増していく。事件の真相を知り、それぞれの思惑が理解できた時、胸に押し寄せる人間のぬくもりに潰されそうになりました。 はー… みんなもっと幸せになってもいいでしょ、神様! って思わずにはいられない。 そして海外の作品は勉強になることが多いですよね。1862年ダコタ戦争による先住民の処刑などは知りませんでした、またアメリカ史を学びました。 今年最初のズバリおすすめ作品です! ぜひ時間を取って、じっくりと読んでみて下さい。 ■ぜっさん推しポイント これまでたくさんの物語を読んできて、「エピローグ」ってのも何度も読んできましたが… 本作の「エピローグ」はエグイよ、マジで泣きました。 そして少し死ぬのが怖くなくなるんですよね。人生で大切なものは何なのかを教えてもらえた気がする。いやー、いい話だった。
2025年間46冊目は、ウィリアム・ケント・クルーガーの「真実の眠る川」です。「怪物の森〜」に引き続いてミネソタが舞台ですが、こちらは、1958年のミネソタになります。ブラックアース郡ジュウェル、アラバスター川と共に生きる人達の物語です。 第二次世界大戦からベトナム戦争前までのアメリカというと、繁栄...続きを読む、栄光の時代というイメージでしたが、別の一面も有る事を教えてくれる小説でした。 第二次世界大戦や朝鮮戦争に従軍した兵士の多くが、精神的・肉体的に大きな傷を抱えて故郷に戻った事、それに対して留守を守った女性達が総じて逞しく描かれています。男性は、石ころのように砕けてしまうと描写されていますが、全くその通りだと思います。女性は、靱やかで強い。冒頭、戦没将兵追悼記念日(メモリアルデー)の場面から始まるのも象徴的だと思います。 南ミネソタ随一の地主と言われるジミー・クインが、アラバスター川の中で死体で発見されます。ショットガンで撃たれており、しかも裸のままの状態でした。ジミーは、善人ではなく、多くの人から嫌われていました。 保安官のブロディ・ダーンが現場に向かいますが、現場に誰もいない時を見計らって、証拠となりうる指紋を拭き取り、証拠品を川に投げ入れてしまいます。法執行機関の人間として、決して許される行動では有りませんが、後で、その理由と心情が語られます。 町の人間は、ジミーの農場の元使用人で有るノア・ブルーストーンが犯人で有るとブロディに焚き付けます。ノアは、先住民のスー族であり、妻は日本人のキョウコで有るとの理由からです。明らかに偏見からですが、ノアの農場の敷地からジミーの血痕の付いた防水布が見つかり、有力な容疑者として逮捕されてしまいます。しかし、ノアは無実を主張しようとしません。このままでは、ノアに重い判決が出るのは明らかです。ブロディは、ノアが誰かを庇っていると推測しますが、喋ろうとしません。果たして、誰を庇っているのか?ミステリーとしても申し分ないと思います。ポイントは、ジミーの複雑な家族関係です。 ジミー・クインの殺人事件が物語の縦軸だとすると、ジュウェルの町の人達の人生が、横軸となっています。 個人的には、オールタイムベスト級だと思います。 ☆5.0今年の最後に素晴らしい物を読みました。
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